とめよう戦争への道!百万人署名運動

署名運動をとおして、改憲・戦争への道を許さない闘いを全国的に広げていきます。

2023年12月

■懲役20年判決弾劾!大坂正明さん奪還!東拘包囲デモ
とき◆1月3日(水)午後2時、万葉公園集合(葛飾区小菅1-35、東武伊勢崎線「小菅」すぐ)、集会後デモ
主催◆東京労組交流センター(tel.03-3845-7463)、大坂正明さん救援会

■辺野古新基地建設の強行を許さない!防衛省抗議・申入れ行動
とき◆1月4日(木)午後6時30分~
ところ◆防衛省正門前(JR「市ヶ谷」7分)
主催◆辺野古への基地建設を許さない実行委(tel.090-3910-4140関東一坪)

■星野文昭・暁子 絵と詩展in香川
とき◆1月5日(金)~8日(月・休)午前10時~午後5時(8日は4時まで)
ところ◆サンポートホール高松・ホール棟1階市民ギャラリー(JR「高松」東口すぐ)
入場無料
主催◆香川・星野文昭さんを取り戻す会(tel.090-7146-9667片山)

■「戦争」を見せつける多国籍軍合同訓練の中止を求め抗議行動
とき◆1月6日(土)午後1時~JR津田沼駅北側デッキでリレートーク、3時~習志野駐屯地正門前で要請行動
主催◆市民ネット千葉県(tel. 090-3509-8732吉沢)

■大軍拡粉砕!沖縄を軍事要塞にするな!1.10防衛省抗議行動
とき◆1月10日(水)午後6時30分~
ところ◆防衛省正門前(JR「市ヶ谷」7分)
主催◆改憲・戦争阻止!大行進東京(tel.080-6053-1751)

■『原発をとめた裁判長そして原発をとめる農家たち』上映&講演会
とき◆1月13日(土)①午前10時~上映会&パネルトーク(1200円)②午後1時~上映会&樋口英明講演会(1500円)
ところ◆つくばカピオホール(茨城県つくば市竹園1-10-1)
主催◆実行委員会in茨城(予約・問合せtel. 090-1200-1986山内)

■ガザ虐殺をやめろ!1.13ヒロシマ反戦デモ
とき◆1月13日(土)午後1時に原爆ドーム前集合、1時30分デモ出発
デモコース:原爆ドーム~本通り~岸田首相事務所
呼びかけ◆8.6ヒロシマ大行動実行委(tel.082-245-8410)

■原発をとめた裁判長 樋口英明さん講演会
とき◆1月14日(日)午後1時30分~
ところ◆松戸市民会館301(松戸駅東口5分)
700円、要予約
主催◆東海第二原発いらない!東葛デモ実行委(tel. 090-9365-9608武笠)

■懲役20年判決弾劾!無実の大坂正明さん無罪奪還!集会&デモ
とき◆1月14日(日)午後2時~集会、3時デモ出発
ところ◆豊崎西公園(大阪市北区豊崎5丁目)
主催◆星野文昭さんをとり戻す関西連絡会(tel.090-9273-1830吾郷)

■小出裕章さん講演会~朝鮮半島の核問題~
とき◆1月14日(日)午後2時開会
ところ◆全水道会館5階(JR「水道橋」東口5分)
講師◆小出裕章さん(原子力工学)
1000円、要予約
主催◆たんぽぽ舎(tel.03-3238-9035)

■1.14ミサイル基地拠点化反対市民大集会
とき◆1月14日(日)午後3時開始
ところ◆うるま市民芸術劇場(響きホール)(沖縄県うるま市字仲嶺175)
入場無料
講演◆新垣毅さん(琉球新報報道本部長)
主催◆ミサイル配備から命を守るうるま市民の会(tel.080-1102-2309宮城)

