12月17日、正午から、「市東さんの農地を取り上げるな!」「東京高裁は強制収用をするな!」「菅野裁判長は強制収用をするな!」と、東京高裁を包囲するデモが行われました。
デモ3
デモの先頭に立つ市東孝雄さんと萩原富夫さん。
デモ1
左側が東京高裁の建物です。
東京高裁
午後2時から、東京高裁で市東さんが成田空港会社(NAA)を訴えた請求異議裁判控訴審の判決公判があり、傍聴しました。
目にしたのは、本当にふざけた、堕落した東京高裁の姿でした。

102号法廷の中は、屈強な衛視12~13人が傍聴人を取り囲むように布陣し、法廷のすぐ外側にもその数倍の衛視が身構えるという「言論と正義」を力で押しつぶさんとする現在の東京高裁の本質が露わになった光景がそこにありました。

そして、数分後、開廷時間ぴったりに正面後ろの裁判官専用の扉があき、黒衣を身にまとった悪魔(失礼!)が3人現れて、菅野裁判長が「本件控訴を棄却する、強制執行停止決定を取り消す、費用は控訴人の負担とする、仮執行を認める」と反動判決の主文を述べました。「ナンセンス!」と叫んだけれど、3人の裁判官はサッと後ろを向いて一目散に法廷から出て行ってしまいました。その間1分もありませんでした。

この裁判は、市東孝雄さんの農地取り上げの強制代執行は憲法上もこれまでの三里塚闘争の経緯からしてもできない、ということを訴えたものでしたが、判決公判には被告人のNAA側は誰一人来ていませんでした。この裁判を何回か傍聴しましたが、市東さん側の弁護士や証人は、NAAの不当性を証明しようと全力で証言していましたが、それに対してNAA側の代理人弁護士が反論する姿はこれまでも全くありませんでした。それなのに、東京高裁の菅野裁判長は控訴を棄却し「代執行をしてよい」と判決したのであり、100パーセントNAAの主張認めるものでした。

憲法を守り従うべき法曹が、市東さん側の主張の正義性を訴える憲法学者、農業学者の皆さんの誠実な証言に何らまともな見解を示すこともできず、憲法を踏みにじる行為を平然と行っている。本当に許しがたい法廷でした。この法廷の裏側でいったい何が行われているのか、実際に見ることはできませんが、憲法無視の国策裁判が国家権力と大資本の意思で動かされているとしか思えません。

法廷に入れず外で判決の行方を見守っていた仲間と共に、東京高裁前で、抗議のシュプレヒコールを叩きつけました。
東京高裁2
裁判後、隣の弁護士会館で報告集会が行われました。
報告集会
市東孝雄さんは「判決に期待はしていなかったけれど、あまりにも、この裁判でみんながいろいろ言ってきたことに何も触れていないことは絶対に認められない」と悔しさをにじませました。
市東さん
そして、「天神峰でこれからも耕してやっていく気持ちは変わらない」と固く語られました。

葉山岳夫弁護士からは、「ただちに判決文を取りに行き、読んだが、不当、違法な判決である」と判決理由の詭弁性について詳しい指摘がありました。そして、「今、弁護団が最高裁への上告と、改めて執行停止の申し立て手続をしている」と報告されました。
反対同盟の萩原富夫さんも「新たな署名運動も含め、市東さんの農地の強制執行は許さないとますます闘っていく」と決意を述べられました。

無農薬・有機農法で耕された豊かな農地と耕し続ける市東孝雄さんの存在が、破綻した成田空港会社と国のあらゆる暴力の前に立ちはだかっています。報告集会で農民会議の方が「全国の農民の姿そのものを映し出している」と言われていました。
農民のみならず、労働者、漁民、辺野古、反原発…とつながっています。この日も同時刻に東京地裁で「宗教者が核燃料サイクル事業廃止を求める裁判」の第1回口頭弁論があり、多くの方が傍聴のため集まっておられました。

こうした闘いについて、国家権力の欺瞞・横暴さについて、もっともっと広く知らせていくことが大事だと思いました。(S)