とめよう戦争への道!百万人署名運動

署名運動をとおして、改憲・戦争への道を許さない闘いを全国的に広げていきます。

2021年04月

下記の集会等は、コロナ非常事態宣言等により中止や延期になる可能性がありますので、ご参加の際は主催者にご確認の上お出かけください。

■生き抜くために闘おうMAY DAY
とき◆5月1日(土)午後2時~錦糸町駅前アピール行動、3時45分デモ出発
ところ◆すみだ産業会館サンライズホール(JR錦糸町南口すぐ、丸井ビル8階)
主催◆メーデー実行委(tel.03-3845-7461)

■辺野古の現地報告とDVD上映→中止
とき◆5月1日(土)午後6時~
ところ◆国分寺労政会館4階第5会議室(JR国分寺南口5分)
主催◆戦争するな!9条変えるな!国分寺実行委(tel.042-324-9481鈴木)

■いのちを守ろう!沖縄と連帯する5.15かながわ県民集会プレ企画
とき◆5月2日(日)午後2時~
ところ◆かながわ県民センター2階ホール(横浜駅西口5分)
DVD上映◆「チーム緑ヶ丘1207活動報告2020」
講演◆栗田尚弥さん(沖縄東アジア研究センター主任研究員)「米軍のアジア戦略と神奈川の基地」
呼びかけ◆改憲・戦争阻止!大行進神奈川(tel.080-5002-8744)

■PEACE FESTIVAL 2021 5.3憲法大行動
とき◆5月3日(月・休)午後1時30分~
ところ◆国会議事堂正門前/オンライン中継あり
主催◆平和といのちと人権を!5.3憲法集会実行委(共催:総がかり行動実行委ほか、tel.03-3526-2920)

■改憲手続法7項目修正案は抜本的再検討を!強行採決するな!5.6国会議員会館前行動
とき◆5月6日(木)正午~12時30分
ところ◆衆議院第2議員会館前
主催◆総がかり行動実行委(tel.03-3526-2920)

■共謀罪廃止!秘密保護法廃止!NO!デジタル庁「6の日行動」
とき◆5月6日(木)正午~午後1時
ところ◆衆議院第2議員会館前
共催◆NO!デジタル庁ほか(tel.080-5052-0270)
【院内集会】
とき◆5月6日(木)午後1時30分~3時30分
ところ◆衆議院第2議員会館多目的会議室
お話◆山田健太さん(専修大学教授)
共催◆共謀罪NO!実行委ほか(tel.090-2669-4219)

■子どもを被ばくから守ろう!家族も自分も!5.8新宿デモ→延期
とき◆5月8日(土)午後1時~アピール(JR新宿駅東口アルタ前広場)、2時~デモ
*3.1不当判決に抗議する!
主催◆脱被ばく実現ネット(tel.090-8494-3856岡田)

■高陽憲法連続学習講座「デジタル法案・マイナンバーを考える」
とき◆5月9日(日)午後1時30分~3時30分
ところ◆真亀公民館・研修室1(広島市安佐北区真亀1-3-27)
主催◆改憲・戦争阻止!大行進運動・高陽(tel.090-3745-6885)

■辺野古新基地建設の強行を許さない!防衛省前抗議・申入行動
とき◆5月10日(月)午後6時30分~
ところ◆防衛省正門前(JR市ヶ谷駅7分)
主催◆辺野古への基地建設を許さない実行委(tel.090-3910-4140沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)

■「復帰」49年・全島ゼネスト50年 5.15沖縄集会
とき◆5月15日(土)午後6時開場
ところ◆沖縄県青年会館大ホール(那覇市久米2-15-23)
講師◆具志堅隆松さん(沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)、チーム緑ヶ丘1207の皆さん、水野満久さん(元全駐労マリン支部副委員長)
主催◆改憲・戦争阻止!大行進沖縄(tel.098-974-9556)
【那覇市内デモ】午後4時~県庁前県民広場集合

■いのちを守ろう!沖縄と連帯する5.15かながわ県民集会
とき◆5月15日(土)午後6時30開始
ところ◆かなっくホール(横浜市神奈川区東神奈川1-10-1)
講演◆望月衣塑子さん(東京新聞記者)/特別報告◆加藤彰彦さん(元沖縄大学学長)
呼びかけ◆改憲・戦争阻止!大行進神奈川(tel.080-5002-8744)
【沖縄連帯!横浜デモ】5/15(土)午後3時~横浜駅相鉄口

■すべての基地を撤去しろ!沖縄と連帯する横田集会&デモ
とき◆5月16日(日)午後2時集会開始。集会後、横田基地へデモ→2時集合、2時30分デモ出発
ところ◆福生市民会館(福生市福生2455)→福生公園(市民会館となり)
呼びかけ◆改憲・戦争阻止!大行進三多摩実行委(tel.042-644-9914)