■1.15ミサイル避難訓練反対闘争
とき◆1月15日(月)正午、JR東中野駅西口前に集合
(訓練概要)1時30分~都営地下鉄「東中野」で避難訓練、2時30分~中野駅北口の四季の森公園で国民保護共同実動訓練予定
主催◆改憲・戦争阻止!大行進東京(tel.080-6053-1751)

■ガザ大虐殺やめろ!世界戦争阻止!岸田打倒!1.21新宿反戦デモ
とき◆1月21日(日)午後1時~リレーアピール、2時頃デモ出発予定
ところ◆JR新宿駅東口アルタ前
主催◆改憲・戦争阻止!大行進東京(tel.080-6053-1751)

■ガザ虐殺をやめろ!学習集会&デモ
とき◆1月21日(日)午後1時30分~集会、4時デモ出発
ところ◆かながわ県民センター304(横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2)
講師◆中村真之さん(大行進神奈川事務局)
主催◆改憲・戦争阻止!大行進神奈川(tel. 080-5002-8744)

■ガザ虐殺弾劾!パレスチナ連帯!医療福祉労働者は反戦デモに立つ
とき◆1月21日(日)午後2時~集会、集会後デモ
ところ◆大阪PLP会館(大阪市北区天満橋3-9-27)
主催◆地域医療交流会(tel.072-999-3555)

■三里塚・耕作権裁判&市内デモ
とき◆1月22日(月)正午に千葉市中央公園(JR千葉駅5分)に集合→市内デモ
裁判傍聴◆午後1時45分開廷(千葉地裁)
問合せ◆三里塚芝山連合空港反対同盟(tel.0476-35-0087)

■首相官邸前・原発いらない金曜行動(毎月第3金曜日)
とき◆1 月26日(金)午後6時30分~7時45分
ところ◆首相官邸前(地下鉄「国会議事堂前」すぐ)
主催◆「原発いらない金曜行動」実行委(tel.03-3238-9035)

■反原発学習会~希望の牧場・吉澤正巳さん来たる!
とき◆1月28日(日)午後2時~
ところ◆さいたま市下落合コミセン第4集会室(JR与野駅西口3分)
主催◆NAZEN埼玉、埼玉反原発アクション(tel. 090-4000-2756たかぎ)

■ガザ大虐殺をやめろ!パレスチナ連帯1.28吉祥寺反戦デモ
とき◆1月28日(日)午後2時~JR吉祥寺駅北口でアピール、2時50分デモ集合点に移動(井の頭公園)、3時30分デモ出発
主催◆改憲・戦争阻止!大行進三多摩実行委(tel.042-644-9914)

■「人権とメディア」連続講座~岡真理さん(現代アラブ文学専門)
き◆1 月29  日(月)午後6時開会~
ところ◆たんぽぽ舎「スペースたんぽぽ」(JR水道橋駅西口7分、神田三崎町3-1-1)
要予約
主催◆たんぽぽ舎(tel.03-3238-9035)

茨城の仲間からの報告です。
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12月8日、茨城県水戸市で開催のG7内務・安全担当大臣会合粉砕の反戦デモを闘いました。この会議はアメリカとイスラエルによるパレスチナ人民虐殺を支援し、ウクライナ戦争を継続することを確認し、中国侵略戦争のための国内治安体制づくり・反戦闘争圧殺などを話し合う極悪の戦争会議です。茨城、水戸が侵略戦争・核戦争を推進する場となることを絶対許さない! 茨城県労組交流センターが呼びかけたG7粉砕の反戦デモに、労働者・学生など40名が結集しました。

デモ出発までの約1時間、JR水戸駅南口で街宣を行いました。茨城県内の労働者、学生、関東の大行進運動を闘う仲間らがリレーアピール。イスラエルによるガザ虐殺への怒りの発言を青年、高校生、外国人労働者が聞き入り、ビラを受け取りました。
水戸3
水戸1
午後2時、いよいよG7会議会場の水戸市民会館に向かってデモに出発。茨城県警はデモ隊列の10倍近い300人の警備体制を敷いてデモの圧殺を目論みましたが、デモ隊は怒りのシュプレヒコールを会場に向かうメインストリートに響かせて市民会館に肉薄。機動隊の「立ち止まるな」の規制を跳ね除け、「サミット粉砕!」「パレスチナ人民への虐殺やめろ!」と怒りの声をG7首脳に叩きつけました。

