5月20日(水)午後1時から今国会3回目の参議院憲法審査会が開かれました。今回は連休前2回(4/15、4/22)にわたって行われた「参議院議員選挙における一票の較差」問題での参考人質疑を経て、改めて各会派が意見表明をするというものでした。
8会派の代表がそれぞれ10分ずつ意見表明をしたら、「これにて散会」となり、約1時間10分といつもより短いものでした。
発言内容も、基本的にそれぞれの主張が繰り返されたもので、自民党が具体的に出した「合区改憲条文イメージ」への賛成意見はほとんどありませんでした。
各会派の意見要約は下記のとおりです。
参議院憲法審査会 「1票の格差」テーマに各党が意見表明
『NHK ONE』2026年5月20日18:27
参議院憲法審査会が開かれ、「1票の格差」をテーマに各党が意見表明を行いました。自民党が選挙区で導入されている「合区」の解消などに向けて憲法改正の方向性を整理すべきだと主張したのに対し、立憲民主党は憲法改正による「合区」の解消に反対する考えを示しました。
この中で、自民党の中西祐介氏は「『合区』は投票率の急激な低下や無効票の増加といった議会制民主主義の根幹に関わる問題が明らかであり、『合区』の解消と地方自治に関する憲法改正について方向性を整理すべきだ。また、緊急集会や緊急事態条項についても一刻も早く議論に入ることが参議院の責務だ」と述べました。
立憲民主党の吉田忠智氏は、「『合区』は投票率の低下など、制度として限界に至っており、不合理は解消されるべきだが、『合区』を解消するための憲法改正については、投票価値の平等という国民の基本的人権を著しく損ねるなど、憲法の基本原理などに照らして強い疑念を呈さざるをえず、明確に反対する」と述べました。
国民民主党の川合参議院幹事長は、「『1票の格差』を是正する視点のみで『合区』を推進すれば、過疎地域の民意は置き去りになる。参議院の役割を達成するための最適な制度を議論の前提とすべきで、速やかに論点を整理し、参議院の意思を表明することを求める」と述べました。
公明党の原田大二郎氏は、「最高裁判所から投票価値が不平等と判断されない制度へ抜本改正を図り、『合区』による不満や疑念を解消するには法改正で対応すべきだ。ブロック制による大選挙区制の導入が最も望ましい」と述べました。
日本維新の会の片山大介氏は、「道州制移行の目標を堅持しつつ、『合区』の解消を議論する必要性は共有する。有権者が代表を選ぶ意識が妨げられることは放置してはならないが、投票価値の平等の実現と議員定数削減も議論する必要がある」と述べました。
参政党の安達悠司氏は、「今の選挙制度を続けていく中では各都道府県に1つの選挙区を置くことは大切であり、『合区』は解消すべきだ。参議院の『合区』問題も占領下でつくられた憲法に起因しており、選挙制度も憲法とともに根本的に見直すべきだ」と述べました。
共産党の山添政策委員長は、「投票価値の平等を実現し、多様な民意が正確に議席に反映され、定数削減は行わない方向での抜本的な見直しが求められる。一連の議論は参議院改革協議会などの議題であり、憲法審査会を動かす理屈にはならない」と述べました。
れいわ新選組の奥田共同代表は、「『1票の格差』の問題も重要なテーマだが、今このタイミングでこの話に終始してよいのだろうか。党としては改憲ありきの憲法審査会の開催自体を否定し続けており、今ある憲法を守らない者が憲法を変えようとするなという考え方だ」と述べました。
*引用ここまで。
衆院「緊急事態条項イメージ案」への批判
立憲民主党の吉田忠智議員から、5/14の衆議院憲法審査会で出された衆議院法制局の「緊急事態条項イメージ案」に対する批判表明がなされました。
主要な批判点は、参議院の「緊急集会」についてです。吉田議員は、参議院憲法審査会での論議によって衆議院憲法審査会で盛んに言われた「緊急集会は70日間に限定」説が覆されたにもかかわらず、相変わらずこれが衆議院での「議員任期延長」の根拠にされているということを指摘し、改めて、緊急集会が日本国憲法の中に創設された立法事実や根本趣旨が無視されていると強調しました。
