とめよう戦争への道!百万人署名運動

署名運動をとおして、改憲・戦争への道を許さない闘いを全国的に広げていきます。

カテゴリ: 憲法

2月21日(水)13時から、参議院の憲法審査会が開かれました。今国会初(ということは今年初めて)の開催で、「憲法に対する考え方について」の自由討議が行われました。


委員の出席率はきわめて高く、開会から15時過ぎの閉会時までほぼ全員が在席していました。会派別の委員数は自民党24,民進党8、公明党5、共産党3、維新の会2、希望の会(社民と自由の統一会派)1、立憲民主党1、希望の党1となっていて、前回と比べると新たに立憲が1人委員を出し、その分民進が1名減となりました。

傍聴者は40人弱、私たち百万人署名運動は2人で傍聴してきました。今回は傍聴席の最後方に座ったため記者席の様子は死角になってわかりませんでしたが、議場にはテレビカメラが4台入っていました(途中からテレ朝とTBSの2台になり、最後はTBSだけになりました)。
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審議の内容について、まず、『朝日新聞』の記事を転載させていただきます。

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各党から反対続出、参院憲法審

 自民が検討している改憲条文をめぐっては、21日の参院憲法審で各党から反対論が続出。自民は「孤立状態」に陥った。
 自民の岡田直樹氏は党改憲推進本部が16日にまとめた、参院選で二つの県を一つの選挙区にする「合区」解消に向けた条文案を説明。「人口比例を唯一の尺度とする場合、かえって民意の反映や地域間格差、地域住民の不満につながる恐れがある」とし、参院選の選挙区で改選ごとに各都道府県から少なくとも1人を選出できるようにする条文案への理解を求めた。
 これに対し、公明党の西田実仁氏は、国会議員は全国民を代表すると定める憲法43条との矛盾を念頭に、「参議院が全国民の代表であることにいささかでも疑念を持たれるのであれば、大幅な権限見直しが迫られる」と指摘。「参議院の影響力を弱める改革には賛同しがたい」とした。
 日本維新の会の東徹氏は「今の選挙制度のもとで合区解消はできる。いきなり憲法改正ではない」。民進党の石橋通宏氏も「憲法改正ではなく、選挙制度改革で結論を得るべきだというのは自民党以外の全ての党が一致した見解」と述べた。
 安倍晋三首相が唱える9条への自衛隊明記案についても野党は批判を強めた。
 民進の白真勲氏は「改憲より日米地位協定の改定などの方がよほど国民の期待は大きい」と主張。民進の伊藤孝恵氏も、9条に自衛隊を明記しても権限は変わらないとする首相の説明に触れ、「国民投票をやる説得力に欠ける」と述べた。
 自衛隊明記案が国民投票で否定されても自衛隊の合憲性は変わらないとする首相答弁については、民進の宮沢由佳氏が「あまりにもご都合主義。自衛隊合憲の立場は国民投票の結果に影響されないというのは、国民投票の結果を無視するということだ」と批判した。
 立憲民主党の風間直樹氏は「9条1項2項が空文化し、自衛隊の権限が法律に委ねられることでフルスペックの集団的自衛権が可能となりかねない」と首相案に反対する党の見解を表明した。
 共産党の仁比聡平氏は「安倍政権のもとで大きく変貌する自衛隊を書き込むなら、際限のない海外における武力行使に道を開くことになる」、社民党の福島瑞穂氏も「集団的自衛権を行使する自衛隊を明記することは戦争改憲」と述べ、9条改憲に反対した。(久永隆一)
(転載ここまで)

「他に議論すべきことがある」

この日目立ったのは、改憲案の前に議論すべきことがあるという指摘でした。いずれももっともな内容であり、傍聴席から「そうだ!」という合意の声や拍手が沸き起こりました(こうした行為は規則で禁止されており、職員から注意されていましたが)。発言順に紹介したいと思います。
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まず、白真勲氏(民進)は、安倍首相は各党が具体的な案を持ち寄って改憲の議論を前に進めていくことを期待すると言うが、自分たちの案がコロコロ変わっているのに他党に案を出せというのは「大きなお世話だ」と手厳しく批判した上で、「憲法改正の前に検討するべき重要な案件がある」と述べ、まずは国民投票法の付帯決議に盛り込まれた最低投票率などの課題について議論するよう求めました。

