2014年04月
「集団的自衛権反対!」4.27集会参加を呼びかけ、街頭宣伝
アメリカのオバマ大統領が来日し、安倍政権があげて戦争政治をうっているころ、私たちはこれに抗議し、御茶ノ水駅前で「集団的自衛権反対!」の街宣に出ました。
5人で、「集団自衛権に反対する4.27集会」のチラシをまいて参加を呼びかけ、集団的自衛権反対の署名を訴えました。
真新しいノボリ旗を掲げるとすぐ、カンパ箱に500円を入れてくれる人がいて、やはり、「反対!」と目に見える形で声をあげることの大事さを感じました。
日米首脳会談では、TPPの対立を含みながら、北朝鮮問題、尖閣問題などをめぐって軍事協力の合意がなされ、安倍政権は「集団的自衛権行使容認」へ突き進もうとしています。でもその実態は、世界経済の完全な行き詰まりの中で、アメリカの支配者も日本の支配者も何ら余裕がなく、自らの利益を守るため激しい争闘戦を展開しているのだと思います。
「1%」の支配と利益を守るための政治が、日本を大きく戦争国家に変貌させていくのです。集団的自衛権行使はその要、戦争反対!の声をもっともっとあげていきましょう。
4.27集会&デモを一緒にやりましょう!(S)
■沖縄・福島の怒りとつながり、憲法改悪と戦争の安倍を倒そう!集団的自衛権に反対する4.27集会
とき◆4月27日(日)午後1時30分集会開始、4時15分デモ出発(JR新橋駅近くまで)
ところ◆星陵会館(国会議員会館うら、地下鉄「永田町」6番出口3分)
アピール◆沖縄、福島からの訴え
国会報告◆西川重則(百万人署名運動事務局長)「戦争政治に突き進む国会」
基調講演◆川添順一(百万人署名運動事務局)「いまなぜ集団的自衛権か?安倍を倒して戦争への道を阻止しよう!」
リレーアピール◆改憲・戦争反対を闘う労働者・学生・市民から
主催◆とめよう戦争への道!百万人署名運動(tel.03-5211-5415)
5人で、「集団自衛権に反対する4.27集会」のチラシをまいて参加を呼びかけ、集団的自衛権反対の署名を訴えました。
真新しいノボリ旗を掲げるとすぐ、カンパ箱に500円を入れてくれる人がいて、やはり、「反対!」と目に見える形で声をあげることの大事さを感じました。
日米首脳会談では、TPPの対立を含みながら、北朝鮮問題、尖閣問題などをめぐって軍事協力の合意がなされ、安倍政権は「集団的自衛権行使容認」へ突き進もうとしています。でもその実態は、世界経済の完全な行き詰まりの中で、アメリカの支配者も日本の支配者も何ら余裕がなく、自らの利益を守るため激しい争闘戦を展開しているのだと思います。
「1%」の支配と利益を守るための政治が、日本を大きく戦争国家に変貌させていくのです。集団的自衛権行使はその要、戦争反対!の声をもっともっとあげていきましょう。
4.27集会&デモを一緒にやりましょう!(S)
■沖縄・福島の怒りとつながり、憲法改悪と戦争の安倍を倒そう!集団的自衛権に反対する4.27集会
とき◆4月27日(日)午後1時30分集会開始、4時15分デモ出発(JR新橋駅近くまで)
ところ◆星陵会館(国会議員会館うら、地下鉄「永田町」6番出口3分)
アピール◆沖縄、福島からの訴え
国会報告◆西川重則(百万人署名運動事務局長)「戦争政治に突き進む国会」
基調講演◆川添順一(百万人署名運動事務局)「いまなぜ集団的自衛権か?安倍を倒して戦争への道を阻止しよう!」
リレーアピール◆改憲・戦争反対を闘う労働者・学生・市民から
主催◆とめよう戦争への道!百万人署名運動(tel.03-5211-5415)
国民投票法改定案をめぐって参考人質疑
異例の開催スケジュール
4月22日(火)朝9時から衆議院憲法審査会が開催され、参考人質疑が行われました。国会の本会議、委員会等は、予算委員会等以外は決められた曜日(「定例日」と呼ばれます)に開かれるのが通例で、衆院憲法審査会の定例日は木曜日ですから、この日の開催は異例のことだったと言えます。
慎重審議を求める声に配慮していますよという姿勢を示しながら、今国会中に確実にこの法案を成立させるため、このような強行日程となったのでしょう。その証拠に、2日後の24日(木)にも審査会がセットされていて、定例日ではありますが、午前だけでなく午後にも審議が行われるという、これまでにないスケジュールとなっています。
案の定と言うべきか、この日の委員の出席率はきわめて低く、最初は35人ほどが席に着いていましたが、時間が進むにしたがって欠席者が増え、11時頃からは25人を割り込む=定足数(定員50人の半数)に満たない=時間帯もありました。とくにひどかったのは自民党(50人中31人を占めています)で、開会時に20人ほどだった出席者は最後には10人そこそこになっていました。このことについて、笠井亮氏(共産)が「せっかくお越しいただいている参考人の方々に対する礼を欠くので、会長は各委員の出席が確保できる日程でやっていただきたい」と苦言を呈しましたが、保利茂会長(自民)は「ご意見として承る」と答えただけで、けんもほろろの態度でした。
