日米開戦の発端となった1941年12月8日の真珠湾攻撃。すでに、中国・アジアへ「事変」という名の侵略戦争に入っていた日本が、さらに泥沼の戦争過程に入っていくことになった日です。
二度と戦争はしないという立場から、毎年この日に集会を開いている「8.15労働者・市民のつどい実行委」が、今年も「真珠湾74周年 記憶の継承 12.8国際連帯の今」と題して集会を開き、参加してきました。
集会では、「国際連帯の到達点」について動労千葉国際連帯委員会の山本弘行さんが、「戦争を止める力」について平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんが講演しました。
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山本弘行さんは、国鉄1047名解雇撤回の国鉄闘争がきっかけとなって始まった韓国・民主労総ソウル本部との国際連帯の闘いがアメリカ、トルコ、ドイツ、フィリピンへと広がり、年々交流が深まっていること、とりわけ今年の6月には動労千葉と民主労総鉄道労組ソウル地本との間で「日韓鉄道労働者共同声明」を発するところまできたことが報告されました。11月1日の労働者総決起集会(日比谷野音)には中東の巨大な労働者の国・トルコから、国際連帯を求めて2名の労働者代表が参加してくれたこと、来年の6月にはトルコの集会への参加要請を受けているとのことでした。
そして、いずれの国も、民営化・外注化・非正規職化阻止を大きな課題として闘い抜いていること、金儲けだけを目的とする新自由主義が本当の敵なんだとつかみ取っていることがわかったと訴えました。
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西川重則さんは、戦争への道を止めるためにも、現憲法の内容をよく知り学んでほしい、9条はもとより13条(個の尊厳)、20条(政教分離)等々、国民・人民の生きる力を主とする考え方、人々の生活や労働に関わる問題を話し合う自由の保障など、第1条を除きそこには普遍的な価値があると話されました。
さらに、自民党の改憲草案(2012年4月27日決定)の中身を具体的に知り、徹底的に批判する力を持たなければならないと訴えました。特に102条に「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」と書かれていると指摘し、天皇元首や国防軍の保持などをうたった憲法で国民・人民を縛るなどとても認められないと弾劾しました。
また、1940年11月23日の大日本産業報国会発足などを例に挙げ、労働者市民がいかに戦争に動員されていったか、歴史に学ぶことの重要性を訴え、戦争に反対する労働者市民のたたかいに基づく国際連帯の重要性を強調しました。
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講演の後、若い女性労働者が国際連帯の実感を報告してくれました。11月14日に韓国のソウルで行われた民衆総決起闘争(生涯非正規の労働改悪中断、韓国史教科書の国定化廃棄を掲げ15万人が決起)に参加して感じたことが述べられ、韓国の労働者のたたかいの息吹が感じられるものでした。
最後に、実行委の鈴木達夫さん(許すな改憲!大行動代表)が集会のまとめを。鈴木さんは、「国益を守るというが、国益なるものはない。それは1%の資本家のための利益だ。」「労働者に国境はない。労働者階級と人民は戦争をやる政府を倒してしまうという考え方とできるんだという信頼を持つことが大事だ」と訴えました。そして、「今の時代、こうしたことをはっきり言っていくことが重要だ」と。
〈戦争を止める力〉について、大いにヒントを得た集会でした。(S)