また、風間直樹氏(民進)は、日本の安保法制はアメリカと交わされた多数の密約の上に構築されていて、9条、日米安保条約、地位協定の本当の意味が明らかになっておらず、有事の際には米軍の司令官が自衛隊の指揮権を持つことになっているとも言われていると指摘し、密約の問題について参考人質疑を行うことを要請しました。

そして、石橋通宏氏(民進)は、日米地位協定は事実上一度も改正されておらず、日本の主権が制限されたまま現在に至っており、憲法改正以前に日米地位協定の抜本的な改定について議論すべきではないかと主張しました。

さらに、浜口誠氏(民進)は、国民投票が行われる際、資金力によって有料のテレビCM、ラジオ広告等を流せる量や時間帯に不公平が生じる可能性があるとして、昨年の夏、憲法審査会長に対して国民投票法の改正を求める要望書が提出されたことを紹介し、この問題について参考人質疑の開催を求めました。

今回もアッと驚く発言が

さて、今回も恒例のごとくとんでもない発言が続出しました。以下、そのいくつかを記しておきたいと思います。
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まずは東徹氏(維新)です。氏は合区解消は選挙制度改革の中で取り組むべき課題であり、いきなり憲法改正でやろうとするのはいかがなものかと述べました。これはトンデモ論ではなく正論だと思いますが、それならなぜ維新の会は党の改憲案で教育無償化を打ち出しているのでしょうか。今の憲法が教育無償化の障害になることはあり得ないのですから、東氏には是非自党に帰って教育無償化に憲法改正を持ち出すのはいかがなものかと主張してほしいと思います。

次に滝波宏文氏(自民)。福井県選出の1期目の議員です。氏は先頃福井県を襲った記録的な大雪を取り上げ、災害対策を講じる上で市町は小さすぎて立ちゆかないし、ブロックは大きすぎて緊急の課題に対応できないので、県が中心にならざるを得ないと痛感したと述べ、だから合区の解消が必要だと主張しました。驚くべき論理の飛躍です。また、今回の自衛隊の除雪活動には本当に感謝していて、是非自衛隊が違憲だという疑いを払拭してほしいとも発言しました。自衛隊の災害出動が違憲だという議論など聞いたことがありません。「いい加減なことを言うな!」と思いました。

そして最後にご登場いただくのは山谷えり子氏(自民)。とんでも発言の常連ですが、氏も憲法に自衛隊の目的や性格を明記すべきだと述べました。そして、その論拠のひとつとして、自衛隊は違憲だと書いてある教科書がありそう教える教師もいるために、学校で自衛隊員の子どもがイジメにあっていると言ったのです。これには傍聴席の数人から「ウソ!」の声が上がりましたが、私はひょっとすると山谷氏は本当にそう信じているのではないかと思いました。ウソをつくのは許せませんが、その自覚がないとすれば始末に負えません。

今回は自民党の改憲案が初めて披露され、審議される機会となりましたが、上記のとおり、自民党にとっては前途多難を思わせるスタートとなった感じです。しかし、審議・採決の強行をいささかも躊躇しない安倍政権のことですから、もちろん先行きを楽観することはできません。これからも憲法審査会の傍聴を続けたいと思います。(G)


西川重則(とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長)
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2018年は、掛け値なしに重大な年である。

国会は、今なお厳しい状況が続いている。私の一番好きな言葉は「とめよう戦争への道」だが、それとはまったく逆の方向に国会と政府が動いている。

「憲法を改正する」という発言を、私は国会で何度も聞いてきた。2017年11月17日、安倍首相は衆院本会議で所信表明演説をした。そこで首相は「北朝鮮への圧力を限界まで強化する」と言った。そして四番目ではあったが、明文改憲を明言した。私は、いよいよ改憲阻止の正念場が来たと感じた。

今、自民党本部の入口には「憲法改正推進本部」と書いた大きな立看板が掲げられている。自民党は1955年の結党以来「現行憲法の自主的改正」を掲げてきたが、これから2年でそれを成し遂げようとしている。
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首相がいくら改憲を唱えようと、「とめよう戦争への道!百万人署名」をやっている我々の考えを、声を大にして訴えていくべきだ。主権在民、国民主権の立場を貫くべきであって、絶対に黙っていてはいけない。