傍聴者は前回より増えて30人ほどで、いつもより若い人が目立ちましたが、この日の参考人・高橋亮平氏の大学かNPO法人の関係者だったようです。これとは別に30人ほどの高齢の一団が入ってきてほどなく立ち去っていくということもありましたが、どこかの議員の後援会の国会見学だったのかもしれません。私たち百万人署名運動は4人で傍聴してきました。
参考人の主張
この日の審議は、4人の参考人が15分ずつ意見を述べ、8会派各1人の委員が15分ずつ質疑を行うという形で進められました。
各氏の意見のポイントを、ウェブ上の記事から引用しておきます。
【高橋亮平氏 特定非営利活動法人Rights代表理事、中央大学商学部特任准教授】
「国民投票の投票年齢と選挙権が得られる年齢を速やかに18歳以上に引き下げ、それが実現した後に、民法の成人年齢も引き下げるべきだ。」(『NHK NEWSWEB』)
(改定案の選挙権年齢規定について)「(引き下げの)期限がなくなった。投票権年齢とのリンクも切られてしまった。実現に危惧をもっている。」(『しんぶん』赤旗)
【斎木洋平氏 一般社団法人リビジョン代表理事、ティーンズライツムーブメント発起人】
「憲法に対し、若い世代も含めて国民的な議論を深めるため、国民投票の投票年齢に加えて選挙権が得られる年齢の18歳以上への引き下げも実現させてほしい。」(『NHK NEWSWEB』)
【百地章氏 日本大学法学部教授】
(公務員が賛否を知人に働きかける勧誘運動について)「憲法改正は高度な政治性を有しており、ほかの法律で厳格に政治的行為が制限されている公務員を自由に参加させるのは矛盾している。組織的な運動は規制すべきだ。」(『NHK NEWSWEB』)
【田中隆氏 弁護士、元自由法曹団幹事長】
(国民投票法の改正案について)「憲法9条の改憲に向けたレールを敷き直して加速させようとするもので、このまま進めば政治の道具にされる。国民投票を求める国民の声は上がっていない。」(『NHK NEWSWEB』)
「3年の議論をかけた(手続き法成立時の)到達点を(改定案は)大幅に後退させ、後送りさせるものだ。」「公正中立であるべき改憲手続きをいっそう政局・政治の道具におとしめることになる。」
(改定案では公務員の国民投票運動が規制強化されていることについて)「公務員の政治活動や選挙活動を規制・禁止してきた後進性を脱却すべきだ。」
「もともと憲法は権力を縛るものだ。縛られている政権党の側が憲法を変えるために、手続き法の整備を提起すること自体が不幸だ。手続き法の整備が必要だとしたら国民が求めるときだ。」
(現行法審議の際、日弁連や公務員労組などが意見を述べていたことについて)「改めて当時の関係者から意見を聞くべきだ。」(『しんぶん』赤旗)
なお、『NHK NEWSWEB』によれば、高橋氏は民主党の推薦、斎木氏は日本維新の会、みんなの党、結いの党の推薦、百地氏は自民党の推薦、田中氏は共産党の推薦だったそうです。
「憲法学者」の驚くべき発言
18歳選挙権の早期実現を強く訴えた高橋亮平氏、斎木陽平氏は若く、とくに斎木氏は22歳の大学院生だそうです。
田中隆氏も18歳選挙権に肯定的な意見を表明していましたが、百地章氏だけは、国民投票法の制定時に、もともと自民党の原案で20歳だった投票権年齢の規定が妥協の産物として18歳に「なってしまった」経緯に「いかがわしいものを感じている」とまで述べて(その後すぐ「いかがわしい」という表現はカットしてほしいと発言していたので、正式の会議録では訂正されるかもしれません)、消極的な立場を示しました。
百地氏は憲法学者で、産経新聞のオピニオン欄『正論』の執筆者であり、同紙が昨年4月に発表した『国民の憲法』要綱の起草委員を務めた人物です。このレポートを書くにあたってインターネットで百地氏の名前を検索してみたところ、昨年の12月25日(安倍首相の靖国神社参拝の前日)に、「首相は英霊の加護信じて参拝を」という文章を『正論』で発表していたことがわかりました。
この日、驚かされた氏の発言をもうひとつ挙げておきましょう。
「憲法教育とか政治教育の問題は大切だと思うし、していく必要があると思う」が、「現在のような教科書をもとにそれを子どもたちに教えることについては、きわめて危険だと思うし、少なくとも中立性に反すると思う。」
公務員の国民投票運動を否定し、18歳選挙権の実現にも難色を示すこのような人物を参考人として推薦したのですから、自民党の立場も「推して知るべし」ということでしょうか。
