許すな!憲法審査会

「とめよう戦争への道!百万人署名運動」ブログを改めて、改憲の憲法審査会動向をお伝えしていきます。百万人署名運動は、「改憲・戦争阻止!大行進」運動に合流しました。

2026年05月

5月21日(木)10時から、今国会6回目の衆議院憲法審査会が開催され、前回に引き続き「緊急事態条項のイメージ案」について討議が行われました。

最初に指摘しておかなければならないのは、この日のテーマが、前回の審査会での新藤義孝与党筆頭理事(自民)の「来週の定例日にもう一度緊急事態条項のイメージについての討論を行ってはどうかと提案したい」との発言を受け、そのとおりに設定されたものであるということです。新藤氏の専横ぶりは目に余りますが、それがまかり通っているのが衆院憲法審の現状です。

今回も批判の材料には事欠かない議論が展開されましたが、その報告に入る前に前回の衆院憲法審の後に持ち上がった出来事を一つ報告し、その重大な意味を指摘しておきたいと思います。

yurusuna

参院の立憲民主党への「イメージ案」の説明を拒んだ衆院法制局と橘幸信氏の「中立性」への疑義

まず、次の2つの記事をお読みください。

立民に説明せず「法制局の意向」 改憲イメージ案、自民が関与否定
『時事ドットコムニュース(時事通信 政治部)』2026年5月19日

立憲民主党の小西洋之憲法調査会長は19日の党会合で、憲法改正を巡り、衆院法制局などがまとめた緊急事態条項の「イメージ案」の説明聴取を、自民党が認めなかったと主張した。これを受け、自民の磯崎仁彦参院国対委員長は立民の斎藤嘉隆国対委員長に電話し、「法制局の意向だ」と関与を否定した。

小西氏は、衆院憲法審査会の与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝氏の指示によるものと訴えた。しかし、新藤氏は記者団の取材に「参院側のことを判断する立場にない」と反論。斎藤氏が、磯崎氏に事実確認を求めていた。

磯崎氏は「法制局から『(イメージ案は)中間的なもので、参院側に説明するに至らない』と相談があり、新藤氏が追認した。自民が主体的に阻んだものではない」と回答した。

これに対し、斎藤氏は20日の参院憲法審幹事会で詳細を明かすよう要請。この後、記者団に「衆院で議論の材料になっている資料の説明を、参院にする必要がないという判断は問題だ」と述べ、法制局の対応を批判した。
 

松山参院会長、合区解消「2年後の参院選までに」 参院自民「改憲実現議連」2回目会合
『産経新聞』2026年5月22日

自民党の参院議員でつくる「憲法改正実現議員連盟」(会長・中曽根弘文憲法改正実現本部長)は22日、国会内で2回目の会合を開いた。…(中略)…
中曽根氏は会合で、改憲の是非を問う国民投票に向けた機運醸成を図るため、各議員らに「地元で集会を開き、国民運動を展開してほしい」と呼びかけた。衆院法制局の橘幸信特別参与らが戦後の改憲論議の過程などについて講演した。…(後略)…
* 引用、ここまで。

これらの記事からわかることは、衆院法制局は参院の立憲民主党の会合(上掲の記事には明記されていませんが他社の報道によれば党の憲法調査会です)から求められた「イメージ案」の説明を拒否する一方で、参院自民党の会合(憲法改正実現議員連盟)では同局特別参与の橘幸信氏が講演を引き受けたということ、つまり自民党の要請には応じ立憲民主党の依頼は断ったということです(注※)。これは一体どういうことでしょうか。衆院の法制局、あるいは橘氏がいくら中立性を強調してもとうてい信じるわけにはいきません。

※ その後5月26日に立憲民主党憲法調査会は橘衆院法制局特別参与から「イメージ案」の説明を受けたそうです。『時事通信』によれば、「橘氏は衆院憲法審査会幹事会からの要請で作成したとした上で『(幹事会側の)了解が得られるまでは通常の議員立法のように他会派への説明は控えていた』と釈明したそうですが、いかにも苦しい言い訳でとても信じられません。

もうひとつ、橘氏の中立性を疑わせる「証拠」を挙げておきます。
橘氏は昨年末に衆議院法制局長を退任しましたが、今年初めすぐに同局の特別参与に就いています。その後いくつかのメディアがインタビュー記事を掲載しており、「国民のしもべという矜持」(『朝日』)とか「法の職人」(『毎日』)とか歯の浮くような見出しを付けてこれまでの仕事ぶりや人物像を好意的に描いているのですが、『産経』の記事(「憲法論議の肝は『偉大なる妥協』 前衆院法制局長・橘幸信氏に聞く」『産経新聞』2026年1月12日)にこんな見逃せない部分がありました。

――1日付で衆院法制局の特別参与に就任した
「憲法と皇室典範を担当するように言われた。憲法については、衆院憲法審査会長や会長代理らから『引き続きやってくれ』と要請もあった」
――昨年12月に約8年務めた法制局長を退任した
改憲のルールを定めた国民投票法の整備など25年にわたり憲法に関わってきた。成果物として改憲の賛否を問う初の国民投票を見たいという気持ちは正直ある」

「初の国民投票を見たい」と広言する人物が衆議院で憲法を担当する最重要のポストに就いていること、しかもそれが憲法審の会長や会長代理、つまり与野党の筆頭幹事の要請によるものであったことをけっして許してはいけないと思います。私たちには今、この体制をすぐにひっくり返せる力量はありませんが、衆院の事務局が標榜する「中立性」を疑え!だまされるな!と声を大にして訴えていきましょう。
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* * * * * * *

続いて傍聴記に進みます。いつものように、最初に各会派の代表1人が7分以内で、続いて発言を希望する委員が5分以内で見解を表明しました。発言者は前半7名、後半5名の計12名でした。
まず、前半の各会派代表の意見を簡潔に報じた『NHK』の記事を転載させていただきます。

衆議院憲法審査会 緊急事態条項イメージ案もとに2回目の討議
『NHK ONE』2026年5月21日

衆議院憲法審査会で緊急事態条項のイメージ案をもとにした2回目の討議が行われ、各党がそれぞれ見解を述べました。

衆議院憲法審査会では、衆議院法制局などが先に作成した、大規模な自然災害や感染症のまん延などを緊急事態と定義し、この際には議員任期の延長や、内閣が法律と同等の効力を持つ「緊急政令」を制定できるなどとした緊急事態条項のイメージ案をもとにした2回目の討議が行われました。

自民党の新藤元経済再生担当大臣は「『緊急政令』などは究極の手段として国家機能を維持し国民の生命・財産を守ろうとするもので、積極的に使うことは想定しなくても当然備えるべきものだ」と述べました。

中道改革連合の国重徹氏は「議員任期の特例を検討する際は乱用の危険を防ぐため、要件を厳格に定めることが不可欠だ。核心部分は憲法に定めるべきでさらなる議論が必要だ」と述べました。

日本維新の会の阿部圭史氏は「イメージ案をもとに一定の結論をまとめていくことが重要だ。条文起草委員会を直ちに常設し条文案の作成に入ることを強く求めたい」と述べました。

