とめよう戦争への道!百万人署名運動

署名運動をとおして、改憲・戦争への道を許さない闘いを全国的に広げていきます。

2022年12月

■労働組合つぶしの大弾圧を許さない2023元旦行動
とき◆1月1日(日)午前10時~
ところ◆大阪府警本部前(大阪市中央区大手前3-1-11)
主催◆労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会(tel.06-6575-3131全港湾関西支部)

■辺野古新基地建設の強行を許さない!防衛省抗議申し入れ行動
とき◆1月4日(水)午後6時30分~
ところ◆防衛省正門前(市ヶ谷駅7分)
主催◆辺野古への基地建設を許さない実行委(tel.090-3910-4140沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)

■危機に迫る私たちの生活と軍事問題講演会(Zoomあり)
とき◆1 月5 日(木)午後1時30分開会
ところ◆東京ボランティア市民活動センター(飯田橋セントラルプラザ10階)
講師◆天笠啓祐さん(ジャーナリスト)、小寺隆幸さん(軍学共同反対連絡会)
主催◆ゲノム問題検討会議(tel.090-2669-0413)

■星野絵画展in香川・高松
とき◆1月5日(木)~8日(日)午前10時~午後5時
ところ◆高松市美術館(高松市紺屋町10-4、JR高松駅15分)
主催◆香川・星野文昭さんを取り戻す会(tel.090-7146-9667)

■「辺野古新基地断念を求める」請願署名実行委員会結成集会
とき◆1月7日(土)午前11時~
ところ◆辺野古・キャンプシュワブゲート前
主催◆オール沖縄会議(tel.098-894-6407)

■辺野古に新基地は作らせない!連続「辺野古ブルーアクション」
とき◆1月7日(土)午前11時~
ところ◆JR新宿駅南口前
呼びかけ◆一坪反戦地主関東ブロック(tel.090-3910-4140)

■ドキュメンタリー映画「日本原 牛と人の大地」上映
とき◆1月7日(土)~13日(金)
ところ◆元町映画館(兵庫県神戸市中央区元町通4-1-12)
7日11時の回上映後、黒部監督の挨拶予定
問合せ◆元町映画館(tel.078-366-2636)

■ドキュメンタリー映画『日本原 牛と人の大地』上映
とき◆1月9日(月・休)、11日(水)、13日(金)、14日(土)18日(水)
ところ◆映画館ストレンジャー(墨田区菊川3-7-1、菊川駅前)
問合せ◆ストレンジャー(tel.050-1751-4052)

■VIDEO  ACT!上映会~「belief」(旧統一教会と家族の映画)
とき◆1月12 日(木)午後7時上映
ところ◆東京ボランティア・市民活動センター
上映後、監督の土居哲真さんとのトークあり
主催◆ビデオアクト上映プロジェクト(jyouei@videoact.jp)

■ドキュメンタリー映画「若きハルサーたちの唄」上映&講演会
とき◆1月13日(金)午後1時30分上映開始、2時30分~湯本監督のお話し
ところ◆ゆうまつどホール(千葉県松戸市本町14-10)
*2.12三上智恵講演会のプレイベント
主催◆松戸「沖縄とつながろう」実行委(tel.090-3248-3433)

■クーデターから2年「ビルマの今」1.14報告集会
とき◆1月14日(土)午後2時開会
ところ◆連合会館2階大会議室(東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」B3出口すぐ)
報告◆ミンスイさん(在日ビルマ市民労働組合委員長)ほか
主催◆在日ビルマ人コミュニティ、後援:総がかり行動実行委

■戦争反対!核戦争会議阻止!G7広島サミット反対デモ
とき◆1 月14 日(土)午後4時、原爆ドーム前集合/デモコース◆「サミット県民会議」事務所前で抗議行動~本通り~岸田事務所へ/主催◆8・6ヒロシマ大行動実行委(tel.082-221-7631)

■戦争をとめる!「1969新宿西口地下広場」上映&トーク
とき◆1月15日(日)午後1時開会/ところ◆LOFT9 Shibuya(渋谷区円山町1-5キノハウス1F)/出演◆吉岡忍さん、山城博治さんほか/当日2000円(ドリンク付き)、予約1800円/主催◆明日も晴れ-大木晴子のページ(http://seiko-jiro.net)

■国会前19行動
とき◆1月19日(木)午後6時30分~
ところ◆衆議院第2議員会館前を中心にフィジカルディスタンスを確保しながらスタンディング
共催◆戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、9条改憲NO!全国市民アクション

