許すな!憲法審査会

「とめよう戦争への道!百万人署名運動」ブログを改めて、改憲の憲法審査会動向をお伝えしていきます。百万人署名運動は、「改憲・戦争阻止!大行進」運動に合流しました。

カテゴリ: 憲法

5月14日(木)10時から、今国会5回目の衆議院憲法審査会が開催され、「緊急事態条項のイメージ案」について討議が行われました。
この「イメージ案」は、衆議院の法制局と憲法審査会事務局が作成したもので、下記のような経過をたどって、あれよあれよという間に憲法審査会に提示され、議論されるに至りました。

4月16日自民党の新藤義孝衆院議員は、「緊急事態条項」の創設について、「ここまで議論が進んでいることを踏まえれば、さらに論点を深めるためにも、次回の審査会で、このテーマに関する集中的な討議を行ってはいかがか」と述べた。(『FNNプライムオンライン』2026年4月16日)

4月23日自民党の新藤元経済再生担当大臣は「緊急事態条項は、議論をピン留めする意味でも、次回の審査会で具体的なイメージを明らかにしてはどうか」と述べた。(『NHK ONE』2026年4月23日)

4月28日:衆議院憲法審査会の幹事懇談会が開かれ、緊急事態条項についての議論を深めるため、来月中旬までに衆議院の事務局が条項のイメージ案を作成し、それをもとに討議を進めていくことで与野党が合意した。(『NHK ONE』2026年4月28日)

5月12日:衆議院憲法審査会の幹事懇談会衆議院の法制局や事務局が、これまでの審査会での議論を踏まえて作成した「緊急事態条項」のイメージ案を提示した。与野党はあさって、このイメージ案をもとに審査会で議論をおこなう予定。(「『TBS NEWS DIG』2026年5月12日)

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審査会に提出された「イメージ案」は、以下に掲げるように、「条文案」に限りなく近い体裁のものでした。衆議院憲法審査会のホームページを開いて、「会議日誌・会議資料」⇒「第221国会」と進んでいただければ、読みやすい形でご覧いただけます。


図1

図12

図2

この日は、最初に「イメージ案」を作成した橘幸信衆議院法制局特別参与が35分ほどかけてその内容を詳細に説明し、続いて各会派の代表が1人ずつ7分以内で意見を述べて、11時30分少し前に散会となりました。


緊急事態条項の必要性を大前提として作成されたイメージ案

まず、この日最後の発言者となった畑野君枝氏(共産)が審査会の運営について批判した発言をご紹介したいと思います。
「冒頭、法制局に緊急事態条項のイメージ案なるものを報告させた。前回、一部の会派から条文のイメージ案を作るべきだという主張はあったが、それは全体の合意となったものではない。
そもそも、法制局や審査会事務局は中立・公平な立場で審査会の運営に関わることが求められているにもかかわらず、イメージ案なるものを作らせ、あたかも改憲の議論が進んでいるかのように喧伝するやり方はやめるべきだ。
イメージ案というが、今後のさらなる深掘りの議論の素材とされているように、その内容は緊急事態条項が必要だと主張している政党の意見を並べたものだということも指摘しておきたい。」

畑野氏はこの発言に続いて、「緊急事態条項についていくつか意見を述べる」として、以下のように指摘しました。 
「東日本大震災やコロナ感染症の蔓延でも、緊急事態条項がないから対応できなかったという事態は起きていなかった。災害時には地方自治体が人員や財源を確保していることが重要であり、地方財政を抑圧し合併などによって対応を困難にさせてきた国の政策こそが問われるべきだ。感染症対策も、コロナ禍で浮き彫りになったのは病床や人員を減らし医療や保健所の体制を削減してきた自民党政治の問題だった。その責任を棚に上げ憲法に責任を押しつけるのは筋違いだ。
それにもかかわらず緊急事態条項を憲法に盛り込む目的は、戦争を想定した体制の整備だと言わざるを得ない。自民党が主張している緊急政令や緊急財政処分は、国会の権限を奪って内閣に権力を集中させ人権の制限を可能にするものであり、明治憲法下で濫用された緊急勅令を彷彿とさせる。高市政権が進める戦争する国づくりと一体であり、断じて認められない。」
「国会議員の任期延長の議論も問題だ。そもそも国会議員の任期は国民の負託に基づくもので、選挙困難事態と称して1年もの延長を認め、国民の選挙権を停止することが許されるだろうか。
日中戦争下の1941年、当時の政府は衆議院議員の任期を立法措置によって1年間延長した。挙国一致の戦争選挙遂行体制の確立が必要なときに短期間でも国民を選挙に没頭させることは不必要な議論を誘発するというのがその理由で、選挙を延期し国民の声を抑え込んで無謀な戦争に突き進んだ。国会議員の任期延長のために憲法を変えようというのは、この歴史の教訓を踏みにじるものだ。」
畑野氏は最後に「国民が求めていない改憲のための議論はするべきではないと改めて申し上げて、発言を終わる」と述べました。
わずか1会派、1人とはいえ、審査会の最後にこのような意見が表明されたことは意義のあることだと思いました。

次に、この日の各会派代表の発言を報じた『NHK』の記事を転載させていただきます。

衆議院憲法審査会 緊急事態条項イメージ案もとに各党が討議
『NHK ONE 』2026年5月14日

憲法改正をめぐり、衆議院憲法審査会では法制局などが作成した緊急事態条項のイメージ案をもとに討議が行われました。自民党は「緊急政令」など国家機能を維持するための条項は必須だと主張したのに対し、中道改革連合は平時の国会機能維持もあわせて議論すべきだと訴えました。

14日の審査会では、冒頭、衆議院法制局が緊急事態条項のイメージ案について、大規模な自然災害や感染症のまん延などを緊急事態と定義し、この際には議員任期の延長や内閣が法律と同等の効力を持つ「緊急政令」を制定できることを盛り込んだと説明しました。

このあと討議が行われ、自民党の新藤元経済再生担当大臣は「緊急政令などについて究極の事態に陥った時に備え国家の機能を維持するための条項を設けることは必須だ。おおむね合意を得られるとみなせる論点と、さらに議論を深めるべき論点について整理したい」と述べました。

中道改革連合の国重徹氏は「あくまでも議論の整理であり、課題が改めて浮き彫りになった。緊急時の任期延長だけでなく、平時の国会機能を維持するための臨時国会の召集期限の明記や解散権行使の制限もセットで議論すべきだ」と述べました。

日本維新の会の馬場前代表は「柱は緊急時の国会機能維持や緊急政令などで、細部の論点が残されているが条文化作業の中で議論すれば漸次折り合える。9条の改正ともども速やかに条文化へと歩みを進めるべきだ」と述べました。

国民民主党の玉木代表は「議員任期の特例などを定める必要があり、条文案づくりに着手することが最も現実的な進め方だ。来年春の発議を目指すなら緊急政令の話は蒸し返さないほうが得策だ」と述べました。

参政党の和田国会対策委員長は「緊急事態の対象範囲に感染症のまん延が入っている限り反対だ。憲法を一から国民の手でつくり直す『創憲』が必要だ」と述べました。

チームみらいの古川政務調査会長は「選挙困難事態は議論の蓄積があり、オンライン出席も手段の1つとして検討を進めるべきだ。緊急政令は慎重な議論が必要だ」と述べました。