そのためには、憲法に習熟することが大事だと思う。

労働組合の活動で忙しい、学校や仕事で忙しいから、憲法の勉強をする余裕などないと言われるのも当然だろう。あるいは、自分の学校や職場には憲法は存在しないと思われるのも現実だと思う。しかしそこで考えてみてほしい。なぜこういう憲法がつくられたのか? なぜ安倍・自民党は、憲法を改悪しようとしているのか? 憲法の条文には深い歴史があり、国家や社会の問題を考える重要なきっかけにもなる。

一つ指摘すれば、憲法の制定過程で、GHQのマッカーサーが、平和的な環境で占領政策をきちんとやるためには、天皇制を残して利用しようと考えたことがある。その意図を昭和天皇も、当時の政府も積極的に受け入れ、それが憲法の第一条となった。「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」と。私はこの条項に反対であり、天皇制は廃止すべきという立場だが、憲法とは何かを考える上で重要なことがそこにはある。

かつて日本は朝鮮を植民地化し、「満州事変」(1931年9月18日)を起こしてアジア侵略戦争を行った。しかしその戦争を「自衛戦争」と言った。最初に「自衛戦争」という言葉を使ったのは、昭和天皇だった。1932年1月8日の読売新聞に、天皇の勅語が掲載され、そこに「自衛戦争」という言葉が書かれていた。

私は、戦争への道をとめるために、アメリカ帝国主義との軍事同盟を許さない、9条に自衛隊を明記する憲法改悪を絶対に許さない。それをどういうやり方で運動するかと言えば、アジアの視点・立場にたって、国際連帯を実現すること。戦争をしようとする権力者に立ち向かう、共なる戦いをしたい。

憲法に習熟することとは、若い人にも読んでもらえるように、理解されるように、そして若い人と一緒になって日本のあり方を考え、行動できるようにするためでもある。私は、国会傍聴18年の中で見てきた厳しい動向を正確に報告しながら、改憲・戦争阻止の訴えを続けていきたい。そしてぜひとも、改憲阻止の大集会を開こう。
(2017年12月18日談。写真は、国会傍聴に入る西川さん)sinnen

12月6日(水)13時から、参議院の憲法審査会が開かれました。
今国会初、というより今年初めて、昨年11月16日以来の開催でした。
というのも、先の通常国会では、審査会を開こうとするたびに、今村復興相(当時)の失言、安倍首相の唐突な改憲メッセージ、共謀罪の審議打ち切り等の問題が続発し、結局1回も開催されなかったからです。

今回のテーマは「憲法に対する考え方について」で、委員を出している7会派の代表が7分ずつ意見を述べた後、自由討議が行われましたが、テーマも議事の進め方も昨年11月16日の審査会と全く同じで、何のために開催したのかと思いました。おそらく、(改憲派としては)今年1回も開かないというわけにはいかないし、限られた会期の中ではせいぜい1回しか開けないしという条件の下で、「私たちも一生懸命やっていますよ」とアピールするために、無理を押してでも開催したのでしょう。
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ただ、委員の出席率はきわめて高く、開会時から45人の全委員が席に着いていて、その後もずっと40人以上が在席していました。なお、会派別の委員数は、自民24,民進9、公明5、共産3、維新2、希望の会(ややこしいのですが、参院での社民と自由の統一会派の名称であり、先に「希望」を名乗ったのはこちらの方です)、希望1となっており、改憲勢力は自民と維新、希望で27(45のちょうど6割)、公明を含めると32(7割超)となっています。

傍聴者は、傍聴席がほぼ満杯となる50人以上が詰めかけていて(うち20人ほどは山梨県からいらっしゃった市民運動団体の方々でした)、私たち百万人署名運動は4人で傍聴してきました。
メディアは記者が10人ほど、カメラマンが5~6人、議場にはテレビカメラ3台(閉会時にはTBSの1社だけになりました)が入っていました。

さて、審議の内容ですが、この日、自由討論も含めて最も多くの発言者が言及したのが合区の問題でした。まず、この論点について、簡にして要を得た『時事ドットコム』の記事を転載させていただきます。
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参院憲法審、合区解消で自民孤立=公明が異論、野党は無視

