9月19日、現代の治安維持法と闘う会が主催した共謀罪学習討論会に参加しました。4-5-DSC03939
集会では、司会者の挨拶の後、まず、西村正治弁護士が、『労働運動と共謀罪』と題した提起を行いました。
西村さんは、1910年の大逆罪事件を例に挙げるなどして共謀罪の恐ろしさを説き、また、イギリスでは18世紀から、アメリカでは19世紀から共謀罪が労働運動の弾圧に適用されてきたこと、近年、共謀罪を先取りするような労働運動・学生運動への弾圧事件が続発していることを指摘した上で、完全黙秘を貫いて闘うことで弾圧を粉砕しよう、共謀罪は適用前に廃止をと訴えました。1-1-DSC03923
メインの講演を行ったのは、「百万人署名運動全国通信」4-5面企画でもおなじみ、共通番号いらないネット世話人の白石孝さん、テーマは『監視社会強化におけるマイナンバーと共謀罪の役割』でした。
白石さんは、スノーデンの暴露によって明るみに出たようにアメリカではNSC(国家安全保障局)が電話、メール、ネットすべてを監視対象としていること、日本にもNSCの基地が横田など3カ所にあって日本側の費用負担!で整備されていること、韓国では様々な個人データが個人番号と結びつけられており移動電話の位置情報によって労働運動、市民運動が監視されていること等の先進?事例を紹介するとともに、日本でもすでに盗聴の拡大やGPS捜査、最新技術を導入したスマート警備等が行われていること、安倍政権はマイナンバーと秘密保護法、盗聴法、共謀罪の一体的な運用による監視社会化をもくろみ、マイナンバーカードを様々な行政手続きや民間企業を含むサービスに利用できるようにするなどあの手この手で2020年をターゲットにカードと顔認証を組み合わせた監視システムを普及させようとしていること等を説明しました。
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そして、技術的な困難性や漏洩等のトラブルの多発による信頼性の欠如等によってカードの交付枚数は低迷していて(今年5月時点で人口の9%)政府の思惑どおりに事態は進んでいないこと、これ以上の監視社会化を阻止するためにはカードの普及を遅らせてその取得を義務化させない取り組みが重要であることを指摘しました。

講演を受けた質疑応答のあと、山本志都弁護士から『「捜査」名目の情報収集の実態~動労千葉ガサ国賠で明らかになってきたこと』と題した報告があり、裁判の中で警察側がこれまでは隠蔽しようとしてきた尾行やメールの押収などの捜査手法を公然と誇示するようになったことなど、安倍政権下での変化が指摘されました。
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続いて上述の国賠訴訟の原告である動労千葉、徳島刑務所デモを敢行したばかりの星野文昭さんを救う会、公安警察による全学連大会襲撃に対する国賠訴訟を闘っている全学連からの発言があり、最後に森川文人弁護士が『まとめ』として、今日も公安警察が来ていたが共謀罪の狙いは私たちを屈服させ萎縮させることだ、朴槿恵を打倒した韓国の闘いに学びながら団結して弾圧を打ち破っていこうと訴えて、集会を終えました。
共謀罪をめぐる情勢の厳しさを再確認するとともに、適用阻止、廃止に向けた闘いの展望が得られた集会でした。(銀)