共産党の畑野君枝氏は「イメージ案は緊急事態条項が必要だと主張する政党の意見を並べたものだ。国民が求めていない改憲の議論はすべきでない」と述べました。

与党側は来週の憲法審査会でも緊急事態条項のイメージ案をもとに討議を行いたい考えで、テーマや進め方などをめぐって与野党の協議が行われます。
* 引用、ここまで。


「ピン留め」を連発した自民・新藤義孝氏

以下、いくつか気になった発言を少し詳しくご紹介したいと思います。
まず、与党筆頭幹事の新藤氏(自民)の意見表明です。氏は、この日提示された「イメージ案」の中で、「概ね合意を得られると見なせる“ピン留め”された論点と、見解が分かれていてさらに議論を深めていくべき論点について私なりに整理させていただきたい」と述べたうえで、「イメージ案のこの部分は“ピン留め”してもいいのかなと思う」という発言を連発しました。

たとえば、内閣による選挙困難事態の認定について、新藤氏は国政選挙の一体性が害されるほど広範な地域で、選挙の適正な実施が相当程度の長期間にわたり困難であること、の2点をもって判断すると位置づけられたことと、この認定があったときは議員任期の延長の特例を適用することは「ピン留め」してもよいのではないかと主張しましたが、そもそも衆院憲法審においてこれまで選挙困難事態の立法事実や議員任期延長の必要性について「概ねの合意」が得られた事実はありません。

したがって、上記の新藤氏の発言は誤りであると言いたいところですが、自民単独で3分の2を超え、維新を含めて4分の3以上、国民民主党を加えると8割強を占めるという現在の衆議院や憲法審の勢力図を見れば、概ねの合意を「得られた」でなく「得られると見なせる」という氏の表現は間違っていないと認めざるを得ません。

新藤氏は、「最後に、緊急政令、緊急財政処分の条項を設けることは必須と考える」、「さらに議論を深めるためにも来週の定例日にもう一度緊急事態条項に関するイメージについての討議を行うことを提案する」と述べて発言を締めくくりました。


この日も暴言を吐いた維新・馬場伸幸氏、意外にまともな主張もした参政・和田政宗氏

もうひとつの与党である維新の幹事、馬場伸幸氏の発言もいつもながらとんでもないものでした。2点紹介しておきます。

1つ目は、「憲法学の世界で参議院の緊急集会の役割・機能について諸説あることは承知しているが、ここは学校ではない。立法府に求められているのは、真に国民と国家の利益にかなう制度は何かという観点であり、無意味なイデオロギー闘争や院のメンツは排除されるべきだ」というもの。「ここは学校ではない」とドヤ顔で学問の営為を切り捨てて恥じるところのない態度に、維新という政党の反知性主義的な体質がよく表われています。また、「院のメンツ」などと言って参議院をバカにしていることも見逃せません。
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もうひとつは、参議院の緊急集会の権能をおとしめるために有権者をさげすんだ暴言で、「主権者たる国民の大半は、参議院選挙で投票する際に政権を選択する重い覚悟で票を投じているわけではないむしろ与党の政権運営が横暴になったり腐敗が目立ったりした場合、与党にお灸を据える思いで日頃支持していない野党候補に投票する傾向が強いことは、各種世論調査で明らかだ。ましてや参議院が国会の権限を一身に担う事態まで想定して投票する有権者はほぼ皆無だと考える。緊急集会が長期にわたって権限を行使することは、有権者の思いから外れた国会運営になりかねない」というもの。こんな人物に国会議員の資格があるのでしょうか。

これに対して、参政党の和田政宗氏は、選挙困難事態時の議員任期延長について、意外と言っては失礼ですが、下記のように筋の通った議論を提起しました。
「衆議院の解散により既に議員でなくなった人物が選挙を経ることなく身分復活するというのは、議会制民主主義において疑義があるという指摘がある。衆参同日選挙が予定されている中で緊急事態が発生しても、選挙で正当に選ばれた参議院議員の半数は現職として存在する。参議院の緊急集会の期間は制限されるという議論があるが、その期間は制限されないという憲法改正や、緊急集会で決定できる内容を拡充してフルスペックのスーパー緊急集会の開催で緊急事態に対応するという憲法改正を行うこともできる。」
「緊急政令、緊急財政処分については、国会機能の維持が困難となった場合における国家機能の維持のためとされているが、国会を開くことができるか、議員が参集できるかどうかについては、国会のバックアップ機能や代替機能を東京とは別の場所に置くことで解決できると考える。」


衆院法制局の「中立」は大嘘、イメージ案に緊急政令、緊急財政処分を盛り込む

緊急政令、緊急財政処分については、上掲の『NHK』の記事にあるように、参政党の和田氏だけでなく、国民民主党の玉木雄一郎氏も「様々な意見があり、来年春の発議を目指すなら蒸し返さないほうが得策だ」と述べ、チームみらいの古川あおい氏も「国会の関与なしに法律に代わる措置を可能とするものであり、慎重な議論が必要だ」と述べました。

このように自民党、維新の会以外の会派がそろって導入に反対あるいは慎重な立場であることを表明している緊急政令、緊急財政処分がなぜ「緊急事態条項のイメージ案」に入ったのか。それは、案を作成した衆議院の法制局と憲法審事務局が与党の指示に従ったから、あるいは与党の意向を忖度したからと考えるほかありません。キーパーソンは自民党の新藤義孝与党筆頭幹事と衆院法制局の橘幸信特別参事です。

この日、イメージ案を説明した橘氏は「これまでの審査会における討議の積み重ねを踏まえて中立的かつ専門的な立場から整理・作成した」と強調していましたし、配布された資料の冒頭にもそのように記されていますが、緊急政令、緊急財政処分について「討議の積み重ね」があったというのは虚偽だと言うほかありません。

さらに言えば、選挙困難事態の議員任期延長や参議院の緊急集会についても、イメージ案の内容はずいぶんと与党寄りになっていて、到底中立的とは言えません。

私たちは、選挙困難事態をでっち上げて議員任期延長の改憲を実現しようとする策動を阻止するとともに、緊急事態条項の「本丸」である緊急政令、緊急財政処分が改憲のテーマとして焦点化することをけっして許してはなりません。

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最後に、この日の審議を受けた中道改革連合と参院側の立憲民主党、公明党の動きを報じた『NHK』の記事を転載させていただきます。

中道 憲法改正めぐり緊急事態条項の必要性など議論
『NHK ONE』 2026年5月15日

憲法改正をめぐり、中道改革連合は、衆議院憲法審査会で緊急事態条項のイメージ案が示されたことを受けて、審査会での各党の議論も見ながら、条項を創設する必要性などについて党内の議論を進めていく方針を確認しました。

衆議院憲法審査会では、憲法改正をめぐり項目の1つとして議論されている緊急事態条項について、法制局などが作成したイメージ案が示され、14日それをもとに各党の討議が行われました。
これを受けて、中道改革連合は15日、党の憲法調査会を開き、会長を務める階幹事長は「国民にとって真に必要かつ有用な憲法改正は何かという見地から議論にあたりたい。緊急事態に国会議員の任期を延長する案は一歩間違えれば恣意的で有害なものになりかねず、慎重に問題点を検討したい」と述べました。
出席者からは「憲法を改正して緊急事態条項を創設する必要があるのか、法律で対応できるのか、丁寧に議論すべきだ」という意見や、「議員任期の延長を認める場合には要件を明確にする必要がある」といった指摘が出され、今後、憲法審査会での議論も見ながら党内の議論を進めていく方針を確認しました。