水戸2
今回の水戸反戦デモに向け、私たちは水戸、つくば、土浦、牛久などで街宣を行ってきました。11月労働者集会の勝利に続き、この日の反戦デモをパレスチナ人民と連帯し、中国侵略戦争・核戦争に突き進む岸田政権打倒を宣言する闘いとしてやり抜きました。(動労総連合水戸労組 S)

 

12月7日(木)10時から、今臨時国会5回目の衆議院憲法審査会が開かれました。
この日が今国会3度目にして最後の実質審議の機会となったからでしょうか、「総括的な自由討議」が行われ、予定時間を少し超過して11時40分前に散会となりました。

今回の審議会について、大手メディアは、自民党が来年1月に始まる通常国会で緊急事態条項の条文案を起草するための作業部会を設置することを提案し、改憲勢力の各会派が同調したことを報じています。

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下に『毎日新聞』のウェブサイトに掲載された記事を転載させていただきますが、ほかにも、たとえば『NHK NEWS WEB』は「国会議員の任期延長 自民 憲法改正条文案の起草機関を提案」、『時事ドットコムニュース』は「自民、条文起草へ機関設置提案 衆院憲法審、緊急事態条項を想定」という見出しの記事を掲載しています(いずれも12月7日付)。

自民、緊急条項案起草の作業部会設置を提案 衆院憲法審
『毎日新聞』2023年12月7日

衆院憲法審査会は7日、自由討議を行った。選挙の実施が困難な時に特例的に衆院議員の任期を延長する「緊急事態条項」を巡り、創設のための条文案を起草する作業部会を来年の通常国会で設置するよう自民党が提案。公明、日本維新の会、国民民主の3党などは賛同した。立憲民主党は反対したが、CMやインターネット広告の規制などで課題が残る国民投票法の見直しについては作業部会の設置に応じると表明した。
今国会中の衆院憲法審は会期延長がなければ今回が最後。与党筆頭幹事の中谷元氏(自民)は、議員任期延長について、昨年の臨時国会と先の通常国会で計2回の論点整理が行われたことを踏まえ「そろそろ次のステージに入っていく必要がある」と主張し、来年の通常国会での条文案起草作業への移行を提案した。
一方、野党筆頭幹事の中川正春氏(立憲)は、大災害や未知の感染症の世界的大流行などの緊急事態には法律で対応可能と指摘。「緊急事態条項は現時点で憲法に明記する必要はない」と主張した。国民投票法の見直しについては「作業部会などの設置も含めて、前に進めることができる」とした。【木下訓明】
* 引用、ここまで。

この記事で紹介されている中谷氏の発言の詳細は、
「この臨時国会での討議の締めくくりに当たり、これまでの議論の到達点を確認する」、「議論が大きく進んだのは緊急事態条項、特に議員任期の延長をはじめとする国会機能の維持についてであり、昨年以来2度の論点整理が行われ、自民、公明、維新、国民、有志の5会派においてはほとんどの論点について認識が一致している」。
「ここから誰の目にも明らかになったのは、そろそろ次のステージに入っていく必要があるということだ」、「そこで与党筆頭幹事として、この際少し具体的な提案をさせていただきたい」、「まず、来年の通常国会に、議員任期延長や解散禁止などを含めた緊急事態における国会機能維持の改憲について、具体的な条文を検討する機関を設け、起草作業のステージに入ることを提案する
というものでした。
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自民党の発言者全員が自衛隊明記を主張