■オリンピックやめろ!改憲阻止、裁判員制度廃止5.18集会
とき◆5月18日(火)午後6時30分開会
ところ◆弁護士会館2階講堂クレオ(地下鉄丸の内線「霞が関」B1出口すぐ)/入場無料
講演◆金平茂紀さん(ジャーナリスト)
主催◆裁判員制度はいらない!大運動(tel.03-6416-8256)他

■星野文昭絵画展in神奈川
とき◆5月19日(水)~23日(日)午前11時~午後7時(23日は4時まで、暁子さんのお話あり)
ところ◆かなっくホールギャラリーA(JR東神奈川駅東口すぐ)
主催◆神奈川星野文昭絵画展実行委(tel.045-242-1055神奈川労組交流センター)

新ちょぼゼミ「福島原発事故と放射線被曝」
とき◆5月20日(木)午後6時~9時
ところ◆スペースたんぽぽ(水道橋西口下車、神保町方向へ5分、千代田区神田三崎町3-1-1高橋セーフビル1F)
講師◆井戸謙一さん(弁護士)
参加費(資料代含む)800円(学生400円)、要予約
問合せ◆たんぽぽ舎(tel.03-3238-9035)

■憲法講座(第15回)「改憲と『デジタル監視法案』」
とき◆5月21日(金)午後6時30分~
ところ◆亀戸文化センター5F第2研修室(JR亀戸駅北口2分)
講師◆山本志都さん(弁護士/500円)
主催◆改憲・戦争阻止!大行進東京東部実行委(tel.03-6231-4881)

■星野文昭絵画展in香川
とき◆5月21日(金)~23日(日)午前10時~午後5時
ところ◆高松市美術館(高松市紺屋町10-4)
主催◆香川・星野文昭さんを取り戻す会(tel.090-7146-9667片山)

■沖縄と連帯し、基地撤去を!弾薬庫撤去せよ三軒屋駐屯地デモ
とき◆5月23日(日)午後2時に岡山青年館に集合、三軒屋駐屯地までデモ行進
主催◆改憲・戦争阻止!大行進岡山(tel.090-1325-0414山田)

■講演会~コロナ禍の社会をどう読むか~女性たちの現在
とき◆5月23日(日)午後1時30分~
ところ◆たましんRISURUホール5階
講師◆竹信三恵子さん(ジャーナリスト)/要申込
主催◆市民アーカイブ(tel.042-540-1663)

スペースたんぽぽ講座「日本の入管行政~絶望の外国人収容施設」
とき◆5月26日(水)午後7時~9時
ところ◆スペースたんぽぽ(水道橋西口下車、神保町方向へ5分、千代田区神田三崎町3-1-1高橋セーフビル1F)
講師◆柏崎正憲さん(外語大ほか講師、SYI収容者友人有志一同)
参加費(資料代含む)800円(学生400円)、要予約
主催◆たんぽぽ舎(tel.03-3238-9035)

■星野文昭絵画展in練馬
とき◆5月26日(水)~29日(土)午前9時~午後8時(26日は11時~、29日は4時まで)
ところ◆練馬区立勤労福祉会館1階展示コーナー(西武池袋線「大泉学園」南口3分)
主催◆星野絵画展東京北部実行委(tel.080-1003-0058藤ノ木)

■函館市大間原発建設差し止め裁判&報告・講演会
とき◆5月28日(金)午後3時~口頭弁論(東京地裁103号法廷)、4時~集会(参議院議員会館内)
講演◆小笠原和彦さん(ライター)
主催◆大間原発反対関東の会(tel.090-6517-3341山本)

■星野文昭・暁子さん詩画展in愛媛
とき◆5月28日(金)~30日(日)
ところ◆愛媛県美術館(新館)2階(松山市堀之内)
主催◆えひめ星野文昭さんをとりもどす会(tel.090-8693-6379日野)

■星野文昭絵画展in長崎
とき◆5月28日(金)~6月1日(火)午前10時~午後4時30分
ところ◆ギャラリーコクラヤ3階(長崎市万屋町1-26)
主催◆星野絵画展長崎実行委(tel.095-800-1107)

■星野文昭さん獄死2年、星野国賠に勝利しよう5.30全国集会
とき◆5月30日(日)午後1時開会、4時30分~都心デモ
ところ◆星陵会館(国会議員会館の裏側)
トーク◆坂手洋一さん×星野暁子さん「沖縄と星野文昭」ほか
主催◆星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議(tel.03-3591-8224)

改憲手続法改正案をめぐる攻防:5月6日には採決か?