○中道 立民 公明の憲法調査会長が会談
衆議院憲法審査会で緊急事態条項のイメージ案が示されたことを受けて、中道改革連合と立憲民主党、公明党の憲法調査会長は15日午後、国会内で会談しました。

会談には、衆・参両院で憲法審査会の幹事を務める3党の議員も同席し、イメージ案の内容について共有するとともに、今後、審査会での議論も踏まえ定期的に意見交換を行っていくことを確認しました。
* 引用、ここまで(太字強調は引用者)。

この記事を読むと、中道は緊急事態条項の議論は拒まない方向のようで、心配が尽きません。

この日の傍聴者は60人弱、議場で取材していた記者は5人ほどでともに前回と同程度でしたが、TVカメラが4台も入って記者席に陣取っていました。新聞も含めていつもより報道量も多かったようですが、ネットでいくつかの記事を読んだりニュース番組を見たりしてみても、憲法審査会の動向を批判的に、あるいは危機感を持って報じていたものはほとんどありませんでした。

前回の傍聴記と同じことを書きますが、私たちは厳しい現実にしっかり向き合って、「国論を二分するような」改憲阻止の運動を盛り上げていかなければなりません。(銀)





4月23日(木)10時から、今国会4回目の衆議院憲法審査会が開催されました。
この日は、前回の審査会で与党筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)が提案した「緊急事態条項に関する集中的な討議」が行われ、各会派から1人ずつ7名が持ち時間7分間で意見を表明した後、7名の委員が制限時間5分で発言し、11時20分過ぎに散会となりました。なお、前半に意見を述べた玉木雄一郎氏(国民)と和田政宗氏(参政)は、後半にも古屋圭司会長(自民)から「特例」として発言を認められたので、この日の発言者の実数は12名でした。

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最初に、各会派代表の発言が全て紹介されていた『NHK ONE』と『日テレNEWS』の記事を一部転載させていただきます。▽は『NHK』、○は『日テレ』の記事です。各会派代表の主張の要点をつかむことができると思います。

▽衆院憲法審査会 緊急事態条項に関する集中的な討議を開催
『NHK ONE』2026年4月23日
▽ 衆議院憲法審査会では、緊急事態条項に関する集中的な討議が行われました。自民党は、具体的なイメージを明らかにして議論を行うことを提案したのに対し、中道改革連合は、国会機能を維持する観点から参議院との関係も意識しながら議論を進めることが重要だと指摘しました。

○衆・憲法審査会「緊急事態条項」集中討議 各党の意見は
『日テレNEWS』2026年4月23日
○ 衆議院では23日、憲法審査会が開かれ、大規模災害などの際に政府の権限を強化することなどを可能にする「緊急事態条項」に関する集中的な討議が行われました。
この日は、「緊急事態条項」の中でも、特に国会の機能維持について議論されました。

(以下、各委員の発言です。)
▽ 自民党の新藤元経済再生担当大臣は「緊急事態条項は大規模自然災害などの事態の発生により、国政選挙の適正な執行が困難になることを想定している。議論をピン留めする意味でも、次回の審査会で具体的なイメージを明らかにしてはどうか」と述べました。
▽ 中道改革連合の国重徹氏は「国会機能維持という問題意識のもと、臨時国会の召集期限や解散権行使のあり方も議論する必要がある。緊急集会の機能拡充などは、参議院との関係も十分に意識しながら議論を進めていくことが重要だ」と述べました。
○ 日本維新の会の西田議員は、参議院の緊急集会は、本来、暫定的かつ限定的な制度で、長期にわたる国政運営を担うことを予定していないと述べ、緊急事態条項に関する憲法改正について具体的な目標となるスケジュールを示す必要性を強調しました。
▽ 国民民主党の玉木代表は「起草委員会を設置し、選挙困難事態での国会機能の維持を可能とする条文案づくりを提案する。災害時の議員任期延長など民主主義の基盤をなす制度に関わる論点は合意が得やすい」と述べました。
○ 参政党は、「議員任期の延長といった各論は、付け焼き刃的改正になるのでは」と懸念を示し、議員任期の延長については、憲法全体を見直す中で必要性を議論すべきだと強調しました。また、緊急事態条項の対象に、「感染症のまん延」が含まれることについては、「人工ウイルスが作られ、緊急事態が演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限することが可能になる」として反対しました。
▽ チームみらいの古川政務調査会長は「緊急事態条項全般について議論を始めると各論点がピン留めされないまま時間が経過してしまう。まずは選挙困難事態における国会機能維持に絞って議論を始めるのが現実的だ」と述べました。
▽ 共産党の畑野君枝氏は「緊急事態条項は国会の権能を奪って内閣に権力を集中させ、人権の制限を可能にする憲法停止条項で歴史の教訓に逆行する。災害時などは参議院の緊急集会で対応すべきだ」と述べました。
* 引用、ここまで。

自民・維新は、次回憲法審で「イメージ案」明らかにと要求

今回の「緊急事態条項に関する集中的な討議」は与党筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)の提案を受けて行われたものでしたが、氏はこの日、さらにたたみかけるように「現時点における緊急事態条項の議論をピン止めする意味でも、次回の審査会において何らかの具体的なイメージを明らかにしたらどうか。その内容については、本日の討議を踏まえ、今後筆頭間で協議させていただきたい」と述べました。

 これに対して、維新の会の西田薫氏が「深く賛同する」と応じたのは「さもありなん」というところでしたが、中道改革連合の國重徹氏が「まずは緊急事態条項について集中的に議論を深めていくことには賛同する」と発言したのには本当に失望し、「やっぱりそうなのか」とも思いました。

「緊急政令、緊急財政処分」の内容に踏み込む

さらにこの日、国民民主党の玉木雄一郎氏やチームみらいの古川あおい氏は選挙困難事態時の国会議員の任期延長に絞って議論すべきだと指摘しましたし(玉木氏は条文起草委員会の設置と条文案づくりの着手まで主張しました)、後半の自由討議で発言した河西宏一氏(中道)は「緊急政令、緊急財政処分は議員任期延長とは異なる次元の論点であり、個別発議の原則に照らして別個に検討されるべきだ」と述べていました。

ただ気になったのは、河西氏が「内閣に白紙委任的な緊急政令制定権、緊急財政処分権を認めることは、国の唯一の立法機関たる国会の責任放棄につながりかねず、認めるべきではない」と主張しながら、「仮に憲法に規定するとしても、41条の例外規定ではなく、内閣は、あらかじめ法律の定めるところにより、当該法律で定める事項に係る政令を制定し又は財政上の支出その他処分を行うことができる旨の確認規定にとどめるべきだ」とも述べていたことです。

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またこの発言の後、玉木氏も「緊急政令に関して、書き方は2つある。今中道改革連合からもあったけれども、緊急政令を確認事項として書くということと、議会を開くいとまがないときにはとして一般的に書くということ。これもずっと言われてきた議論だ」と言い、「自民党で緊急政令というのであれば、それはどういう場合なのか」と問いました。この質問については、古屋圭司会長が「幹事会で協議の上、対応を決定させていただく」と引き取りました。