これを文字どおり受け取れば、自民党が改憲の発議、国民投票の実現に向けていよいよ本腰を入れようとしていることを示したものにほかならず、今後の動向に最大限の注意を払っていく必要があると思います。
また、私はもう1点、この日発言の機会を得た自民党の委員3人が、そろって自衛隊明記の改憲を主張したことにも警戒を呼びかけたいと思います。

まず、中谷氏は「議論の到達点」の1つとして、「自衛隊明記についてはほぼ合意が形成されている。条文化を見すえた場合、残る論点はその記述の仕方といったテクニカルな点だけと言っても過言ではない」と、耳を疑う誤った(「と言っても過言ではない」という言葉を投げ返したいところです)認識を開陳しました。現に、玉木雄一郎氏(国民)は「中谷氏からほぼ合意ができている旨の話があったが、私は単なる明記案では中途半端だと考えるので反対だ」と明言しています。
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次いで下村博文氏も、「我が国に迫り来るさまざまな脅威から国の主権と国民の生命と財産を守り抜くために、自衛隊明記と緊急事態条項創設の2点を軸とする改憲の実現に向け、速やかに具体的な条文案の策定と国会発議が行えるよう提案する」などと述べました。ただ、発言の力点は緊急事態条項の方にあったようで、「想定外の事態に迅速に対応するため、個別法ではなく憲法を直接の根拠として内閣が緊急政令、緊急財政処分を行える規定を設けるべきだ」、「東日本大震災のときは71の関連法、159の政令を成立させているが、それだけ復旧・復興が遅れてしまったということでもある」、「そもそも憲法に緊急事態条項がないのは政治の不作為ではないかと思う」など言いたい放題でした。

極めつけは山田賢司氏の発言でした。氏は「憲法では表現の自由を保障し検閲を禁じているが、GHQによって1949年まで検閲が行われていたほか、プレスコードは占領終了まで維持された。明確な憲法違反だが違憲訴訟が提起された例は見当たらなかった」、「憲法が保障する国民の人権を守るためには国家の主権と独立を守らなければならないということを、あらためて国民の皆様にも理解していただきたい」などと述べた後、「外国との関係では国際法や国際人道法があるが、それで国民の命が守られるかと言えば、(そうでないことは)ウクライナや中東の情勢を見れば明らかで、国際法を守らない者の武力攻撃から守るためには実力が必要だ」、「防災用語に自助、共助、公助という言葉があるが、防災訓練の現場では発災直後には公助は期待できないので自助、共助で命を守ってくださいと呼びかけている。これは武力侵略を受けた場合にも当てはまり、国連を含む国際機関の関与はきわめて限定的であるので、自分の国は自分で守る、そして同盟国・同志国と協力して守ることが必要だ」などと続けました。
突っ込みどころだらけのトンデモ論ですが、とくに前半のくだりに対しては、「表現の自由と自衛隊と何の関係があるのか。軍事組織は表現の自由など国民の人権を制約しようとするものではないか」、「アメリカに対して当たり前の要求もできない対米関係の現状をどう考えているのか。自衛隊を明記したって解決しないぞ」と言ってやりたいと思いました。

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議員任期延長改憲の行方は?

議員任期の延長問題については、「立憲民主党はワーキングチームを設置し、一応の結論を得た」として、奥野総一郎氏(立民)から報告がありました。「一応の結論」と言うとおりややわかりにくい内容でしたが、氏は「緊急集会はその制定経緯から国家的な緊急事態を想定した制度であることが明らかであり、戦前の国家による権力乱用の反省に基づき、徹底した国会中心主義の観点から創設されたきわめて優れた仕組みである」、「議員任期の延長制度は、議員が選挙を経ておらず民主的な正当性に疑義がある中で、衆議院として暫定的でなく正式な決定を行うものであり、戦時中に戦争遂行体制の整備を口実に任期が延長された歴史的事実を見ても悪用のおそれがあり問題がある」などと説明しました。

