2月12日夜、東京のすみだ産業会館で「国鉄分割・民営化で不当解雇から30年 2.12国鉄集会」(主催:国鉄全国運動)が開かれ、650名が参加しました。
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国鉄分割民営化で、7,628人の国鉄労働者にJRへの不採用通知が出された1987年2月16日から30年を迎えます。これに抗議して清算事業団に残った国鉄労働者が3年後の1990年に清算事業団を不当解雇され、1047名が解雇撤回・現職復帰を求めて闘いに立ち上りました。

その後2010年に、政府と国労本部などとの間で、もう争わないとの「政治和解」が成立し、「国鉄闘争はこれで終わり」とされようとしましたが、動労千葉争議団や闘う国労闘争団はこれを弾劾し、闘いを継続。その時に「国鉄闘争の灯を消すな」と立ち上げられたのが「国鉄分割民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動」(略称:国鉄全国運動)です。

2015年6月30日、動労千葉1047名解雇撤回裁判で、最高裁は上告棄却。反動判決でしたが、高裁判決の内容にあった「採用差別が不当労働行為であった」ということと、さらに、その「採用候補者名簿が不当労働行為意思のもとにつくられていた」ことが明確に認定されたのです。

この地平から、動労千葉は新たにJR職場復帰闘争を開始しています。
そして、鉄道業務をバラバラに分社化する「第二の分割民営化攻撃」に反対してストライキで闘っています。

そうして、民営化・外注化で社会が破壊されることに警鐘乱打し「民営化と競争を止めよう!」とすべての労働者に呼びかけています。2.12集会はその闘いをさらに前に進めようという熱気に満ちたものでした。
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開会あいさつの中で、金元重さん(国鉄全国運動呼びかけ人)は、「30年間闘い続けて、一昨年、最高裁の分割・民営化による解雇は不当労働行為だという判決を出させた。昨年11月、私たちが韓国のあの歴史的集会の中にいて共闘ができたのは、韓国の労働者たちが動労千葉の階級的闘いを知っていたからだ。1047名解雇撤回闘争は国際連帯の上でもかけがえのない財産だ。」と言われました。

また、伊藤晃さん(同呼びかけ人)は、「国鉄闘争の原点、国家的不当労働行為は認められないという出発点の意義を確認すること。この社会で苦しむ多くの労働者、まだ口を開かない人たちにどう働きかけるかが重要だ。私たちが慣れ親しんだ言葉や考えとはちがった視点から考える人たちとも結んでいくことを、全国運動の今年の課題にしよう。」と呼びかけました。

動労千葉の田中康宏委員長(写真上)は、「不当解雇から30年。その闘いの真価をさらに一歩進めたい。30年たって敵はまた動きだした。北海道の事態は分割・民営化の根本問題を突きだしている。JR資本は鉄道業務全体を転換させ、社会の在り方を転換させようと、新たな分割民営化、分社化、総非正規化を狙っている。
分割・民営化は労働運動の惨憺たる後退をもたらしたが、しかし、本当の労働運動を押し上げてもいる。新しい運動の始まりだ。JR20万人の労働者を先頭に、今度こそ<民営化、外注化のウソ>を阻止しよう。
そのためにも1047名解雇撤回の旗をかかげ、その闘いの核心を伝えていこう。全労働者の権利を取り戻す闘いがその中にある。確信をもって、新しい闘いを出発させよう。」と訴えました。
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集会では、不当解雇された動労千葉争議団と国労闘争団の労働者の決意表明や動労千葉や動労水戸などの「出向無効確認裁判」の報告、神奈川や東京の動労総連合に結集する労働者の力強い発言が続きました。動労連帯高崎の労働者は「職場の中で、偽装請負が蔓延している。」と外注化の実態を訴えました。2.4内房線切り捨て反対の館山集会の報告もされました。元気の出る清々しい集会でした。(T)