悪辣な「白タク」デッチ上げ弾圧で不当逮捕されていたNAZEN埼玉の3人の仲間が2月7日に釈放されました。弾圧を打ち破った3人からの「報告とお礼」が届きましたので紹介します。
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2 月 7 日夕方、釈放をかちとりました。全国の実に多くの人々から激励をいただき、抗議闘争を展開して頂いたおかげです。ありがとうとうございました。
弾圧を通して感じたことをいくつか報告します。

一つは、安倍政権が本当に追い詰められているということです。

道路運送法に違反する点は何一つないのですが、昨年 2 月にツアーの件で家宅捜索を受けたときから、「なんでこんな理由で」とか「でも、逮捕は無理なんじゃないの」と私たち自身も甘く思っていた面はありました。でも、逮捕されてみて、安倍政権の焦りは、そういう「常識」を越えたレベルにあることがよくわかりました。

政府は今、避難指示の解除や県民健康調査の縮小、住宅支援のうちきりのみならず、放射線被害防止技術基準法改正案を国会に提出して、 20 ミリシーベルト基準に改定しようとしています。それと一体で、権力は起訴することに最後まで執着していました。

仮に権力側がいずれ裁判で負けることがあったとしても、それ以上に 2020 年オリンピックまでの 4 年間、現地闘争にツアーでかけつけるような闘いの大衆的爆発を押さえ込めればそれでいい、そのための「みせしめ」を作るためならなんでもやる、と必死だったと思います。

二つ目には、でも、それを上回る福島をはじめとした全国の激しい怒りのエネルギーの大きさと、その力が弾圧を打ち破ったことです。

原発事故とその後の対応への怒り、安保関連法への怒りから続く、韓国の革命情勢やアメリカの反トランプデモと同じ情勢が日本にもあり、革命情勢が日々成熟していると実感しました。人々の次々と続く決起は本当に感動的でした。弾圧を粉砕したのは、この力でした。

三つめは、公務員攻撃という側面です。

私たちが主催した帰還強制に反対する集会で、井戸川元双葉町町長は、3・11直後、政府が 20 ミリシーベルト基準に勝手にあげて学校の再開を策動したときに、町職労に「組合はストライキをやってくれ。そうすれば政府がやっていることがどんなにひどいことなのか明らかになるんだ!」と再三に言ったけれども、ダメだったと報告してくれました。

帰還強制がなされる今、自治体職員や教育労働者が、「おかしい」と声をあげることが決定的です。幼方は、井戸川さんのそうした思いを受け止めて、職務と活動に力を入れていたからこそ、攻撃されたと私たちは理解していますし、だからこそ屈するわけにはいきません。

四つ目は、共謀罪の先取りという点です。

逮捕令状は「埼玉反原発アクション(NAZEN埼玉の前称)という団体」が「共謀して」行ったという内容で、県警は「過激派キャンペーン」を押し出してこの事件で起訴に持ちこめれば、「一般の人には無縁」というウソで分断させて共謀罪成立も可能になると目論んでいたと思います。この勝利が共謀罪粉砕を可能にしています。粉砕しましょう。

五つ目は、独特とも言える埼玉県警の悪辣さです。

川越署と浦和西署(県警本部にある)に留置されいやおうなく狭山事件のことを考えました。当時もし完黙非転向の思想と県警本部にデモをかけるような支援運動があったなら石川さん犯人でっち上げは粉砕できていたと思います。

埼玉県警は石川一雄さんをでっち上げたことを反省しているのではなく、逆に「生きた犯人をつかまえろ」と政府に号令され石川=犯人を仕立てあげたことを反革命的「誇り」にさえしている組織です。

最後に、だからこそ、完黙非転向の闘いだけが勝利の道だということを全ての民衆とともに確認したい。

関源三という刑事が、「俺は犯人じゃない」と頑張り続けていた石川さんの心理に雑談と差し入れでつけ入り、あろうことか「兄ちゃんが犯人か」と思い込ませて(こんなことは代用監獄がなければありえない!)一転、ウソの自白に追い込む、そして、起訴か否かの段階で「万年筆」を捏造して鴨居に仕掛ける(!)というとんでもない権力犯罪に手を染めた。

そのためにというべきであろう、関源三は平素から被差別部落に世話役的に送り込まれていた。こういう国家権力の悪辣な犯罪に立ち向かえるのは、完黙非転向の思想だけです。この思想が全人民共通のものとなったとき、政府国家権力を打ち倒して 私たちは真の自由を手にすることが出来るのです。

実質21日間でしたが、労働者民衆が団結したときに、自由は我らの手にできるとあらためて学びました。「わたしたちってすごいかも!」。

本当にありがとうございました。