7月14日(日)に、東京・曳舟文化センター劇場ホールで国鉄闘争全国運動(「国鉄1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動」の略称)の全国集会が開かれ、全国から620人が参加しました。

この運動は、2010年の国鉄1047名解雇撤回闘争の政治和解、解雇撤回も不当労働行為の謝罪もないまま国鉄闘争の幕引きが狙われたことに対して、「国鉄闘争の火種を消してはならない!闘う労働運動をつくり直そう!」と始められたもので、今年で15年目になります。

国鉄1047名解雇撤回闘争を軸に新自由主義攻撃との粘り強い闘いの中で、ストライキを闘う労働組合が次々と育ってきているのを実感する集会でした。
全体
最初に、労農連帯で闘う三里塚芝山連合空港反対同盟や、改憲・戦争阻止!大行進から高山俊吉弁護士が連帯あいさつ。反対同盟からは、市東孝雄さんが発言されました。
三里塚
続いて、動労千葉の関委員長から基調提起があり、解雇攻撃と闘う港合同昌一金属支部の木下委員長、関西地区生コン支部の武谷副委員長からの特別報告がありました。

関さんは、経団連が言い出した「労使自治を軸とした労働法制」というものは、「労働条件や権利の維持・向上」「団結権の擁護」が目的であったはずの労働法を、「企業・資本のための労働法」へと根本的に転換させようという攻撃だと警鐘乱打し、戦時下の労働運動解体攻撃を打ち破り何としても階級的労働運動の再生をかちとろう、11.3日比谷労働集会に全国の力を集めようと呼びかけました。
関委員長
木下さんは、国鉄分割民営化と同じような手法で民事再生法を使っての組合つぶし攻撃、しかも裁判所も一体のでたらめなやり方に怒り、「労働者市民を決定的に犠牲にして、資本や権力者だけがのさばる社会を一刻も早く変えよう」と訴えました。
港合同昌一
武谷さんは、関生弾圧粉砕の裁判闘争の中で、検察が「憲法28条の労働基本権は強い労働組合には適用されない」「ストライキをせずに法的手段をとるべきだ」などと言ってきており、労働組合法についてまったくわかってない!と弾劾。
関生
国鉄1047名解雇撤回闘争の当該・中村仁さん(動労千葉副委員長)は「国鉄分割民営化は戦争国家化攻撃だった」と言われ、「労働者は戦争にぜったい反対だ。日本と世界の労働者と団結して闘おう」と訴えました。
中村仁
動労千葉顧問弁護団の野村弁護士は、すべての前提として「国鉄分割民営化の最終段階で、JR東には国鉄労働者は全員が採用される予定だった。ところが国鉄の職員局次長・葛西敬之らが協議して分割民営化に反対する労働組合の排除のために『不採用基準』をつくり、これにJR設立委員会委員長の斎藤英四郎が直接に関与していたことが明らかになった。この不採用基準に従ってJRは1047名を採用せず。国鉄改革法の中でJR設立委員会がしたことはJRがしたことと見なすとあるから、JRに1047名解雇の責任があるのは明白」と言われました。
このことは粘り強い裁判闘争の中で引きだした事実であり、このJRの不当労働行為に基づいて動労千葉争議団らはJR東会社に、解雇撤回・職場に戻せ!と要求しています。
(次回裁判は、7/31午後2時~東京地裁510号法廷、12時30分~東京地裁包囲デモ、日比谷公園霞門集合)

JRになってからも動労千葉はJR合理化・外注化反対を闘い続け、JR千葉鉄道サービス(株)での組合員拡大に取り組んでいます。また、JR東日本環境アクセス(株)でも7月5日に動労東京の支部が旗揚げしました。そうした報告もありました。
また、千葉の久留里線など廃線化反対の地域の取り組みの報告もありました。
JR関連会社
さらに、この日の集会には、韓国から鉄道労組と民主労総ソウル地方本部の労働者が来日して参加。共に闘おうと熱いアピールがありました。韓国民主労総傘下の労組の代表者たちもこの国鉄闘争全国運動に賛同してくれています。韓国の鉄道労働者は、日本の国鉄民営化反対の闘いに学んでいまの韓国の鉄道民営化反対に取り組んでいると言っていました。現実の労働者の国際連帯の闘いはやはり感動的でした。
韓国鉄道
このあと、各地の闘いの報告がありました。自治労本部の裏切りに怒りを燃やし現場から戦争協力拒否の闘いをつくろうとしている自治体労働者の発言や、初めてのストライキをやり抜いて福祉職場の労働者の組織化に取り組む福祉労働者の発言。また、組合員全員への8.6ヒロシマ参加オルグに挑戦するという日教組奈良市の発言など、職場から戦争反対の闘いをつくっている迫力のある報告でした。さらに沖縄や広島からの訴え、全学連の訴えがありました。
発言者
とりわけ、8.6ヒロシマ大行動実行委の宮原事務局長は「8月6日早朝、広島原爆ドーム前に全力で集まってほしい!」と渾身の訴えでした。
それは、今年の8.6反戦反核原爆ドーム前集会に対し、広島市が実質これを禁止するという措置に出ているからです。朝5時~9時まで、「拡声器・プラカード・ビラ・のぼり・横断幕等の持ち込み禁止」など、「従わない場合は、広島県警と連携して対応する」と言ってきているとのこと。8.6平和記念式典に核戦力の「拡大抑止協議」を進めている岸田首相と米国代表が参加し、さらにパレスチナの子どもたちの大虐殺を強行しているイスラエルの代表の参加も要請しながら、戦争反対の声は力ずくで圧殺せんとするとんでもない歴史的な攻撃です。何としてもはね返し、反戦集会&岸田弾劾デモをやり抜かねばと思いました。
最後に、発言者が全員登壇して、全体で団結がんばろう!
とても元気のでる集会でした。
がんばろう
全体で確認された集会決議と来年5月に計画されている武器見本市阻止に向けたアピールを紹介しまします。
集会宣言
アピール