その後、事態はさらに悪い方に進んでいます。『NHK ONE』の記事をもうひとつ転載させていただきます。

衆議院憲法審査会 緊急事態条項の具体的なイメージ案作成へ
『NHK ONE』2026年4月28日

衆議院憲法審査会の幹事懇談会が開かれ、緊急事態条項についての議論を深めるため、来月中旬までに衆議院の事務局が条項のイメージ案を作成し、それをもとに討議を進めていくことで与野党が合意しました。
衆議院憲法審査会は28日午前幹事懇談会を開き、先週23日に緊急事態条項に関する集中的な討議を行ったのに続き、今後の討議の進め方について意見を交わしました。
この中で与党側は、議論をさらに深める必要があるとして、衆議院の事務局や法制局に緊急事態条項のイメージ案の作成を求めることを提案しました。
これに対し中道改革連合や国民民主党は「国民への議論の可視化につながる」などとして応じる考えを示しました。
そして、来月12日に開く次の幹事懇談会までに、事務局が条項のイメージ案を作成し、それをもとに審査会で討議を進めていくことで合意しました。
一方、オブザーバーとして参加した共産党は反対しました。
* 引用、ここまで(太字強調は引用者)。

「条項のイメージ案」がどのようなものを意味しているのかわかりませんが、「条項」というからには、これまでの議論を整理しただけの資料ではなく「条文案」に近いものになるのでしょうか。議員任期の延長だけなのか、緊急政令や緊急財政処分も含むのかも気になります。

いずれにせよ、幹事懇談会で反対したのはオブザーバーの共産党だけ(「付け焼き刃的改正」だと言っていた参政党はどういう態度を取ったのでしょうか)という国会内の厳しい現実にしっかり向き合って、「国論を二分するような」改憲阻止の運動を盛り上げていかなければなりません。

なお、立憲民主党の武正公一氏が会長に就いていたときは定例日の木曜日に審査会か幹事懇談会を開くことが多かったのですが、今国会では火曜日に幹事懇談会を開き木曜日に審査会を開くというパターンが定着しつつあるようです。審査会の開催回数が増えるだけでなく幹事懇談会は密室で非公開で行われるという大問題がありますので、これについても反対の声を上げていきたいと思います。

「NHKで中継を」衆院憲法審査会で要望も…かつて示された局側の見解に議員から失笑ザワつき

上記の小見出しは、この日の憲法審査会について報じた『日刊スポーツ』の記事の見出しです。スポーツ紙らしい目の付けどころだと思いました。

会議中に維新の会の馬場伸幸氏や阿部圭史氏が委員席の後方に控えていた橘幸信氏(昨年12月に衆議院法制局長を退任したあと、この1月から同局特別参与に就いています)のところに近づき何やら相談していると思ったら、今度は橘氏が馬場氏とともに新藤氏のもとへ行って打ち合わせするなど怪しい動きをしているなと観察していると、後半の自由討議で阿部氏が橘氏に次のような質問をしたのです。

「(憲法審査会の)NHK中継について提案したい。主要会派は皆賛同している。(かつてNHKに中継を要望した際に)幹事会にはNHKから返答があったと理解しているが、この場でも共有していただきたい」

これに対して、橘氏は次のように答えました。
「2024年12月13日、幹事会で馬場幹事からNHKに中継を申入れるべきとの発言があり、憲法審査会事務局がNHKからヒアリングしたところ」、「NHKとして明確な基準は設けていないが、国会中継には概ね4つの類型がある。①施政方針演説や所信表明演説とそれらに対する代表質問、②予算委員会の基本的質疑の一巡目、③予算委員会の集中審議で特に国民の関心が高いもの、④その他国民の関心が高いテーマで理事会等から全会一致での要請があることなどを総合的に勘案するということ」で、「NHKとしては、現状では憲法審査会に対する国民の関心は通常の番組編成を変更して国会中継を行うほど高くない、という認識が表明され」、「それが幹事懇談会に報告され、当時の枝野幸男会長より、国民の関心が高まるよう憲法審査会で議論を重ねよう、NHKへの要請は改めて幹事会で協議することとしたいという形で収まったものと承知している。」

このやり取りの前には玉木雄一郎氏(国民)が「NHK中継を是非お願いしたい」と言っていましたし、和田政宗氏(参政)もこの後に「NHKのテレビ中継をしっかり求めたい」と述べましたが、玉木、阿部、和田の各氏は、自らの発言がNHKでの中継に値する、そして中継されれば改憲の気運が高まると認識しているのでしょうか。私は自信過剰ではないかと思いますが、最近の選挙運動におけるSNSの利用とその影響などを見ていると、そうとも言い切れないのかいう気もします。

なお、憲法審査会に限らず、国会での審議の様子は、過去の会議も含めて、衆議院、参議院の『インターネット審議中継』で視聴することができますので、がっかりしたり腹が立ったりすることが多いかもしれませんが、一度はご覧になるといいと思います。

この日、議場で取材していた記者は5人ほどでしたが、傍聴者は前回より大幅に多い60人弱が集まりました。改憲への動きに危機感を抱く人々が増えている現れだと思います。(銀)

今国会での2回目の参議院憲法審査会が4月22日(水)に開かれました。前回(4/15)に引き続きテーマは「参議院議員選挙における一票の較差について」で、具体的には「合区制度の矛盾にどう対応すべきか」というものでした。
私は最初はこのテーマはそれほど重要ではないと軽く思っていましたが、この日の審議で「そうでもない」と考えるようになりました。衆議院憲法審査会で改憲派が大震災などの「緊急時の国会運営の重要性」から入って憲法に緊急事態条項新設をねじこもうとしているように、参議院では違憲状態が問題にされている「合区問題」(選挙制度)から入って憲法の「地方自治」の考え方に手を入れようとしているからです。

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この日は最初から参考人2人から意見表明を受け、その後それぞれの会派の考え方に基づいて質疑応答するという形で進められました。
参考人は下記の2人です。
①上智大の上田健介教授(憲法)
②神戸大大学院の砂原庸介教授(政治学)

参考人発言の簡単な要旨は下記のとおりです。

参院の在り方も議論を 憲法審、合区で参考人質疑
『時事ドットコムニュース(時事通信 政治部)』2026年04月22日

参院憲法審査会は22日、参院選挙区の「合区」の見直しを巡り参考人質疑を行った。参考人からは参院の在り方や、衆院との権限の差別化なども併せて検討する必要があるとの意見が出された。

参院選挙区の基本は都道府県単位だが、「1票の格差」是正のため、人口の少ない隣接県を統合する合区が「鳥取・島根」と「徳島・高知」で導入されている。

上智大の上田健介教授(憲法)は選挙区について「都道府県代表というのが基本的な考え方だが、合区対象の(一方の)県からは選ばれていないという不平等がある」と指摘。参院を各界や地方の代表者と位置付け、立法に関する決定権限を衆院より弱くすれば、最高裁による1票の格差是正の要請を回避できる可能性があるとの見解を示した。

神戸大大学院の砂原庸介教授(政治学)も参院を「地方の利益や意思を反映する機関」とした場合、「人口比例とは異なる代表原理が正当化される可能性がある」と述べた。
*引用、ここまで。

