都教委包囲首都圏ネットが毎年、卒・入学式を前にして開いている「日の丸・君が代」強制反対!「10.23通達」撤廃!総決起集会が、2月7日に文京区民センター開かれました。コロナ情勢の中、会場を埋める85人の人々が参加しました。

主催者からは、この1年間の闘いの報告、特に「緊急事態はいらない!」と、コロナ特措法制定反対、また、その改悪である「まん延防止措置」新設・「罰則」導入反対での国会前抗議行動や新宿アルタ前でのアピール行動などの報告がありました。
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続いて、「学術会議任命問題と学問・教育の自由」という演題で、6人の被任命拒否者の1人でもある早稲田大学教授の岡田正則さんの講演がありました。

岡田先生は、今回の任命拒否は、学術会議の独立性の侵害(憲法23条「学問の自由」の破壊)であり、学術会議の選考権の侵害であり、明確に憲法違反であると言われました。
特に、「学問の自由」は戦前の反省に立って憲法に入れたもので、この「自由」とは、「やっていいこととダメなことを決める自由である」と説明され、なるほどと思いました。

さらに「その狙い」として、学術会議の変質(「脅し」による御用機関化とか、軍事研究への協力など)、学術に対する政治的支配があると指摘されました。
そして、こうしたことの背景には、昨年6月にできた「科学技術・イノベーション基本法」で、科学技術政策の対象に、新たに「人文・社会科学」の領域が入ったことがあると言われました。今回任命拒否された会員候補者は6人全員が人文社会科学専攻とのことです。
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6人の1人である加藤陽子さんは「新法の下では、内閣府の下に、『科学技術・イノベーション推進事務局』が司令塔として新設されると言います。自然科学に加えて、人文・社会科学も、『資金を得る引き換えに政府の政策的な介入』を受ける事態が生まれます。」と言われていると紹介されました。

さらに岡田さんは、大学・教育内容・文化・市民活動への政治権力の介入、取り締まり、翼賛の組織化が狙われていると指摘され、こういう流れの中で「市民活動」も出てきたのでびっくりしました。学問の問題に留まらないということです。

質疑・討論のあと、教育現場で頑張っている教員や、労働組合(アイム❜89)からの報告がありました。やはり、学校現場はさまざまに分断されていて大変であると感じました。アイム❜89からは、国連の専門組織が日本の「日の丸・君が代」処分などに対して出した「セアート勧告」(ILO/ユネスコ教職員勧告適用合同専門家委員会の勧告)についての説明がありました。
またさらに、「東京にオリンピックはいらないネット」や「破防法・組対法反対共同行動」などから取り組みの報告がありました。
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最後に、主催者提案の「五輪中止の特別決議」と「集会決議」が参加者全員で採択され、コロナ情勢の中、昨年に続いて恒例の卒業式でのビラ撒きはできないが、今春、「日の丸・君が代」強制反対を闘おう、新型コロナ特措法改悪を許すな、東京五輪は即刻中止を、「国旗損壊罪」成立阻止でがんばろう!と確認しました。(S)
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