4月22日(木)10時から、今国会2回目の衆議院憲法審査会が開かれました。2週連続の開催で、前回と同じく改憲手続法改正案に関する質疑(約40分)と自由討論(約60分)が行われました。

この日も「本会議及び委員会の傍聴については、適切な身体的距離を確保できる人数の入室を認めることと」するという「傍聴の制限措置」の内容(衆議院ホームページ昨年9月10日付の告知)は守られず、25人ほどの傍聴者が詰めかけて傍聴席は「密」状態、立ち見の方も数人いました。
多くの委員の出席で、議場もかなりの「密」になっていました(写真参照)。
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4月22日の衆院憲法審査会(山花郁夫氏のホームページから転載させていただきました)

与野党間で事前に改憲手続法の採決を行わないことが合意されていたためメディアの関心は低かったようで、記者席にはけっこう空席があり、テレビカメラを持ちこんだのも3社と少なめでした。
メディア各社の報道も、憲法審査会そのものより、その前に開かれた幹事懇談会で与党が5月6日開催予定の次回の憲法審で改憲手続法改正案の採決を行うことを提案したことに焦点を当てたものが多かったようです。以下、『毎日新聞』のウェブサイトに掲載された記事を転載させていただきます。

国民投票法改正案採決 与党、来月6日提案 衆院憲法審『毎日新聞』2021年4月23日
衆院憲法審査会は22日、今国会2度目の国民投票法改正案の審議と自由討議を行った。これに先立つ幹事会で、与党側は5月6日の審査会開催と改正案の採決を提案した。野党側は採決については回答を保留し、質疑の実施のみ合意した。
野党側は採決の前提として、改正案の付則などにCM規制や外国人寄付規制などの審議を行うことを担保する文言を書き込むよう求める方針で、与党側が応じるかが焦点となっている。
野党幹事の奥野総一郎氏(立憲民主党)は審査会後、記者団に「CM規制など提案したものについて、抜本改正の明確な担保がない限りは採決というわけにはいかない」と述べた。【遠藤修平、宮原健太】
* 引用、ここまで

この日の質疑でも、公職選挙法に合わせた改憲手続法の改正について、今井雅人氏(立憲)から期日前投票の公平性が損なわれる恐れがあるのではないかとの発言がありましたが、自公と維新、国民の委員たちは「議論は尽くされた。直ちに採決を」の一点張りで、まともな回答はありませんでした。

特に、質疑の一番手として発言した新藤義孝氏(自民)が、前回15日の自由討議で「改憲国民投票と一般の(議員、首長の)選挙では基本的な性格が異なるのだから、根本から議論すべきだ」という指摘があったことに対して、「3年前になぜ議論が出なかったのか」と述べたのには本当に驚き、あきれました。法案提出時に注目されなかった論点は一切取り上げるべきではないとでも言いたいのでしょうか。こういう人物が与党筆頭理事として憲法審の運営を担っているわけで、本当に由々しきことだと思います。

もう一人、別の意味であきれたのが足立康史氏(維新)の発言でした。氏は、「改憲手続法改正案については審議が尽くされたとの立場なので質問することはない」と述べたうえで、馬場伸幸氏(維新)に対し、かつて憲法調査会長、憲法調査特別委員長として国会での憲法審議を取り仕切っていた中山太郎氏(自民)の考えやエピソードを聞きたいとか、憲法審の開催自体を否定する共産党の姿勢をどう考えるかとか質問しました。後者に関する馬場氏の返答は「審査会があれば出席して議論に参加されている共産党の姿勢には敬意を表したい」というもので、こんなどうでもいいやり取りを黙って聞いていなければならない苦痛たるや……本当にいい加減にしてほしいと思いました。
yurusuna
後半の自由討議については、今回もその内容を詳しく報じた『東京新聞』の記事を、同社のウェブサイトから転載させていただきます。

