3月4日(木)午後7時から、日本キリスト教会館で「西川重則氏から受け継いだこと~平和を創り出す人々の集い」が開かれました。

昨年7月23日に逝去された西川重則さんの遺志を引き継いでいこうと、「日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会」「靖国国営化福音主義キリスト者の集い」「政教分離の侵害を監視する全国会議」が共催で呼びかけたものです。
コロナ緊急事態宣言下で参加者を縮小した形での開催となりましたが、オンライン配信をし、会場には約30人が参加しました。
西川1
司会は、西川重則さんの後を継いで「政教分離の侵害を監視する全国会議」の事務局長もされている星出卓也さん。星出さんは「今日は、西川重則さんを偲ぶということより、西川さんが生涯かけて私たちに残そうとしたものを一緒に確かめていきたい。そして、受け継いでいこう」と言われて、集いを始められました。

最初に、「西川重則氏から受け継いだこと」として、日弁連憲法問題対策本部幹事や安倍靖国参拝違憲訴訟弁護団長もされている木村庸五さんから講演がありました。
木村さんは、西川重則さんと同じ日本キリスト改革派の教会員で、西川さんと大変親しくされていた方です。
西川
講演の中で木村さんは、西川さんの遺業を次のようにまとめられました。
①信教の自由・思想良心の自由の確保、政教分離原則違反の監視・是正(憲法20条、89条)、靖国神社問題、国による慰霊行為の違憲性を指摘した。
②平和主義の堅持(憲法9条)、有事法制・新安保法制批判、戦争と平和の問題とヤスクニ問題との緊密な関係を暴露する。1997年9月に発足した「日米新安保ガイドラインと有事立法に反対する百万人署名運動」の呼びかけ人として参加され、また1999年9月に「とめよう戦争への道!百万人署名運動」でも運動の先頭に立った。
③そのほか憲法に反するさまざまな法律の精査と批判(秘密保護法、共謀罪法、通信傍受法など)を国会の動きを注視しながら行った。
④アジア太平洋戦争における海外での被害の実態を調査・把握し、戦争による侵害・加害について詳しく学び、事実に基づく歴史認識と謝罪が一体となる形で、被害者の心とつながる努力をした。
⑤戦争の歴史を正確に知り、戦争責任を明確にする。特に昭和天皇の戦争責任の明確化と天皇制についての批判的検討をした。
⑥憲法違反の是正と改憲の動きに対する全国的反対運動を展開した。
⑦著作出版活動を通じて、上記の記録を残し、運動を横に拡げ、しっかりと後に(縦に)受け継いでいくため備えた。
⑧皇居周辺ツアーや靖国神社見学、遊就館見学をたびたび催し、天皇制や靖国神社の問題点を厳しく突いて、遺族としての思いを熱く語った。

そして、「西川氏にとっては、これらすべての問題が相互に関連しており、活動する中で必然的に次第にその活動が拡がってきたものです」と述べられ、西川さんの生涯から学んだことについてさらに詳しく語られました。

続いて、西川さんが関わられてきた諸団体の8人の方から、それぞれ西川さんから受け継いだことについての発言がありました。
「平和遺族会全国連絡会」「キリスト者遺族の会」「新教出版社社長」「日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会」「靖国国営化反対福音主義キリスト者のつどい」「重慶大爆撃の被害者と連帯する会・東京」「政教分離の侵害を監視する全国会議」より。
「とめよう戦争への道!百万人署名運動」からも事務局の先崎が発言させていただきました。また、西川重則さんがいかに幅広く活動されていたかを知ることができました。

いま菅政権は、コロナ禍の中でも、コロナ特措法の改悪で「罰則」を導入し、「まん延防止等重点措置」という概念を新設するなど権力支配の強化を進めています。そして、憲法への緊急事態条項新設への企みを強めています。
こうした情勢の中で、私たちは、改めて、20年以上事務局長として「とめよう戦争への道!百万人署名運動」をけん引してくださった西川重則さんの思いと闘いを引き継いで、改憲・戦争絶対阻止!の運動を大きく広げるために全力で闘っていきたいと思います。
みなさん、共にがんばりましょう!(事務局 先崎)

(当日配布させていただいた追悼資料の一部です)
にしかわさん