■官邸前・原発いらない金曜行動
とき◆1月20 日(金)午後6時30分~7時45分
ところ◆首相官邸前
主催◆実行委(tel.03-3238-9035たんぽぽ舎)

■横須賀から見える"軍拡"の実態と「安保3文書」
とき◆1月21日(土)午後1時開会
ところ◆産業交流プラザ第一研修室(京急汐入駅下車)
講演◆吉田敏浩さん(ジャーナリスト)「『安保3文書』はこの国をどう変えようとしているのか」
報告◆新倉裕史さん(非核市民宣言運動・ヨコスカ)「先制攻撃の街・横須賀から見える”軍拡”の実態」
主催◆ヨコスカ平和船団/非核市民宣言運動・ヨコスカ(tel.046-825-0157)

■忘れない忘れさせない3.11フクシマ学習会
とき◆1月21日(土)午後2時~
ところ◆埼玉会館6B会議室(さいたま市浦和区高砂3-1-4)
ゲスト◆吾妻和位さん(3.11反原発福島行動’23実行委)
主催◆NAZEN埼玉:埼玉反原発アクション(tel.090-4000-2756)

■ドキュメンタリー映画「日本原 牛と人の大地」上映
とき◆1月22 日(日)のみ
ところ◆シネマ尾道(広島県尾道市東御所町6-2)
黒部監督の挨拶予定
問合せ◆シネマ尾道(tel.0848-24-8222)

■東海第2原発差止訴訟・東京高裁裁判勝利!決起集会
とき◆1月22 日(日)午後2時開会、3時45分デモ出発
ところ◆日比谷図書館コンベンションホール(日比谷公園内)
講演◆鈴木裕也弁護士、海渡雄一弁護士
首都圏の原告からの訴え◆東京、千葉、栃木
●定員201名のため事前申し込み要(fax.0297-45-6675 メール info@t2hairo.net )
主催◆東海第2原発運転差止訴訟団(tel.0297-48-4911)

大軍拡・戦争予算粉砕!岸田倒せ!1.23国会闘争
とき◆1月23日(月)午前11時~12時
ところ◆参議院議員会館前
主催◆改憲・戦争阻止!大行進東京(tel.080-6053-1751)

軍拡やめろ!軍事費増やすな!増税反対!改憲発議反対!辺野古新基地建設阻止!統一教会癒着徹底追及!いのちと暮らしを守れ!1.23国会開会日行動
とき◆1月23日(月)12時~
ところ◆衆議院第2議員会館前を中心に
共催◆戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委、9条改憲NO!全国市民アクション

■辺野古の海を埋めるな!1.27「建白書」10年日比谷野音集会
とき◆1月27 日(金)午後6時30分開始、集会後デモ
ところ◆日比谷野外音楽堂(日比谷公園内)
主催◆「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実(henokovoice.echo@gmail.com)

■ドキュメンタリー映画「日本原 牛と人の大地」上映
とき◆1月28日(土)~終了日未定
ところ◆桜坂劇場(那覇市牧志3-6-10)
*1/28の上映後、主人公の内藤秀之さんと黒部監督の挨拶予定
問合せ◆桜坂劇場(tel.098-860-9555)

■汚染水を海に流すな!核燃サイクル推進反対!1.29講演集会
とき◆1月29 日(日)午後1時30分開会
ところ◆郡山市中央公民館(福島県郡山市麓山1-8-4)
講師◆山田清彦さん(核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団事務局長)
主催◆3.11反原発福島行動実行委(tel.090-5237-9851長沢)

新潟からの報告です。

* * * * * * *
新潟大学・五十嵐キャンパスで行われた大学祭(10/15、16日)で自衛隊のブースが設けられ、制服姿の自衛官と学生がツーショット写真を撮るなど、看過できない出来事が起こりました。

この情報がもたらされてから新潟県推進委員会は事実関係を確認するため、当事者である新潟大学、新大祭常任委員会(学生)、自衛隊に聴取、連絡を取ってきました。大学職員組合とも情報共有して危機感を共にしてきました。新大祭常任委員会にはSNSのDMを通じて連絡を取りましたが、残念ながら応答してもらえませんでした。

県推進委員会が呼びかけて結成された「ノーモア・沖縄戦」実行委員会主催の三上智恵監督講演会(12/10開催)では、主催者からこの問題で新潟大学への抗議行動が提起されました。