これについて、北側一雄氏(公明)は「70日を超えて長期間緊急集会の開催で国会の機能を認めていこうというなら、二院制の問題にも衆参同時活動の原則にも反するものであり、それは憲法を改正しないとできないはずだ」と反論し、「来年は是非(立憲民主党の)改憲案を示してほしい」、「来年は是非(緊急事態)条項案のたたき台を基に議論していくことが必要だ」と「来年は是非」を連発していました。

これに関連して、中川正春氏(立民)は「緊急事態条項について、現時点で私たちは憲法に明記する必要はないと考えている。この課題について合意は見えていないと判断している」と明言し、「今の時点で意見を集約できそうな課題は国民投票法に関連した見直し作業で、特にネット社会の進展などによって当初の国民投票のあり方では公平・公正な国民投票が実施できない、見直しが必要だという方向性は合意、あるいは確認できている。その原案作成のための作業部会などの設置も含めて前に進めることはできると思う」と主張しました。
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来年の通常国会で改憲条文案作成のための作業部会が設置されるとすれば、そのテーマは緊急事態条項になる公算が大きいと思われます。立民・共産がどこまで抵抗できるのか、議員任期の延長に加えて緊急政令・緊急財政処分まで取り上げられるのか、私たちの見えないところで改憲条文案づくりが進むことになります。自衛隊・自衛権明記、緊急事態条項新設の改憲を阻止するために、私たちは作業部会などの設置に断固反対しましょう。

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来年に向けた動きと言えば、『産経ニュース』に以下の記事が掲載されました。高村氏には2014年から15年の集団的自衛権一部容認の閣議決定、安保法制の制定に際して、北側氏とともに自公間の合意形成を主導した過去があり、すでに2017年に議員を退いている高村氏がしゃしゃり出てくるとすれば、緊急事態時でもないのに議員任期の延長を先取りするような異様な事態だと思います。

改憲実現に課題山積の自民 高村正彦元副総裁が公明と調整へ
『産経ニュース』2023年12月7日

今国会の会期末を13日に控え、衆院憲法審査会は7日が最後の実質審議となった。岸田文雄首相(自民党総裁)が来年秋までの総裁任期中の憲法改正に意欲を示す中、改憲を党是に掲げる自民が本気度を示せるかが問われている。
「来年の通常国会からは具体的に(憲法改正の)条文化を巡り議論を重ねていく段階に来た」。衆院憲法審の与党筆頭幹事を務める中谷元氏(自民)は7日、記者団にこう述べた。
自民や公明党、日本維新の会、国民民主党など改憲勢力は先の通常国会で、緊急事態条項新設などの必要性で足並みをそろえた。
ただ、臨時国会は改憲案作りが具体化しないまま終了する見通しで、改憲を期待する他党や保守陣営では自民に対し、不信感が芽生えつつある。維新や国民民主などは自民の本気度が見えない場合、改憲の可否を問う国民投票に向けたスケジュール設定や定例日以外の憲法審の開催、閉会中審査などを求める書面を突き付ける構えだ。
一方で、自民の危機感も強まっている。党憲法改正実現本部(古屋圭司本部長)は6日、全ての所属国会議員らに対し、「憲法改正研修会」の開催を促す書面を通達。各選挙区支部などでのきめ細やかな開催や、改憲に関する活動への協力などを要請した。改憲機運を盛り上げる狙いだ。
友党との連携強化にも動き出した。緊急事態条項を巡り、自民は緊急時の国会議員の任期延長に加え、内閣が法律に代わって制定する緊急政令も可能にすべきだとの立場。大正12年の関東大震災に際し、当時の政府が明治憲法の緊急勅令を駆使して苦境を乗り切ったことを重視。任期延長だけでは「国会議員によるお手盛り改憲」と批判されかねないことへの警戒もある。
ただ、公明は緊急政令の導入に慎重だ。「支持母体の創価学会の池田大作名誉会長が死去して以降、山口那津男代表の護憲姿勢が強まっている節がある」(自民幹部)との懸念もある。このため自民は同本部最高顧問を務める高村正彦元副総裁に調整を委ねる方針。安全保障法制をまとめる際に公明との折衝を担った手腕に党内の期待は高い。
自民は裏金問題、維新は大阪・関西万博を巡る批判、国民民主は前原誠司氏らの離党と改憲勢力はいずれも逆風に直面している。態勢を立て直し、憲法改正というゴールに向けて結束を維持できるのかも焦点となる。(内藤慎二)
* 引用、ここまで。

