7月19日(金)の毎日新聞ネット版ニュースで「河野外相『極めて無礼』韓国大使呼び強く抗議 徴用工仲裁委問題」という見出しを見て、強い違和感を覚えました。

いったい、何が「極めて無礼」なのでしょうか?

読んでいくと、河野外相が韓国の駐日大使を外務省に呼びつけて、日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置に韓国側が応じなかったことに抗議した、その中で発せられた言葉でした。

でも、このかんの日韓関係を見ていると、「極めて無礼」な対応、危険な対応をしているのは、日本政府=安倍政権の側であると思います。

私たちは、問題の根幹にある「徴用工問題」について、とても重要であると思い、5月にこの問題に詳しい吉澤文寿さん(新潟国際情報大学教授)にお話を伺い、『百万人署名運動全国通信』6月号にその内容を掲載しました。

1-徴用工問題1
2-徴用工問題2
1-徴用工問題3





少し内容を紹介します。

2018年10月の韓国大法院判決文には、下記のように記されています。
「本件で問題となる原告らの損害賠償請求権は、日本政府の韓半島に対する不法な植民地支配、及び侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制労働被害者の日本企業に対する慰謝料請求権であるという点を明確にしておかなければならない。」
つまり、原告らは被告(日本企業)に対して未払い賃金や補償金を請求しているのでなく、慰謝料を請求しているのです。

これに対し安倍政権は、1965年の日韓会談での請求権協定に「完全かつ最終的に解決された」と書かれていることを持ち出して、「国家間の約束を反故にするものだ」と大反発しています。日本企業にも「勝手に支払うな」と要請しているようです。

けれども、これは卑劣なごまかし、居直りでしかありません。
なぜなら、請求権協定は国家と国家の賠償を定めたもので、国家が持っている外交保護権(賠償請求権)を放棄したということで、徴用工など個人の請求権は消滅していないからです。
そして、事実、日本政府もそれを認めていたのです。

「日韓請求権協定で…両国間の請求権の問題は最終かつ完全に解決した。これは外交保護権を相互に放棄したということで、個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではありません。」(1991年8月、参議院予算委員会での柳井外務省条約局長の答弁)

同じころ、日本人の「シベリア抑留問題」で下記のような国会答弁もされています。
「日ソ共同宣言第6項の請求権の放棄という点は、国家自身の請求権、外交保護権は放棄、…我が国国民個人からのソ連またはソ連国民に対する請求権までも放棄したものではない。」(1991年3月、参議院内閣委員会)

安倍政権は、日本がかつて朝鮮を植民地支配し、中国・アジアへの侵略戦争を行ったことを認めたくないのです。「自存自衛のため、アジア解放のための戦争で正しかった」という考え方でゴリゴリです。ということは、「必要なら、またやる」という立場と言えます。

今回も、韓国政府が自国の「司法の判断」を尊重して、日本政府に「忖度」した対処をとらないことに逆上して、経済制裁を強行しました。これは、米トランプがやっていることとまったく同じです。

安倍政権の対応は、戦争への道を開くものであり、私たちは絶対に反対です!
戦争に反対する韓国の民衆と連帯して、安倍の戦争政治に抗議していきましょう。(S)