国民民主党の玉木代表は「『緊急政令』などに議論を広げると論点が拡散する。議員任期の延長と『合区』解消の2つについて優先的に取り組むことを求める」と述べました。

参政党の和田国会対策委員長は「外国などからの武力攻撃を受けた場合に、国家・国民を守れるのか。9条改正と緊急事態をセットで議論しなければならない」と述べました。

チームみらいの古川政務調査会長は「緊急事態条項の論点整理と並行して国民投票法をめぐる議論にも時間を割くことが議論を建設的に深めることにつながる」と述べました。

共産党の畑野君枝氏は「政治家がすべきは国民が求めていない改憲のための議論ではなく暮らしやなりわいを守るための議論だ」と述べました。
* 引用、ここまで。

この日、上掲の記事では紹介されていない後半の発言者を含めて、あらためて驚かされるような意見はほとんどありませんでした(と感じたのは、私が何度もこのテーマでの各会派の主張を聞かされてきたからであって、初めて聞いた方には「!」や「?」が次々に頭に浮かんできたかもしれません)が、以下、そんな中でも気になった前後半1人ずつの発言を取り上げて論評を加えたいと思います。


うまくいかなかった新藤氏の緊急政令、緊急財政処分テーマ化の目論見

まず、衆院憲法審を強引に取り仕切っている与党筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)の意見から。
この日、氏は緊急政令と緊急財政処分を取り上げ、「立憲主義国家として当然に備えておくべきものではないか」と述べた上で、「日本国憲法制定時に日本政府はGHQに緊急政令の規定を設けることを求めたが拒否された」、「本来なら1952年に主権を回復した際に憲法を改正し緊急事態条項を整備すべきだったのかもしれないが、結果として改正は行われず日本国憲法の未完成部分として今日に至っている」と吐露しましたが、いきなり「立憲主義国家として当然」とか「日本国憲法の未完成部分」などと大げさな物言いをされても、根拠不明と言うほかありません。

そして、自ら「緊急事態条項は諸外国でどのように発動されているのか」との問いを発し、「2022年時点で世界の憲法の91%に緊急事態条項が設けられている」と指摘した後、フランスとウクライナの事例を挙げ、「例えばフランス憲法には大統領の緊急措置権と戒厳という緊急事態条項を規定しているが、緊急措置権は1961年にアルジェリア紛争時に発動した一例のみ、戒厳は一度も発動例がない」、「ウクライナでは2022年2月24日、ロシアが侵略を始めた当日に憲法に定められた緊急事態条項のうち戒厳を布告し、現在まで大統領選挙、国会議員選挙は延期され任期も延長されている」と述べましたが、「だから何なんだ」、「一体何が言いたいんだ」という疑問がわくばかりでした。特にフランスの事例は、素直に聞けば緊急事態条項の必要性に疑問を抱かせるものだと思いますし、ウクライナの事例は中国の脅威を煽って大軍拡を進める自民党が本気で戦争を構えているとしか思えません。

いずれにせよ、緊急事態条項の議論を、選挙困難事態における議員任期延長から緊急政令、緊急財政処分にまで一気に広げようとする新藤氏のやり方はあまりにも乱暴であり、この日、維新の会を含めて積極的に賛同する会派はありませんでした。もちろん警戒を怠ることはできませんが、緊急政令、緊急財政処分を衆院憲法審の重要なテーマとして取り上げようという目論見は、今のところ暗礁に乗り上げていると言えると思います。


ようやく聞けた“前”立憲民主党の主張

もう一人取り上げたいのは、後半に発言した中道改革連合副代表の西村智奈美氏です。氏は先の総選挙で立憲民主党から立候補し、いわゆる比例復活ではあったものの当選した数少ない議員の一人です。氏の発言は下記のようなものでした。少し詳しく紹介します。

「自民党は衆議院では圧倒的多数かもしれないが参議院ではそうではない。緊急事態への対応に関しては与野党の枠を超えて衆議院側と意見の開きがある。そもそも現在法制局及び憲法審査会事務局にイメージ案を作成させるような段階ではなかったと私は考えるし、百歩譲っても昨年衆議院法制局から提出された資料『緊急事態条項(国会機能維持)の主な論点(イメージ)』には記載のあった平時も含めた臨時会召集期限、緊急時・平時における解散権制約など多岐にわたる論点が今回は抜け落ちていることに納得がいかない。」

「その上で先週提示された『イメージ案』について幾つかの問題提起をさせていただく。
第一に、緊急事態の際に議員の任期延長が必要との説のほぼ唯一の論拠である選挙の一体性とは何かという問題。憲法的価値が本当にあるのかという指摘がこれまで重要な論点として複数なされてきたが、ここがこの憲法改正が必要かどうかを判断する大きな鍵であり、しっかりとした議論が必要だ。」
「第二に、想定される最も巨大な震災の際にも選挙を実施できない選挙区は限定されるので、選挙全部を延期するような立法事実はないという指摘がこれまで繰り返されてきた。まずは徹底的に選挙制度の強靱化を図り、その上で選挙全部を延期するような立法事実が残るのかを精査すべきだ。」
「第三に、参議院緊急集会が一時的、限定的、暫定的とされている点。これまで緊急集会の権限については様々な指摘がなされてきたし、自民党も2024年8月に参議院緊急集会の権限は原則として国会の権能の全てに及ぶとしており、改めて議論すべきだ。」
「第四に、緊急事態の対象範囲に存立危機事態も含まれるのか。昨年11月、高市総理は法律の限定を逸脱したと思える答弁をしているが、支持率低下のタイミングでの衆議院任期満了選挙を避けるために内閣の恣意的な判断で存立危機事態を認定するとともに、選挙困難事態の認定がなされ選挙が停止され続けるという濫用が懸念される。古今東西自らの政治的な危機を乗り越えるために戦争を始めた指導者は少なくなく、こうした危険はないのか今後も議論させていただきたい。」

「最後に、緊急政令などという国会としておよそ認められない条項が紛れ込んでいることは論外だ。憲法改正してまで議員の任期を延長して国会機能を維持しようという議論と同時に、国会が機能しない場合を想定した議論をすることは論理矛盾ではないか。国民民主党の玉木代表も蒸し返さない方が得策だと発言されているが、通らないことを見越してバッファーとして入れているとすら思えてくる。」

前半で発言した野党筆頭幹事でもある中道の國重徹氏は、相変わらず「本日は仮に議員任期特例を創設するとした場合の広範性要件と長期性要件を中心に問題提起したい」と述べ、新藤氏の敷いた路線に沿って意見表明を始める始末で、私は「またか」とがっかりさせられていたので、この西村氏の発言には正直ホッとしました(よく考えるとこの程度のことをうれしく感じるのはおかしいのですが、それだけ今の衆院憲法審の状況が異常だということです)。

この日の審議は、11時20分頃終了しました。これまでと違って新藤義孝与党筆頭幹事(自民)が次回のテーマを提案しなかったこともあって今後の展開は読みにくいのですが、会期末の7月17日まで定例日の木曜日はまだ8回もやってきますので、予断を持たずに成り行きを監視していきたいと思います。

この日の傍聴者は前回と同じく60人ほどでしたが、途中20人近いグループの方々が入ってきて立ち見をされていました。議場で取材していた記者は終始3人ほどで、最初3台入っていたTVカメラは気がつくと1台だけになっていました。(銀)