ともあれ、この日の審査会は12時過ぎに散会となりました。(G)
4月22日(火)朝9時から衆議院憲法審査会が開催され、参考人質疑が行われました。国会の本会議、委員会等は、予算委員会等以外は決められた曜日(「定例日」と呼ばれます)に開かれるのが通例で、衆院憲法審査会の定例日は木曜日ですから、この日の開催は異例のことだったと言えます。
慎重審議を求める声に配慮していますよという姿勢を示しながら、今国会中に確実にこの法案を成立させるため、このような強行日程となったのでしょう。その証拠に、2日後の24日(木)にも審査会がセットされていて、定例日ではありますが、午前だけでなく午後にも審議が行われるという、これまでにないスケジュールとなっています。
案の定と言うべきか、この日の委員の出席率はきわめて低く、最初は35人ほどが席に着いていましたが、時間が進むにしたがって欠席者が増え、11時頃からは25人を割り込む=定足数(定員50人の半数)に満たない=時間帯もありました。とくにひどかったのは自民党(50人中31人を占めています)で、開会時に20人ほどだった出席者は最後には10人そこそこになっていました。このことについて、笠井亮氏(共産)が「せっかくお越しいただいている参考人の方々に対する礼を欠くので、会長は各委員の出席が確保できる日程でやっていただきたい」と苦言を呈しましたが、保利茂会長(自民)は「ご意見として承る」と答えただけで、けんもほろろの態度でした。
傍聴者は前回より増えて30人ほどで、いつもより若い人が目立ちましたが、この日の参考人・高橋亮平氏の大学かNPO法人の関係者だったようです。これとは別に30人ほどの高齢の一団が入ってきてほどなく立ち去っていくということもありましたが、どこかの議員の後援会の国会見学だったのかもしれません。私たち百万人署名運動は4人で傍聴してきました。
参考人の主張
この日の審議は、4人の参考人が15分ずつ意見を述べ、8会派各1人の委員が15分ずつ質疑を行うという形で進められました。
各氏の意見のポイントを、ウェブ上の記事から引用しておきます。
【高橋亮平氏 特定非営利活動法人Rights代表理事、中央大学商学部特任准教授】
「国民投票の投票年齢と選挙権が得られる年齢を速やかに18歳以上に引き下げ、それが実現した後に、民法の成人年齢も引き下げるべきだ。」(『NHK NEWSWEB』)
(改定案の選挙権年齢規定について)「(引き下げの)期限がなくなった。投票権年齢とのリンクも切られてしまった。実現に危惧をもっている。」(『しんぶん』赤旗)
【斎木洋平氏 一般社団法人リビジョン代表理事、ティーンズライツムーブメント発起人】
「憲法に対し、若い世代も含めて国民的な議論を深めるため、国民投票の投票年齢に加えて選挙権が得られる年齢の18歳以上への引き下げも実現させてほしい。」(『NHK NEWSWEB』)
【百地章氏 日本大学法学部教授】
(公務員が賛否を知人に働きかける勧誘運動について)「憲法改正は高度な政治性を有しており、ほかの法律で厳格に政治的行為が制限されている公務員を自由に参加させるのは矛盾している。組織的な運動は規制すべきだ。」(『NHK NEWSWEB』)
【田中隆氏 弁護士、元自由法曹団幹事長】
(国民投票法の改正案について)「憲法9条の改憲に向けたレールを敷き直して加速させようとするもので、このまま進めば政治の道具にされる。国民投票を求める国民の声は上がっていない。」(『NHK NEWSWEB』)
「3年の議論をかけた(手続き法成立時の)到達点を(改定案は)大幅に後退させ、後送りさせるものだ。」「公正中立であるべき改憲手続きをいっそう政局・政治の道具におとしめることになる。」
(改定案では公務員の国民投票運動が規制強化されていることについて)「公務員の政治活動や選挙活動を規制・禁止してきた後進性を脱却すべきだ。」
「もともと憲法は権力を縛るものだ。縛られている政権党の側が憲法を変えるために、手続き法の整備を提起すること自体が不幸だ。手続き法の整備が必要だとしたら国民が求めるときだ。」
(現行法審議の際、日弁連や公務員労組などが意見を述べていたことについて)「改めて当時の関係者から意見を聞くべきだ。」(『しんぶん』赤旗)
なお、『NHK NEWSWEB』によれば、高橋氏は民主党の推薦、斎木氏は日本維新の会、みんなの党、結いの党の推薦、百地氏は自民党の推薦、田中氏は共産党の推薦だったそうです。
「憲法学者」の驚くべき発言
18歳選挙権の早期実現を強く訴えた高橋亮平氏、斎木陽平氏は若く、とくに斎木氏は22歳の大学院生だそうです。