コロナ禍での衆院議員任期延長や国会オンライン会議など議論【衆院憲法審査会自由討議要旨】『東京新聞TOKYO Web』2021年4月22日
衆院憲法審査会で22日行われた各党による自由討議の要旨は次の通り。(国民投票法改正案に関する法案審議部分は省略)
新藤義孝氏(自民)国会議員の任期延長は、コロナ禍の厳しい状態でも国権の最高機関を機能させるためのもの。国会の定足数、オンライン会議の問題も議論しなければならない。この提案は既に自由討議で行ったが、なかなか議論できないのは忸怩たる思いだ。
山花郁夫氏(立憲民主)国民投票と選挙の投票は、場合によって異なった視点が必要ではないか。選挙の場合は任期満了で議会に議員がいないということがあってはならず、早期確定の要請は間違いなくある。だが国民投票は多少ずれても大きな支障が生じることはあまり想定できない。公職選挙法から(国民投票法に)置き換えて大丈夫なのか検証する必要がある。
北側一雄氏(公明)任期満了直前に感染症の著しいまん延などで国政選挙の実施が困難となることが想定される。任期満了で衆院議員は全員、地位を失う。憲法45条で任期は4年と明記しているからだ。国家の危機時に衆院が機能しなくていいのか。任期延長は憲法改正が必要になる。その是非の議論が必要だ。
赤嶺政賢氏(共産)世論は改憲が政治の優先課題だとしていない。安倍晋三前首相自身が退任会見で「国民的な世論が十分に盛り上がらなかった」と述べている。2015年6月、審査会で3人の憲法学者が安全保障関連法制は憲法違反だと述べ、「憲法を壊すな」と国民の声がわき上がり、1年半も審査会を動かさなかったのは自民党ではないか。国民が改憲を望んでいない以上、審査会は開くべきではない。
足立康史氏(維新)新型コロナ感染症のまん延という脅威に対応する中で、緊急事態条項にかかる議論を今こそ深める必要がある。そのためにも国民投票法改正案の速やかな可決、成立を図り、憲法改正議論にかかる実質的な審査に入るべきだ。
山尾志桜里氏(国民民主)コロナ禍の進行中に憲法との問題を洗い出し、国際社会がどう対応しているか調査を開始すべきだ。落ち着いたら、調査に基づいてコロナ特別措置法改正、憲法での緊急事態条項の具体的な検討を進める。併せて、緊急事態での人権救済問題を解決するのに有効と考えられる憲法裁判所の議論を進めるべきだ。
船田元氏(自民)憲法改正に関するテレビCMの問題では、民放連が2年前に意見聴取で量的(自主)規制を現時点で考えていないと答弁し、驚いた次第だ。そのことで国民投票法そのものが欠陥だとは考えていない。
斎藤健氏(自民)衆院議員の任期は公職選挙法で最長1カ月延ばせるが、憲法で4年としか書いてないものを法律で延ばせるか憲法上の大議論を惹起しかねない。憲法上疑義のある状況でいろんな意思決定をして本当にいいのか。半年後にも起こり得る。立憲主義を標ぼうする政党こそ、この問題をはっきりさせるべきだ。
奥野総一郎氏(立民)(改正案の)7項目の採決を急ぐことは、CM規制や外国人寄付の問題で結論を得るつもりが本当にあるのかと疑念に思う。安倍前首相が自民党憲法改正推進本部の最高顧問に就任するとの報道がある。CM規制等そっちのけで(9条改憲など自民党の)改憲4項目の議論に走る懸念もある。
柴山昌彦氏(自民)英国(議会)などでは当たり前のようにオンラインで審議、投票している。日本では憲法56条のもと班分けをして実際に議論し、全員で採決する状況だ。デジタルトランスフォーメーション(デジタル化による社会の変容)といった時代の大きな流れを経ているのに、全く議論が進捗していないのは由々しき状況だ。
* 引用、ここまで
 
記事の見出しに掲げられているように、コロナ禍を理由に衆議院議員の任期延長など緊急事態条項の検討を求める意見が目立ちましたが、発言時間が1人5分に制限されていることもあってか、あるいはコロナに便乗してちょっと思いついたことを発言してみたという程度のことなのか、説得力の感じられる議論はありませんでした。

さて、次回の衆院憲法審は連休明けの5月6日に開催されることが決まっています。4月28日には参議院でも憲法審査会が始動します。今通常国会の会期末に向けて、改憲手続法改正案が成立するのかどうかに注目が集まっていますが、改憲勢力の立場から見ると、2018年7月に提出された改正案がいまだに成立せず、改憲の議論が遅々として進まない憲法審の現状は歯がゆい限りだと思います。
9rogo
これに業を煮やしたのか、このところ、安倍晋三前首相があちこちで改憲推進の旗を振っており、しばしばその動静が報じられています。次の『産経新聞』の記事はその一つです。

「枝野さん、議論しろよ」 安倍前首相が憲法シンポで改憲議論呼びかけ『産経新聞』2021年4月23日
安倍晋三前首相は22日、東京都内で開かれた「日本国憲法のあり方を考えるシンポジウム3」(夕刊フジ主催)にパネリストとして出席し、立憲民主党の枝野幸男代表に憲法改正議論を呼びかけた。「枝野さんは『安倍晋三が首相の間は議論しない』と言っていた。私はもう首相ではないのだから議論しろよ、という感じだ」と述べた。
国会の憲法審査会で改憲議論が進まない現状には「国会議員としては恥ずかしいと思わないといけない」と語った。改憲手続きを定める国民投票法改正案の採決も訴えた。
自衛隊に関しては「最大の実力組織について憲法に明文規定がないのはおかしい」と憲法への明記を改めて主張。「打撃力を抑止力として考えるべきだ。実際の手段と作戦計画も整える必要がある」とも述べ敵基地攻撃能力を保有すべきだとの意向を重ねて示した。
* 引用、ここまで