新潟県に豪雪をもたらした寒波で混乱する五十嵐キャンパスに12月22日(木)、県推進委員会など地域の仲間5名で行き、学務部・学生支援課の担当者と1時間にわたって議論、大学の姿勢を質しました。
新大祭抗議
大学側は「大学祭は学生が自主的に行った企画で指導には限界がある」と繰り返し言い逃れ、かみ合った議論になりませんでした。しかしながら、「軍事研究は行わない」という大学の基本方針は変わっていないという言質を取ることは出来ました。

また最後に、学長宛ての抗議・質問書を手渡し、返答を求めましたが、「大学には地域から様々な声が寄せられているので、個別に応えることはしていない」と応じ、学長に抗議書を上げることも明言しませんでした。
新潟・申入れ書
この抗議行動は職員組合にも呼びかけましたが、別個に行うという返答でしたので、抗議の後に組合に寄り、報告し情報共有しました。(とめよう戦争への道!百万人署名運動・新潟県推進委員会事務局)


12月8日(木)午前10時から11時50分頃まで、今国会最後、5回目の衆議院憲法審査会が開催されました。10月27日の初回からこの日までの定例日(木曜日)は6回ありましたので、ほぼ毎週開かれたことになります(前回の傍聴記で報告したように、審査会が開かれなかった11月24日には幹事懇談会が持たれ議員任期延長の論点整理に向けた根回しが行われましたので、実質的には毎週開催されたと言ってもいいでしょう)。
「やれやれ、やっと終わったか」というところですが、来年以降のことを思うともちろん晴れやかな気持ちにはなりません。
yurusuna
今回のテーマは「ネットCMと国民投票運動」及び「ネット社会と憲法の関わり」とされ、インターネット広告の業界団体(309社が加盟しているとのことです)である一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の専務理事と事務局長、そして「憲法学の中でもプライバシー権を中心に研究してきて、その延長でデジタル化、AI活用の進展と憲法原理との関係を考えてきた」(発言冒頭のご本人の自己紹介による)山本龍彦慶應義塾大学大学院教授を招いて、参考人質疑が行われました。

このテーマは、改憲手続法(国民投票法)附則4条に「施行後3年を目途に検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする」と規定された事項に関わるもので、今回初めて憲法審査会で取り上げられました。

最初にJIAAの橋本浩専務理事が約10分、次に山本教授が約20分をかけて意見を述べ、その後7会派から1人ずつの委員が10分の持ち時間で質疑を行いました。
今回もこの日の憲法審について報じた『東京新聞』の記事を転載させていただきます。

衆院憲法審査会 改憲の国民投票運動とネット広告規制など巡り討議<発言要旨あり>
『東京新聞TOKYO Web』2022年12月8日

衆院憲法審査会は8日、改憲の国民投票運動とインターネット広告のあり方などをテーマに討議し、各党が規制導入の是非や実効性などを巡って意見を交わした。衆院憲法審はこの日の質疑で今国会の実質的な討議を終えた。
自民党の上川陽子氏は「ネットCMは扇情的な影響力で放送CM以上」と指摘し、国民投票の公平性と公正性を担保する必要性を指摘。立憲民主党の階猛氏は、ネット上の虚偽情報の拡散が問題になっていることなどを念頭に「国民投票法制定時に想定されていなかった。法改正にあたっては、規制を盛り込む必要がある」と述べた。
この日は、ネット広告のガイドライン策定などに取り組む一般社団法人「日本インタラクティブ広告協会」の橋本浩典専務理事や、憲法のプライバシー権を研究する慶応大大学院の山本龍彦教授らを参考人に招いて意見聴取した。(生島章弘)

フェイクニュースが拡散しやすく、効果的なデマ対策、難しい
 8日の衆院憲法審査会での主な発言の要旨は次の通り。
【参考人の意見聴取】
橋本浩典日本インタラクティブ広告協会専務理事 
会員の媒体各社は当協会のガイドラインを参考に、広告掲載基準を定め、掲載判断を行っている。
インターネットに限らず、メディアからの情報経路はさまざまあるので、自由かつ公平な投票運動を確保するために、有料の放送CMとインターネット広告のみを規制することで効果があるのか、難しい問題だ。
当協会は、ルールの整備や啓発活動に努めているが、個別の事業者間の取引には踏み込んでおらず、特定の規制に従うよう強制する権限はない。実務に照らしても、実効性の点でも、自主的に公平性を担保することは難しいと考える。
広告規制の原則的な考え方は、個別の業法による法規制や業界による自主基準などによって、広告の出し手側での規制がなされている。出し手側の基準が最も有効で、それに沿って対応を行っていきたい。