各会派の質疑の要点を的確に押さえた記事を紹介します。

改憲で合区解消「国民理解得やすい」「憲法照らし疑念」 参院憲法審
『朝日新聞デジタル』2026年4月22日

参院憲法審査会は22日、参院選の「一票の格差」をめぐり参考人質疑を行った。「徳島・高知」「鳥取・島根」の「合区」の解消をめぐり、自民党と日本維新の会の与党のほか、国民民主党も改憲を視野に入れる立場をとったのに対し、立憲民主党は改憲に慎重な姿勢を示した。

自民は2018年にまとめた改憲4項目で、合区解消や各都道府県からの議員選出を掲げる。自民の藤井一博氏は改憲による合区解消を念頭に「都道府県という単位は帰属意識を持った共同体として受け継がれてきたものだ」と訴えた。

国民民主の原田秀一氏も「憲法改正が必要であるならば、ためらうべきではない」と述べた。同党の玉木雄一郎代表は21日の会見で、改憲による合区解消について「国民の理解を比較的得やすい分野で、与野党そろって賛同しうるものではないか」と述べた。

一方、立憲の山内佳菜子氏は、憲法が保障する「投票価値の平等」を踏まえて合区解消のための改憲に慎重になるべきだと指摘。改憲論について「憲法の基本原理などに照らして強い疑念を呈さざるを得ない」と強調した。
*引用、ここまで(太字は引用者)。

なぜ、合区解消の改憲なのか?

これは、そもそも自民党が2018年3月に「憲法論議のたたき台素案」の中にあるということです。たたき台素案は、①自衛隊明記、②緊急事態対応、③合区解消・地方公共団体、④教育の充実、の4つです。

「合区選挙区」というのは、参議院選挙で問題とされた憲法第14条「法の下の平等」との関係で「一票の較差」を是正しようとしたもので、都市部の定数を大幅に増やすのではなく地方の定数を減らすということで、人口の少ない県同士を合区にし2013年の参議院選挙から導入されたものです。
しかし、これでも矛盾が解決されずどうするかという問題として出されています。

この日真っ先に発言した自民党の古賀友一議員(審査会幹事)は、「本日、まさに、参議院自民党の憲法改正実現議員連盟が発足しました。」と報告し(後日わかったことは、この議連には90人以上が入会し、「合区」解消を主要な課題とし、月1回の勉強会や全国で国民との対話集会を開くとのこと)、自民党の改憲条文イメージとして47条(選挙制度)、92条(地方自治)について述べました。

「地方自治」改憲も狙われている

その中で、現行憲法第92条の「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。」を下記のように変えると言いました。
「地方公共団体は、基礎的な地方公共団体及びこれを包括する広域の地方公共団体とすることを基本とし、その種類並びに組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」
国会の章(第4章)の47条に、人口を基本としつつも、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案する旨を明記するとともに、地方自治の章(第8章)において、基礎自治体と広域自治体を明確に位置づけるとしています。

この地方自治の章は、国が起こした侵略戦争に国民が総動員されていったこと、とりわけ地方の役場が国の出先機関として徴兵に関する役割を全面的に担わされたことを反省して、二度とそういうことがないよう「地方の自治」「住民の自治」という大事な考え方を憲法上に明記したものです。
そうした大事なところに、選挙制度との関係からスルっと変更を加えようとする意図が感じられ、ドキッとしました。

合区改憲に関する反対する意見

反対の立ち場からの意見としては、憲法を変えるということではなく、現在参議院の「改革協議会」で論議されていることを丁寧に進めていくことで解決するというものでした。

立憲・無所属 山内佳菜子議員
合区制度の不合理は解消されるべきだが、それは憲法改正の手段にはよらず、まずは参議院が国民のために果たすべき衆議院とは異なる独自の機能や役割の検討を求めるべき。現在、参議院の改革協議会でそうした議論が進んでいる。

共産 山添拓議員
選挙制度と組織の在り方、そして権限、これは相関関係にあるというときに、現行の憲法では、全国民代表、また、衆議院と同等の権限や役割を持たせている。
選挙制度については、参議院では参議院改革協議会が設置され、その場で各党各会派参加のもと合意形成を図っている。本来、この憲法審査会における議題としてはふさわしくない。

維新が「参議院でも緊急事態条項議論を」と提案

この日、一番びっくりしたのは、維新の会の松沢成文議員の発言でした。
ひとつは、この日の審査会でのテーマの論議とは全く無関係に、唐突に「当審査会において最も優先して討論すべきは、緊急事態条項の創設、とりわけ国会議員の任期延長と緊急政令、緊急財政措置の在り方である」「いまだ平時のテーマで足踏みしている状態は極めて遺憾」と言って、「幹事会で、緊急事態条項の優先討議を是非ともご協議ください」と幹事会で取り上げるべきと訴えたことです。
実際にどうなるかわかりませんが、憲法審査会全体を改憲発議へと押し立てる役割を維新の会は担っています。自民・維新の条文起草協議会でこうしたことが打ち合わされているのかもしれないと思いました。

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もう一つは、一週間前の審査会でのれいわの奥田ふみよ議員の「茶番」「自民党は恥を知れ」発言について、国会法を引き出して「無礼な言葉」であるとし、謝罪と取り消しを求めたことです。

これに対しては、奥田議員が自身の発言のところで取り上げ、堂々と跳ね返しました。
「憲法審査会は何より憲法25条を全国民に保障するために徹底議論しなければいけない、そんな思いから茶番という言葉になったまでです」「国会議員になって八か月、国会のしきたりに毎日驚いています。…なぜなら、余りに国会の外の生身の生活者、庶民の暮らしとかけ離れた空間だからです。国会の中に今をまじめに生きる労働者たちや主権者が全然いない。憲法審査会の幹事懇談会でうな重を食べながら次回のテーマを決めるという貴族空間に私はたたきのめされました」と言われ、最後に「自民党と維新はとにかく憲法を守れ。そして野党は全国民の平和を守るために暴走政治と真っ向から真剣に言論で闘え。そして、主権者の皆さん、ますます傍聴席を埋め尽くして、国会議員たちをしっかり憲法で縛るために歯止めをかけてください」と訴えました。
奥田議員の緊張感がひしひしと傍聴席にも伝わり、真剣勝負の意見表明に私も心から拍手を送りました。
この日、奥田議員の事務所を通じて185名の傍聴者がかけつけたそうです。狭い傍聴席は何度も入れ替え協力が呼び掛けられましたが、戦争国会が「見える化」され、とてもいいことだと思いました。(S)


4月16日(木)10時から、今国会3回目の衆議院憲法審査会が開催されました。
傍聴の報告に入る前に、12日(日)に開かれた自民党の党大会について触れておきたいと思います。

高市首相「憲法改正、時は来た」 就任後初の党大会、改憲発議に意欲

上の小見出しは、党大会の模様を報じた『朝日新聞デジタル』の記事のタイトルをそのまま借用させていただいたものですが、大会の終盤に行われた『総裁演説』で、高市早苗首相・自民党総裁は、「憲法改正」について次のように述べました。自民党ホームページから該当する部分の全文を転載します。