 参院憲法審査会は6日、約1年ぶりに実質的な議論を行った。来年の通常国会で憲法改正案提出を目指す自民党は、改憲を通じた参院選挙区の合区解消を訴えた。しかし、公明党が異論を唱えたほか、野党はほとんど無視し、自民党の孤立状態が浮き彫りとなった。

 自民党の磯崎仁彦氏ら7人は意見陳述で、「過疎地域の声を国政に届ける代表者の減少が続けば、過疎に拍車が掛かる」などとして合区解消を主張。磯崎氏は「人口減少社会の新たな国民代表原理を探ることは憲法の緊要な課題だ。通常国会での活発な審査を望む」と述べた。

 自民党は、合区解消を改憲の重要項目の一つに据え、各都道府県から参院議員を選出できるよう憲法に明記することを目指している。これに対し、公明党の西田実仁氏は「参院議員が全国民の代表であることに疑義を生じかねない」と懸念を示した。

 民進党の白真勲氏は参院の議員定数増による格差是正を提案した。ただ、改憲に前向きな日本維新の会を含め、野党各党は自民党の合区解消案について論評を避けた。
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いかがでしょうか。
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そもそも、国会議員の数が減ると過疎が進むというのは順番が逆で、人口が流出・減少したために国会議員の定数が削減され、合区を余儀なくされるに至ったというのが正確な因果関係です。
このような傾向を押しとどめることに失敗しつづけてきたのが高度経済成長期以来の地域振興政策の歴史であり、それを主として担ってきたのは自民党にほかなりません。
安倍首相が少子高齢化を「国難」と言い立てて解散を強行したのと同じく、不合理で無責任極まる主張だと思います。

そしてそれ以上に腹立たしいのは、「過疎地域の声を国政に届ける」という言い草です。沖縄県の基地問題、特に辺野古新基地をめぐって安倍政権が何をしてきたのか? 国政選挙で明確に示されてきた切実な「地域の声」を平然と無視しながら、よくも臆面もなくこんな発言ができたものです。
 
次いで発言の多かったのは9条自衛隊明記への賛否で、以下、この問題を中心に各会派代表の意見が簡潔に整理されている『東京新聞TOKYO Web』の記事(わかりやすい表も添えられています)を転載させていただきます。
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自衛隊明記の改憲 希望が自民に同調

 参院憲法審査会は6日、約1年ぶりとなる実質的な審議を行った。自民党が、自衛隊の存在を明記する改憲の必要性を強調すると、希望の党が同調し、日本維新の会も理解を示した。これに対して民進党と共産党、さらに自由、社民両党の会派「希望の会」は懸念を示し、公明党は見解を示さず、各党の立場が分かれた。(中根政人)

 実質審議は昨年11月以来。各会派代表による意見表明で、自民の磯崎仁彦氏は「一部に根強く残る自衛隊違憲論を払しょくするため」自衛隊を憲法に明記するとして、具体的な条文を検討していると説明した。

 希望の松沢成文氏は「国家防衛に対する規定の欠如が、現憲法の最大の欠陥」と指摘した上で「(自衛隊を)しっかり書き込むことこそ憲法体系としてふさわしい」と応じた。同党は改憲論議を始めたところで、玉木雄一郎代表は自衛隊明記の改憲を疑問視している。

 維新は、意見表明で浅田均氏が安全保障より身近な問題を改憲項目とするよう求める一方、自由討論では東徹氏が「われわれも自衛隊の明記について必要性を理解している」と話した。

 これに対して民進の白真勲氏は、歴代政権が違憲としてきた集団的自衛権の行使を安倍政権が容認したことに触れ「(自衛隊を明記する改憲は)集団的自衛権の合憲化だ」と批判。共産の仁比聡平氏も「自衛隊の活動を制約する9条の意味を失わせる」と反発した。

 希望の会の福島瑞穂氏(社民)は「戦争をしない国から世界で戦争をする国へ(日本を)180度変えてしまう」と訴えた。

 一方、公明の伊藤孝江氏は、自民党が参院選挙区の「合区」を解消する改憲を目指していることを念頭に、「慎重な議論が望まれる」との姿勢を示した。
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希望の党の正体

