今年も3月、都立高校の「卒業式ビラまき」(正門前で教員や卒業生、保護者に下記のようなビラをまく)に参加しました。都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットワークが呼びかけている行動で、2005年から続けていて今年で15回目となります。
3月2日(土)と8日(土)の2回だけの参加でしたが、今の教育現場=学校の一面を目の当たりにし、改めて「これでいいのか」と考えさせられました。
1-卒業式ビラ

A高校では、副校長(50歳代後半、男性)が出てきて、「敷地に入らないように」「敷地内に荷物を置かないように」「生徒のじゃまにならないように」等、何度も「警告」してきました。デモのとき警官がよく「この線から外へでるな」「もっと中へ入れ」とうるさく言ってくるのを思い出し、「警察みたいですね」と言ってしまったら、「ええ、警察と同じですよ。法令は守らないとね」と即、返事が帰ってきました。その何の躊躇もない言い方に私は「びっくり」してしました。教育者としてこれでいいのか?戦争の時代、教育への国の介入や警察の教員や学校への弾圧の問題をどう考えているのか、と思ったからです。

また、上記のやり取りを聞いていた保護者(女性)が、「不審者が入ってくると困るし、犯罪から子どもを守らなきゃならないしね」と言ってきました。そして、「私たちもこうしたものを持たされているんですよ」と首から下げていた名札を示しました。そういえば正装をした他の保護者も身につけていたり持っていたりしているようでした。ここまでやるのかと、また「びっくり」でした。

B高校では、ビラまきを始めると教員が出てきて、門が開いていて隠れていた鉄柵を引き出して下記の「警告」が見えるようにしていきました。
校門掲示
じっくり読んでみて、学校にはなじまない内容だと思いました。ちょうど出てきた副校長(50歳代後半、男性)に「いつからこうなったのですか?」と聞いてみました。「昔は用務員さんがいたが、だいぶ前に、小学校で子どもが斬りつけられるという事件などがあって、それからセキュリティが厳しくなった」という返事でした。
「カメラがあちこちにあるなんて、監視されていて嫌じゃないですか。」と聞くと、「いや、それよりも子どもの安全が一番ですよ」とのこと。「自由じゃないですよね」と言うと、「いや、自由ですよ」ということでした。

「監視カメラ~警備会社~警察」で、その気になれば、警察が日常的に学校の中を監視することができ、ストレートに学校の中のことに介入できるということに、私などはぞっとする思いです。それが「子どもの安全のため」にと合理化されていることに、ものすごい違和感を感じました。

B高校では、この後、また「びっくり」する光景が…。それは、しばらくすると、7~8人の若い教員たちが現れて、学生をあちこちで取り囲んで「頭髪チェック」をやり始めたのです。茶髪やパーマはだめらしいのですが、黒い髪だしきちんとカットしてある子もしつこくチェックされていました。聞いてみると、「カットの仕方」に問題があるとのことでした。とにかく私には異様な光景でした。

「なぜここまでするのか」と教員に聞いてみると、「校則で決まっている」「何度も注意してきた」「今日は最後の日」との返事。厳しい理由は「就職試験で困るから」なのだそうです。そして「注意を聞かず、ひどい場合は別室で卒業式をやる」とのことでした。
う~ん、これが教育?やっぱり、おかしーい。
「超気分悪い」と教員にものすごく反発していた男子生徒に思わず、「がんばって」と言ってしまいました。(S)