9月4日に東京・文京区で「旭非正規職支会支援共闘集会」が開かれました。
東京駅丸の内出口正面のビルの一角に入る旭硝子(現AGC)株式会社の韓国での子会社AGCファインテクノコリア(AFK)で働く請負労働者への不当解雇撤回を求める闘いの支援集会です。
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事の経過としては、労働条件のあまりの劣悪化に対して、請負会社(GTS)の労働者たちが2015年に労働組合(旭非正規職支会138名)を結成、その1か月後に全員がメール1本でAFKから解雇されたというのです。その後、子会社AFKは請負会社GTSとの契約を解除、GTSは会社を解散してしまいました。
現在22名がAFK(AGC韓国)の不当労働行為、不法派遣を争い、正社員としての復職を求めて闘っています。韓国では、物の製造の労働分野ではいまだに派遣労働が禁止されています。AFKは、これを請負という形で偽装して実質的には派遣労働者として非正規労働者を酷使してきたことが明らかになりました。

今年8月11日、韓国大邱地裁で不法派遣の罪で、AFKの当時の社長に対し懲役6カ月と会社への罰金、GTSの当時の社長に対し懲役4カ月と会社への罰金の有罪判決が下されました。
(地元マスコミの報道より)
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韓国では、不法派遣が確認されると、発注元は下請け会社の従業員をすぐに直接雇用しなければならないようになっているようです。
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3年前に結成された日本の旭非正規職支会支援共闘会議は、旭硝子(AGC)本社が責任を持って解決すべきと何度も抗議の申入れを行っています。
今回も、すぐに「解雇者全員を直接雇用して復職させよ」と申し入れましたが、AGC本社は面会することもせず、本社としては「要求は受けられない」「別法人である」と居直っています。

この日はリモートで、ちょうどサード配備反対集会に参加していた旭非正規職支会チャホノ支会長らと交流しました。
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その中で、チャホノ支会長は、「AFK側の弁護士は、すべての権限は旭硝子日本本社にあると言っている。本社の態度と弁明は卑怯だ」と言いました。
また、日本での本社への抗議行動に感動し力をもらっているとも。
双方の労働者が元気になる!日韓労働者の国際連帯の闘いの重要性を感じました。

集会では、韓国サンケン労組を支援する会の仲間からも連帯の挨拶がありました。
今年の1月、埼玉県新座市に本社があるサンケン電気は、子会社・韓国サンケンを一方的に解散し労働者を全員解雇しましたが、組合つぶしの偽装廃業・不当解雇です。韓国サンケン労組(韓国サンケン支会)は、社前にテントを立てて籠城闘争を続けています。
1年前に結成された韓国サンケン労組を支援する会なども、日本でのサンケン電気本社や全国の営業所への抗議行動を強力に闘っています。
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韓国サンケン労組を支援する会の仲間も言っていましたが、旭非正規職支援共闘会議の清水事務局長も、韓国サンケン支会も、旭非正規職支会も、韓国の民主労総金属労組の傘下にある労組であり、二つとも日本の本社の組合つぶし攻撃と闘っています。それぞれの支援する会も力を合わせていこう、日本の労働組合を甦らせていこうと訴えました。

闘いの報告の中で、動労千葉の北村執行委員(幕張車両センター、千葉鉄道サービス)から、動労千葉の子会社への業務委託(外注化)、非正規職化そのものを阻止する闘いや、その後の外注体制のもとでの子会社での組織化の取り組みについての報告がありました。

組合での討論の中で、多くの組合員が「子や孫の世代に《非正規職だけの世の中》を残すわけにはいかない」と困難な闘いを闘いぬき、JR東日本の車両検査業務の外注化を10数年にわたって遅らせたのです。その闘いを引き継いで「闘いなくして組織拡大なし!」と職場まるごとの闘いをめざして、さらなるJRの外注化と闘っているとのことでした。

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こうした闘いが韓国の労働者の心にも響いているのだと思います。

韓国・旭非正規職労組、韓国サンケン労組の労働者の闘いの勝利は、日本の労働組合・労働者の闘いにかかっていると思いました。(S)