許すな!憲法審査会

「とめよう戦争への道!百万人署名運動」ブログを改めて、改憲の憲法審査会動向をお伝えしていきます。百万人署名運動は、「改憲・戦争阻止!大行進」運動に合流しました。

2022年12月

12月1日(木)午前、衆議院憲法審査会が開催されました。10月27日から11月17日まで、文化の日を挟み3回連続で定例日(木曜日)に行われてきましたが、今回は2週間ぶりの開催となりました。
なお、この日国会で開かれた委員会等は衆院憲法審と参議院の予算委員会、総務委員会だけでした。
また、いつも審査会に先立って行われる幹事会が何らかの事情で長引き、10時に予定されていた開始時刻が10時18分ころまで遅れました。
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テーマは前回までと同じく「日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正をめぐる諸問題」とされていましたが、この日の議論は事実上緊急事態条項に関する問題にほぼ絞られ、その内容や必要性について意見が交わされました。
具体的には、衆議院法制局が作成した緊急事態条項に関する論点整理のペーパーについて法制局長が20分かけて説明し、それを受けて各会派の代表が10分ずつ発言するという形で議事が行われました。

こうした議論のあり方について、中川正春氏(立民)は「緊急事態以外にも、今国会で緊急的にしっかり議論の俎上に載せなければならない課題はある」と、また、赤嶺政賢氏(共産)は「自分たち(改憲勢力のこと)が進めたいテーマに沿う議論だけを取り上げて(衆院法制局が)一覧にし、これからの議論を方向づけるような内容になっており、改憲内容を固めていくようなことは容認できない」と指摘しましたが、残念ながら現在の勢力関係の下ではこうした“正論”は通じません。
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本稿では、この日の審議について紹介する前に、まず、審査会が開かれなかった先週11月24日に行われた幹事懇談会の様子を報じた『毎日新聞』の記事を引用させていただきたいと思います。

これを読むと、この日の審査会が予算案審議中の開催に難色を示していた立民・共産を押し切って強行されたこと(あるいは、後述するように何らかのバーターがあったのかもしれません)、ほぼ同様の議論が1週間前にすでに交わされていたことなどがわかります。玉木雄一郎氏(国民)は、この日の発言の中で「先週は審査会を開かずに幹事会を行い、意見の整理もチェックもした。私もコメントし、今日はそれが反映されたものが出されている」と説明していました。

議員任期延長、各党主張に隔たり 緊急事態条項の創設巡り
『毎日新聞』2022年11月24日

衆院憲法審査会は24日、幹事懇談会を開き、緊急事態条項の創設を巡り国会議員の任期延長などについて各党の主張をまとめた論点整理の資料が衆院法制局から提示された。自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の4党は12月1日に憲法審を開き、改正原案の作成に向けた意見集約に入るよう求めたが、立憲民主党や共産党は予算委員会での補正予算案審議中の開催に否定的で、合意に至らなかった。

資料はA3用紙1枚で、先の通常国会から今国会までの各党の審査会での主張をまとめた。4党は、①大規模自然災害②テロ・内乱③感染症まん延④国家有事―の場合に緊急事態を内閣が宣言・認定すると主張。任期延長には、国会の事前承認・決議が必要で、衆参の出席議員の3分の2以上の賛成を要件とした。ただ、維新や国民民主が司法の関与を求めているのに対し、公明は司法では判断できないとして否定的な立場をとった。また、内閣の権限を強化する緊急政令や緊急財政処分を憲法で規定することについては、公明が現行の法律や予備費で対応できるとして否定的だったのに対し、自民、維新は必要だとしており、4党にも主張に隔たりがある。

一方、立憲は、現行憲法で規定されている参院の緊急集会や公職選挙法の繰り延べ投票で対応できると主張。共産も戦前に議員任期が延長され、戦争翼賛体制につながった歴史は重いとして反対した。

与党筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)は幹事懇後、記者団に「緊急事態に関する議論が深まり、さまざまな論点が各党から示されている」と話した。野党筆頭幹事の中川正春氏(立憲)は1票の格差や解散権の乱用なども並行して議論する必要があるとして「議員任期の延長だけに特化すべきではない」とくぎを刺した。立憲内では、意見集約に入れば憲法改正原案の作成につながるとして警戒感が根強い。【加藤明子】
* 引用、ここまで。

