「図書館利用情報」という東京新聞提供の記事が、9月2日付琉球新報に掲載されていました。
「令状なしで 警察に提供していいの?」という見出しを見て、5年前に賛同人のMさん(当時88才、女性)に戦争中のお話を聞いたとき、図書館の問題が出てきたことを思い出しました。
190902琉球新報
Mさんの話では、
「学校の行事として1カ月に1回か2回、反共宣伝に来る人がいた。女学校3年の修身の教科書に『共産思想、共和思想は、わが国の国体・国情に合わない』ってあって、いろいろ知りたくて本を読みたかった。でも、学校の図書館や町の図書館で、私が読みたいと思う本を見つけても肝心なことは伏せ字になっていて読めなかったし、貸出禁止だった。」
「あるとき、私がいないときに家に警察がきて『いつでも逮捕してやるぞと母を脅していった。本のことを誰にもしゃべっていなかったので、図書館以外にないと思った。図書館がそういう本を借りたがっている者を警察に通報したんだと思う。」
「いま、イヤな時代になって、そういうことを思い出したの。」
というものでした。

上記の新聞記事で宮崎紘さん(中央大准教授)は「かつての治安維持法では、捜査対象者が読んだ本や雑誌を調べる“思想掛検事”という役割があった。現代の捜査でも、書名は個人の知的水準や趣味嗜好を知る手がかりとなる。内心の自由に関わる機微情報で、本人の同意がなければ本来明らかにできない」と指摘しています。

戦争中の日本の警察支配をくり返さないために、戦後、日本国憲法では、個人の人権の尊重と国家による人権侵害禁止を厳しく規定しています。
それに基づいて、「図書館の自由に関する宣言」(www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx
)で、「利用者の秘密を守る」「すべての検閲に反対する」等と宣言されています。

いま、Mさんの言葉を思い返し、こうした宣言を発した原点を思い起こさなくてはと思いました。(S)