先日、九州・福岡での9.23原発再稼働反対集会の報告を掲載しましたが、北海道でも9.22に泊原発再稼働反対の全道集会がありました。北海道から届いたお便りを紹介します。

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北海道の夏はいつもにない猛暑であったが、夏の節電期間が9月14日に終わり、泊原発全3基(出力計207万kw)が停止する中でも計画停電は回避された。供給予備率が厳しいときで7%というから、かなり余力があったと言える。
北海道の電力消費の最も多いのは本州と違って冬になる。厳寒期の暖房や道路の凍結防止のロードヒーティングなどで冬期が電力の最大需要期になる。それを口実に北海道電力泊原発の再稼働を全国の原発再稼働の突破口にしようとの目論見が政府にある。

泊原発の再稼働を断じて許さず、その再稼働を押しとどめることで、この国のすべての原発の停止を実現させようと『子どもたちの未来に原発いらないしょ in とまり』の全道集会が、9月22日(土)正午から泊原発の正門前にある堀株(ホリカップ)海水浴場で開催された。抜けるような快晴だが、猛暑(北海道では30℃以上をいう)が一段落した昼下がり、全道各地から600名が集まった。私たち室蘭からは7名が車に乗り合わせ、3時間かけて駆けつけた。
集会は岩内原発問題研究会の佐藤英行さんの開会あいさつの後、呼びかけ人代表の斎藤武一さんが基調報告として40年前5000円で購入したというギターで大型紙芝居を横に叫ぶように歌いだした。30年間のたたかいをアイロニーとユーモアを交えてのだみ声は満場の喝さいを浴びた。「本当だぜ、希望の鐘の音は海から聞こえる」と閉めた。

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続いて、枝野経産相が工事再開を承認した電源開発大間原発に反対する函館市の「大間原発訴訟の会」から報告があった。函館は大間原発から津軽海峡をはさんで23kmという至近距離にある。青森市より相当近いのだが立地道県とはならない。しかも大間原発は混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う世界初の商業炉だ。安全性に強い懸念があり、割高で経済的ではなく、核燃料サイクルは破たんしている、と訴えた。
福島の女性からは悲痛な現地報告があった。

「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の佐藤幸子さんもアピール
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“泊原発の廃炉をすすめる会”の小野有五さんは沖合いを指差し、「あの先からこちらの原発まで活断層が走っている」と指摘、現場での話なので背筋が凍った。
最後に、泊原発正門前で「子どもたちの未来のために、泊原発の再稼働に反対します」との集会決議を読み上げ、「原発いらない!」のシュプレヒコールの響く中、北電担当者に手渡した。
会場内を歩いてみると、久しぶりの全道集会なので各地から集まった懐かしい面々と再会を楽しむことができた。古くからの仲間と会えるのは力をもらえる。

首相官邸前の脱原発行動に呼応して、北海道でも札幌、函館、旭川、釧路、帯広にて脱原発行動が続けられている。私の住む室蘭でも2ヶ月に1度の“憲法ウォーク”を「この時期は“脱原発”で月1やろうよ」との提案を検討中。でも9月15日の“憲法ウォーク”を“脱原発”に特化して呼びかけ、25名で人通りのない「繁華街」の歩道でシュプレヒコールをあげて歩いた。(北海道 増岡)

      9/18付室蘭民報より
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