田中隆氏も18歳選挙権に肯定的な意見を表明していましたが、百地章氏だけは、国民投票法の制定時に、もともと自民党の原案で20歳だった投票権年齢の規定が妥協の産物として18歳に「なってしまった」経緯に「いかがわしいものを感じている」とまで述べて(その後すぐ「いかがわしい」という表現はカットしてほしいと発言していたので、正式の会議録では訂正されるかもしれません)、消極的な立場を示しました。
百地氏は憲法学者で、産経新聞のオピニオン欄『正論』の執筆者であり、同紙が昨年4月に発表した『国民の憲法』要綱の起草委員を務めた人物です。このレポートを書くにあたってインターネットで百地氏の名前を検索してみたところ、昨年の12月25日(安倍首相の靖国神社参拝の前日)に、「首相は英霊の加護信じて参拝を」という文章を『正論』で発表していたことがわかりました。
この日、驚かされた氏の発言をもうひとつ挙げておきましょう。
「憲法教育とか政治教育の問題は大切だと思うし、していく必要があると思う」が、「現在のような教科書をもとにそれを子どもたちに教えることについては、きわめて危険だと思うし、少なくとも中立性に反すると思う。」
公務員の国民投票運動を否定し、18歳選挙権の実現にも難色を示すこのような人物を参考人として推薦したのですから、自民党の立場も「推して知るべし」ということでしょうか。
ともあれ、この日の審査会は12時過ぎに散会となりました。(G)
国民投票法改定案、衆議院憲法審査会で審議入り
4月8日(火)、「日本国憲法の改正手続に関する法律」(国民投票法)の改定案が衆議院に提出され、10日(木)の憲法審査会で「趣旨説明」が行われて審議入りしました。17日(木)から実質的な議論が始まりましたが、審査会に委員を出している8党のうち共産党を除く7党(自民、民主、維新、公明、みんな、結い、生活)が共同提出した法案であり、今国会中の成立が確実視されています。
改定案の内容
2007年、第1次安倍政権の下で成立した国民投票法では、
①18歳選挙権実現等のための法整備(ここで言う「法」とは、「選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令」を指します)、
②公務員の政治的行為の制限に係る法整備(「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう」にするための法整備です)、
③憲法改正以外の国民投票制度導入の検討の3点が「附則」に定められ、「3つの宿題」と言われてきました。
とくに①と②は法施行後3年以内に「必要な法制上の措置を講ずる」とされています(施行日は2010年5月18日)。
10日の審査会で法案の提出者を代表して船田元氏(自民)が行った「趣旨説明」によれば、「改正案は、可及的速やかにこれら3つの宿題に対応し、憲法改正の手続を整備しようとするもの」だそうです。ところが、これも船田氏の「趣旨説明」によれば、改定案の主な内容は下記のとおりで、「3つの宿題」に対応しているとはとても言えません(引用は『国会会議録検索システム』から)。
「第一に、選挙権年齢等の18歳への引き下げについて・・・この改正案では、改正法施行後4年を経過するまでの間は、憲法改正国民投票の投票権年齢は20歳以上とし、それ以降は自動的に本則第3条に定める18歳に引き下げることと・・・しており」「その上で、選挙権年齢等の引き下げについては、改めて、改正法の施行後速やかに、投票権年齢と選挙権年齢の均衡等を勘案し、必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の検討条項を改正法附則に規定することと」した。
「第二に、公務員の政治的行為に係る法整備について」「公務員が行う国民投票運動については、賛成、反対の投票等の勧誘行為及び憲法改正に関する意見表明としてされるものに限り、行うことができることとするとともに、当該勧誘行為が公務員に係る他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴う場合には、この限りではないと・・・しており」「すなわち、純粋な国民投票運動に限って、公務員もこれを行うことができることとした」。
「また、組織により行われる勧誘運動、署名運動及び示威運動の企画、主宰及び指導並びにこれらに類する行為に対する規制のあり方について、改正法施行後速やかに、公務員の政治的中立性及び公務の公正性を確保する等の観点から検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の検討条項を改正法附則に規定することと」した。
「さらに、在職中、国民投票運動を行うことができない公務員として、新たに、裁判官、検察官、公安委員会の委員及び警察官を加え、この違反に対しては、6月以下の禁錮または30万円以下の罰金に処することと」した。