次に、この日の憲法審について報じた『東京新聞』の2本の記事を転載させていただきます。

緊急事態条項を論点整理 議員任期延長は公明、維新、国民なども賛意 衆院憲法審査会
『東京新聞TOKYO Web』2022年12月1日

衆院憲法審査会は1日、憲法への緊急事態条項新設を巡る論点と各党の主張をまとめた資料に基づき、討議を行った。自民党は、野党の賛同が得やすい国会議員任期延長を認める改憲で意見集約を図ることに意欲を見せた。一方、立憲民主党は拙速な議論に警戒感を示した。
審査会に提示された資料は、自民の要請で衆院法制局が作成した。橘幸信法制局長が、どの機関が任期延長を判断するかや、期間の上限を設けるかどうかなど、これまで議論になった論点を並べ、各党の見解をあわせて説明した。
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それを受け、自民の新藤義孝氏は衆院解散中に開ける参院の緊急集会について「あくまでも平時における一時的、暫定的なものと考えるべきだ」と主張。「有事でも二院制を根幹として国会機能を維持する観点から、議員任期延長を可能とする規定を憲法に整備することが必要」と述べた。与党の公明党と、野党の日本維新の会、国民民主党、無所属議員でつくる衆院会派「有志の会」も賛意を表明した。

これに対し、立憲民主党の中川正春氏は緊急事態条項に優先して議論すべき課題があると主張。有事の過度な私権制限を懸念し、「権力の暴走を民主的に防ぐための歯止めをどのように憲法を含む法体系のなかで準備しておくかということを総合的に議論することが必要」だと訴えた。(佐藤裕介)


衆院憲法審の発言要旨(2022年12月1日)
議員任期延長は自民など5会派が「必要」 立民と共産は問題を指摘
『東京新聞TOKYO Web』2022年12月1日

1日の衆院憲法審査会での発言の要旨は次の通り。
◆説明聴取

橘幸信衆院法制局長 
自民、維新、公明、国民民主、有志の会の5会派は、参院の緊急集会は衆院解散中の一時的暫定的措置で、議員任期延長の措置が必要と表明している。

対象とする緊急事態の範囲は、①大規模自然災害②テロ・内乱③感染症まん延④国家有事―の4事態と、これに「匹敵する」「相当する」事態を想定。5会派は、緊急事態が発生しただけで任期延長が行われるのではなく、「適正な選挙の実施が困難」などの加重要件を満たして初めて、延長の措置が講じられるとの見解を表明している。

選挙実施困難要件の判断主体は内閣で、国会の事前承認や議決を必要とすることについて、5会派の認識は一致している。

司法による関与は、維新、国民、有志が主張している。公明は司法の関与に疑問を呈する発言をしている。
延長期間の上限について、1年、半年、70日と具体的な期間の発言がある。何らかの上限設定は必要という点は共通認識が形成されつつある。
(衆院解散後などの)前議員の身分復活の必要性については、自民を除く4会派は必要との認識で一致している。
国会機能維持策に関する論点について、(開会中の)閉会禁止、(閉会中の)即時召集、内閣の衆院解散禁止など、5会派で必要性の認識は一致している。

議員任期延長以外では、①一般的な緊急事態宣言の仕組みの導入②緊急政令・緊急財政処分の整備③緊急事態でも制約できない人権規定の明記④緊急事態宣言中の憲法改正の禁止―大きく4つの論点がある。

立憲民主は、憲法の意図する民主主義が機能していない中、緊急事態条項の提案には疑問を抱かざるを得ないと述べている。共産は、改憲のための議論ではなく、憲法の原則に反する政治を正す議論が必要だと述べている。
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◆各会派代表の意見

新藤義孝氏(自民) 緊急事態に際し、国家の責務と権限を明確にし、国民を守り抜くための最大機能を発揮させるためには、平時から有事に切り替える条項を憲法に定めておくことが必要不可欠で、これこそが国家としての責任だ。