5月20日(水)午後1時から今国会3回目の参議院憲法審査会が開かれました。今回は連休前2回(4/15、4/22)にわたって行われた「参議院議員選挙における一票の較差」問題での参考人質疑を経て、改めて各会派が意見表明をするというものでした。
8会派の代表がそれぞれ10分ずつ意見表明をしたら、「これにて散会」となり、約1時間10分といつもより短いものでした。
参院憲法審

発言内容も、基本的にそれぞれの主張が繰り返されたもので、自民党が具体的に出した「合区改憲条文イメージ」への賛成意見はほとんどありませんでした。

各会派の意見要約は下記のとおりです。

参議院憲法審査会 「1票の格差」テーマに各党が意見表明
『NHK ONE』2026年5月20日18:27

参議院憲法審査会が開かれ、「1票の格差」をテーマに各党が意見表明を行いました。自民党が選挙区で導入されている「合区」の解消などに向けて憲法改正の方向性を整理すべきだと主張したのに対し、立憲民主党は憲法改正による「合区」の解消に反対する考えを示しました。

この中で、自民党の中西祐介氏は「『合区』は投票率の急激な低下や無効票の増加といった議会制民主主義の根幹に関わる問題が明らかであり、『合区』の解消と地方自治に関する憲法改正について方向性を整理すべきだ。また、緊急集会や緊急事態条項についても一刻も早く議論に入ることが参議院の責務だ」と述べました。

立憲民主党の吉田忠智氏は、「『合区』は投票率の低下など、制度として限界に至っており、不合理は解消されるべきだが、『合区』を解消するための憲法改正については、投票価値の平等という国民の基本的人権を著しく損ねるなど、憲法の基本原理などに照らして強い疑念を呈さざるをえず、明確に反対する」と述べました。

国民民主党の川合参議院幹事長は、「『1票の格差』を是正する視点のみで『合区』を推進すれば、過疎地域の民意は置き去りになる。参議院の役割を達成するための最適な制度を議論の前提とすべきで、速やかに論点を整理し、参議院の意思を表明することを求める」と述べました。

公明党の原田大二郎氏は、「最高裁判所から投票価値が不平等と判断されない制度へ抜本改正を図り、『合区』による不満や疑念を解消するには法改正で対応すべきだ。ブロック制による大選挙区制の導入が最も望ましい」と述べました。

日本維新の会の片山大介氏は、「道州制移行の目標を堅持しつつ、『合区』の解消を議論する必要性は共有する。有権者が代表を選ぶ意識が妨げられることは放置してはならないが、投票価値の平等の実現と議員定数削減も議論する必要がある」と述べました。

参政党の安達悠司氏は、「今の選挙制度を続けていく中では各都道府県に1つの選挙区を置くことは大切であり、『合区』は解消すべきだ。参議院の『合区』問題も占領下でつくられた憲法に起因しており、選挙制度も憲法とともに根本的に見直すべきだ」と述べました。

共産党の山添政策委員長は、「投票価値の平等を実現し、多様な民意が正確に議席に反映され、定数削減は行わない方向での抜本的な見直しが求められる。一連の議論は参議院改革協議会などの議題であり、憲法審査会を動かす理屈にはならない」と述べました。

れいわ新選組の奥田共同代表は、「『1票の格差』の問題も重要なテーマだが、今このタイミングでこの話に終始してよいのだろうか。党としては改憲ありきの憲法審査会の開催自体を否定し続けており、今ある憲法を守らない者が憲法を変えようとするなという考え方だ」と述べました。
*引用ここまで。

衆院「緊急事態条項イメージ案」への批判

立憲民主党の吉田忠智議員から、5/14の衆議院憲法審査会で出された衆議院法制局の「緊急事態条項イメージ案」に対する批判表明がなされました。

主要な批判点は、参議院の「緊急集会」についてです。吉田議員は、参議院憲法審査会での論議によって衆議院憲法審査会で盛んに言われた「緊急集会は70日間に限定」説が覆されたにもかかわらず、相変わらずこれが衆議院での「議員任期延長」の根拠にされているということを指摘し、改めて、緊急集会が日本国憲法の中に創設された立法事実や根本趣旨が無視されていると強調しました。
緊急集会は、…、任期延長の間に太平洋戦争が開戦される等の戦前の権力の濫用の反省を根本趣旨とするものであって、議員任期特例とのすみ分けを考えること自体が緊急集会そのものの否定であり、いかなるときにも民主政治を徹底するために国民代表である参議院議員に緊急集会を担わせるとした金森徳次郎大臣の憲法制定議会での答弁を、我々参議院議員は深く胸に刻む必要があります」

さらに吉田議員は、3年前の2023年5月に衆議院法制局が出した緊急集会に関する資料において、緊急集会の立法事実の根幹を詳細に表した当時の日本政府とGHQとの交渉記録の箇所がなぜか記載されていないなど不可解な箇所が三点あったこと、立憲民主党の参議院議員による憲法調査会などの指摘によって、そのうちの二点が改善された補訂版が2025年3月の衆院憲法審に再提出されたことの重要性について指摘しました。
そして、残りの一点の「多くの憲法学者が70日間限定説などを採用している」という学説整理についても、「昨年4月16日の本審査会における川崎参議院法制局長の答弁によっても明確に否定されている」と指摘しました。

なお、立憲民主党が党の憲法調査会(5/19)への「イメージ案」説明を衆院法制局に依頼したが断られたとのことでした。詳しいことはわかりませんが、不可解なことです。

傍聴者から見ても、衆院法制局の「緊急事態条項イメージ案」は、これまでの任期延長議論の中で出されてきた批判意見が全く反映されてないものであることは明らかです。非常に恣意的なもので、これを「たたき台」としての「条文化」をやってしまおうなど、白昼公然と強盗をやるのか!(例えがちょっと合ってないかもしれませんが…)と、絶対に許せません。

どんどん団結し、大きなうねりを!

この日最後の意見表明は、れいわの奥田ふみよ議員でした。奥田議員は、沖縄・伊江島の故阿波根昌鴻さんの言葉「平和への最大の敵は無関心である。戦争への最大の友も無関心である」を紹介し、戦争への危機感と高市政権への憤り、また、労働者民衆への決起を呼びかけました。

「この戦争ビジネスの下請けをアシストする政治屋どもをおりにとどめることができるのは、改憲を止められるのは、主権者の皆さんです」
「一人でも多くの目覚めた主権者がどんどんデモや傍聴で連帯し、どんどん団結し、大きなうねりを広げ、揺るぎない数の力で戦争の道へとつながる改憲を絶対に止めていきましょう!」

奥田議員は国会議員に対峙し、全力で主権者に訴えていました。与野党議員はみんな、あっけにとられているかのようでした。
そうだ!

