アメリカの国際港湾倉庫労働組合(ILWU)が奴隷解放記念日である6月19日に8時間のストライキに立ちました。レイバーネットのホームページ(www.labornetjp.org/)にストライキに向けての声明の翻訳が掲載されていましたので、紹介します。
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 全港湾の友誼組合でアメリカ西海岸の港湾労働組合であるILWU(国際港湾倉庫労働組合)が、奴隷解放記念日である6月19日、8時間ストを決行しました。スト決行前にILWU本部が発表した文章が分かりやすいか思い、翻訳してみました。ちなみに、ウィリー・アダムス委員長は、ILWUの歴代委員長で初めての黒人委員長です。(伊藤彰信)

*写真=ILWUのホームページから
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ILWU(国際港湾倉庫労働組合)
緊急発表 2020年6月15日

西海岸の港湾労働者は奴隷解放記念日(ジューンティーンス)を祝いこの歴史的な日に8時間の作業停止を決行する

 サンフランシスコ発 西海岸29港のILWU組合員は、6月19日(金)、テキサス州の黒人奴隷が最初に奴隷解放を知った1865年の日であるジューンティーンス(*1)を祝って、8時間の作業停止を決行する。

 「ジューンティーンスは、長い間アフリカ系アメリカ人のコミュニティで知られていたが、他の多くの人々にとって今までは知られていませんでした。ジョージ・フロイドの殺害をきっかけに、全国で進行中の組織的な人種的不正に対する抗議によって、再び焦点を浴びるようになりました」とILWU委員長のウィリー・アダムスは語った。「2020年6月19日、何千人もの港湾労働者が、人種平等と社会正義を実現するために最初のシフトの作業を停止します」

 6月19日の行動は、ILWU組合員がテキサス州ヒューストンでの葬儀に合わせてフロイド氏を追悼するために9分間作業停止した6月9日の行動に続くものである。

 「ジューンティーンスはアメリカ合衆国における奴隷制の終結を記念しています。人種差別を終わらせ、すべてのアメリカ人の正義を回復する方法を模索するなかで、この歴史を認識することは適切かつ必要です」と6月8日にフロイドの追悼式典に出席したILWU書記長のエド・フェリスは述べた。同じく追悼式典に出席したILWU中央執行委員のメルビン・マッカイも「奴隷解放宣言から157年が経ち、フロイド氏の殺害が悲劇的に示されたように、わが国は組織的な人種差別に悩まされたままである。私たちは、より良くすることができるし、しなければならない」と述べた。

 ジューンティーンスを祝い人種的社会的正義を推進する行事は、ロサンゼルス/ロングビーチ、ベイエリア、プーゲットサウンドを含む西海岸の港湾労働者によって組織されている。

 本土のILWU組合員を代表するボビー・オルベラ・ジュニアILWU副委員長は「6月19日、私は南カリフォルニアの労働組合の兄弟姉妹を支援します。6月19日、我々は人種差別、憎悪、不寛容に対して行動せざるを得ないと感じているが、わが国は団結よりも分断を好む大統領からの壊滅的なパンデミックと苦痛に満ちた新たな傷に耐えている」と述べた。

 アダムス委員長は「われわれは1934年に命を捧げた人々を含む、組合創始者の精神(*2)にもとづき6月19日を迎えようとしています。私たちは彼らの信条に従って生きています。『ひとりの障害はみんなの障害』(*3)」

<訳注>
*1  ジューンティーンスは、1865年6月19日、南北戦争の北軍の将軍がテキサス州ガルベストンに到着し、奴隷たちに解放を告げたことを記念した日。
*2  1934年、ILA(国際港湾労組)に加入していたアメリカ西海岸の港湾労働者は、ILA本部の指導に不満を持ち、西海岸の港湾支部が集まりストライキ委員会を結成し、ストライキを闘った。その闘い最中、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ポートランドの3港で6名の港湾労働者が警察に射殺された。1934年のストライキは勝利し、港湾労働者の手配権を港湾労働組合が握った。その最大の勝因は、過去のストのたびにスト破りとして資本の側に動員されていた黒人港湾労働者を労働組合の側に組織したことである。その後、西海岸の港湾労働者はILWUを結成する。
*3 『ひとりの障害はみんなの障害』(an injury to one is an injury to all)は、ILWUのスローガン。