中川正春氏(立憲民主) 緊急事態というテーマで討論する際は、議員任期の延長という一部分にこだわるのではなく、権力の暴走を防ぐための歯止めをどのように憲法を含む法体系の中で準備するか、総合的に議論することが必要だ。

前川清成氏(維新) 緊急事態宣言が乱用されてしまうリスクを考えたら、国会の事前承認が好ましい。しかし、外部からの攻撃や内乱、大規模自然災害などで議員が国会に参集できない場合を想定したなら、事後承認でやむを得ない。

北側一雄氏(公明) 司法の関与の問題で、裁判所が迅速に判断できるのか、疑問と言わざるを得ない。緊急事態でも議会制民主主義を貫徹する趣旨から、両院で(3分の2以上の)特別多数での事前承認を要することで足りる。

玉木雄一郎氏(国民民主) 一致点が多い部分と、議論が分かれている部分が明確になった。議論を深め、多くの論点で合意を得て、憲法改正の条文案作りに入るべきだ。一番意見が分かれているのは、任期の延長期間の上限だ。

赤嶺政賢氏(共産) 議員任期延長の議論は、立憲主義の上から重大な問題がある。任期は一定の者が地位にとどまり、権力が集中することを防ぐためのもの。今行われている議論は、有事の認定で政府の恣意的な判断を可能にする。

北神圭朗氏(有志の会) 緊急政令、緊急財政処分は国会機能維持とは別次元の論点で、引き続き議論が必要だ。既存の法制で対応できない場合、法律で補完するか、憲法で補完するか、検討を加えるべきだ。
* 引用、ここまで。

立民、共産の主張

以下、立民・中川氏、共産・赤嶺氏の発言を、もう少し詳しく紹介しておきます。
中川氏は、「近年の政府には、暴走と言わざるを得ないような権力の行使が目立つ」として、
「①内閣総理大臣が国会の解散権を政権の都合のいいときに恣意的に行使してきたこと、
②政権が国会での追及を避けるために国会の召集に応じなかったこと、
③内閣法制局の人事に影響力を及ぼし憲法解釈の変更で統治の正当性を偽装していること、
④政権に不利な情報を国家機密として国民の知る権利から遠ざけ、情報操作に及ぶことがあったこと、⑤歴史上例を見ない多額の予備費を設けて財政民主主義を骨抜きにしていること」を挙げ、
「権力の暴走に対してどのような歯止めをかけることができるかが、緊急事態の議論の本質だ」と述べました。
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また、赤嶺氏は、「緊急事態としてしきりに戦争状態が強調されるが、問われているのは米軍の軍事行動に従って日本が参戦する仕組みだ」、「アメリカが軍事行動を起こすことを前提に、安保法制に基づき日本が米軍を支援し、アメリカの戦争に参戦することに最大の危険がある」、「岸田政権は敵基地攻撃能力の保有の議論を進め、日本が攻撃されていなくても相手国を攻撃することまで検討しているが、集団的自衛権に基づく敵基地攻撃は相手国からすれば先制攻撃であり、それ以上の反撃を受けることは必至だ」、「そのとき犠牲になるのは基地と隣り合わせに暮らしている住民であり、日本国民だ」などとして。「だからこそ、国民が審判を下すことが決定的に重要であり、その機会を奪い取り、ときの多数派が任期を延長するなどということは絶対に許されない」と批判しました。
いずれも重要な論点を提起したものだと思いますが、これらの発言についても、「残念ながら現在の勢力関係の下ではこうした“正論”は通じません」と記さなければなりません。

次週は参考人質疑

この日の審査会は、開会が遅れた分だけ閉会も遅れ、11時50分頃散会となりましたが、終わり方がいつもと違いました。このところはずっと、最後に森英介会長(自民)が「次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします」と述べることが通例になっていたのですが、この日は「来る8日木曜日、参考人の出席を求め意見を聴取することとし、その人選等につきましては会長にご一任願いたいと存じますが、ご異議ありませんか」と呼びかけ、「異議なし」の声を受けて、「次回は8日木曜日に審査会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします」と、次回の日程を明言したのです。
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次週の参考人質疑については、会長の発言に先立って、与党側筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)が「来週の定例日である12月8日に、国民投票におけるネットCMの取り扱いとネット社会と憲法の関わりについて参考人質疑を行うことを(幹事会で)提案した」、野党側筆頭幹事の立民・中川氏が「先ほど(幹事会で)次回には参考人質疑をしていこうと合意できたことはありがたいと思っている」と言及していました。

