「裁判員制度はいらない!大運動」は11月13日午後、弁護士会館において、裁判員候補者名簿への記載通知に抗議する声明を発し、記者会見を行いました。記者会見には呼びかけ人の弁護士の高山俊吉さん、交通ジャーナリストの今井亮一さんのほかに、裁判員候補者の井上實さん(千葉地裁)、近藤満さん(秋田地裁)、相場裕美さん(東京地裁)が参加して制度の廃止を訴えました。以下は「声明」です。
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裁判員候補者名簿への記載通知に抗議する声明 2009年11月13日
昨日(11月12日)、最高裁判所(竹崎博允長官)は、来年の裁判員候補者名簿の記載通知を全国の約34万5000人の国民に発送しました。
私たちは、裁判員制度の廃止を求める立場から、最高裁の行動に厳しく抗議し、以下のとおり声明します。
1 この間、裁判員制度への拒否の声が強まっています。
裁判員候補者出頭率「80~90%」などというマスコミの報道は、「大本営発表」を彷彿とさせる当局発表の垂れ流しです。この数字は、最終的に絞り込まれた裁判員候補者数を分母としたものだからです。裁判員候補者として抽出された元の数を基準にすれば、ほとんどの裁判で裁判員候補者の出頭率は半数に満たず、高松地裁のように30%を割り込んだ例もあり、また熊本、札幌、山形の各地裁のように候補者の追加呼出しを余儀なくされているケースもあります。秋田では、「裁判員制度反対」のたすきをかけて出頭した候補者まで現れました。
最近の日本世論調査会は、国民の約7割が依然として裁判員を務めたくないと答えていると結果を発表しています。
制度の実施半年後の現在、裁判員制度に対する国民の不支持、批判は弱まっていないどころか、むしろ強まっているといっても過言ではありません。
2 裁判員裁判は、「裁判」の名を借りた「ショー」にすぎないことが明らかになりました。
各地の裁判所は、「国民の参加」をことさらに演出するため、裁判員による質問を露骨に誘導し、東京地裁第1号事件の被告人は「法廷全体が敵のようだった」と述べました。そして、第1号から控訴です。
裁判員裁判は「わかりやすさ」を追い求め、事前の整理手続きで争点を大きく切り捨て、法廷を台本に基づくプレゼン合戦の場にしました。しかも、その「技術格差」は検察官に圧倒的に有利な状況を作り出し、その力関係は「戦車と竹槍」とまで例えられています。無罪を争う事件や死刑事件の審理が始まれば、裁判員裁判の矛盾がいっそう深刻な形で噴出することになるでしょう。
3 私たちは、裁判員制度実施後も、全国各地で集会、学習会や抗議活動をくりかえし行い、東京、さいたま、青森、神戸、大阪、京都、山口、福岡、千葉、津、高松、横浜、郡山、福島、岡山、徳島、岐阜、三重、名古屋、岡山、小田原、甲府、立川、富山、鳥取、松江、大津、堺、仙台、広島など全国の裁判所の前で、裁判員裁判に対する抗議活動を精力的に展開してまいりました。その結果、多くの国民の皆さんが私たちの意見に共感され、この運動に参加されて今日に至っています。
「一人の拒否からみんなの拒否へ みんなの拒否は制度の廃止」です。
4 私たちは、最高裁から裁判員候補者名簿に記載された旨の通知が届いた皆さんに次のことを訴えます。
◆最高裁に対し、ご自身の名前を勝手に名簿に記載したことに抗議し、裁判員制度反対の声をいっそう大きく上げましょう。
◆あなたの住所・氏名が書かれた通知書を大運動の事務局にお送りください。
ファックスでもよく、郵送の場合はコピーでも結構です。通知書の受け取りを断った方や候補者名簿からの削除を求めた方はその旨を記され、氏名の公表を控えたい方は「公表不可」とお書きください。
制度を廃止させる運動にみなさんの意思や行動を大きく生かさせていただきます。
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秋田から参加した裁判員候補者の近藤さんは、10月7日の秋田地裁に候補者として呼び出された際に、自作された「裁判員制度反対」のタスキをかけて反対の意志を表明された方です。「届いた質問票のコメント欄に『制度に反対です。…一方的に選んで呼びつける制度はおかしい』と書きましたが、当日は呼び出されることになりました。夏だったらTシャツにプリントしてもよかったのですが、100円ショップでイベントグッズを買い、タスキを自作しました」と語りました。
相場さんは地下鉄サリン事件の被害者原告です。裁判員候補者になった結果、体調を崩して4年間つとめた仕事をやめることになったと述べました。記者の「制度のどこを修正したらよいと思いますか」という質問には、「裁判員制度はやめたほうがいいと思います。プロでもないのに人を裁けないと思うし、冤罪が増えるのではないかと危惧します。この制度に使われるお金をもっと別のことに使うべきです」と答えました。相場さんの「激白」は、インコ通信№9~11に掲載されています。http://no-saiban-in.org/(大運動のHP)の下のほうでダウンロードできます。