ところで、この稿の最初の方で私は希望の党を改憲勢力と記しましたが、それは上掲の『東京新聞』の記事でも紹介されている松沢成文氏の主張を聞いたからです。氏のブログにこの日の発言の全文が掲載されていますので、少し詳しく紹介したいと思います。

松沢氏は「希望の党を代表して意見を申し述べます」と述べた後、まず、希望の党の「結党の理念の一つ」は「9条を含めて憲法改正については前向きに議論をしていく」ことだと明言しました。

そして、「私たちは、立憲主義を…権力の制限規範として捉えるだけではなく」、「立法府、行政府あるいは裁判所に…権限を与えて、その権限の下に統治をしていくという権力授権規範という見方もある」し、「加えて、目標規範…この国がどういう国にしていくべきかという国民のコンセンサスを得た目標を憲法にしっかり書き込んでいく」という面もあり、「このように、立憲主義というのは、権力の制限規範、権力の授権規範、そして国家目標規範、この3つをしっかりと組み合わせて議論をしていくべきものだというふうに考えております」と、(ものすごくうさんくさい感じがするけれども、うっかりしていると説得されてしまいそうな)独自の憲法論を開陳した上で、「私たち希望の党は、現憲法の最大の欠陥というのは国家の防衛と国家緊急事態に対するしっかりとした規定が欠如している、これは独立国家の憲法としては私は大きな欠陥だというふうに思っております」と明言しました。
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そして、国家緊急事態、安全保障、地方分権、知る権利について持論を述べ、「憲法の議論がここまで進んできたからには、是非とも今後の憲法審査会においては、各党が今の憲法に対する意見を述べるだけではなくて、どの条項を具体的に変えていく、それを国民投票に付すべきか、具体的な改正条項についてしっかりと議論をし、コンセンサスを得ていく、そのような審議を積み重ねていっていただきたいというふうに考えております」と発言を締めくくりました。

全体としてこうした意見が「私たち希望の党」のものなのか「私」個人のものなのか判然としませんが、警戒すべき発言には違いありません。

相変わらずの押しつけ論と草の根の改憲運動

この日は、久しぶりに憲法審査会に復帰した山谷えり子氏(自民)の「憲法は占領下でGHQが1週間でまとめて受け入れを迫ったものだ」、幹事でもある西田昌司氏(自民)の「(憲法制定過程等の)根本に立ち戻った議論をすべきだ」といったおなじみの発言もありました。
こういう議論が飛び出すのは、まだ自民党内に一丸となって改憲の発議に突き進む体制ができあがっていない表れかもしれません。

ただし、山谷氏は、現在までに国会に憲法改正の早期実現を求める意見書が36都府県議会で決議されていることも紹介していました。これら決議の広がりは日本会議が主導してきた草の根的な改憲運動の成果であり、関連団体である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が呼びかけている「1000万人賛同者」運動等とあわせて、その動向を注視していかなければなりません。

さて、15時を少し回ると、福島みずほ氏(社民、希望の会)が発言を求めて名札を立てていたのに、柳本卓治会長(自民)はそれを無視して閉会を宣言してしまいました。(予定時間を過ぎたことに気をとられて気づかなかっただけなのかもしれませんが)なんだか今後の審議の行方を暗示するような(つまり、安倍政権の下では改憲案の審議も議決も強引に進められるのではないかという)いやな感じのする出来事でした。

ともあれ、今臨時国会での憲法審査会は、この後12月7日(木)に衆議院で、8日(金)には参議院で、それぞれ請願を処理するための形式的な審議が行われて、終幕となりました。(G)


11月30日(木)10時から今国会2回目の衆議院憲法審査会が開催され、先の総選挙後初の実質的な審議が行われました(初回の審査会は臨時国会開会翌日の11月2日に開かれ、会長、幹事の互選等が行われています)。

審査会の構成

ということで、まずは新たな国会の勢力図に基づく審査会の構成と私が注目した点について、簡単に紹介しておきたいと思います。

会派別の人数は、自民30、立憲6、希望6、公明3、無所属の会2、共産1、維新1、社民1で、選挙前(今年の通常国会時)の自民31、民進10、公明4、共産2、維新2、社民1と比較すると、10人の委員を出していた民進の分裂によって誕生した3会派(立憲、希望、無会)の委員が計14人と増加した一方で、自民、公明、共産、維新が1人ずつ委員を減らした形になりました。