上掲の記事の最後に指摘されているように、いま改憲勢力の各会派は深刻な「逆風に直面」しており、特に岸田文雄首相はこのところの憲法審で維新、国民が自民の尻をたたく根拠としてきた「自民党総裁任期中の改憲」どころかいつまで首相・総裁の座にいられるかもわからない状況に追い込まれているわけですが、そうしたときであるからこそ、岸田氏あるいは彼の後任者は人々の関心をそらそうとして改憲に突き進もうとするかもしれません。
政治情勢の推移を注意深くフォローしながら、私たちは何があっても粘り強く改憲・戦争反対の旗を掲げ続けていきましょう。

この日の傍聴者は45人ほどだったと思います。記者は最初2人いましたが、途中から1人になってしまいました。
この日も自民党の委員の欠席が目立ち、3~7人が席を外していました。今回が今国会最後の憲法審となりますので記しておきますが、自民党と日本維新の会の委員には審議に臨む態度がなっていない者が目立ちます。この日特にひどかったのは細野豪志氏(自民)で、隣席の古屋圭司氏(なんと自民党憲法改正実現本部の本部長だというのだからあきれます)と長々と私語を交わしたり、スマホに見入っていたりしました。(銀)

12月6日(水)13時から、今臨時国会2回目の参議院憲法審査会が開催されました。

今回はテーマを限定することなく「憲法に対する考え方」について意見交換を行うということで、まず各会派1人ずつ5分以内での発言、続いて発言を希望する委員の3分以内での発言がありました。制限時間が厳しく管理されていたこともあって、14時50分過ぎに閉会するまで27名(定数45のちょうど6割)が意見表明の機会を得て、玉石混淆の(私見では「石」の方がだいぶ多い)持論を展開しました。
今回の傍聴記では、会派ごとに発言者の意見を紹介していきたいと思います。
yurusuna

自衛隊明記、緊急事態条項の必要性を全面展開した自民党

まず、12名が発言した自民党ですが、会派代表として発言した山本順三氏は、合区問題について「憲法審で議論を深めていくことが重要だ」が、「まずは参議院改革協議会での議論の進展を見てはどうかと考えている」と述べました。松下新平氏も同様の発言を行っており、党として当面は憲法審で合区問題は取り上げないという方針を固めたのかもしれません(「しれません」と書いたのは、加藤明良氏が「合区制度に対する反対や懸念を解消するためには、憲法上都道府県を参議院の選挙区とし定数を明記する必要がある」という見解を披露したからです)。

緊急事態条項、自衛隊明記については、多くの委員が右派色、もっと言えば極右色を丸出しにした発言を重ねました。
例えば片山さつき氏は、「緊急集会を含む緊急事態対応について、論点ごとに各会派が条文案を含む具体的な考えを提示し合い、議論を進めて国民に条文案を示すという憲法審の責務を果たすべきだ」と述べた上で、「それをせずに緊急事態対応の議論をいったん止めるということなら、自衛隊の明記を課題として取り上げて改憲原案を審査するという憲法審の設置趣旨に則った活動を行うべきだ」と主張し、「国の最大の責務は国民の生命と財産、領土や主権を守り抜くことにあることからすれば、最も根幹的な国防規定について議論し憲法にどう反映させていくかを考えることに最優先で取り組むべきだ」、「現在の国際社会は、憲法が規定する“諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持”できる状況とはなっていない」などと言い募りました。

