1月16日(木)午後2時から東京高裁で市東孝雄さんの農地強奪を許さない請求異議裁判の第2回目が行なわれました。

市東さんの農地強奪を認めた千葉地裁・多見谷裁判長の不当判決(2014年7月29日)に対し、市東さんは東京高裁、最高裁で争ってきましたが、2016年10月に最高裁判決で確定。強制収用情勢に対し、絶対に許さない!と市東孝雄さんは「NAA(成田空港会社)から申請があっても強制収用するな」という「請求異議裁判」を新たに千葉地裁に起こしました。しかし、2018年12月に棄却という反動判決。即、控訴し、その控訴審が東京高裁で昨年9月から始まり、今回で2回目となります。
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国とNAAは、空港用地の強制収用期間はとうの昔に切れているため、農地法の悪用で市東さんの農地の強制収用をしようとしています。当時の空港公団(NAAの前身)は、市東東市さん(孝雄さんの父)に内緒で名義上の地主から農地を買収し、15年もたった2003年になって、初めて土地の登記をして、市東孝雄さんに農地を明け渡せと迫りました。これらは農地法違反です。

この日の裁判では、補佐人として専修大学の内藤光博教授(憲法学)が陳述し、「農地法を使って強制収用をやるのは過酷執行であり、生きる権利を奪い人間の尊厳を奪うもの。権利の乱用であり許されない」と市東さん農地の強制執行は憲法違反であると主張。とても心強かったです。

また弁護団は、
かつて空港公団が「B滑走路の用地取得において、あらゆる意味で二度と強制的手段を用いない」と社会的に公約したことについて、NAA側が「民事訴訟は別」などとデタラメな主張し始めたことに対して全力で追及しました。しかし、菅野雅之裁判長はNAAのふざけた対応に「ちゃんと答えなさい」と言わず、あからさまな助け舟を出したのです。そして、次回が3月25日、そして翌々日27日に臨時を予定と言い捨てて逃げるように出て行きました。その訴訟指揮に、怒り心頭でした。

裁判の前に、日比谷公園霞門から裁判所包囲デモがありました。
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三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原富夫さんは「“耕す者に権利あり“を無視した一審判決は絶対に間違っている。耕している農民に何も言わないで勝手に農地を売買し、成田空港建設に使ってしまうということは許されるのなら、どんな法律も国が破るならよいということになり、この世は終わりだ。辺野古問題も年金問題も…、民衆の生きる権利を無視したこうしたやり方には断固たたかっていこう!」と訴えました。
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正午、市東孝雄さん(前列右から2人目)を先頭に東京地裁の3月結審策動を許さない!とデモに出発。
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弁護士会館前を通り、検察庁、法務省、東京地裁へ。
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さらに、霞が関官庁街を通って、再び日比谷公園の西幸門へ。農地強奪を許さない!100年耕作地を守り抜こう!裁判所は強制執行を認めるな!とシュプレヒコールを霞が関一帯に響かせました。

デモ解散地点ではなんと、デモ出発時にいた大勢のマスク姿の公安刑事らが待ち受けていました。
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実に異様な光景でしたが、NAAと裁判所、そして安倍政権を守り抜いている実力部隊がこの人たち(警視庁公安)です。
三里塚の闘いは、農地強奪阻止・軍事空港建設反対を掲げ、「農地死守、実力闘争、いっさいの話し合い拒否」という闘いの原則を守りぬいて、半世紀にわたってこの国家権力と闘い抜いてきた反戦の闘いでもあります。市東孝雄さんの農地を守り抜くことは、戦争をとめる力ある闘いを守り広げていくことだと思います。みなさん、ぜひ応援していきましょう。(S)