会長は森英介氏(自民)が続投し、幹事9名は自民6、民進2、公明1であったものが、自民6、立憲1、希望1、公明1となりました。

希望の立ち位置を考えれば、改憲勢力がまた一歩、憲法審査会での主導権を拡大したと見なせるかもしれません。
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なお、今年5月25日の憲法審査会で「自衛隊を北朝鮮に派兵して拉致被害者を救出できるようにすべきだ。そのために必要なら改憲せよ」という趣旨のトンデモ論を開陳した自民党の山田賢司氏(詳細は「http://millions.blog.jp/archives/71100051.html」を参照してください)が、この日幹事に指名されたのには驚かされました。また、石破茂氏、稲田朋美氏、下村博文氏が新たに委員に名を連ねており、今回は機会がありませんでしたが、彼らが今後どんな発言をするのか、注視していきたいと思います。

立憲民主党は近藤昭一氏、辻元清美氏、山尾志桜里氏等の論客を送り込み、共産党は赤嶺政賢氏、社民党は照屋寛徳氏と、ともに沖縄県選出の議員がメンバー入りしています。

さて、今回の審査会では、7月に実施された欧州3カ国(イギリス、イタリア、スウェーデン)での調査の概要や感想が派遣された委員たちから報告され、その後自由討議が行われました。報告者は、団長の森英介会長と中谷元氏(自民)、北側一雄氏(公明)、足立康史氏(維新)、そして今回の選挙で落選して「前議員」となってしまい、この日は「参考人」として出席した武正公一氏(民進)と大平喜信氏(共産)でした。

審議のポイントについては、12月1日の『毎日新聞』朝刊の記事を引用させていただきます。
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国民投票で否決、懸念 公明、自民けん制

衆院憲法審査会(森英介会長)は30日、同審査会の超党派議員団が7月に実施した欧州視察報告に関する質疑を行った。英国とイタリアで昨年行われた国民投票の結果、現職首相が退陣に追い込まれたことに議論が集中。公明党の北側一雄憲法調査会長は「簡単に憲法改正を発議できるものではないと、自民党の先生方も認識されたのではないか」と述べ、発議に前のめりになりがちな自民党をけん制した。【小田中大、真野敏幸】
 
北側氏は「国民投票は往々にして時の政府に対する信任投票になりがちだ。憲法改正を目指す多数政党は、できるだけ幅広い政党間の合意を維持する深い思慮が必要だ」と指摘。「多数派だけで先行して進めるのは事実上、もう不可能だと私は思っている」と強調した。公明は衆院選で議席を減らしたことを深刻視しており、「自民のブレーキ」の役割をアピールする狙いがありそうだ。

立憲民主党の辻元清美国対委員長は、憲法に自衛隊を明記するとの安倍晋三首相の提起に触れ、「否決されたら、自衛隊に対する国民感情や社会的なコンセンサスはどうなるのか」と国民の支持を受ける自衛隊の現状を危うくするリスクがあるとの見方を示した。

一方、日本維新の会の足立康史氏は「主要メディアへの信頼度はアジアで高く、欧米で低い。メディアをただすか、信頼度を欧米並みに引き下げるかが、改憲の国民投票に向けた最も重要な環境整備ではないか」と独自の見解を語った。

希望の党の階猛幹事長代理は「衆院選では有権者がいきなりの解散で投票を迫られた。(首相の)解散権の制約はやるべきだ」と述べ、立憲と同様の主張を展開した。

ブログ用表
昨年、英国では欧州連合(EU)離脱を問う国民投票で離脱派が多数を占めた。イタリアでは当時のレンツィ政権が提案した憲法改正案が否決された。視察団は英伊とスウェーデンの3カ国を訪問。辞任した英国のキャメロン前首相とも会い、「過半数の賛成で安心するのではなく、少なくとも60%程度の賛成者がいる状況にしておく必要がある」との助言を受けた。