国会の外では、音を立てて戦争訓練が始まっている

4月20日~5月8日にフィリピンで行われた米フィリピン合同演習「バリカタン」に、1400名規模の自衛隊が本格的に参加し、日本の88式地対艦誘導弾と米国のトマホーク巡航ミサイルの洋上標的撃沈演習が行われました。
これは、いま沖縄南西諸島で計画されている米海兵隊の、対中国の戦争作戦「遠征前進基地作戦(EABO)」と一体のものです。

続く5月17日~22日には、沖縄南西諸島の宮古・石垣・与那国の3島で陸上自衛隊の「陸上総隊演習」が300人規模で初めて実施されました。在沖米海兵隊員も参加して、対中国を念頭に機動展開訓練を行っています。
こうした訓練に対して、島々の住民たちは「戦争訓練やめろ!」と自衛隊基地の前で体を張って闘っています。
これが、現実です。

いま、国会の中で行われているのは、実際に進められている戦争体制を労働者民衆に最後的に強制していくための法整備、憲法改悪です。
戦争国会を包囲し、この目論見を全力で打ち砕きましょう。(S)

*次週水曜日(5/27)は「幹事懇談会」が開かれる予定で、憲法審査会は無いそうです。





5月14日(木)10時から、今国会5回目の衆議院憲法審査会が開催され、「緊急事態条項のイメージ案」について討議が行われました。
この「イメージ案」は、衆議院の法制局と憲法審査会事務局が作成したもので、下記のような経過をたどって、あれよあれよという間に憲法審査会に提示され、議論されるに至りました。

4月16日自民党の新藤義孝衆院議員は、「緊急事態条項」の創設について、「ここまで議論が進んでいることを踏まえれば、さらに論点を深めるためにも、次回の審査会で、このテーマに関する集中的な討議を行ってはいかがか」と述べた。(『FNNプライムオンライン』2026年4月16日)

4月23日自民党の新藤元経済再生担当大臣は「緊急事態条項は、議論をピン留めする意味でも、次回の審査会で具体的なイメージを明らかにしてはどうか」と述べた。(『NHK ONE』2026年4月23日)

4月28日:衆議院憲法審査会の幹事懇談会が開かれ、緊急事態条項についての議論を深めるため、来月中旬までに衆議院の事務局が条項のイメージ案を作成し、それをもとに討議を進めていくことで与野党が合意した。(『NHK ONE』2026年4月28日)

5月12日:衆議院憲法審査会の幹事懇談会衆議院の法制局や事務局が、これまでの審査会での議論を踏まえて作成した「緊急事態条項」のイメージ案を提示した。与野党はあさって、このイメージ案をもとに審査会で議論をおこなう予定。(「『TBS NEWS DIG』2026年5月12日)

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審査会に提出された「イメージ案」は、以下に掲げるように、「条文案」に限りなく近い体裁のものでした。衆議院憲法審査会のホームページを開いて、「会議日誌・会議資料」⇒「第221国会」と進んでいただければ、読みやすい形でご覧いただけます。


図1

図12

図2

この日は、最初に「イメージ案」を作成した橘幸信衆議院法制局特別参与が35分ほどかけてその内容を詳細に説明し、続いて各会派の代表が1人ずつ7分以内で意見を述べて、11時30分少し前に散会となりました。


緊急事態条項の必要性を大前提として作成されたイメージ案

まず、この日最後の発言者となった畑野君枝氏(共産)が審査会の運営について批判した発言をご紹介したいと思います。
「冒頭、法制局に緊急事態条項のイメージ案なるものを報告させた。前回、一部の会派から条文のイメージ案を作るべきだという主張はあったが、それは全体の合意となったものではない。
そもそも、法制局や審査会事務局は中立・公平な立場で審査会の運営に関わることが求められているにもかかわらず、イメージ案なるものを作らせ、あたかも改憲の議論が進んでいるかのように喧伝するやり方はやめるべきだ。
イメージ案というが、今後のさらなる深掘りの議論の素材とされているように、その内容は緊急事態条項が必要だと主張している政党の意見を並べたものだということも指摘しておきたい。」

畑野氏はこの発言に続いて、「緊急事態条項についていくつか意見を述べる」として、以下のように指摘しました。 
「東日本大震災やコロナ感染症の蔓延でも、緊急事態条項がないから対応できなかったという事態は起きていなかった。災害時には地方自治体が人員や財源を確保していることが重要であり、地方財政を抑圧し合併などによって対応を困難にさせてきた国の政策こそが問われるべきだ。感染症対策も、コロナ禍で浮き彫りになったのは病床や人員を減らし医療や保健所の体制を削減してきた自民党政治の問題だった。その責任を棚に上げ憲法に責任を押しつけるのは筋違いだ。
それにもかかわらず緊急事態条項を憲法に盛り込む目的は、戦争を想定した体制の整備だと言わざるを得ない。自民党が主張している緊急政令や緊急財政処分は、国会の権限を奪って内閣に権力を集中させ人権の制限を可能にするものであり、明治憲法下で濫用された緊急勅令を彷彿とさせる。高市政権が進める戦争する国づくりと一体であり、断じて認められない。」
「国会議員の任期延長の議論も問題だ。そもそも国会議員の任期は国民の負託に基づくもので、選挙困難事態と称して1年もの延長を認め、国民の選挙権を停止することが許されるだろうか。
日中戦争下の1941年、当時の政府は衆議院議員の任期を立法措置によって1年間延長した。挙国一致の戦争選挙遂行体制の確立が必要なときに短期間でも国民を選挙に没頭させることは不必要な議論を誘発するというのがその理由で、選挙を延期し国民の声を抑え込んで無謀な戦争に突き進んだ。国会議員の任期延長のために憲法を変えようというのは、この歴史の教訓を踏みにじるものだ。」
畑野氏は最後に「国民が求めていない改憲のための議論はするべきではないと改めて申し上げて、発言を終わる」と述べました。
わずか1会派、1人とはいえ、審査会の最後にこのような意見が表明されたことは意義のあることだと思いました。

次に、この日の各会派代表の発言を報じた『NHK』の記事を転載させていただきます。

衆議院憲法審査会 緊急事態条項イメージ案もとに各党が討議
『NHK ONE 』2026年5月14日

憲法改正をめぐり、衆議院憲法審査会では法制局などが作成した緊急事態条項のイメージ案をもとに討議が行われました。自民党は「緊急政令」など国家機能を維持するための条項は必須だと主張したのに対し、中道改革連合は平時の国会機能維持もあわせて議論すべきだと訴えました。

14日の審査会では、冒頭、衆議院法制局が緊急事態条項のイメージ案について、大規模な自然災害や感染症のまん延などを緊急事態と定義し、この際には議員任期の延長や内閣が法律と同等の効力を持つ「緊急政令」を制定できることを盛り込んだと説明しました。

このあと討議が行われ、自民党の新藤元経済再生担当大臣は「緊急政令などについて究極の事態に陥った時に備え国家の機能を維持するための条項を設けることは必須だ。おおむね合意を得られるとみなせる論点と、さらに議論を深めるべき論点について整理したい」と述べました。

中道改革連合の国重徹氏は「あくまでも議論の整理であり、課題が改めて浮き彫りになった。緊急時の任期延長だけでなく、平時の国会機能を維持するための臨時国会の召集期限の明記や解散権行使の制限もセットで議論すべきだ」と述べました。

日本維新の会の馬場前代表は「柱は緊急時の国会機能維持や緊急政令などで、細部の論点が残されているが条文化作業の中で議論すれば漸次折り合える。9条の改正ともども速やかに条文化へと歩みを進めるべきだ」と述べました。