私たち自民党は、立党から70年、憲法改正の旗を掲げ続けてまいりました。「自主独立の権威の回復」に向けて、日本人の手による自主的な憲法改正は、わが党の党是です。自民党立党直後の所信表明演説で、初代総裁である鳩山一郎総理は次のようにおっしゃいました。「民主政治は断じて力による政治であってはなりません」。民主主義における「議論の重要性」については、論をまちません。一方で、徹底した議論を行った後に、意見の集約を図り、最後は多数決によって決断する。これが民主主義の原則であり、政治の役割であるはずです。

「議論のための議論」であってはなりません。私たち政治家が、国民の皆様の負託に応えるために行うべきなのは、「決断のための議論」なのです。どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法です。私たちの物語を、理想の日本国を、文字にして、歴史という書物の新たなページに刻もうではありませんか。そして、その新たなページをめくるべきかどうか、国民の皆様に堂々と問おうではありませんか。

立党から70年。時は来ました。
「憲法改正」に向け、党員・党友の皆様の総力を挙げて、全国各地で国民の皆様への憲法に関する説明を行うとともに、国会においては、「結論のための議論」を進めてまいりましょう。そして、改正の発議について、「なんとか目途が立った」と言える状態で、皆様とともに、来年の党大会を迎えたいと考えています。「幅広い世代」と「多様な経験」と「豊かな専門知識」を持った人材を擁するわが党の強みを、「憲法改正」にも向けて結集していきましょう。もちろんさまざまな政策でみんなの専門知識が、今、もうフル全開、もうすごい状態になっていますけれども、この憲法改正、とっても大切。私たちの党是、何とか進めましょう。
* 引用、ここまで。(太字は引用者)

具体的な改憲の項目にこそ言及していませんが、高市氏は、「最後は多数決によって決断する」のが「民主主義の原則」だ(維新の主張と全く同じです)とか「どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法」だとか聞き流すことのできないとんでもない見解を披露した上で、改憲の「時は来た」、発議に「目途が立った状態で来年の党大会を迎えたい」と言い放っています。

また、この大会で発表された『立党70年 自民党の歩みと未来への使命』と題する党の『新ビジョン』では、「日本国憲法の前文には“平和を愛する 諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した”とあるが、現実では国連の安全保障理事国であるロシアが侵略行為を行っていることからも、公正と信義に十分な信頼を置ける状況にはないことは明白である」との現状認識が示され(イランに対して「アメリカが侵略行為を行っている」ことは完全に無視されています)、「戦後の国際秩序が大きな転換点を迎えた今」、「国家存亡の危機に備えるための必要な能力を整える必要がある」として、「立党以来の党是である憲法改正の実現に向けた取り組みを進めていくことが今後30年のわが国の安全保障を考える上でも、これまでになく死活的に求められている」と述べられていることも付け加えておきたいと思います。

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16日の衆院憲法審のテーマは、「憲法審査会におけるこれまでの議論を踏まえた今後の議論」でした。各会派から1人ずつ7名が持ち時間7分間で意見を表明した後、6名の委員が制限時間5分で発言し、11時20分頃散会となりました。

最初に、各会派代表の発言のポイントが要領よくまとめられた『FNNプライムオンライン』の記事を転載させていただきます(この記事では発言者の苗字のみ記されていましたので、名前を補いました)。

高市総理の憲法改正「時は来た」発言後、初めての衆院憲法審で与党「緊急事態条項」の集中討議を提案も野党側は賛否分かれる
『FNNプライムオンライン』2026年4月16日

衆議院の憲法審査会が16日開催され、与党から、次回審査会での緊急事態条項創設についての集中的な討議が提案され、野党側は賛否の反応が分かれた。
憲法改正を巡っては、高市総理大臣が12日の自民党大会で「時は来ました。改正の発議について、なんとかメドが立ったと言える状態で、来年の党大会を迎えたい」と憲法改正に向けた国会での論議の進展に強い意欲を示していて、与野党の受け止めが注目されていた。

この日の審査会では、各会派の代表者が順に発言した。

自民党の新藤義孝衆院議員は、災害やテロ、感染症のまん延などにより、選挙が困難となった場合に、選挙期日や議員の任期を延長するといった「緊急事態条項」の創設について、「ここまで議論が進んでいることを踏まえれば、さらに論点を深めるためにも、次回の審査会で、このテーマに関する集中的な討議を行ってはいかがか」と述べて、緊急事態条項にテーマを絞って議論を進めたい考えを示した。

日本維新の会の西田薫衆院議員は、「アクセルを踏んで、議論を進めていくべきは、いずれも火急のテーマである緊急事態条項創設と(憲法)9条改正に他ならない。高市総理は、来年の党大会までに憲法改正の国会発議にめどをつけたいとの強い決意を示されたが、私たち日本維新の会は、その実現のため、全身全霊を傾ける所存だ」として、高市総理の発言にも触れて、緊急事態条項についての集中討議に賛同を示した。

また、国民民主党の玉木雄一郎代表も、高市総理の発言を引き合いに、「私もとっくに時は来てると思う。そして、実際、総理の言う結論のための議論にもトライしてきた自負がある」と切り出した。
そして、国会発議に向けて、「今年の秋の臨時国会には原案を取りまとめて、国会法に基づく衆議院100名以上の賛成、参議院50名以上の賛成で国会に提出しないといけない」と述べた上で、参議院での少数与党を念頭に「現在の自民、維新、公明、そして、わが党の少なくとも4党が合意できるテーマで、議論進めない限り両院の3分の2の議員による発議には結び付かない」と、自らの党の協力が不可欠だと強調した。

一方、中道改革連合の国重徹衆院議員は、緊急事態条項を巡る議論について「論点は、ある程度、整理されてきたのかもしれない。しかし、具体的な認定基準などについては、必ずしも共通認識が得られていない」と述べた。
その上で、「憲法審査会においては、これまでの論議の作法にのっとり、少数会派の意見を尊重しながら、議論を進めていっていただきたい。新しく参加した会派や少数会派の意見を置き去りにしたまま、結論ありきで条文化に進むことは、やはり慎重であるべきだ」と述べ、テーマを絞った議論の進め方に慎重な姿勢を示した。

また、参政党の和田政宗衆院議員は、「参政党は、創憲、憲法を一から国民の手で作り直すことを掲げている。憲法改正の議論には積極的に参加していくが、やはり現行憲法の成り立ちについても、根本的な議論がなされるべきだ」と述べた。
緊急事態条項については、「憲法改正において感染症のまん延、パンデミックが含まれる緊急事態条項の創設に反対だ。今後、もし人工でウイルスが作られPCR検査で陽性を増やすということで、パンデミックによる緊急事態が演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限することが可能になる」と述べた。

チームみらいの古川あおい衆院議員は、「テーマを絞って、議論を行うことが重要であるという点については、チームみらいとしても同意する。これまでの議論の整理や各会派の提案をまとめた資料を基に、具体的な論点について議論を深めるなどの運用を行うことが良いのではないか」と投げかけ、チームみらいとして「国民投票法の議論に一定の時間を確保してほしい。昨今の選挙にまつわる環境の変化や、AIの進展なども踏まえて、各会派の意見をうかがいながら、建設的な議論ができるテーマだと考える」と述べた。