山本龍彦慶応大大学院教授 
情報過剰時代には、事実に関する報道よりもフェイクニュースの方が拡散しやすい。その方が刺激的だからだ。怒りや憎悪といった負の感情がアテンション(注意)を得やすいので誹謗中傷も広がりやすい。私たちの言論空間は、思想や言論が説得力を競う「思想の競争」から、いかに利用者の反射を得られるかを競う「刺激の競争」へと変容している。
さまざまな情報をバランスよく摂取することで、フェイクニュース等に対する免疫を獲得している状態、「情報的健康」が大切だ。
現在の混沌とした言論空間の中で、私たちは適切な選挙権の行使ができるのか。自由で自立的な意思決定ができるのか疑問だ。同じ道理は、熟慮がより必要となる憲法改正国民投票にも当てはまる。
重要なのは、憲法の基本的価値をより良く実現する形でテクノロジーを利用することだ。憲法的視点に立った総合的な議論が必要だ。プライバシーについては、「情報自己決定権」「自己情報コントロール権」を憲法上の権利として承認することが重要だ。「知る権利」や「情報的健康」をキーコンセプトとして、言論空間全体を再構築していくことが必要だ。

【参考人に対する質疑】
上川陽子氏(自民)
公平公正な国民投票を実施するに当たって、ネットCM特有のリスクは何か。どう対処すれば克服できるか。
柳田桂子日本インタラクティブ広告協会事務局長 
テレビCMと同じような規律が必要になってくる。広告掲載基準だったり、事業者の自主的基準だったりを考えていく必要がある。
階猛氏(立憲民主)
国民投票法を改正するに当たっては、ネット広告規制を盛り込む必要があると考えている。
山本氏 
法制定時に比べ、相当メディア環境が変化している。(交流サイトなどの)プラットフォームを通じて国民投票の広報を展開していく必要があり、法改正の必要性がある。
岩谷良平氏(維新)
ネットCMで規制をかける場合、どんな規制が想定されるか。効果があるか。
柳田氏 
効果的にデマ対策に当たるようなことができるのか。なかなか難しいと思っている。
国重徹氏(公明)
自己情報コントロール権は、憲法上の権利として位置付けるには概念が不明確だと指摘されることがある。
山本氏 
世界的にさまざまな議論が蓄積されてきた。概念が不明確とは言えないのではないか。
赤嶺政賢氏(共産)
日本の個人情報保護制度がどのように改善されていくべきか。
山本氏 
自己情報コントロールということを保障する形で個人情報保護法を読み込んでいく、あるいは、そういう形で改正していくことが重要だろう。
玉木雄一郎氏(国民民主)
日本政府がグローバルプラットフォームを法律やガイドラインでそもそも規制できるか。
柳田氏 
日本の広告業界においてはパートナーになる。日本の国内法を守るのはもちろん、自主的に作っているわれわれの規律も従うことが前提になる。
福島伸享氏(有志の会)
欧米では、デジタル化が個人の概念を変えるものと議論されているのか。
山本氏 
個人の自立がデジタル化によって脅かされる側面があるのではないか。人間の尊厳にも関わってくる問題だ。
* 引用、ここまで。
なるほどマーク

この日の参考人質疑の内容はなかなか興味深く、特に「憲法的視点に立った総合的な議論」の必要性を提起された山本教授の見解(上掲の記事に的確に要約されています)はたいへん参考になるものだと思いました。JIAAの2人の発言も、(ネット広告の規制の効果に否定的な立場を含めて)インターネット広告業界の実情の一端を知ることができたという意味では有益でした。

各会派代表の質疑もそれぞれ聞きどころがありましたが、要約が難しく長くなりそうなので詳しい報告は省略します。ただ、1人だけ「おまいう(お前が言うな)」と感じた発言をした委員がいましたので、最後にそのことだけ紹介しておきましょう。
岩谷良平氏(維新)は、質疑の冒頭で「私は2015年と20年に大阪都構想の住民投票を経験した。その際、住民投票が近づくとデマ、フェイクニュースがたくさん流布された。同様のことが改憲国民投票でも起きる可能性があるのではないかと懸念している」と述べました。都構想の住民投票に際して反対派が一切デマを流さなかったとまでは言えませんが、デマ・フェイク合戦においては維新陣営の方がはるかに上を行っていました。そもそも大阪都というネーミング自体がフェイクですし、こういうデマを国会の場で性懲りもなく繰り返すことは容認できません。

