3月22日、文部科学省が2025年から使われる中学校教科書の検定結果を公表しました。新聞報道では「デジタル教材急増 届かぬ検定の目」などの見出しが目立ち、こういうことも新たな問題になっていることがわかります。その中で、「『自衛戦争』検定通過」の見出しにびっくりしました。
(3月23日付琉球新報より)

自由社の公民教科書の憲法9条に関する記述の中で、「戦争の放棄」をうたった9条の解釈の一つとして「自衛戦争は禁止していない」とし、続けてこの解釈が「日本政府の解釈である」と記しているそうです。文科省はこれに何の意見も付けず「パス」しました。けれども、これは憲法9条がつくられた原点を歴史からかき消してしまう暴論であって、こんなことを教科書で子どもたちに教えてはならないことです。
<1946年6月26日の衆議院本会議(帝国議会)吉田茂首相の答弁より>
「…戦争放棄に関する本案の規定は、直接には自衛権を否定はして居りませぬが、第九条第二項に於いて一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、又交戦権も放棄したものであります。従来近年の戦争は多く自衛権の名に於いて戦われたのであります。満州事変然り、大東亜戦争亦然りであります。…」
もうすぐ始まるであろう国会の憲法審査会ではここ数年、憲法9条に「自衛隊」を明記する、「自衛」権を明記すると、まさにこのことが攻防になっています。政府与党は2015年に憲法違反の「安全保障関連法」を強行採決し、2022に安全保障関連3文書の閣議決定を強行し、それに基づいて沖縄・琉球弧の自衛隊基地建設・強化、日米戦争訓練をエスカレートしています。自衛の名の下に実際に日米一体となって対中国戦争をやろうとしています。
今回の「自衛戦争」の教科書検定パスもその先取りであり、子どもたちを動員しようとするものです。
こうした戦争への攻撃に、断乎として抗議していきましょう。(S)
(3月23日付琉球新報より)

自由社の公民教科書の憲法9条に関する記述の中で、「戦争の放棄」をうたった9条の解釈の一つとして「自衛戦争は禁止していない」とし、続けてこの解釈が「日本政府の解釈である」と記しているそうです。文科省はこれに何の意見も付けず「パス」しました。けれども、これは憲法9条がつくられた原点を歴史からかき消してしまう暴論であって、こんなことを教科書で子どもたちに教えてはならないことです。
<1946年6月26日の衆議院本会議(帝国議会)吉田茂首相の答弁より>
「…戦争放棄に関する本案の規定は、直接には自衛権を否定はして居りませぬが、第九条第二項に於いて一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、又交戦権も放棄したものであります。従来近年の戦争は多く自衛権の名に於いて戦われたのであります。満州事変然り、大東亜戦争亦然りであります。…」
もうすぐ始まるであろう国会の憲法審査会ではここ数年、憲法9条に「自衛隊」を明記する、「自衛」権を明記すると、まさにこのことが攻防になっています。政府与党は2015年に憲法違反の「安全保障関連法」を強行採決し、2022に安全保障関連3文書の閣議決定を強行し、それに基づいて沖縄・琉球弧の自衛隊基地建設・強化、日米戦争訓練をエスカレートしています。自衛の名の下に実際に日米一体となって対中国戦争をやろうとしています。
今回の「自衛戦争」の教科書検定パスもその先取りであり、子どもたちを動員しようとするものです。
こうした戦争への攻撃に、断乎として抗議していきましょう。(S)