共産党の畑野君枝衆院議員は、中東情勢に触れて「戦争と平和が今、鋭く問われている。戦争を終結させることが何よりも必要だ。憲法9条を持つ日本政府は、そのための役割を果たすべきだ」と述べた上で、特にアメリカに対しては、国際法に違反している可能性を指摘し、「日本政府の姿勢が厳しく問われている。戦争を許してはならないという憲法9条の精神に立って、争い事を話し合いで解決するために知恵と力を尽くすことが必要だ」と主張した。
* 引用、ここまで。

この記事にあるように、この日の審査会では、維新の西田氏と国民民主の玉木氏がそろって12日の自民党大会での「改憲の目途が立った状態で来年の党大会を迎えたい」という高市首相の発言を引いて、「全身全霊を傾ける」と言ったり(西田氏)、具体的な進め方を提案したり(玉木氏)しました。

2017年5月3日、安倍晋三元首相が改憲派の集会にビデオメッセージを寄せて「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と述べ、9条への自衛隊明記を挙げたことがありましたが、その後、今国会から再び与党筆頭理事となった新藤義孝氏(自民)が毎週定例日の開催を強行するようになった2022年まで、憲法審査会の議論は停滞が続きました。森友・加計問題等の影響もありましたが、改憲の発議権を有する国会を無視するかのような安倍氏の発言に対する反発が大きかったからだと思います。

そのときに比べて、今回の審査会では、与党の維新・西田氏はともかく一応は野党の国民・玉木氏までが高市発言に迎合する一方で、批判したり苦言を呈する発言者が皆無だったということに、強い危機感を覚えずにはいられません。
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緊急政令・緊急財政処分や9条改憲の主張にも注視・警戒を

この日、自民党の委員は新藤氏を含めて4名が意見を表明しました。
まず、前半の会派代表の発言で新藤氏が「選挙困難事態」における議員任期延長を中心に議論を展開した後、後半の自由討議で鬼木誠氏が緊急政令について、和田義明氏が緊急財政処分について述べました(もう1人の発言者は秋葉賢也氏でした)。
このうち鬼木氏の発言を紹介したいと思います。

「想定される事態に関してあらかじめ法律を制定し緊急時に講じることができる措置を整備しておくことは当然であり、現在でも他国からの武力攻撃や大規模な自然災害、感染症の蔓延等に備えてそれぞれの分野で緊急事態対応のための法律が整備されている。災害対策基本法、国民保護法や新型インフル等対策特措法には法律上の緊急政令制度が設けられており、緊急時にはこれらの法律に基づいて内閣が一時的・暫定的な措置を講じられるようになっている。

しかしながらこれらの個別法に基づく緊急政令で取り得る措置は①物資の配給・譲渡制限等、②物価等の統制、③モラトリアム(金銭債務の支払いを一定期間猶予すること)、④海外支援の受け入れという4類型に限定されている。海外支援の受け入れは阪神・淡路大震災の発災によって初めてその必要性が確認され、1995年の法改正により災害対策基本法に追加されたものだ。

もし緊急事態が発生し国会が機能不全に陥った場合に、これらの類型以外の立法措置が必要になったらどうすればよいのか。現行憲法には国会が機能不全に陥るほどの緊急事態が生じた場合に対処するすべは何も定められていないため内閣が超法規的措置を行うほかないが、それでは国会の事後的な承認という民主的統制も働かなくなってしまう。

このような民主的統制の働かない内閣の超法規的措置を認めるのではなく、国会があらかじめ制定した法律の枠組みの下で内閣に一時的・暫定的に立法権を与え事後的に国会が統制するという緊急政令制度を憲法に設けておくことこそが立憲主義にかなうものと考える。

関東大震災などで発出されてきた緊急勅令の内容は現在個別法に基づく緊急政令制度に取り込まれているからこれ以上必要ないという主張もあるが、阪神・淡路大震災において海外支援の受け入れの必要性が発見されたように、どのようなメニューが新たに必要になるかは予測不可能だ。」
(太字は引用者)

私にはこの発言は全く腑に落ちませんでした。「国会が機能不全に陥るほどの緊急事態」とか「国会があらかじめ制定した法律の枠組み」とか言われてもイメージが浮かんできませんし、「超法規的措置」に国会の事後的な承認という民主的な統制が働かないというのはどういう意味でしょうか。そして私が最も違和感を覚えるのは、どんな想定外のことが起こるかわからないから緊急事態条項が必要だと主張する勢力と、ひとたび過酷事故が起こればどんな事態が生じるかが実例としてまざまざと示されたはずの原子力発電の最大限の活用を主張する勢力とピッタリ重なっていることです。これって本当におかしいと思いませんか。

もう1つ、9条改憲をめぐる意見も紹介しておきたいと思います。
この日、維新の委員は発言の機会を得た2人そろって9条の改憲に言及しました。まず、会派を代表して発言した西田薫氏は、「アクセルを踏んで議論を進めていくべきは、いずれも火急のテーマである緊急事態条項の創設と9条の改正にほかならない」、「次回以降の審査会で緊急事態条項及び9条に関する集中討議を順次行っていくことを提案させていただく」と述べ、自由討議で阿部圭史氏は、「単に自衛隊という名称を憲法に明記するだけでは我が国の安全保障にとって不十分であり、自民党の皆様には2012年の憲法改正草案の趣旨を今一度想起していただくことを切に願っている」と発言しました。
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また、参政党の和田政宗氏は、「参政党は現行憲法に自衛隊を明記するだけでは不十分であると考えている」、「自衛隊の行動はポジティブリスト方式で制限されており、他国の国防軍のようにネガティブ方式になっていない」、「参政党は真に国家と国民を守れる憲法とすることの議論をまず行うべきと考えており、この根本的な議論をした上でなければ条文案の作成に入ることはまだ早いと考える」との見解を表明しました。

そして、国民民主党の玉木雄一郎氏は、「来春までに発議の目途を立てるというなら9条改正に安易に手をつけない方がいい」と言いながらも、「自衛隊を9条2項で禁止されている戦力として位置づけるべきであり、9条1項、2項は維持した上で2項の例外として実力組織としての自衛隊と自衛権を位置づけるというのが私たちの考えだ」と踏み込んでいました。

この日は意外にも自民党の委員が9条改憲に触れることはありませんでしたが、翌17日には早速次のような動きがあったことが報じられています。『NHK ONE』の記事を転載させていただきます。

自民・維新 憲法9条改正議論の経緯確認 協議加速で一致
『NHK ONE』2026年4月17日

自民・維新両党は、先の衆議院選挙後では初めて憲法改正に関する協議会の会合を開きました。憲法9条の改正に向けた議論の経緯などを確認し、高市総理大臣の意向も踏まえ与党内の検討を加速させることで一致しました。

自民党と日本維新の会は、17日、先の衆議院選挙後では初めて両党の連立合意に基づく「憲法改正条文起草協議会」の会合を開きました。

この中で、自民党側の会長を務める新藤元経済再生担当大臣は、「9条の改正案について憲法審査会でどのような整理がなされてきたかを踏まえ、まずは実務者でしっかり議論していきたい」と述べました。
維新側の会長を務める馬場前代表は、「高市総理大臣から憲法改正に向けて力強いことばがあった。憲法審査会をさらに動かすためにも与党内での合意形成を早急に図ることが肝要だ」と述べました。