「第三に、国民投票の対象拡大について・・・この改正案では、憲法改正問題についての国民投票制度に関し、現行法附則第12条の検討条項にかえて、改めて、その意義及び必要性について、さらに検討を加え、必要な措置を講ずる旨の検討条項を改正法附則に規定することと」した。
宿題をサボったままでも「改正」と称する厚顔ぶり
つまり、宿題の①については、公職選挙法や民法等の改定が実現されようとされまいと、改定法施行の4年後には投票権年齢を18歳以上に引き下げるということであり(現行法では、宿題が果たされるまでは投票権年齢を満20年以上とするとされています)、「宿題なんかしなくてもいいんだ」と開き直っているわけです。
宿題の②については、公務員が個人として行う勧誘行為、意見表明を認めただけで、組織としての運動の規制のあり方については結論を先送り、もともと期限が定められていなかった宿題の③については、そっくりそのまま持ち越されてしまっています。
これが今回の改定案の中身であり、こんな「改正」でなぜ事実上凍結されていた国民投票の実施が可能になるのか、常識ではとうてい理解できません。
17日の審査会の様子
ともあれ、17日(木)の8時40分に開会した衆議院憲法審査会において改定案の実質的な審議が始まり、この日は8党から1人ずつの委員が質疑に立ちました。いわゆる議員立法ですから、質問に答えるのは閣僚や政府委員ではなく8人の提案者、つまり議員たちです(共同提案に加わった7党のうち自民党が2人、他党は各1人)。
審査会の定数は50人ですが、みんな、結い、生活の3党はただ1人の委員が提案者に名を連ねているため、質疑のためにもう1人が参加しており、この日の議場には53の席が用意されていました。
出席者はほとんどの時間帯で30~35人程度、傍聴者は20人ほどで、私たち百万人署名運動は4人で傍聴してきました。
共産党、笠井亮氏の質疑
質疑の時間は各党20分ずつ、唯一反対している共産党のみ45分の持ち時間が与えられました。まず、『しんぶん赤旗』の記事(18日付、ウェブ版)から、共産党・笠井亮氏の質疑の概要を引用しておきます。
自民、民主など7党が共同提出した改憲手続き法(国民投票法)改定案の質疑が17日、衆院憲法審査会で始まりました。日本共産党の笠井亮議員は、同改定案は選挙権年齢等の引き下げなど手続き法成立時の約束もほごにし、改憲の国民投票ができるよう形だけ整えようというものと指摘。安倍政権の改憲策動に国民が反対し警戒を強めているもとで、改憲のための条件づくりは必要ないとして、「手続き法は改定ではなく廃止すべきだ」と主張しました。
手続き法をめぐっては、法施行までの3年間に投票権年齢(18歳)にあわせて選挙権年齢(20歳)なども引き下げる「宿題」を課していました。笠井氏は手続き法審議の際の自民、民主の答弁などを指摘し、「この『宿題』はできたのか」とただしました。
自民党の船田元議員は「国民投票法を動かすという意味で『宿題』を解いた」と述べました。笠井氏は「『宿題』の中身をすり替えている。国会答弁や立法者の意思とも違う。そんなすり替えが通用するなら、国会審議とは何かが問われる」と批判しました。
さらに笠井氏は、世論調査では改憲自体に「反対」の声が広がっているとして、「手続き法を『整備せよ』という国民多数の要求があるのか」と追及。船田氏はまともに答えられませんでした。
笠井氏は、民主党が手続き法に反対した理由に、憲法を自分の統治のための道具と考える当時の安倍首相の憲法観があったと指摘。「安倍首相の憲法観は当時と変わったと思うのか」とただしました。民主党の枝野幸男議員は「変わっていない」と答弁。笠井氏は「憲法観が変わっていない安倍総理のもとで自民と一緒に改定案をだしたことに国民の理解は得られない」と批判しました。
公務員の運動を規制すべきとする発言が続出
他7党の委員の質疑は、改定案に賛成する立場からのものですので、自党の提案者との間の緊張感のないやり取りが目立ちましたが、驚かされたのは、公務員の運動を制限、禁止すべきだという趣旨の発言、つまり、宿題の②で求められていた内容とは正反対の主張が多かったことです。17日のNHKニュースでは、次のように報じられています(『NHK NEWSWEB』より)。
自民党の船田元氏は、今後の検討課題として付則に盛り込まれている、公務員が組織的に賛否を働きかける勧誘運動の禁止について、「緻密な検討が必要だという意見が各党から出たので、改正案には書き込まず、検討課題とした。慎重に議論を行ったうえで、できるだけ早く禁止する規定を導入するよう努力していきたい」と述べました。
みんなの党の三谷英弘氏は、公務員の地位を利用した勧誘運動について、「改正案では禁止しているが、実効性を伴うよう罰則を科すべきだ。今後、その是非を検討する議論を引っ張っていく」と述べました。
