青森からの報告です。* * * * *
 5月18日から3日間、青森県内で5例目となる裁判員裁判が青森地裁で行われました。青森県連絡会では、初日の朝7時45分~午後1時30分まで地裁前での抗議のビラまき、署名活動を行いました。いろんな反応がありました。「おかしい、素人にやらせるのは。わからないもん。」「いろんな不正とかなんとか、自分たちのことについては裁判員裁判やらないんだろう。そういうのをやるべきでしょ」。74歳の男性は「70年もいきているといろいろわかる。裁判員制度はおかしい。青森の空襲の時いた。前日に米軍がビラを上空からまいた。明日空爆すると。しかし、消防が米軍のデマだから逃げるな、と言って回った。俺は母親が小学生の俺をリヤカーに乗せて逃げたから助かった。逃げなかった人たちは、みんな死んだ。」

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 今回の裁判員裁判は建造物等放火未遂事件。初公判では裁判員が発言する場面はなく、その後も、誰一人発言しないまま審理を終えたそうです。そして、青森県では初めて裁判員経験者が記者会見に一人も参加しませんでした。裁判員裁判が、国家権力の民衆への「苦役の強制」そのものであることを示しています。

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 今回の裁判では何人の候補者に呼び出し状を送り、何人が辞退したのかはわからないのですが、最終的に27人が出頭を求められ、実際は25人が出頭し、当日2人が辞退したとのことです。その数字だけを取り上げて、裁判所もマスコミも出頭率93%と報じています。しかし、これは全くのごまかし。裁判員候補者の「出頭拒否!」がどんどん増えている現実を覆い隠そうとしているのです。実際、18日の新聞報道によれば、青森地裁での次の裁判員裁判に向けて100人の裁判員候補者を選定し、事前辞退者36人を除く64人に呼び出し状を送ったが、辞退者が多かったので、新たに候補者30人を追加選定したとのことです。
       5/18付デーリー東北
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 裁判員制度は施行1年目で大破産の体をさらけ出しています。民衆一人一人の「いやだ」という意志の反乱が、裁判員裁判のペテン的な「覆い」を引きはがし、最高裁・国家権力を追い詰めています。みんなの拒否!の力で制度の廃止へ、の展望が大きく切り開かれています。がんばりましょう!(青森県連絡会 W)