新潟からの報告です。
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韓国で民衆総決起大会が闘われていた11月12日、新潟からの4名の訪韓団に連帯して、私たちは新潟駅前でPKO「駆けつけ警護」の新任務への抗議の街宣・署名活動を行いました。さらに閣議決定前日の14日、防衛省・自衛隊新潟地方協力本部に対して5団体連名の請願・要請行動を行いました。
14自衛隊要請行動③
14日午後、国の機関が入る合同庁舎ロビーに、緊急の呼びかけに応えて8名の地域の仲間が駆けつけてくれました。取材の地元新聞記者とともに防衛省の入る7階へ。
用意された部屋は広いのだが、椅子もテーブルもなくガランとしていました。総務課長は「要請文を受け取るだけだから」と居直る。あまりの非礼な対応に参加者は怒り、抗議して椅子を用意させ、同行取材の記者を閉めだしたことに対しても抗議して入室させた。また、われわれが写真撮影することにも抵抗したが、これも認めさせました。

要請の冒頭に、稲田防衛大臣宛の要請書がきちんと大臣に提出されたことの確認を、書面で通知して欲しいと要望しました。われわれの再三の要求に対して、総務課長は「確約はできない」「(要請書は)上級に上げる」と言い逃れる。言質を取られないために汲々とする態度に、参加者は怒り、あきれました。

キリスト者の女性が要請書を読み上げました。
14自衛隊要請行動②
さらに参加者からの抗議と要望が続きました。
「南スーダンはPKO5原則から言ってもおかしい。5原則を知っているのか?」「イラク戦争のときに自衛隊が新潟の市民運動の情報を収集したようなことを繰り返すな!」「要請書が防衛大臣に届いたことを確認するにはどんな方法があるのか?」
総務課長は黙したり、またもや「上級に上げる」を繰り返すのみでした。
自衛隊のPKO部隊に駆けつけ警護等の新任務を付与することには、自民党の支持者でさえ半数以上の人が反対していると世論調査で明らかになっています。この現実に自衛隊も動揺し、相当ナーバスになっていることが今度の要請行動での印象でした。

要請行動に参加した団体は、新潟キリスト者平和の会、国鉄新潟動力者労働組合(動労総連合・新潟)、新潟・星野文昭さんに連帯する会、新潟地域一般労働組合、とめよう戦争への道!百万人署名運動・新潟県推進委員会。
この日の行動は、翌日の新潟日報に、当日夕方に社共共闘で行われた私たちと同趣旨の街宣行動とともに報じられました。(百万人署名運動・新潟県推進委員会 坂井)

●要請書

駆けつけ警護反対!南スーダンPKO部隊を即時撤退させよ!

稲田 朋美防衛大臣 殿                     
                      2016年11月14日

 政府は南スーダンに派遣する第11次PKO部隊(陸自第9師団第5普通科連隊・青森が主部隊)に対し、「駆けつけ警護」「宿営地の共同防衛」の新任務を盛り込んだ実施計画の変更を11月15日に閣議決定すると言われています。私たちはこれに断固反対し、撤回を求めます。また、PKO5原則さえ逸脱し、現地で起きている事態を「戦闘ではなく、衝突」と詭弁を弄して自衛隊員を「殺し殺される」現場に派遣しようする安倍政権に怒りを禁じえません。南スーダンPKO部隊の派遣を中止し、即時撤退させることを要求します。

 南スーダンの首都ジュバ近郊では今年7月、数百人が死亡する大規模な戦闘が起こり、その後も紛争が相次いでいます。報道によると、南スーダンでは政府自身がPKO部隊の増派に積極的でないと言われています。大統領の出身部族の「長老評議会」は外国勢力のいかなる介入にも反対すると主張し、大統領の側近はPKOの配置は事実上の「宣戦布告であり国家侵略」に等しいと警告しています。政府軍の部隊が国連や国際援助団体の職員を襲撃、集団レイプする事件も起きています。さらに反政府派リーダーは「首都攻撃」を公言していると報じられています。

 このような状況にもかかわらず政府は「駆けつけ警護」等の新任務を自衛隊員に強制し、自衛官とその家族が立場上、不安や反対の声を上げる事が出来ないことを承知の上で安倍首相は国会の所信表明演説で「国を守る自衛隊員に感謝しよう!」と煽りたてました。

 安倍政権は昨年、安保法案に反対する多くの人たちの声を無視してPKO改悪案も一括法案として強行採決しました。その狙いは、自衛隊員を戦場に立たせ、実戦を経験させることで、「自民党憲法改正草案」に明記されている国防軍へと飛躍させることにあります。

 この間安倍政権は、中国、北朝鮮の脅威を煽り立て、中国包囲の外交政策を推し進めるとともに、北朝鮮を軍事的に挑発する、日米韓の合同軍事演習に自衛隊を積極的に参加させています。北朝鮮の冒険主義的挑発行動に乗っかるかたちで、むしろ朝鮮戦争危機を促進させる行為です。それはまた、極限的な新自由主義=格差社会と朝鮮戦争危機に怒り、ゼネラルストライキで朴槿恵(パク・クネ)政権打倒に起ち上がっている韓国労働者の闘いに敵対、その圧殺を狙う行為です。

以下、要請します。
●南スーダンへのPKO派兵は、現地の声にあるように、平和の維持や国際貢献に名を借りた侵略行為です。私たちは、自衛隊員を侵略戦争に駆り立てる「新任務の付与」の撤回を求めます。
●自衛隊は朝鮮戦争を想定した日米韓の合同軍事演習に参加するな!朝鮮戦争に参戦するな!
●安倍政権は自衛隊員と家族の不安に応え、南スーダンPKOから撤退することを求めます。
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新潟キリスト者平和の会/国鉄新潟動力者労働組合(動労総連合・新潟)/新潟・星野文昭さんに連帯する会/新潟地域一般労働組合/とめよう戦争への道!百万人署名運動・新潟県推進委員会