片山氏のほかにも、衛藤晟一、山谷えり子、山田宏、青山繁晴などの「論客」が次々に同様の発言を重ねました。ここでいちいちあげつらうことは控えますが、大いに驚かされた発言を2つだけ紹介しておきます。
1人目は山田宏氏。「自衛隊は軍隊ではないとされているため、生命の危険を伴う職務でありながら、自衛官には軍人用の恩給がなく一般の公務員としての年金のみ。他国の軍人には現役のときも功績や職務への精励に対して何度も叙勲の機会があるのに自衛官は退職後1度だけで、しかも全員が対象にはなっていない」。
もう1人は青山繁晴氏。「2002年の日朝首脳会談で、当時の金正日総書記は初めて拉致の事実を認めた。それは、憲法9条の“国の交戦権は、これを認めない”という条文によって、相手が国であれば、日本は領土を奪われても国民を拉致されても何もできないからだ」。
自民党の委員たちの発言を総括すると、すべての委員が緊急事態条項の創設、自衛隊の明記のいずれか、あるいは両方の必要性に言及しましたが、どちらかと言えば後者に力点を置く委員が多かったように思います。

緊急事態条項を否定、緊急集会の活用を主張した立憲民主党、社民党

共同会派「立憲民主・社民」の委員は8名が発言し、多くが緊急事態条項の必要性を否定し、緊急集会の意義と役割を指摘しました。
例えば福島みずほ氏は、「主権者である国民から選ばれた国会でしか立法はできず、内閣が法律と同じ効力を持つ政令を作って基本的人権を制限することもできるとなれば、立憲主義の否定である」、「(議員任期の延長は)国会議員居すわり改憲であり、国民が選挙で政治を変えたいと思っても選挙をさせない民主主義の否定である」、
熊谷裕人氏は、「衆議院議員の任期延長は選挙を経ていないことから民主的な正当性に疑義があり、そのための改憲は必要でなく、緊急集会をしっかりと活用すべきだ」、「改憲の発議や内閣不信任決議案は緊急集会の権能の外にあるが、総理及び多数の国務大臣を欠き選挙を延期せざるを得ない非常事態下では総理の指名も理論上あり得ると考えている」、
小西洋之氏は、「緊急集会を70日に限定する、あるいは平時の制度だとする見解には法令解釈すらなく、(それを主張するなら)まずは緊急集会の立法事実や根本的な趣旨に照らしてなぜそういう解釈が成り立つのかを説明していただければならない」と述べていました。

また、辻元清美氏は、「2021年の国民投票法改正の議論のとき、発議者は附則4条の趣旨として法改正なくして改憲発議はできないと答弁していることをあらためて確認したい」と指摘した上で、「AIによるフェイクなどの深刻度はさらに増しており、国民投票が偽情報でねじ曲げられるような状況は、改憲への立場に関係なく放置できない問題であり、広報協議会のあり方についても議論が求められている」と提起しました。

議員延期延長改憲に同調せずさらなる議論を訴えた参院公明党

以上のほか、この日の審査会では公明党2名、日本維新の会2名、国民民主党1名、共産党1名、れいわ1名が発言しました。

中でも注目すべきは、緊急集会と議員任期の延長についての塩田博昭氏(公明)の発言でした。氏は、衆院憲法審での議論、憲法制定時の帝国議会における金森大臣の答弁、今年の通常国会の参院憲法審での参考人の意見を整理・紹介した上で、「権力分立と国民主権の観点から、緊急集会と議員任期の延長のいずれが優れているとは言い切れず、それぞれの優れた点や問題点を細やかに洗い出す必要がある」、「今後の本審査会において、緊急集会の権限と活動期限、議員延期の延長等についてさらなる議論がなされることを希望する」と述べたのです。
これはこれまでの参院憲法審での公明党の立場を踏襲したものではありますが、11月30日の衆院憲法審で北側一雄氏が「任期延長の改憲をめぐり、立民に“全く必要性がないと言うのであれば、ちょっと違う段階に入っていかざるを得ない”と通告。“(自民党や日本維新の会、国民民主党など)賛成会派だけで条項案についても検討していくステージに入っていかざるを得ない。その時期が近づいてきている”とも語った」(12月1日付『産経ニュース』)だけに、あらためて衆参公明党の不一致があらわになった形です。