安倍氏は自民党憲法改正推進本部の「最高顧問」に就いたそうですが(ずいぶん大層な肩書ですね)、そのことを報じた『朝日新聞デジタル』掲載記事の末尾に紹介されている「あんまり表に出てこないほうがいい。逆効果だ」という「会合の出席者の一人」のコメントが笑えます。

安倍氏、憲法改正推進本部最高顧問に 「喜んで」と快諾『朝日新聞デジタル』2021年4月20日
自民党の衛藤征士郎・憲法改正推進本部長は20日にあった同本部の会合で、同本部最高顧問に安倍晋三・前首相が就任したと明らかにした。衛藤氏が安倍氏と直接会って就任を要請し、安倍氏は「喜んで」と快諾したという。
最高顧問には高村正彦氏が就いており、安倍氏が2人目となる。この日の会合後、衛藤氏は記者団に安倍氏の起用について「菅総裁から『憲法改正推進については挙党態勢でお願いします』と言われた」と説明。「挙党態勢でやろうということだ」と語った。
憲法改正の動きをめぐっては、衆院憲法審査会で改正の手続きを定める国民投票法改正案の審議が行われており、今国会での成立に向けた与野党の神経戦が続いている。会合の出席者の一人は、安倍氏の最高顧問就任について「あんまり表に出てこないほうがいい。逆効果だ」と述べた。(楢崎貴司)
* 引用、ここまで

最後に、院外での改憲勢力の動きを一つ、紹介しておきます。
5月3日の憲法記念日に「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開催する「憲法フォーラム」で、オンラインでライブ中継されるとのことです。
その出席者の顔ぶれを以前ご紹介した昨年12月2日のイベントと比較すると、今回は公明党の国会議員が参加しないこと、今回も山尾志桜里氏(国民)が参加することがわかります。また、今回は河野克俊氏(前自衛隊統合幕僚長)と中山義隆氏(沖縄県石垣市長)が出席します。この「フォーラム」では、自衛隊の憲法明記と緊急事態条項の必要性が強調されるのでしょう。
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今後も、改憲派の動向に目を配りながら、明文改憲への地ならしのための憲法審査会の開催絶対反対!改憲手続法もいらない!という立場から、監視を続けていきたいと思います。(銀)


4月24日(土)午後、「入管法・外登法と民族差別を撃つ全国実行委員会」の主催で、入管法改悪反対の法務省~銀座デモが行われ、約300人が参加しました。この週は20日(火)、21(水)、23(金)と国会前で「シットイン」(座り込み)抗議が闘われ(呼びかけ:移住連など)、「入管闘争では70年闘争以来の大衆的広がりが始まっている」(全国実関係者)と言われています。以下、写真速報です。
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法務省前で。
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外務省抗議デモに来ていた在日ミャンマー青年たち。
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三本指を立ててエール交換。
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解散地点で発言するデニズさん。

4月15日(木)の夜に国会正門前で開かれた入管法反対集会(入管法改悪に反対する緊急アクション)では、次のようなことが言われました。

「この問題は入管収容所に入っている可哀そうな外国人の問題ではない。日本の社会が人権を守れるのかがかかった問題だ」

「帰れる場所のない者に『帰れ』と告げることがどれだけ残酷なことか。期限のない収容生活、不調を訴えても治療すら受け入れられない恐怖や痛みが想像できるでしょうか。法案を廃案にできるのは私であり、あなたです」


3月6日に名古屋入管で亡くなったスリランカ女性のウィシュマさん。容体が悪化したにもかかわらず、救急車での搬送どころか、医者への連絡さえもなかったといいます。明らかに意図的な医療放置が原因なのではないでしょうか。しかし上川法務大臣は「把握していない」と答弁。野党議員は「死因も特定できないのに、このまま入管法案を審理することなどありえない」と主張。まったく当然です。

入管法改悪は阻止できるし、阻止しなければいけません。

衆議院の法務委員会は火曜日、水曜日、金曜日と行われます。国会前座り込み行動などが呼びかけられますので、ぜひ参加しましょう。
特定非営利活動法人 移住者と連帯するネットワーク(移住連) (migrants.jp)
TwitterなどSNS上でもどんどん抗議デモしましょう。(K)