国民民主党の玉木代表は「議員任期の特例などを定める必要があり、条文案づくりに着手することが最も現実的な進め方だ。来年春の発議を目指すなら緊急政令の話は蒸し返さないほうが得策だ」と述べました。

参政党の和田国会対策委員長は「緊急事態の対象範囲に感染症のまん延が入っている限り反対だ。憲法を一から国民の手でつくり直す『創憲』が必要だ」と述べました。

チームみらいの古川政務調査会長は「選挙困難事態は議論の蓄積があり、オンライン出席も手段の1つとして検討を進めるべきだ。緊急政令は慎重な議論が必要だ」と述べました。

共産党の畑野君枝氏は「イメージ案は緊急事態条項が必要だと主張する政党の意見を並べたものだ。国民が求めていない改憲の議論はすべきでない」と述べました。

与党側は来週の憲法審査会でも緊急事態条項のイメージ案をもとに討議を行いたい考えで、テーマや進め方などをめぐって与野党の協議が行われます。
* 引用、ここまで。


「ピン留め」を連発した自民・新藤義孝氏

以下、いくつか気になった発言を少し詳しくご紹介したいと思います。
まず、与党筆頭幹事の新藤氏(自民)の意見表明です。氏は、この日提示された「イメージ案」の中で、「概ね合意を得られると見なせる“ピン留め”された論点と、見解が分かれていてさらに議論を深めていくべき論点について私なりに整理させていただきたい」と述べたうえで、「イメージ案のこの部分は“ピン留め”してもいいのかなと思う」という発言を連発しました。

たとえば、内閣による選挙困難事態の認定について、新藤氏は国政選挙の一体性が害されるほど広範な地域で、選挙の適正な実施が相当程度の長期間にわたり困難であること、の2点をもって判断すると位置づけられたことと、この認定があったときは議員任期の延長の特例を適用することは「ピン留め」してもよいのではないかと主張しましたが、そもそも衆院憲法審においてこれまで選挙困難事態の立法事実や議員任期延長の必要性について「概ねの合意」が得られた事実はありません。

したがって、上記の新藤氏の発言は誤りであると言いたいところですが、自民単独で3分の2を超え、維新を含めて4分の3以上、国民民主党を加えると8割強を占めるという現在の衆議院や憲法審の勢力図を見れば、概ねの合意を「得られた」でなく「得られると見なせる」という氏の表現は間違っていないと認めざるを得ません。

新藤氏は、「最後に、緊急政令、緊急財政処分の条項を設けることは必須と考える」、「さらに議論を深めるためにも来週の定例日にもう一度緊急事態条項に関するイメージについての討議を行うことを提案する」と述べて発言を締めくくりました。


この日も暴言を吐いた維新・馬場伸幸氏、意外にまともな主張もした参政・和田政宗氏

もうひとつの与党である維新の幹事、馬場伸幸氏の発言もいつもながらとんでもないものでした。2点紹介しておきます。

1つ目は、「憲法学の世界で参議院の緊急集会の役割・機能について諸説あることは承知しているが、ここは学校ではない。立法府に求められているのは、真に国民と国家の利益にかなう制度は何かという観点であり、無意味なイデオロギー闘争や院のメンツは排除されるべきだ」というもの。「ここは学校ではない」とドヤ顔で学問の営為を切り捨てて恥じるところのない態度に、維新という政党の反知性主義的な体質がよく表われています。また、「院のメンツ」などと言って参議院をバカにしていることも見逃せません。
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もうひとつは、参議院の緊急集会の権能をおとしめるために有権者をさげすんだ暴言で、「主権者たる国民の大半は、参議院選挙で投票する際に政権を選択する重い覚悟で票を投じているわけではないむしろ与党の政権運営が横暴になったり腐敗が目立ったりした場合、与党にお灸を据える思いで日頃支持していない野党候補に投票する傾向が強いことは、各種世論調査で明らかだ。ましてや参議院が国会の権限を一身に担う事態まで想定して投票する有権者はほぼ皆無だと考える。緊急集会が長期にわたって権限を行使することは、有権者の思いから外れた国会運営になりかねない」というもの。こんな人物に国会議員の資格があるのでしょうか。

これに対して、参政党の和田政宗氏は、選挙困難事態時の議員任期延長について、意外と言っては失礼ですが、下記のように筋の通った議論を提起しました。
「衆議院の解散により既に議員でなくなった人物が選挙を経ることなく身分復活するというのは、議会制民主主義において疑義があるという指摘がある。衆参同日選挙が予定されている中で緊急事態が発生しても、選挙で正当に選ばれた参議院議員の半数は現職として存在する。参議院の緊急集会の期間は制限されるという議論があるが、その期間は制限されないという憲法改正や、緊急集会で決定できる内容を拡充してフルスペックのスーパー緊急集会の開催で緊急事態に対応するという憲法改正を行うこともできる。」
「緊急政令、緊急財政処分については、国会機能の維持が困難となった場合における国家機能の維持のためとされているが、国会を開くことができるか、議員が参集できるかどうかについては、国会のバックアップ機能や代替機能を東京とは別の場所に置くことで解決できると考える。」


衆院法制局の「中立」は大嘘、イメージ案に緊急政令、緊急財政処分を盛り込む

緊急政令、緊急財政処分については、上掲の『NHK』の記事にあるように、参政党の和田氏だけでなく、国民民主党の玉木雄一郎氏も「様々な意見があり、来年春の発議を目指すなら蒸し返さないほうが得策だ」と述べ、チームみらいの古川あおい氏も「国会の関与なしに法律に代わる措置を可能とするものであり、慎重な議論が必要だ」と述べました。

このように自民党、維新の会以外の会派がそろって導入に反対あるいは慎重な立場であることを表明している緊急政令、緊急財政処分がなぜ「緊急事態条項のイメージ案」に入ったのか。それは、案を作成した衆議院の法制局と憲法審事務局が与党の指示に従ったから、あるいは与党の意向を忖度したからと考えるほかありません。キーパーソンは自民党の新藤義孝与党筆頭幹事と衆院法制局の橘幸信特別参事です。

この日、イメージ案を説明した橘氏は「これまでの審査会における討議の積み重ねを踏まえて中立的かつ専門的な立場から整理・作成した」と強調していましたし、配布された資料の冒頭にもそのように記されていますが、緊急政令、緊急財政処分について「討議の積み重ね」があったというのは虚偽だと言うほかありません。

さらに言えば、選挙困難事態の議員任期延長や参議院の緊急集会についても、イメージ案の内容はずいぶんと与党寄りになっていて、到底中立的とは言えません。

私たちは、選挙困難事態をでっち上げて議員任期延長の改憲を実現しようとする策動を阻止するとともに、緊急事態条項の「本丸」である緊急政令、緊急財政処分が改憲のテーマとして焦点化することをけっして許してはなりません。

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最後に、この日の審議を受けた中道改革連合と参院側の立憲民主党、公明党の動きを報じた『NHK』の記事を転載させていただきます。

中道 憲法改正めぐり緊急事態条項の必要性など議論
『NHK ONE』 2026年5月15日

憲法改正をめぐり、中道改革連合は、衆議院憲法審査会で緊急事態条項のイメージ案が示されたことを受けて、審査会での各党の議論も見ながら、条項を創設する必要性などについて党内の議論を進めていく方針を確認しました。

