9月19日、福島原発刑事裁判判決公判は13時15分から104号法廷で開かれ、東京地裁・永渕健一裁判長は、福島第一原発事故の責任者として、業務上過失致死傷の罪で強制起訴された旧経営陣の勝俣恒久、武黒一郎、武藤栄ら3人に対し、無罪を言い渡した。法廷はそのあと、無罪の言いわけのために判決文を5時まで読んだ。無罪ありきの判決だった。

法廷でも、裁判所を取り囲んだ支援者もこの許しがたい判決に憤りと悔しさ、悲しさでしばし呆然とした。東電幹部に福島原発事故の責任はないというのか!福島原発事故の被災者は、土地も家も追われ、関連事故死をし、避難生活を余儀なくされているのだ!誰が責任を取るんだ!
3-裁判所前
原発訴訟団はすぐに、闘いを継続するために、「東電刑事裁判元経営陣無罪判決に控訴を」署名を呼びかけました。締め切りは10月2日です。→http://chng.it/7gHfXnFkK7
検察官役の指定弁護士が、控訴するかどうかの判断をするので、福島原発告訴団と支援者は控訴して東京高裁でも争うように求める署名です。

9月19日のあらまし
公判は13:15だったが傍聴者希望者は10時過ぎには集まりだし、傍聴抽選の並びは11時前には始まった。11時45分の締め切りまでに843人が並んだ。13時地裁前に集まって判決を待った。報道陣と支援者で地裁前はごったがえした。
1-地裁前
1時15分過ぎに、原告の二人が、「全員無罪 不当判決」の紙を持って出てきた。悔しさで震えていた。地裁前で直ちに抗議集会を行い、各地から集まった原告が次々に抗議の発言をした。裁判の経過とそこでの論戦に熟知している原告たちは、有罪を信じていたので憤りの発言が続いた。
2-反動判決
その後、弁護士会で報告集会を行った。会場は入りきれないほどだった。法廷の途中で抜けてきた弁護士から判決の内容、ロジックの説明があった。原告たちはここでも、さまざまに気持を語った。考えてみれば、地震と津波と原発の爆発でいままで、幾度となく絶望的な目にあって来て、この判決に対しても気を取り直して闘っていくという決意を語った。「あきれているけどあきらめない!」

判決の内容は、原告が「地震による津波の予測について、東電内で15.7mの試算予測で津波対策が求められていたのに、原発事故回避のための防護措置をとらなかった」という主張に対して、「予見不可能だった」「国の安全基準…は絶対的な安全性の確保を前提としてない」なとど信じられないことを述べた。だったら安全性は何のためにあるのだ。

指定弁護人の原田弁護士は「国の原子力行政を忖度し判決だ」と言い、原告側の海渡弁護士は37回の公判で証拠もって罪を明らかにしてきた。今日の判決で巨大企業の巨大施設の過失事故の罪は一切問われなくなる。許されない。これからも闘う」と言われた。

補足
福島原発刑事訴訟は、原発事故の責任を全くとろうとしない東電の役員などを刑事被告人して事故の責任をとらせる裁判でした。2012年福島検察庁に告訴しましたが、13年9月に検察は全員無罪で不起訴にしました。

それで10月に「検察審査会」に申し立て、14年7月に「起訴相当」としましたが、15年1月、検察は再度不起訴にしたため、被告人を3人にしぼって再度検察審査会に訴え、15年7月に再度「起訴議決」が出されました。それによって、東電幹部の勝俣、武黒、武藤の3人は「強制起訴」され、「業務上過失致死事件」の刑事裁判がはじまったわけです。

18年12月に検察官役になった「指定弁護人」は「禁固5年」を求刑しました。そして今回、東京地裁は「無罪」としたのです。
闘って闘って闘い抜く原告団を支援していきましょう。(T)