改憲手続法改正案をめぐる攻防~「多勢に無勢」の結果となってしまうのか

4月15日(木)10時から、今国会初の衆議院憲法審査会が開催され、改憲手続法改正案に関する50分ほどの質疑と、約60分の自由討論が行われました。

最初に議場の様子を報告すると、衆議院のホームページにいまも掲載されている「本会議及び委員会の傍聴については、適切な身体的距離を確保できる人数の入室を認めることと」するという昨年9月10日付の「傍聴の制限措置」の内容は、今回も完全に無視されていました。
この日も25人ぐらいの傍聴者が詰めかけて傍聴席は満杯、「密」そのものとなり、立ち見の方も数人いました。記者席もほぼ埋まっており、カメラを構えた人が10人以上記者席・傍聴席の後方に立っていました。ただ、テレビカメラは2台だけでいつもより少なかったです。
このところずっとそうですが、委員の出席率が高かった(定数50人中常に45人以上が出席していました)ため、委員たちもかなりの「密」状態の中での審議を余儀なくされていました。
憲法審査会.psd
          今国会初めて開催された衆院憲法審査会(時事通信社)

なお、立憲民主党、国民民主党の合流と分党などこの間の政党・会派の離合集散に伴い、会派別の委員数が変わったようで(正確にフォローできておらず申し訳ありません)、維新の会が1から2に増えて馬場伸幸氏と足立康史氏がそろって出席していました。また、一貫して憲法審査会のメンバーだった辻元清美氏(立憲)の姿がありませんでしたので、気になって衆議院のホームページを見てみると、4月5日現在の委員名簿に辻元氏の名前は記載されていませんでした。

さて、テレビカメラの少なさからもうかがえたのですが、今回の審査会に対するメディアの関心度はあまり高くなかったようで、報道量も控えめでした。おそらくこの日の改憲手続法の採決はないだろうという情報が事前に流れていたからだろうと思います。

まず、前半の改憲手続法改正案の質疑を簡単にまとめた『共同通信』の記事を、同社のウェブサイトから転載させていただきます。質疑は各会派の代表1名が順次発言し、提案者(この改正案はいわゆる議員立法ですので、国会議員が提案者になります)が答弁するという形で行われました。各委員の質疑には時間制限があり、このやり方では議論はなかなか深まらないと思うのですが、何とかならないのでしょうか。

今国会初の憲法審査会を開催 自民、国民投票法採決主張『共同通信社』2021年4月15日
衆院憲法審査会は15日、今国会初の審査会を開いた。憲法改正手続きを定めた国民投票法の改正案を巡り、3回目となる質疑を実施。会期中の成立を目指す自民、公明両党は「議論は尽くされている」として、重ねて早期採決を呼び掛けた。立憲民主党は改正案の一部について「合理性がない」と指摘し、引き続き議論するよう主張。採決への慎重姿勢を堅持した。日本維新の会、国民民主党は自民に同調した。
立民は国民投票法に関し、政党のスポットCMやインターネット広告の規制も改正案と同時に議論するよう求めている。自民はこの点について、各党幹事らによる論点整理を新たに提案した。
*引用、ここまで

上記の記事で立民が「合理性がない」と指摘した(発言したのは本多平直氏です)のは、①期日前投票時間の「弾力化」が認められるようになるため、開始時刻の繰下げ、終了時刻の繰上げにより投票機会が制限される(投票が不便になり投票をあきらめる人が出る)可能性があること(共産の赤嶺政賢氏は、最近の衆院選での投票所の減少と閉鎖時間を繰り上げた投票所の増加を具体的な数字を挙げて指摘し、県によっては投票所の9割で閉鎖時間が繰り上げられていると述べました)、②繰延べ投票期日の告示期間が5日前から2日前に短縮されるため、投票機会が制限されること(本多氏が次のように説明したわけではありませんが、たとえば投票日の日曜日に大型台風の襲来が予測され、前日の土曜日に繰延べ投票期日を告示する場合、これまでは5日後の木曜日まで可能だった繰延べが2日後の月曜日に限られてしまうことになります)の2点です。いずれも重要な論点であり、「議論は尽くされている」というのは大間違いです。
yurusuna
次に、後半の自由討議の内容をかなり詳しく報じた『東京新聞』の記事を、同社のウェブサイトから転載させていただきます。
「発言を希望する委員は手元のネームプレートを立て、会長の指名を受けた後発言してください」という細田博之会長(自民)の呼びかけが終わる前に、20名近くの自民党の委員たちが名札を立てていましたが、発言の機会を得たのは4人だけでした。しかし、貴重な機会を得た委員たちの述べたこととは……。以下、ご確認ください。