なお、船田氏の発言は、平沢勝栄氏(自民)の質疑の際のものです。このほか、結いの党の井坂信彦氏も「特定公務員と同様に、公務員等や教育者が地位を利用して国民投票運動を行った場合も罰則を設けることが必要だ」、維新の会の馬場伸幸氏も「国民投票法の改定の対象とはしなかったが、別途選挙運動など地方公務員の政治活動を国家公務員並みに規制する法案を提出している」と述べていました。
国会周辺の銀杏も新緑の装いです。
珍妙な「憲法教育」論
さて、この日の質疑の最後に維新の会の三木圭恵氏と馬場伸幸氏の間で、憲法教育の重要性についてのやり取りがありました。彼らが念頭に置いているのは「憲法の制定過程」、つまりいわゆる押しつけ憲法論を学習指導要領に加えて、子どもたちが18歳になるまでに教え込むことであるようですが、もちろん憲法について学習すべき重要な事項は別にあります。
そもそも充実した憲法教育が行われ、多くの国民が憲法についてまともな知識を持つようになれば、「憲法改正のハードルを下げようとし、それが難しいとなると解釈の変更だけで集団的自衛権を解禁しようとし、あげくに全く筋違いの最高裁判決を持ち出す」(4月20日付朝日新聞『天声人語』)ような首相(何と法学部卒業!)が登場するはずがありません。しかし、この珍妙な議論をただ笑って済ませることはできません。こんな低レベルの発言が国会の場でまかり通っていることを怒りを持って批判していくことが必要だと思います。
この日の審査会は3時間以上にわたり、散会したのは11時50分近くでした。すでに次回日程が22日(火)に設定され、参考人質疑が行われることになっています。24日(木)にも開催される可能性があり、早くも採決が行われるかもしれません。厳しい状況ですが、傍聴を続けて審議の様子を発信していきたいと思います。(G)
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改定案の内容
2007年、第1次安倍政権の下で成立した国民投票法では、
①18歳選挙権実現等のための法整備(ここで言う「法」とは、「選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令」を指します)、
②公務員の政治的行為の制限に係る法整備(「公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう」にするための法整備です)、
③憲法改正以外の国民投票制度導入の検討の3点が「附則」に定められ、「3つの宿題」と言われてきました。
とくに①と②は法施行後3年以内に「必要な法制上の措置を講ずる」とされています(施行日は2010年5月18日)。
10日の審査会で法案の提出者を代表して船田元氏(自民)が行った「趣旨説明」によれば、「改正案は、可及的速やかにこれら3つの宿題に対応し、憲法改正の手続を整備しようとするもの」だそうです。ところが、これも船田氏の「趣旨説明」によれば、改定案の主な内容は下記のとおりで、「3つの宿題」に対応しているとはとても言えません(引用は『国会会議録検索システム』から)。
「第一に、選挙権年齢等の18歳への引き下げについて・・・この改正案では、改正法施行後4年を経過するまでの間は、憲法改正国民投票の投票権年齢は20歳以上とし、それ以降は自動的に本則第3条に定める18歳に引き下げることと・・・しており」「その上で、選挙権年齢等の引き下げについては、改めて、改正法の施行後速やかに、投票権年齢と選挙権年齢の均衡等を勘案し、必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の検討条項を改正法附則に規定することと」した。
「第二に、公務員の政治的行為に係る法整備について」「公務員が行う国民投票運動については、賛成、反対の投票等の勧誘行為及び憲法改正に関する意見表明としてされるものに限り、行うことができることとするとともに、当該勧誘行為が公務員に係る他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴う場合には、この限りではないと・・・しており」「すなわち、純粋な国民投票運動に限って、公務員もこれを行うことができることとした」。
「また、組織により行われる勧誘運動、署名運動及び示威運動の企画、主宰及び指導並びにこれらに類する行為に対する規制のあり方について、改正法施行後速やかに、公務員の政治的中立性及び公務の公正性を確保する等の観点から検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の検討条項を改正法附則に規定することと」した。