なお、この日れいわ新選組を代表して発言したのは大島九州男氏でした。これは、山本太郎氏が同時刻に開催されていた東日本大震災復興特別委員会に出席していたからですが、私を含めてがっかりした傍聴者は多かったと思います(大島氏はれいわの主張を堂々と展開し、立派に代役を務めていたことを付言しておきます)。

さて、12月6日付の『産経ニュース』が「参院憲法審、今国会も反省生かせず2回で閉幕へ」という見出しで報じたように、改憲勢力にとってはほとんど進展のないまま今臨時国会の参院憲法審は終わりました(有料会員記事であるため冒頭部分しか読めませんが、『産経』の記者は「もともと衆院憲法審に比べて改憲論議のペースが「周回遅れ」と不安視されていた。過去の反省を生かせず、汚名返上とはならなかった」と書いています)。特に、衆参公明党の足並みの乱れが解消されていないことは、彼らにとって頭の痛い問題でしょう。
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しかし、もちろん安心することはできません。憲法審査会の外では、まるで憲法9条など存在しないかのように対中国戦争の訓練や準備が着々と進められています。国が実際に戦争をするために、改憲勢力は自衛隊・自衛権の明記や緊急政令・緊急財政処分を含む緊急事態条項の創設をますます焦点化してくるでしょう。戦争反対と明文改憲反対は一体の闘いです。引き続き粘り強く改憲・戦争反対の声を上げていきましょう。

今回も、ときどき短時間席を外す者はいましたが、委員の出席率は高かったです。傍聴者は30人強、記者は1~4人が記者席に着いていました。
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今号の1-2面は、11月19日に東京・日比谷野外音楽堂で行われた労働者集会・国際反戦集会の報告です。好天に恵まれ全国から2800人が参加、反戦を闘う各産別の労働者の発言や海外の労働者の発言に触れ、感動的な集会でした。
在日パレスチナの方からの発言もあり、集会の最後に「パレスチナ連帯決議」も採択されました。
集会後、東京駅まで「ガザ虐殺やめろ!」とデモ行進しました。

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3面は、世界の戦争情勢の中で日本でも戦争準備が進んでいること、その中での明文改憲策動が強まっている憲法審査会の報告です。

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今号の4-5面企画はパレスチナ問題です。
イスラエルのガザ攻撃に怒りパレスチナ人民の闘いに心を寄せてきた田中博一さん(アラビア語翻訳家)に今の思いをお聞きしました。

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6面は、東海第二原発の再稼働反対や、福島現地で開始された汚染水放出阻止の闘いの報告です。

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7面は、各地からのお便り。
8面は12月の集会などのインフォメーション。そして、年末カンパのお願いです!!!

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「全国通信」定期購読のお願い

『百万人署名運動全国通信』は、毎月1回1日に発行されていています。
改憲・戦争反対の運動に役立つようにと毎回4-5面で特別企画(インタビュー記事など)に取り組んでいます。A4で8頁、1部100円です。ぜひ定期購読をお願いします。

購読料は、送料・カンパも含めて年間3000円/1口の賛同金としてお願いしています。
「とめよう戦争への道!百万人署名運動」はこの賛同金で運動を継続しています。ご理解いただきご協力をよろしくお願いいたします。

●賛同金の振込先(郵便振替)
   口座番号  00150-1-410561
   加入者名  百万人署名運動
 *備考欄に「賛同金として」とお書きください。
  カンパの場合は「カンパとして」とお書きください。  

★なお、ご希望の方には、宣伝紙をお送りします。
このホームページの右枠内の「メッセージ」欄より、送り先をご連絡ください。



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