衆議院憲法審査会では、憲法改正をめぐり項目の1つとして議論されている緊急事態条項について、法制局などが作成したイメージ案が示され、14日それをもとに各党の討議が行われました。
これを受けて、中道改革連合は15日、党の憲法調査会を開き、会長を務める階幹事長は「国民にとって真に必要かつ有用な憲法改正は何かという見地から議論にあたりたい。緊急事態に国会議員の任期を延長する案は一歩間違えれば恣意的で有害なものになりかねず、慎重に問題点を検討したい」と述べました。
出席者からは「憲法を改正して緊急事態条項を創設する必要があるのか、法律で対応できるのか、丁寧に議論すべきだ」という意見や、「議員任期の延長を認める場合には要件を明確にする必要がある」といった指摘が出され、今後、憲法審査会での議論も見ながら党内の議論を進めていく方針を確認しました。

○中道 立民 公明の憲法調査会長が会談
衆議院憲法審査会で緊急事態条項のイメージ案が示されたことを受けて、中道改革連合と立憲民主党、公明党の憲法調査会長は15日午後、国会内で会談しました。

会談には、衆・参両院で憲法審査会の幹事を務める3党の議員も同席し、イメージ案の内容について共有するとともに、今後、審査会での議論も踏まえ定期的に意見交換を行っていくことを確認しました。
* 引用、ここまで(太字強調は引用者)。

この記事を読むと、中道は緊急事態条項の議論は拒まない方向のようで、心配が尽きません。

この日の傍聴者は60人弱、議場で取材していた記者は5人ほどでともに前回と同程度でしたが、TVカメラが4台も入って記者席に陣取っていました。新聞も含めていつもより報道量も多かったようですが、ネットでいくつかの記事を読んだりニュース番組を見たりしてみても、憲法審査会の動向を批判的に、あるいは危機感を持って報じていたものはほとんどありませんでした。

前回の傍聴記と同じことを書きますが、私たちは厳しい現実にしっかり向き合って、「国論を二分するような」改憲阻止の運動を盛り上げていかなければなりません。(銀)





4月23日(木)10時から、今国会4回目の衆議院憲法審査会が開催されました。
この日は、前回の審査会で与党筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)が提案した「緊急事態条項に関する集中的な討議」が行われ、各会派から1人ずつ7名が持ち時間7分間で意見を表明した後、7名の委員が制限時間5分で発言し、11時20分過ぎに散会となりました。なお、前半に意見を述べた玉木雄一郎氏(国民)と和田政宗氏(参政)は、後半にも古屋圭司会長(自民)から「特例」として発言を認められたので、この日の発言者の実数は12名でした。

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最初に、各会派代表の発言が全て紹介されていた『NHK ONE』と『日テレNEWS』の記事を一部転載させていただきます。▽は『NHK』、○は『日テレ』の記事です。各会派代表の主張の要点をつかむことができると思います。

▽衆院憲法審査会 緊急事態条項に関する集中的な討議を開催
『NHK ONE』2026年4月23日
▽ 衆議院憲法審査会では、緊急事態条項に関する集中的な討議が行われました。自民党は、具体的なイメージを明らかにして議論を行うことを提案したのに対し、中道改革連合は、国会機能を維持する観点から参議院との関係も意識しながら議論を進めることが重要だと指摘しました。

○衆・憲法審査会「緊急事態条項」集中討議 各党の意見は
『日テレNEWS』2026年4月23日
○ 衆議院では23日、憲法審査会が開かれ、大規模災害などの際に政府の権限を強化することなどを可能にする「緊急事態条項」に関する集中的な討議が行われました。
この日は、「緊急事態条項」の中でも、特に国会の機能維持について議論されました。

(以下、各委員の発言です。)
▽ 自民党の新藤元経済再生担当大臣は「緊急事態条項は大規模自然災害などの事態の発生により、国政選挙の適正な執行が困難になることを想定している。議論をピン留めする意味でも、次回の審査会で具体的なイメージを明らかにしてはどうか」と述べました。
▽ 中道改革連合の国重徹氏は「国会機能維持という問題意識のもと、臨時国会の召集期限や解散権行使のあり方も議論する必要がある。緊急集会の機能拡充などは、参議院との関係も十分に意識しながら議論を進めていくことが重要だ」と述べました。
○ 日本維新の会の西田議員は、参議院の緊急集会は、本来、暫定的かつ限定的な制度で、長期にわたる国政運営を担うことを予定していないと述べ、緊急事態条項に関する憲法改正について具体的な目標となるスケジュールを示す必要性を強調しました。
▽ 国民民主党の玉木代表は「起草委員会を設置し、選挙困難事態での国会機能の維持を可能とする条文案づくりを提案する。災害時の議員任期延長など民主主義の基盤をなす制度に関わる論点は合意が得やすい」と述べました。
○ 参政党は、「議員任期の延長といった各論は、付け焼き刃的改正になるのでは」と懸念を示し、議員任期の延長については、憲法全体を見直す中で必要性を議論すべきだと強調しました。また、緊急事態条項の対象に、「感染症のまん延」が含まれることについては、「人工ウイルスが作られ、緊急事態が演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限することが可能になる」として反対しました。
▽ チームみらいの古川政務調査会長は「緊急事態条項全般について議論を始めると各論点がピン留めされないまま時間が経過してしまう。まずは選挙困難事態における国会機能維持に絞って議論を始めるのが現実的だ」と述べました。
▽ 共産党の畑野君枝氏は「緊急事態条項は国会の権能を奪って内閣に権力を集中させ、人権の制限を可能にする憲法停止条項で歴史の教訓に逆行する。災害時などは参議院の緊急集会で対応すべきだ」と述べました。
* 引用、ここまで。

自民・維新は、次回憲法審で「イメージ案」明らかにと要求

今回の「緊急事態条項に関する集中的な討議」は与党筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)の提案を受けて行われたものでしたが、氏はこの日、さらにたたみかけるように「現時点における緊急事態条項の議論をピン止めする意味でも、次回の審査会において何らかの具体的なイメージを明らかにしたらどうか。その内容については、本日の討議を踏まえ、今後筆頭間で協議させていただきたい」と述べました。

 これに対して、維新の会の西田薫氏が「深く賛同する」と応じたのは「さもありなん」というところでしたが、中道改革連合の國重徹氏が「まずは緊急事態条項について集中的に議論を深めていくことには賛同する」と発言したのには本当に失望し、「やっぱりそうなのか」とも思いました。

「緊急政令、緊急財政処分」の内容に踏み込む

さらにこの日、国民民主党の玉木雄一郎氏やチームみらいの古川あおい氏は選挙困難事態時の国会議員の任期延長に絞って議論すべきだと指摘しましたし(玉木氏は条文起草委員会の設置と条文案づくりの着手まで主張しました)、後半の自由討議で発言した河西宏一氏(中道)は「緊急政令、緊急財政処分は議員任期延長とは異なる次元の論点であり、個別発議の原則に照らして別個に検討されるべきだ」と述べていました。