真相はもちろんわかりませんが、立民が緊急事態条項の論点整理を中心にしたこの日の審査会開催に応じたバーターとして、自民が翌週の審査会でのネットCM等の参考人質疑に合意したのかもしれません。あるいは、会期が延長されなければ次週の審査会が今国会最後になりますから、これ以上緊急事態に関する審議を強行しても意味のある成果を得ることは不可能だと判断したのかもしれません。

いずれにせよ、今後、改憲手続法附則4条で「施行後3年を目途に……必要な法制上の措置その他の措置を講じるものとする」とされている事項についての審議が進められ、いかに不十分なものであっても何らかの措置が講じられれば、改憲勢力の側は国民投票の実施に当たっての課題が解消されたと主張することになるでしょうから、当面の審議を改憲手続法第4条をめぐる問題に誘導しようという立民の戦術が適切なのかどうか、どうしても疑問が残ります。

この日の傍聴者は25人ほどでいつもより少なく(今国会では同じような議論が繰り返されているためかもしれません)、記者は5人しかいませんでした(途中から4人に減ってしまいました)。
委員の出席状況もいつもより悪く、自民党は常に5人前後が席を空けていて、10人ほどが欠席していた時間もありました。また立民は初めから、公明は途中から、それぞれ1人が欠席していました。(銀)


ウクライナ戦争、アベ国葬、旧統一教会と自民党の癒着問題と、超ド級の出来事が続いた歴史的な2022年も、残り1か月となりました。その最後に、日本の軍事政策の大転換が強行されようとしています。

「大軍拡に怒りを!」が、1面です。

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上記の左下に紹介した改憲反対リーフ(百万人署名運動の署名用リーフ)のカラー版を紹介します。
現在、国会の憲法審査会では自民・公明・維新・国民などは「改憲案づくり→国会発議→国民投票実施」に向けて必死になっています。国民の大半が知らないところで9条改憲・緊急事態条項新設策動がが進んでいます。戦争に向かって国をつくり変える憲法改悪であることを多くに人々に訴えていきましょう。
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2面は、11.6労働者集会の簡単な報告と参加者からの感想です。

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3面は、三里塚の反対同盟、市東孝雄さんの訴えを掲載しました。
政府に大軍拡の提言をした「有識者会議」の提言の中に「港湾・空港の軍事利用に向けた機能強化」があります。すでに成田空港は滑走路の延長や新設を含めた機能強化策を進めていますが、ついに、市東孝雄さんの農地と作業場などの強制収用を決定したのです(千葉地裁がその要請を受理)。こんな非道なことは許されません。
現地では、いつ機動隊の大量動員によって市東さんの農地強奪が強行されるかわからない状況になっており、連日の実力阻止態勢に入っています。

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4-5-6面は、11月労働者集会に参加・発言されたスティーブ・ゼルツァーさん(レイバーネット・アメリカ)へのインタビュー報告です。
アメリカという国、アメリカの労働者の状況について、その一端を知ることができました。

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6面上段は、憲法審査会の傍聴報告。
7面は、各地からのお便り、8面は12月の各地のインフォメーションです。

小さな通信ですが、今号も中身がぎっしり詰まっています。ぜひご一読を!!!


★「全国通信」購読のお願い

『百万人署名運動全国通信』は、毎月1回発行されていています。
改憲・戦争反対の運動に役立つようにと毎回4-5面で特別企画(インタビュー記事)に取り組んでいます。A4で8頁、100円の小さな通信ですが、ぜひ定期購読をお願いします。

購読料は、カンパも含めて年間3000円/1口の賛同金としてお願いしています。
「とめよう戦争への道!百万人署名運動」はこの賛同金で運動を継続しています。ご理解いただきご協力をよろしくお願いいたします。

●賛同金の振込先(郵便振替)
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   加入者名  百万人署名運動
 *備考欄に「賛同金として」とお書きください。

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このホームページの右枠内の「メッセージ」欄より、送り先をご連絡ください。


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