「さらに、在職中、国民投票運動を行うことができない公務員として、新たに、裁判官、検察官、公安委員会の委員及び警察官を加え、この違反に対しては、6月以下の禁錮または30万円以下の罰金に処することと」した。
「第三に、国民投票の対象拡大について・・・この改正案では、憲法改正問題についての国民投票制度に関し、現行法附則第12条の検討条項にかえて、改めて、その意義及び必要性について、さらに検討を加え、必要な措置を講ずる旨の検討条項を改正法附則に規定することと」した。
宿題をサボったままでも「改正」と称する厚顔ぶり
つまり、宿題の①については、公職選挙法や民法等の改定が実現されようとされまいと、改定法施行の4年後には投票権年齢を18歳以上に引き下げるということであり(現行法では、宿題が果たされるまでは投票権年齢を満20年以上とするとされています)、「宿題なんかしなくてもいいんだ」と開き直っているわけです。
宿題の②については、公務員が個人として行う勧誘行為、意見表明を認めただけで、組織としての運動の規制のあり方については結論を先送り、もともと期限が定められていなかった宿題の③については、そっくりそのまま持ち越されてしまっています。
これが今回の改定案の中身であり、こんな「改正」でなぜ事実上凍結されていた国民投票の実施が可能になるのか、常識ではとうてい理解できません。
17日の審査会の様子
ともあれ、17日(木)の8時40分に開会した衆議院憲法審査会において改定案の実質的な審議が始まり、この日は8党から1人ずつの委員が質疑に立ちました。いわゆる議員立法ですから、質問に答えるのは閣僚や政府委員ではなく8人の提案者、つまり議員たちです(共同提案に加わった7党のうち自民党が2人、他党は各1人)。
審査会の定数は50人ですが、みんな、結い、生活の3党はただ1人の委員が提案者に名を連ねているため、質疑のためにもう1人が参加しており、この日の議場には53の席が用意されていました。
出席者はほとんどの時間帯で30~35人程度、傍聴者は20人ほどで、私たち百万人署名運動は4人で傍聴してきました。
共産党、笠井亮氏の質疑
質疑の時間は各党20分ずつ、唯一反対している共産党のみ45分の持ち時間が与えられました。まず、『しんぶん赤旗』の記事(18日付、ウェブ版)から、共産党・笠井亮氏の質疑の概要を引用しておきます。
自民、民主など7党が共同提出した改憲手続き法(国民投票法)改定案の質疑が17日、衆院憲法審査会で始まりました。日本共産党の笠井亮議員は、同改定案は選挙権年齢等の引き下げなど手続き法成立時の約束もほごにし、改憲の国民投票ができるよう形だけ整えようというものと指摘。安倍政権の改憲策動に国民が反対し警戒を強めているもとで、改憲のための条件づくりは必要ないとして、「手続き法は改定ではなく廃止すべきだ」と主張しました。
手続き法をめぐっては、法施行までの3年間に投票権年齢(18歳)にあわせて選挙権年齢(20歳)なども引き下げる「宿題」を課していました。笠井氏は手続き法審議の際の自民、民主の答弁などを指摘し、「この『宿題』はできたのか」とただしました。
自民党の船田元議員は「国民投票法を動かすという意味で『宿題』を解いた」と述べました。笠井氏は「『宿題』の中身をすり替えている。国会答弁や立法者の意思とも違う。そんなすり替えが通用するなら、国会審議とは何かが問われる」と批判しました。
さらに笠井氏は、世論調査では改憲自体に「反対」の声が広がっているとして、「手続き法を『整備せよ』という国民多数の要求があるのか」と追及。船田氏はまともに答えられませんでした。
笠井氏は、民主党が手続き法に反対した理由に、憲法を自分の統治のための道具と考える当時の安倍首相の憲法観があったと指摘。「安倍首相の憲法観は当時と変わったと思うのか」とただしました。民主党の枝野幸男議員は「変わっていない」と答弁。笠井氏は「憲法観が変わっていない安倍総理のもとで自民と一緒に改定案をだしたことに国民の理解は得られない」と批判しました。
公務員の運動を規制すべきとする発言が続出
他7党の委員の質疑は、改定案に賛成する立場からのものですので、自党の提案者との間の緊張感のないやり取りが目立ちましたが、驚かされたのは、公務員の運動を制限、禁止すべきだという趣旨の発言、つまり、宿題の②で求められていた内容とは正反対の主張が多かったことです。17日のNHKニュースでは、次のように報じられています(『NHK NEWSWEB』より)。
自民党の船田元氏は、今後の検討課題として付則に盛り込まれている、公務員が組織的に賛否を働きかける勧誘運動の禁止について、「緻密な検討が必要だという意見が各党から出たので、改正案には書き込まず、検討課題とした。慎重に議論を行ったうえで、できるだけ早く禁止する規定を導入するよう努力していきたい」と述べました。
