山梨県からの報告です。
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2月28日、「ぴゅあ総合」(甲府市)にふくしま共同診療所医師の杉井吉彦さんを迎え、反原発講演会が開催されました。コロナ禍の厳しい条件下にもかかわらず、約30名が参加し、福島の今に耳を傾けました。
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2月28日、「ぴゅあ総合」(甲府市)にふくしま共同診療所医師の杉井吉彦さんを迎え、反原発講演会が開催されました。コロナ禍の厳しい条件下にもかかわらず、約30名が参加し、福島の今に耳を傾けました。
講演会では、最初に「放射能から福島の子どもたちを守る山梨の会」の宮沢さんが主催者を代表してあいさつ。「政府は復興五輪と言っているが、被災地の現状は忘れられている。原点に立ち戻って人類と核・原発は共存できないと声を挙げていこう」とアピールしました。
いま福島で問題になっていること
杉井さんの講演では、「今、福島で問題となっていること」として、①小児甲状腺がんの多発、②高汚染水の海への放出、③「中間貯蔵施設」への除染廃棄物搬入による放射能汚染の拡大、④第一原発の危険な廃炉作業と原発労働者の被曝、⑤帰還政策と補償の打ち切りの5点が挙げられました。とくに「高汚染水の海洋放出」と「小児甲状腺がんの多発」の問題が豊富な資料を使って詳しく報告されました。(以下、一部を要約)

海洋放出されるトリチウムは430年分!
福島第一原発では今も1日170トンの汚染水が発生している。それを止めるには溶融燃料(デブリ)を取り出して鉛の箱に保管するしかない。しかしデブリの調査は始まったばかりで、取り出すための機械の開発もこれから。取り出せたとしてもそれをどこに持っていくか決まっていない。何も解決していない。だから汚染水は増え続ける。
東電は「敷地が足りない(タンクを増設できない)」と言っているが、本当か? やる気があれば場所はある。しかし「これ以上溜められたら困る」という気持ちがあるのだろう。
東電や政府は「今までも原発ではトリチウムを流していたから安全だ」というが、第一原発に溜まっているトリチウムは860兆ベクレル。3・11前は全国の原発が流していたトリチウムは年間2兆ベクレルで、実に430年分を海に流そうとしている。
トリチウムが危険か安全かは今も論争中だが、430年分を流すのが安全かどうか、やったことがないから誰も分からない。それを「安全だ」というのは無責任。放射線に「絶対安全」という基準はないというのが医学の基本。薄めて流しても総量は変わらない。
追いつめられた末の「過剰診断」論
がん(疑い含む) 手術実施(がん確定)
1巡目(先行検査) 116 102(101)
2巡目(本格検査1) 71 54(54)
3巡目(本格検査2) 31 27(27)
4巡目(本格検査3) 27 16(16)
25歳時節目検査 7 4(4)
集計外 12 12(11)
合計 264 215(213)
第40回県民健康調査検討委員会(21.1.15)資料をもとに作成
(福島診療所建設委員会『Sun Rise』No.24より)
当初、福島医大や県の検討委員会は、福島での小児甲状腺がんの多発を「スクリーニング効果だ」と説明していた。それが本当なら2回目は陽性が出ないはずだが、2回目の検査でも出て、地域差も出た(避難区域等13市町村、中通り、浜通り、会津地方の順に多かった)。男女比も、本来は女性に多い病気だが福島では1対1でチェルノブイリと同じ。10年経って事故当時乳幼児だった人からも出た。放射線被曝の影響を否定する説明ができなくなり、「過剰診断だ」と言い始めている。
しかし、過剰診断でこの多発は説明できない。放出された放射性ヨウ素はチェルノブイリより少ないと言われているが、低線量でも影響が出ることは国際機関も認めており、人口密度が高い福島での多発は説明がつく。ところが、緑川早苗という元福島医大の医師は検査の「デメリット」を強調し、学校での集団検診をやめさせようとしている。
昨年7月29日、広島「黒い雨」訴訟が全面勝訴し、内部被曝が初めて公的に認められた。福島の健康問題はまだ始まったばかり。広島・長崎の経験に学びながら身辺に起きる異変を丹念に記録し超長期に取り組んでいく必要がある。
今後も保養活動をつづけよう
講演を受け、活発に質疑応答が行われました。
「保養でのコロナ対策は」「福島の伝承館などで子どもを学ばせるよう学校に通達が来ているがどうか」「福島を訪れると帰宅後、体調が悪くなるのは放射能の影響か」等々。
最後に、司会が「女性が立ち上がり森を辞めさせた。被曝による健康被害を認めさせ、原発をなくすまで、声を上げ続けよう」と締めくくり、閉会しました。(百万人署名運動・郡内地区連絡会)