団長の森氏は審査会での報告で、英伊で国民投票が事実上の政権への信任投票になったと紹介し、幅広い合意形成の必要性を強調した。自民党内には2019年夏の参院選と国民投票の同日実施を模索する動きもある。審査会では直接触れられなかったが、国民投票を「政権への信任」に変質させかねない同日実施の是非にこの日の議論は影響しそうだ。
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3カ国の実情の報告はそれなりに興味深いもので、傍聴者にも森会長が読み上げた『衆議院欧州各国憲法及び国民投票制度調査議員団団長報告』が配布されました。近日中に衆議院憲法審査会のホームページに掲載されると思いますが、辻元清美氏がいち早くブログに掲載してくれていますので、興味のある方は「http://www.kiyomi.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/20171130_04.pdf」からご覧ください。

恒例となった足立康史氏の暴言

ところで、上掲の記事で「独自の見解を語った」と評された足立康史氏(維新)ですが、読んでいただけば明らかなように、何を言っているのかさっぱりわかりません(「独自の見解」というのは、記者の苦心の表現だと思います)。

『NHK NEWS WEB』は、足立氏の発言をもう少し詳しく「日本維新の会の足立康史衆議院議員は“安全保障法制や森友学園、加計学園の問題で、朝日新聞のねつ造や誤報、偏向報道を見るにつけ、マスメディアを正すか、信頼度を引き下げるかの、いずれかに取り組むことこそ、憲法改正の国民投票に向けた最も重要な環境整備ではないか”と述べました」と報じていますが、やはり意味不明です。ただ、氏が朝日新聞を敵視していることだけはよ~く伝わりました。
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これまでも足立氏は国会内外で暴言を繰り返しており、今国会でも「11月15日の衆院文部科学委員会で自民党、立憲民主党、希望の党の議員3人を“犯罪者”」呼ばわりし、結局「委員会の理事会で」「“私の発言中、議員の名誉を傷つけるような不適切な部分があったことはきわめて遺憾であり、深くおわび申し上げる。深く反省し、二度とこのようなことがないよう十分注意する”と陳謝」に追い込まれるという騒動がありました(引用は氏が憎悪している『朝日新聞』12月2日朝刊による)。

こんな人物が委員を続けることは、維新にとっても改憲勢力にとってもマイナスでしかないと思うのですが、どうなんでしょうか?

この日の委員の出席率はきわめて高く、空席はずっと2から4くらいでした。ただし、1時間30分程度とされていた審議時間を過ぎた11時30分頃からは退席者が相次ぎ、閉会時(11時42分頃)の出席者は40人を割り込んでいました。

傍聴者は最初20人ほどでしたが、10時20分頃10人くらいの若者が入ってきました。立ち見にもかかわらず閉会まで傍聴していたので百万人署名運動の仲間が話しかけて確認したところ、某大学の法学部の学生たちでした。私たち百万人署名運動は、西川重則事務局長他3名で傍聴してきました。
記者は10人ほど、カメラマンは6~7人で、2台のテレビカメラが入っていました。(G)

お知らせ
衆議院の方はまだわかりませんが、12月6日に参議院の憲法審査会が入りました。

 12月6日(水)午後1時 第41委員会室(分館4階)
  ○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
   (憲法に対する考え方について)

    ・各会派の意見表明
    ・委員間の意見交換


*百万人署名運動でも傍聴の問い合わせを受け付けています。
(T/F03-5211-5415)






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戦争するな!9条変えるな!全国署名

内閣総理大臣様
衆議院議長様
参議院議長様

【要求項目】
①朝鮮半島への戦争は絶対に反対です。Jアラート、避難訓練、ミサイル配備、日米韓の軍事行動、戦争をあおるのはやめてください。
②憲法9条に自衛隊を明記することに反対します。「防衛のため」と言うが、戦争は人殺しです。改憲の必要はまったくありません。

【要求の趣旨】
 北朝鮮のミサイルや核実験を引き起こしているのは、「斬首作戦」など米日韓の軍事的圧力です。「制裁」の行き着く先は核戦争です。戦争は絶対反対です。すべての核に反対します。
 安倍政権はこの機に戦争をあおり、「Jアラート」を鳴らし、「ミサイル想定の避難訓練」などを強制して戦争体制をつくろうとしています。許せません!
 安倍首相は「2020年に改正憲法を施行」と言いました。今、改憲されようとしている内容は、明らかに戦争遂行のためのものです。辺野古新基地建設や労働法制の改悪も戦争体制のためです。私たちは戦争への道を絶対に許しません。

第一次集約 2017年11月30日
第二次集約 2018年3月31日
第三次集約 2018年5月31日

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