みんなの党の三谷英弘氏は、公務員の地位を利用した勧誘運動について、「改正案では禁止しているが、実効性を伴うよう罰則を科すべきだ。今後、その是非を検討する議論を引っ張っていく」と述べました。
なお、船田氏の発言は、平沢勝栄氏(自民)の質疑の際のものです。このほか、結いの党の井坂信彦氏も「特定公務員と同様に、公務員等や教育者が地位を利用して国民投票運動を行った場合も罰則を設けることが必要だ」、維新の会の馬場伸幸氏も「国民投票法の改定の対象とはしなかったが、別途選挙運動など地方公務員の政治活動を国家公務員並みに規制する法案を提出している」と述べていました。
国会周辺の銀杏も新緑の装いです。
珍妙な「憲法教育」論
さて、この日の質疑の最後に維新の会の三木圭恵氏と馬場伸幸氏の間で、憲法教育の重要性についてのやり取りがありました。彼らが念頭に置いているのは「憲法の制定過程」、つまりいわゆる押しつけ憲法論を学習指導要領に加えて、子どもたちが18歳になるまでに教え込むことであるようですが、もちろん憲法について学習すべき重要な事項は別にあります。
そもそも充実した憲法教育が行われ、多くの国民が憲法についてまともな知識を持つようになれば、「憲法改正のハードルを下げようとし、それが難しいとなると解釈の変更だけで集団的自衛権を解禁しようとし、あげくに全く筋違いの最高裁判決を持ち出す」(4月20日付朝日新聞『天声人語』)ような首相(何と法学部卒業!)が登場するはずがありません。しかし、この珍妙な議論をただ笑って済ませることはできません。こんな低レベルの発言が国会の場でまかり通っていることを怒りを持って批判していくことが必要だと思います。
この日の審査会は3時間以上にわたり、散会したのは11時50分近くでした。すでに次回日程が22日(火)に設定され、参考人質疑が行われることになっています。24日(木)にも開催される可能性があり、早くも採決が行われるかもしれません。厳しい状況ですが、傍聴を続けて審議の様子を発信していきたいと思います。(G)
g
座り込み10年、辺野古新基地建設に反対しよう!
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対して始まった辺野古浜での座り込み闘争が、4月19日で10年を迎え、この日、集会と海上パレードが辺野古の浜と海で行われました。
4/19辺野古の海(琉球新報より)
新基地建設のために防衛施設庁が2004年4月から始めた海上でのボーリング地質調査を阻もうと、市民らがカヌー隊をつくって毎日海に出て闘いました。年配者も海上ヤグラに座り込んで調査中止を訴えました。これと一体で浜での座り込みが行われました。
百万人署名運動も辺野古カンパを集めて、全国からこの座り込みに参加しました。西川重則事務局長も船に乗って海にでました。
2005年ごろ
こうした身体を張った闘いで、ついにボーリング調査を中止に追い込み、辺野古新基地建設はいったん頓挫したのです。その後も辺野古浜のテントでの座り込みはずっと続けられてきました。
19日には約450人が参加し、集会では日米両政府に新基地建設の断念や仲井真弘多知事の埋め立て承認の撤回などを求めるアピール文が採択され、「埋め立てを許さない!」と闘いの継続が宣言されたそうです。
4/19辺野古浜(沖縄タイムスより)
沖縄の民意は「基地をなくせ!」であり、「どこにも基地はいらない」です。
安倍政権の強引な新基地建設策動を許さず、沖縄の怒りとつながって全国で辺野古新基地反対を闘いましょう。(S)
4/19辺野古の海(琉球新報より)
新基地建設のために防衛施設庁が2004年4月から始めた海上でのボーリング地質調査を阻もうと、市民らがカヌー隊をつくって毎日海に出て闘いました。年配者も海上ヤグラに座り込んで調査中止を訴えました。これと一体で浜での座り込みが行われました。
百万人署名運動も辺野古カンパを集めて、全国からこの座り込みに参加しました。西川重則事務局長も船に乗って海にでました。
2005年ごろ
こうした身体を張った闘いで、ついにボーリング調査を中止に追い込み、辺野古新基地建設はいったん頓挫したのです。その後も辺野古浜のテントでの座り込みはずっと続けられてきました。
19日には約450人が参加し、集会では日米両政府に新基地建設の断念や仲井真弘多知事の埋め立て承認の撤回などを求めるアピール文が採択され、「埋め立てを許さない!」と闘いの継続が宣言されたそうです。
4/19辺野古浜(沖縄タイムスより)
沖縄の民意は「基地をなくせ!」であり、「どこにも基地はいらない」です。
安倍政権の強引な新基地建設策動を許さず、沖縄の怒りとつながって全国で辺野古新基地反対を闘いましょう。(S)