そして、会合では憲法9条の改正に向けた議論の経緯などを確認し、高市総理大臣が来年の自民党大会までに憲法改正の発議にめどをつけたいと強い意欲を示したことも踏まえ、与党内の検討を加速させることで一致しました。
* 引用、ここまで。

やはり9条改憲、すなわち自衛隊または国防軍、集団的自衛権の明記についても警戒を怠ることはできません。

中道改革連合や共産党の委員の発言も紹介すべきかもしれませんが、なかなか前向きのことが書けませんので次回以降に先送りさせてください。

この日、記者は4人ほどで前回から半減していました。傍聴者も減りましたが40人弱が集まりました。平日の開催ということで傍聴者の平均年齢は相当高いのですが、このところ国会外での改憲・戦争反対の行動に若い人々が大勢参加するようになってきていることに希望を感じながら、傍聴を続けたいと思います。(銀)


本国会第1回目の参議院憲法審査会が4月15日(水)午後に開催されました。
初回ということもあり、最初に憲法に関する考え方について各会派の意見表明がなされ、その後、「参議院議員選挙の1票の較差について」の意見徴収、質疑応答となりました(約2時間強)。

参議院憲法審査会の委員は全部で45人で、構成会派は8つです。
それぞれの委員数は下記のとおり。
自民 19人
維新  4人
国民  5人
参政  3人
公明  4人
立憲   7人+1人(会長)
共産  1人
れいわ    1人
合計 45人
参院憲法審

憲法についての考え方

各会派の意見表明のポイントは下記のようなものでした。

(自民・中西裕介)
●すでに、①自衛隊明記、②緊急事態対応、③合区解消・地方公共団体、④教育充実の4項目について、条文イメージ、たたき台素案を持っている。
●①について:9条1項、2項の条文を維持し、必要な自衛の措置を担う自衛隊を明記するというイメージ。
●②について:参議院の緊急集会の活動期間や権能について整理する。衆議院任期満了時にも対応できるよう明記すべき。
●③について:弊害の多い「合区」は是正すべき。これに関連し「地方自治の規定」についても検討すべき。
●④について:憲法に教育に関する理念と規定をを定めるべき。

(立憲・小西洋之)
●憲法は国家権力を制限するもの。
●立憲主義に基づく論憲の力で憲法を守り生かす。
●9条は国民による国会や内閣への武力行使に関する民主的統制の規範。
●衆議院で国会議員の任期延長改憲で条文起草委員会の設置が主張されているが、任期延長改憲は論理破綻しており、起草委員会設置は許されない。

(国民・山田吉彦)
●憲法は、国民の安心、安全な生活を守るためにある。
●国土を守る、国民を守るという国家の基本的義務を憲法に明確に位置づける必要あり。

(公明・谷合正明)
●国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の3原理を堅持した上で、必要な規定を付け加える加憲が検討されるべき。
●憲法9条と自衛隊の問題、参議院の緊急集会などもそうした立場で議論していく。
●平和安全法制定時、安倍総理などから、我が国が自衛権を発動して、国際法上認められていない違法な武力行使を行った国を支援することはない旨答弁があった。イラン攻撃について法的評価を行うべき。

(維新・片山大介)
●すでに、①教育の無償化、②統治機構の改革、③憲法裁判所の設置、④自衛隊の明記、⑤緊急事態条項の創設、の5項目の改正原案を公表している。
●④については、9条の2項削除による集団的自衛権行使の全面容認の必要性を訴えている。
●④と⑤については、自民党との条文起草協議会が開催されており、参議院憲法審査会の下にも条文起草委員会を設置し改正案の作成をめざしたい。

(参政・塩入清香)
●憲法には日本人の価値観を反映し、日本が自立するために理念が必要。部分的ではなく一から作り直す創憲を提唱している。

(共産・山添拓)
●憲法は権力を縛るもの。
●9条の戦争放棄と戦力不保持のもとで、歴代政府は、軍事費GNP比1%以内、専守防衛、集団的自衛権は行使しない、敵基地攻撃能力は保有しない、非核3原則を堅持し、武器輸出は慎むなどの原則を掲げてきた。
●憲法審査会は動かすべきではない。
●改憲案を具体化するための条文起草委員会は必要ない。

(れいわ・奥田ふみよ)
●憲法は、主権者である国民から政府に突きつけた命令。80年前の戦争を政府は国家犯罪であることを認め、主権を国民に享受した。
●25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、これを実現させることこそ国会議員の務めだ。
●12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」、これは暴走政府のせいで多くの血を流した先人たちの知恵。傍聴席を主権者で埋め尽くそう。

改憲反対の民意が国会を取り囲んでいる

この日の憲法審査会の中で、山添議員と奥田議員だけが4月8日の国会前3万人の戦争反対、改憲反対のペンライトデモに触れました。「高市政権の危険を前にいても立ってもいられないという多くの若い世代が、初めて参加する人々が…行動しています」(山添)、「憲法改正の動きに反対する大規模デモが続いている」(奥田)

また、この日、奥田議員の関係で72人が傍聴に駆け付け、全体で120人を超える傍聴者になりました。改憲派の議員席をにらみつけ、奮闘する奥田議員には大きな拍手が沸き起こりました。
その少しあとで、審査会会長(立憲・長浜)が傍聴席に向かって「傍聴人は、傍聴規則により、議事に関する賛否の表明その他議事の妨害になるような行為は禁止されております。」と言いました。
確かに傍聴券の裏に印刷されている禁止行為の中に「拍手」もありました。でも、これはどう考えてもおかしいことです。「傍聴者はだまってじっとしていろ」と言わんばかりです。この一事の中に、国会がいかに民意とかけ離れている存在であるかが示されていると思いました。

一票の較差、「合区」問題について

憲法審査会の進め方については、事前の「幹事会」(自民4、維新1、国民1、参政1、公明1、立憲3)で決められるのですが、この日と次回は「一票の較差」問題の調査となったようです。選挙制度の問題であり、おそらくすべての会派にとって異論のないテーマから入るということなのでしょう。

最初に、「通常選挙定数較差訴訟の最高裁判決の説明聴取」ということで、 本多恵美 憲法審査会事務局長から報告があり、その後、下記の2人の参考人からの意見陳述と質疑応答となりました。
   ①平井伸治 (全国知事会副会長鳥取県知事)
   ②志摩恭臣 (徳島弁護士会合区問題PT座長、弁護士)

このテーマで約1時間。ただ、わかりにくかったです。衆議院の小選挙区制で多くの民意を切り捨てて進む現実をそのままにしておきながら、参議院選挙での「一票の価値」「地方の民意」が強調され、さらにその関係で憲法上の「地方自治」にも踏み込もうとしており、さまざまな矛盾を感じました。

この日の憲法審査会は、傍聴席が改憲に反対する傍聴者でいっぱいになり、かつてなく可視化され、「監視」できました。でも、この憲法審査会は「改憲案発議」のためにつくられたものであり、憲法改悪に向けての「レール」そのものであることを忘れてはなりません。改憲派が牛耳る国会で動かしてはいけないものなのです。
戦争に向かった憲法改悪を止める力は、国会を取り巻く改憲・戦争反対の民意の広がりにこそあります。みんなの力でペンライトデモなどをもっともっと大きくしていきましょう!(S)

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