コロナ療養中でも投票するには? 国民投票法改正案で議論 今国会初の衆院憲法審査会
『東京新聞TOKYO Web』(2021年4月15日)
前略
中略
◆各党による自由党議の要旨
衆院憲法審査会で15日行われた各党による自由討議の要旨は次の通り。(国民投票法改正案に関する法案審議部分は省略)
新藤義孝氏(自民)国民投票法は投票環境向上とCM規制など投票の質の向上、それぞれの観点から議論は続けていく。投票法の問題が片付かないので憲法本体(の議論)はまだ先だというのは全くおかしな話。憲法と国民投票法、二つの議論を同時並行で進めていこう。
道下大樹氏(立憲民主)公職選挙法の不備で、新型コロナ検査で陽性となると、宿泊・自宅療養を余儀なくされ、外出できず、投票できない。憲法で保障された選挙権が行使できない重大な事態だ。投票できない状況は、国民投票法も同様。憲法違反の状態は放置されるべきではない。
国重徹氏(公明)札幌地裁で同性カップルに法的保護を認めない民法規定を違憲とする判決が出た。憲法制定時に想定されていなかった同性婚についても議論する必要がある。国会へのオンライン出席が憲法違反かは解釈が分かれるが、コロナ感染拡大で議員が出席できなくなる恐れもある。
本村伸子氏(共産)公選法と同じように国民投票法を変えれば、本当に全国民の意見を反映できるのか。最低投票率やCM規制など課題が残っている。政治の最優先課題はコロナ対策で改憲や国民投票法ではない。憲法が規定する生存権を保障するため、どういう施策が必要かを議論すべきだ。
足立康史氏(維新)コロナ禍で学んだのは、憲法や法律に緊急事態における統治の規律が十分でない中、国民の権利や自由への制限がなし崩し的に恒常化されることこそ恐れるべきだということ。権利保護や民主的統制のメカニズムを組み込んでおくことが重要だ。
山尾志桜里氏(国民民主)コロナ禍という緊急事態で感じるのは、「緊急事態条項」が危険なのではないということ。むしろ緊急時の権力行使に実態面、手続き面で枠付けがないこと、それを平時に冷静に議論していない状況こそが危険な状態を生んでいる。
野田毅氏(自民)安全保障問題にせよ私学助成にせよ、日本はこれまで解釈改憲のオンパレードで今日までやってきた。世界情勢も変わったのだから、与野党、政局を超えて改憲を議論しなければならない時代になっている。
大串博志氏(立民)現実的に見て、憲法改正国民投票の可能性が目の前に迫っているわけではないのは誰の目にも明らか。議論の時間が限られているわけではない。CM規制も含めてみんなが納得するよう議論を尽くすべきだ。
盛山正仁氏(自民)2006年に国連総会で採択された障害者権利条約は、短時間でまとめることが大事だという強い意志を持って協調と妥協を図り、結実した。国民投票法もこの考え方が当てはまる。合意できたところから少しずつ改正を重ね、よりよいものに仕上げていくべきだ。
奥野総一郎氏(立民)国民投票法で大事なのは、投票にゆがみがなく、きちんと民意が吸い上げられること。これなくしてどんなにいい(改憲案の)成案を得たとしても、きちんとした結果が投票に反映されない。(審議中の改正案を)急いで採決しても、公正な投票は担保されない。
城内実氏(自民)寺社は災害で被災しようが、コロナで参拝者が激減し運営難になろうが、憲法で定められた政教分離の観点から公的支援は行われないという実情がある。公益法人の中で宗教法人のみが除外されたのであれば極めて不合理だ。
*引用、ここまで
 
上掲の記事で紹介されている立憲の道下大樹氏の意見など、自由討論ではいくつか重要な論点が提起され議事は坦々と進みましたが、野田毅氏(自民)の発言から雰囲気が一変しました。
野田氏は1941年生まれ、72年から衆院議員を続けているベテラン政治家ですが、初当選時の情勢から敗戦前後、冷戦時へと話題を広げて、「これまでは憲法あって国滅びるというわけにはいかないから解釈改憲のオンパレードでやってきたけれど、時代が変わったのだから(改憲について)議論しなければいけない」というところに議論を着地させました。この雑駁でたわいない話に自民党の面々が盛大な拍手を送ったことから、その後の各委員の発言に対してもヤジが飛ばされたり拍手が起こったり、ざわついた落ち着かない感じになったのです。それにしても「解釈改憲のオンパレードでやってきた」とは……。氏の認識を率直に吐露したものなのでしょうか。