ただ気になったのは、河西氏が「内閣に白紙委任的な緊急政令制定権、緊急財政処分権を認めることは、国の唯一の立法機関たる国会の責任放棄につながりかねず、認めるべきではない」と主張しながら、「仮に憲法に規定するとしても、41条の例外規定ではなく、内閣は、あらかじめ法律の定めるところにより、当該法律で定める事項に係る政令を制定し又は財政上の支出その他処分を行うことができる旨の確認規定にとどめるべきだ」とも述べていたことです。

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またこの発言の後、玉木氏も「緊急政令に関して、書き方は2つある。今中道改革連合からもあったけれども、緊急政令を確認事項として書くということと、議会を開くいとまがないときにはとして一般的に書くということ。これもずっと言われてきた議論だ」と言い、「自民党で緊急政令というのであれば、それはどういう場合なのか」と問いました。この質問については、古屋圭司会長が「幹事会で協議の上、対応を決定させていただく」と引き取りました。

その後、事態はさらに悪い方に進んでいます。『NHK ONE』の記事をもうひとつ転載させていただきます。

衆議院憲法審査会 緊急事態条項の具体的なイメージ案作成へ
『NHK ONE』2026年4月28日

衆議院憲法審査会の幹事懇談会が開かれ、緊急事態条項についての議論を深めるため、来月中旬までに衆議院の事務局が条項のイメージ案を作成し、それをもとに討議を進めていくことで与野党が合意しました。
衆議院憲法審査会は28日午前幹事懇談会を開き、先週23日に緊急事態条項に関する集中的な討議を行ったのに続き、今後の討議の進め方について意見を交わしました。
この中で与党側は、議論をさらに深める必要があるとして、衆議院の事務局や法制局に緊急事態条項のイメージ案の作成を求めることを提案しました。
これに対し中道改革連合や国民民主党は「国民への議論の可視化につながる」などとして応じる考えを示しました。
そして、来月12日に開く次の幹事懇談会までに、事務局が条項のイメージ案を作成し、それをもとに審査会で討議を進めていくことで合意しました。
一方、オブザーバーとして参加した共産党は反対しました。
* 引用、ここまで(太字強調は引用者)。

「条項のイメージ案」がどのようなものを意味しているのかわかりませんが、「条項」というからには、これまでの議論を整理しただけの資料ではなく「条文案」に近いものになるのでしょうか。議員任期の延長だけなのか、緊急政令や緊急財政処分も含むのかも気になります。

いずれにせよ、幹事懇談会で反対したのはオブザーバーの共産党だけ(「付け焼き刃的改正」だと言っていた参政党はどういう態度を取ったのでしょうか)という国会内の厳しい現実にしっかり向き合って、「国論を二分するような」改憲阻止の運動を盛り上げていかなければなりません。

なお、立憲民主党の武正公一氏が会長に就いていたときは定例日の木曜日に審査会か幹事懇談会を開くことが多かったのですが、今国会では火曜日に幹事懇談会を開き木曜日に審査会を開くというパターンが定着しつつあるようです。審査会の開催回数が増えるだけでなく幹事懇談会は密室で非公開で行われるという大問題がありますので、これについても反対の声を上げていきたいと思います。

「NHKで中継を」衆院憲法審査会で要望も…かつて示された局側の見解に議員から失笑ザワつき

上記の小見出しは、この日の憲法審査会について報じた『日刊スポーツ』の記事の見出しです。スポーツ紙らしい目の付けどころだと思いました。

会議中に維新の会の馬場伸幸氏や阿部圭史氏が委員席の後方に控えていた橘幸信氏(昨年12月に衆議院法制局長を退任したあと、この1月から同局特別参与に就いています)のところに近づき何やら相談していると思ったら、今度は橘氏が馬場氏とともに新藤氏のもとへ行って打ち合わせするなど怪しい動きをしているなと観察していると、後半の自由討議で阿部氏が橘氏に次のような質問をしたのです。

「(憲法審査会の)NHK中継について提案したい。主要会派は皆賛同している。(かつてNHKに中継を要望した際に)幹事会にはNHKから返答があったと理解しているが、この場でも共有していただきたい」

これに対して、橘氏は次のように答えました。
「2024年12月13日、幹事会で馬場幹事からNHKに中継を申入れるべきとの発言があり、憲法審査会事務局がNHKからヒアリングしたところ」、「NHKとして明確な基準は設けていないが、国会中継には概ね4つの類型がある。①施政方針演説や所信表明演説とそれらに対する代表質問、②予算委員会の基本的質疑の一巡目、③予算委員会の集中審議で特に国民の関心が高いもの、④その他国民の関心が高いテーマで理事会等から全会一致での要請があることなどを総合的に勘案するということ」で、「NHKとしては、現状では憲法審査会に対する国民の関心は通常の番組編成を変更して国会中継を行うほど高くない、という認識が表明され」、「それが幹事懇談会に報告され、当時の枝野幸男会長より、国民の関心が高まるよう憲法審査会で議論を重ねよう、NHKへの要請は改めて幹事会で協議することとしたいという形で収まったものと承知している。」

このやり取りの前には玉木雄一郎氏(国民)が「NHK中継を是非お願いしたい」と言っていましたし、和田政宗氏(参政)もこの後に「NHKのテレビ中継をしっかり求めたい」と述べましたが、玉木、阿部、和田の各氏は、自らの発言がNHKでの中継に値する、そして中継されれば改憲の気運が高まると認識しているのでしょうか。私は自信過剰ではないかと思いますが、最近の選挙運動におけるSNSの利用とその影響などを見ていると、そうとも言い切れないのかいう気もします。

なお、憲法審査会に限らず、国会での審議の様子は、過去の会議も含めて、衆議院、参議院の『インターネット審議中継』で視聴することができますので、がっかりしたり腹が立ったりすることが多いかもしれませんが、一度はご覧になるといいと思います。

この日、議場で取材していた記者は5人ほどでしたが、傍聴者は前回より大幅に多い60人弱が集まりました。改憲への動きに危機感を抱く人々が増えている現れだと思います。(銀)

今国会での2回目の参議院憲法審査会が4月22日(水)に開かれました。前回(4/15)に引き続きテーマは「参議院議員選挙における一票の較差について」で、具体的には「合区制度の矛盾にどう対応すべきか」というものでした。
私は最初はこのテーマはそれほど重要ではないと軽く思っていましたが、この日の審議で「そうでもない」と考えるようになりました。衆議院憲法審査会で改憲派が大震災などの「緊急時の国会運営の重要性」から入って憲法に緊急事態条項新設をねじこもうとしているように、参議院では違憲状態が問題にされている「合区問題」(選挙制度)から入って憲法の「地方自治」の考え方に手を入れようとしているからです。

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この日は最初から参考人2人から意見表明を受け、その後それぞれの会派の考え方に基づいて質疑応答するという形で進められました。
参考人は下記の2人です。
①上智大の上田健介教授(憲法)
②神戸大大学院の砂原庸介教授(政治学)

参考人発言の簡単な要旨は下記のとおりです。

参院の在り方も議論を 憲法審、合区で参考人質疑
『時事ドットコムニュース(時事通信 政治部)』2026年04月22日

参院憲法審査会は22日、参院選挙区の「合区」の見直しを巡り参考人質疑を行った。参考人からは参院の在り方や、衆院との権限の差別化なども併せて検討する必要があるとの意見が出された。