「緊急集会は、…、任期延長の間に太平洋戦争が開戦される等の戦前の権力の濫用の反省を根本趣旨とするものであって、議員任期特例とのすみ分けを考えること自体が緊急集会そのものの否定であり、いかなるときにも民主政治を徹底するために国民代表である参議院議員に緊急集会を担わせるとした金森徳次郎大臣の憲法制定議会での答弁を、我々参議院議員は深く胸に刻む必要があります」
さらに吉田議員は、3年前の2023年5月に衆議院法制局が出した緊急集会に関する資料において、緊急集会の立法事実の根幹を詳細に表した当時の日本政府とGHQとの交渉記録の箇所がなぜか記載されていないなど不可解な箇所が三点あったこと、立憲民主党の参議院議員による憲法調査会などの指摘によって、そのうちの二点が改善された補訂版が2025年3月の衆院憲法審に再提出されたことの重要性について指摘しました。
そして、残りの一点の「多くの憲法学者が70日間限定説などを採用している」という学説整理についても、「昨年4月16日の本審査会における川崎参議院法制局長の答弁によっても明確に否定されている」と指摘しました。
さらに吉田議員は、3年前の2023年5月に衆議院法制局が出した緊急集会に関する資料において、緊急集会の立法事実の根幹を詳細に表した当時の日本政府とGHQとの交渉記録の箇所がなぜか記載されていないなど不可解な箇所が三点あったこと、立憲民主党の参議院議員による憲法調査会などの指摘によって、そのうちの二点が改善された補訂版が2025年3月の衆院憲法審に再提出されたことの重要性について指摘しました。
そして、残りの一点の「多くの憲法学者が70日間限定説などを採用している」という学説整理についても、「昨年4月16日の本審査会における川崎参議院法制局長の答弁によっても明確に否定されている」と指摘しました。
なお、立憲民主党が党の憲法調査会(5/19)への「イメージ案」説明を衆院法制局に依頼したが断られたとのことでした。詳しいことはわかりませんが、不可解なことです。
傍聴者から見ても、衆院法制局の「緊急事態条項イメージ案」は、これまでの任期延長議論の中で出されてきた批判意見が全く反映されてないものであることは明らかです。非常に恣意的なもので、これを「たたき台」としての「条文化」をやってしまおうなど、白昼公然と強盗をやるのか!(例えがちょっと合ってないかもしれませんが…)と、絶対に許せません。
どんどん団結し、大きなうねりを!
この日最後の意見表明は、れいわの奥田ふみよ議員でした。奥田議員は、沖縄・伊江島の故阿波根昌鴻さんの言葉「平和への最大の敵は無関心である。戦争への最大の友も無関心である」を紹介し、戦争への危機感と高市政権への憤り、また、労働者民衆への決起を呼びかけました。
「この戦争ビジネスの下請けをアシストする政治屋どもをおりにとどめることができるのは、改憲を止められるのは、主権者の皆さんです」
「一人でも多くの目覚めた主権者がどんどんデモや傍聴で連帯し、どんどん団結し、大きなうねりを広げ、揺るぎない数の力で戦争の道へとつながる改憲を絶対に止めていきましょう!」
奥田議員は国会議員に対峙し、全力で主権者に訴えていました。与野党議員はみんな、あっけにとられているかのようでした。
国会の外では、音を立てて戦争訓練が始まっている
4月20日~5月8日にフィリピンで行われた米フィリピン合同演習「バリカタン」に、1400名規模の自衛隊が本格的に参加し、日本の88式地対艦誘導弾と米国のトマホーク巡航ミサイルの洋上標的撃沈演習が行われました。
これは、いま沖縄南西諸島で計画されている米海兵隊の、対中国の戦争作戦「遠征前進基地作戦(EABO)」と一体のものです。
続く5月17日~22日には、沖縄南西諸島の宮古・石垣・与那国の3島で陸上自衛隊の「陸上総隊演習」が300人規模で初めて実施されました。在沖米海兵隊員も参加して、対中国を念頭に機動展開訓練を行っています。
こうした訓練に対して、島々の住民たちは「戦争訓練やめろ!」と自衛隊基地の前で体を張って闘っています。
これが、現実です。
これが、現実です。
いま、国会の中で行われているのは、実際に進められている戦争体制を労働者民衆に最後的に強制していくための法整備、憲法改悪です。
戦争国会を包囲し、この目論見を全力で打ち砕きましょう。(S)
*次週水曜日(5/27)は「幹事懇談会」が開かれる予定で、憲法審査会は無いそうです。
*次週水曜日(5/27)は「幹事懇談会」が開かれる予定で、憲法審査会は無いそうです。