上記の記事にある盛山正仁氏(自民)の発言もひどいものですが(障害者権利条約と改憲手続法は全く関係ありません)、それ以上にとんでもなかったのが城内実氏(自民)です。記事の発言にもあきれますが(宗教法人が公益法人だという話は聞いたことがありません)、氏はさらに天皇について「憲法第1条で天皇を元首として規定すべきという考え方があるが、天皇の主たる役割は祭祀であり、元首=Head of Statesと規定すると諸外国に誤解を与える」などとも述べていました。そして極めつけは「論点をていねいに洗い出し、議論を深めてしっかりと結論を出していく姿勢が、コロナ禍において今だけ、金だけ、自分だけという新自由主義的な考え方や行き過ぎたグローバリズムが見直されつつあるこの時代にこそ求められる」との発言です。「今だけ、金だけ、自分だけ」の自民党に所属するお前がそれを言うのかと、開いた口が塞がりませんでした。
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この日、自民、公明、維新、国民の委員たちは憲法審査会の進め方について、口をそろえて定例日(木曜日)には必ず開催すべきだ(国民の山尾志桜里氏に至っては定例日を週2回に増やすとか分科会を作るとかしてはどうかと提案しました)、CM規制など今後の改憲手続法の審議は憲法そのものの議論と同時並行で進めるべきだと述べていました。これら4会派の委員は50人中36人(幹事会では10人中8人)を占めているのですから、これからの展開を考えると正直うんざりしてしまいますが、気を取り直して今後も傍聴を続けていきたいと思います。

なお、衆院憲法審は2週続けて22日にも開かれる予定です。改憲手続法改正案の採決について、『毎日新聞』(4月15日付)は4月中は見送られる見通しとなったが、立憲の幹部は5月には行われる可能性を示唆したと報じています。また、参議院の憲法審査会について、『産経新聞』(4月14日付)は4月21日に幹事懇談会が開かれ、与党は28日の開催を目指していると報じました。
はたして今国会中に衆議院を通過し、参議院での採決まで進んで改正案が成立するのか、私たちは明文改憲のための「憲法審査会」にも「改憲手続法」にもあくまで反対!の立場で監視していきます。(銀)

福島現地からの報告です。
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4月13日、菅政権は漁民、福島県民、そして周辺国からの多くの反対の声を無視し、汚染水の海洋放出を決定した。県漁連と2015年8月に交わした「関係者の理解なしには(汚染水の)いかなる処分も行いません」との約束を反故にして。この暴挙を絶対に許すことはできない。

この日、私たちは思い思いの手作りの横断幕、ゼッケン、プラカードを用意し、「長時間立っているのはつらいけど参加したい」と杖をつき、子どもを預けてやってきた友人と共に県庁に向かった。昼頃、梶山経済産業大臣が汚染水海洋放出決定を内堀福島県知事に伝えにやってくる。それを県庁前で迎え撃つのだ。「汚染水を海に流すな」「許せない」「内堀は国の言いなりになるな」ー県庁前は、すでに希望の牧場の吉沢さんの宣伝カーから大きな弾劾のコールの嵐が鳴り響き、それに拍手をしながら抗議集会の幕開けとなった。
福島2
汚染水は実害、放出されても止まるまで反対を続ける」「子どもたちにこれ以上、負の遺産を渡したくないです」「海はみんなのもの、子どもたちのために反対の行動をする」「体は不自由でも声は元気です、反対を大きな声で叫びます」。福島市、南相馬市をはじめ県内各地からの力強い発言と抗議のシュプレヒコールが県庁前を揺るがした。
福島1
そのさなか、なんと梶山は卑劣にも裏口から県庁に入り、わずか6分間の会見の中で内堀知事は、福島県民の切なる訴えなど全く意に介さず「精査の上、意見を述べる」と言い放った。そのことが会場に伝わるとすぐさま抗議のシュプレヒコールが叩きつけられた。
福島3
福島の怒りは収まらない。福島第一原発の地震計故障の放置や、高線量にもかかわらず中身を把握していない4000個超のコンテナの放置、柏崎刈羽原発での不祥事など原発事故の下手人=東京電力はこの10年間何ら反省することもなくずさんな管理を開き直っている。「安全」など全く信用できない。

海洋放出決定に合わせ復興庁はあろうことかトリチウムをキャラクター化した動画を公開し、トリチウム=安全と宣伝を行い、瞬く間に全国から批判を浴び削除したという。そして、内堀知事は15日「(放出の可否を)言う立場にない」と無責任に居直った。

私たち福島は海洋放出を絶対に許さない。原発の再稼働を絶対に許さない。「フクシマ」を二度とくり返してはならない。私たち福島県民はそう言える権利と義務がある。広島、長崎、そして全国全世界の闘う人々と共に反戦反核反原発の闘いをとことんやり抜く。(百万人署名運動福島県推進委員会 A)

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