東京北部連絡会からの報告です。
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7月8日に、としま産業振興プラザで百万人署名運動・東京北部連絡会の第10回総会を「共謀罪」講演会と併せて行いました。「共謀罪撤廃の闘いに向けて」と題した西村正治弁護士による講演内容を紹介します。
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西村弁護士の講演内容は次のようなものでした。

・現代の治安維持法=共謀罪は、2003年の初提案から3回も廃案になった悪法です。今国会では衆議院30時間、参議院17時間の短い審議時間で採決が強行されてしまった。この暴挙を私たちは忘れてはならない。

・共謀罪は、人びとが団結することを取り締まる「団結破壊法」です。適用は都道府県の警察本部の指揮に従って行われることになるが、277の犯罪を組織的犯罪集団(一般人も含む)の2名以上で計画した場合、その内の誰かが準備行為を行ったときに計画関与者全員を処罰するものです。しかし、277項目自体がとても曖昧な内容です。

・捜査手法の問題として、あらゆる場面での盗聴の拡大、密告奨励、証人隠蔽とスパイ潜入捜査など、気がつかないうちに私たちが監視にさらされることになるだろう。しかし、西村さんは、一方では、私たちが監視の目を光らせて問題化して粉砕していく限りヘタな適用はできないと断言しました。私たちの日常的な逆監視が重要です。
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・そもそも共謀罪の立法理由がでたらめです。当初の東京オリンピックのテロ対策、更に国連TOC条約の加盟に共謀罪が必要と言っていたが、国連は「テロ」の定義に疑問を呈し共謀罪導入は必ずしも必要ないとしている。など、いろいろな観点から問題点が述べられた。

・典型的な共謀事件として、1910年「大逆事件」を挙げられたのは興味深かった。明治天皇暗殺計画があったとされ、数百名の労働者らが逮捕され26名起訴、うち12名が1週間後に死刑処刑された。当時は共産党さえもまともに向き合えなかったという。西村さんは、ここに共謀罪の怖さが表出されている、この大逆事件に真正面から向き合い捉え返す必要があると述べた。

この当時は、関わったとされる人の家を訪ねたというだけでも「共謀」と見なされ、多数が無実の罪に連座した。まさに共謀罪そのものだ。
その後も治安維持法で多くの民が無実の罪で囚われた。
国家権力・公安警察が強化されることで民衆の人権が守られることは決してない。
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・撤廃に向けた闘いの中で印象的だったことは、かってのイギリスでは労働組合結成は認められたがストライキは共謀罪で弾圧された時代があったということ。しかし、この弾圧は労働組合の大闘争で打ち破られ、そしてストライキが合法化されたという歴史が語られた。

これは決して過去のことではない。現在の日本で既に労働運動や学生運動弾圧として共謀罪の先取りが始まっている。

例えば、不当解雇に抗議する社前闘争を「建造物侵入」の罪とし逮捕・勾留したり、レンタカーを借りて遠出してガソリン代を分割する(誰にも経験があること)ことに対し「白タク」罪をでっち上げて、その共謀として逮捕・勾留したり、というような弾圧が始まっている。

しかし、現実には、当該の「完全黙秘」の闘いや、多くの労働者市民の抗議行動などによって、こうした弾圧は打ち破られてきています。実際、何の問題も無いがゆえに、闘いの広がりの中で警察や裁判所は起訴することができないという事実もある。

こうした闘いによって、「現代の治安維持法」である共謀罪は一面では既に打ち破られているとも言える。共謀罪は労働運動や市民運動の規制・委縮が目的でもあり、一つひとつの攻撃に対して団結して闘い、適用攻撃を打ち破っていくことが、共謀罪撤廃につながるとまとめられました。

「私たちが負けない」ことが大事であり、闘いの始まりだ!と強く感じました。(東京北部連絡会 H・F)