参院選挙区の基本は都道府県単位だが、「1票の格差」是正のため、人口の少ない隣接県を統合する合区が「鳥取・島根」と「徳島・高知」で導入されている。

上智大の上田健介教授(憲法)は選挙区について「都道府県代表というのが基本的な考え方だが、合区対象の(一方の)県からは選ばれていないという不平等がある」と指摘。参院を各界や地方の代表者と位置付け、立法に関する決定権限を衆院より弱くすれば、最高裁による1票の格差是正の要請を回避できる可能性があるとの見解を示した。

神戸大大学院の砂原庸介教授(政治学)も参院を「地方の利益や意思を反映する機関」とした場合、「人口比例とは異なる代表原理が正当化される可能性がある」と述べた。
*引用、ここまで。

各会派の質疑の要点を的確に押さえた記事を紹介します。

改憲で合区解消「国民理解得やすい」「憲法照らし疑念」 参院憲法審
『朝日新聞デジタル』2026年4月22日

参院憲法審査会は22日、参院選の「一票の格差」をめぐり参考人質疑を行った。「徳島・高知」「鳥取・島根」の「合区」の解消をめぐり、自民党と日本維新の会の与党のほか、国民民主党も改憲を視野に入れる立場をとったのに対し、立憲民主党は改憲に慎重な姿勢を示した。

自民は2018年にまとめた改憲4項目で、合区解消や各都道府県からの議員選出を掲げる。自民の藤井一博氏は改憲による合区解消を念頭に「都道府県という単位は帰属意識を持った共同体として受け継がれてきたものだ」と訴えた。

国民民主の原田秀一氏も「憲法改正が必要であるならば、ためらうべきではない」と述べた。同党の玉木雄一郎代表は21日の会見で、改憲による合区解消について「国民の理解を比較的得やすい分野で、与野党そろって賛同しうるものではないか」と述べた。

一方、立憲の山内佳菜子氏は、憲法が保障する「投票価値の平等」を踏まえて合区解消のための改憲に慎重になるべきだと指摘。改憲論について「憲法の基本原理などに照らして強い疑念を呈さざるを得ない」と強調した。
*引用、ここまで(太字は引用者)。

なぜ、合区解消の改憲なのか?

これは、そもそも自民党が2018年3月に「憲法論議のたたき台素案」の中にあるということです。たたき台素案は、①自衛隊明記、②緊急事態対応、③合区解消・地方公共団体、④教育の充実、の4つです。

「合区選挙区」というのは、参議院選挙で問題とされた憲法第14条「法の下の平等」との関係で「一票の較差」を是正しようとしたもので、都市部の定数を大幅に増やすのではなく地方の定数を減らすということで、人口の少ない県同士を合区にし2013年の参議院選挙から導入されたものです。
しかし、これでも矛盾が解決されずどうするかという問題として出されています。

この日真っ先に発言した自民党の古賀友一議員(審査会幹事)は、「本日、まさに、参議院自民党の憲法改正実現議員連盟が発足しました。」と報告し(後日わかったことは、この議連には90人以上が入会し、「合区」解消を主要な課題とし、月1回の勉強会や全国で国民との対話集会を開くとのこと)、自民党の改憲条文イメージとして47条(選挙制度)、92条(地方自治)について述べました。

「地方自治」改憲も狙われている

その中で、現行憲法第92条の「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。」を下記のように変えると言いました。
「地方公共団体は、基礎的な地方公共団体及びこれを包括する広域の地方公共団体とすることを基本とし、その種類並びに組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」
国会の章(第4章)の47条に、人口を基本としつつも、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案する旨を明記するとともに、地方自治の章(第8章)において、基礎自治体と広域自治体を明確に位置づけるとしています。

この地方自治の章は、国が起こした侵略戦争に国民が総動員されていったこと、とりわけ地方の役場が国の出先機関として徴兵に関する役割を全面的に担わされたことを反省して、二度とそういうことがないよう「地方の自治」「住民の自治」という大事な考え方を憲法上に明記したものです。
そうした大事なところに、選挙制度との関係からスルっと変更を加えようとする意図が感じられ、ドキッとしました。

合区改憲に関する反対する意見

反対の立ち場からの意見としては、憲法を変えるということではなく、現在参議院の「改革協議会」で論議されていることを丁寧に進めていくことで解決するというものでした。

立憲・無所属 山内佳菜子議員
合区制度の不合理は解消されるべきだが、それは憲法改正の手段にはよらず、まずは参議院が国民のために果たすべき衆議院とは異なる独自の機能や役割の検討を求めるべき。現在、参議院の改革協議会でそうした議論が進んでいる。

共産 山添拓議員
選挙制度と組織の在り方、そして権限、これは相関関係にあるというときに、現行の憲法では、全国民代表、また、衆議院と同等の権限や役割を持たせている。
選挙制度については、参議院では参議院改革協議会が設置され、その場で各党各会派参加のもと合意形成を図っている。本来、この憲法審査会における議題としてはふさわしくない。

維新が「参議院でも緊急事態条項議論を」と提案

この日、一番びっくりしたのは、維新の会の松沢成文議員の発言でした。
ひとつは、この日の審査会でのテーマの論議とは全く無関係に、唐突に「当審査会において最も優先して討論すべきは、緊急事態条項の創設、とりわけ国会議員の任期延長と緊急政令、緊急財政措置の在り方である」「いまだ平時のテーマで足踏みしている状態は極めて遺憾」と言って、「幹事会で、緊急事態条項の優先討議を是非ともご協議ください」と幹事会で取り上げるべきと訴えたことです。
実際にどうなるかわかりませんが、憲法審査会全体を改憲発議へと押し立てる役割を維新の会は担っています。自民・維新の条文起草協議会でこうしたことが打ち合わされているのかもしれないと思いました。

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もう一つは、一週間前の審査会でのれいわの奥田ふみよ議員の「茶番」「自民党は恥を知れ」発言について、国会法を引き出して「無礼な言葉」であるとし、謝罪と取り消しを求めたことです。

これに対しては、奥田議員が自身の発言のところで取り上げ、堂々と跳ね返しました。
「憲法審査会は何より憲法25条を全国民に保障するために徹底議論しなければいけない、そんな思いから茶番という言葉になったまでです」「国会議員になって八か月、国会のしきたりに毎日驚いています。…なぜなら、余りに国会の外の生身の生活者、庶民の暮らしとかけ離れた空間だからです。国会の中に今をまじめに生きる労働者たちや主権者が全然いない。憲法審査会の幹事懇談会でうな重を食べながら次回のテーマを決めるという貴族空間に私はたたきのめされました」と言われ、最後に「自民党と維新はとにかく憲法を守れ。そして野党は全国民の平和を守るために暴走政治と真っ向から真剣に言論で闘え。そして、主権者の皆さん、ますます傍聴席を埋め尽くして、国会議員たちをしっかり憲法で縛るために歯止めをかけてください」と訴えました。
奥田議員の緊張感がひしひしと傍聴席にも伝わり、真剣勝負の意見表明に私も心から拍手を送りました。
この日、奥田議員の事務所を通じて185名の傍聴者がかけつけたそうです。狭い傍聴席は何度も入れ替え協力が呼び掛けられましたが、戦争国会が「見える化」され、とてもいいことだと思いました。(S)


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