4月21日(土)夜にセシオン杉並の集会室で行われた「原発事故による福島・全国の健康被害」を考える集会に参加した。主催はNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)東京。お話は「ふくしま共同診療所」の杉井吉彦医師でした。杉井さんは週1回、ふくしま共同診療所に通って診察しているけれど、1回だけど様々な福島の現実がわかると、自己紹介された。
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杉井さんは分厚い資料を用意された。いろいろな人が福島原発事故の今日の状態について書かれている、例えば、甲状腺がんの発症、汚染水、除染、胃がんの多発問題、福島の赤ちゃんが危ない等々についての刊行物などが配布された。3-DSCF5674

~杉井さんのお話から~


子どもの甲状腺がんの発症ばかりではなく、いろいろのことが見えてきている。今まで見えてなかったということよりも、われわれはまだ起こっていることについて正確な、科学的な、慎重な考察はできていないのだけれど、7年たった段階で、みんなが黙っていてはいけないと発言し始めたということではないか。

甲状腺がんの発症は原発事故によるということは、ほんの一部の人たち以外にはもう共通認識になっていること。あらゆることは原発事故によるということがはっきりしてきているというのが今の福島であり、お母さんたちはリアルにそのことをつかんでいる。そして、子どもたちの健康障害の現実を本当に心配していると言われた。

だから、もう一度原点に立ち戻って、3.11は何だったのかということを問わなければならない。

3.11はこれまでの近代文明に根本的な疑問を呈したということ、原発は原爆と同じなんだということがわかってきている。世論調査では60%からの人が原発は将来はやめるべきだという。

デブリの処理なんできない。福島県民はそのことをみんな知っていて、かたずをのんで見ている。3年後から廃炉作業を始めるというが、それに対する反対論は根強い。

安全なものは何もないということを知っている。健康被害に関するデータの問題はなにひとつ明らかにしてないし、できないということ。2-DSCF5670

私たちは何をすればいいのか。医療は医療の原則に立ち返ること。医療の原則は予防で、予防とは被ばくさせないこと。避難させること、<避難、保養、医療>なのだということを強調された。

質疑ではいくつかの質問が出た。その中で民医連(全日本民主医療機関連合会)についての質問があった。杉井さんは、野口邦和という人(原水禁共同代表)が『しあわせになるための「福島差別」論』の中で、私たちもよく知っている肥田舜太郎さん(昨年3月にご逝去)の内部被ばく論と福島原発被ばく論に対して、肥田さんが亡くなられた後になって「悪しき経験主義と無知と不勉強」「有害」と罵っていることを紹介され、民医連の人たちは、福島県の渡利病院の医師たちの様に「放射能の危険性を言うから差別が起こる。放射能はそんなに危険じゃない」「福島は安全だ」と煽っていると指摘された。また、彼らは、「ふくしま共同診療所」は「危険を煽る大げさな診療所」だと言っているそうだ。

そして、杉井さんは、「これからも強靭な運動をしていかなければならない。自分自身5年間、ふくしま共同診療所にかかわり、そこで診療して、医者になるということはこういうことなんだと思った」と言われた。

集会に参加して、<福島 フクシマ>の闘いは無限にある。闘って闘って闘っていかなければならないと思った。(賛同人T)