この日の傍聴者は20人強、記者は3~5人で、前回に続いて少なめでした。
委員の出席状況もかんばしくなく、自民党は常に5~10人ほどが席を空けていて、立民は最初から、公明、共産も途中から欠席する委員がいました。共産党の赤嶺政賢氏が途中退席した理由ははっきりしていて、同時刻に開かれていた安全保障委員会にも出席して発言しなければならなかったからです。参考人質疑をどうしてもこの日に行わねばならなかった理由はなく、少数会派の委員が欠席せざるを得なくなるような強引な運営に苦言を呈したいと思います。

さて、これで今年の憲法審査会傍聴記は最終回になりますが、最後に12月10日、臨時国会の閉会日に行われた岸田首相の記者会見から、「憲法改正」をめぐる質疑応答の部分をご紹介しておきます(『首相官邸』ホームページから転載します)。

(記者)
産経新聞の田村です。よろしくお願いします。
憲法改正についてお伺いします。今国会でも憲法審査会で緊急事態条項などをめぐって活発な議論が行われたと思います。政府が防衛力強化を進める中で、この自衛隊の明記というのも改めて重要なテーマになっているというふうに私は思っているのですが、自民党総裁として、改正原案の作成など来年の通常国会に向けて具体的な改憲に向けた取組をどのように進めていこうというふうにお考えかお聞かせください。
(岸田総理)
まず、今般の臨時国会では、憲法審査会において実質的な討議が行われ、緊急事態条項をめぐっては各党の主張に関する論点整理が行われました。こうした議論を通じて国会で与野党の合意を得ながら、一つ一つ結論を出していく必要があると考えており、そのための一歩として歓迎したいと思っています。
憲法改正について、議論の進め方あるいは内容について直接申し上げることは行政府の長として控えなければならないと考えますが、憲法改正の発議には、その内容について国会議員の3分の2の合意を得なければならず、国会においてより具体的な議論を進め、そして賛同する方々を増やしていく、これは大変重要なことです。引き続き与野党全体で一層活発な議論が行われること、これを心から期待したいと思っています。
* 引用、ここまで。

改憲・戦争をめぐる攻防は来年もますます激しくなります。粘り強く闘っていきましょう!!(銀)



12月7日(水)13時から15時少し前まで、参議院憲法審査会が4週間ぶりに開催されました。今国会で実質的な討議が行われるのは2回目で、今回が最後でした。

この日のテーマは、「憲法における参議院の在り方並びに参議院議員の選挙区の一票の格差及び合区問題を中心として」とされ、参議院の法制局長と憲法審査会事務局長からの説明の聴取と委員間の意見交換が行われました。
前半の説明は25分弱で終わり、後半の意見交換では20名近くの委員が発言しました。
yurusuna
この日の審議の概略について、今回も『東京新聞』のウェブサイトに掲載された記事を転載させていただきます。

参院憲法審査会・発言の要旨
『東京新聞TOKYO Web』2022年12月7日

2022年12月7日の参院憲法審査会での主な発言の要旨は次の通り。

【説明聴取】
川崎政司参院法制局長
 最高裁が参院選について、投票価値の平等が憲法上の要請だとしたのは、1983年判決だ。当初は格差が5倍台でも合憲としたが、次第に厳格な姿勢を示すようになる。これまでに、96年、2012年、14年の3度、違憲状態判決を出した。12年判決以降、投票価値の平等を重視する姿勢をより強め、14年判決では、4.77倍の格差を違憲状態とした。
 国会は、選挙区間での定数増減により、最大格差を縮小する改正で対応してきたが、それには限界もあり、15年改正で4県2合区を含む10増10減を行い、最大格差は2.97倍にまで縮小。17年判決は(16年選挙時の)最大格差3.08倍を合憲と判断した。
 最高裁は「何倍未満」といった格差基準は採用しておらず、投票価値の著しい不平等状態が生じ、相当期間継続しているにもかかわらず、是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合に、憲法に違反するとの考えを示している。
加賀谷ちひろ参院憲法審査会事務局長
 15年法改正で合区が導入されたことを契機に、毎年全国知事会などから合区に関連する決議、提言がなされている。知事会の直近の決議では「鳥取県では合区制度開始以降、連続で過去最低の投票率を更新した。島根、徳島、高知の3県では、合区制度の導入前と比べると低い水準のままで、合区を起因とした弊害が常態化しており、深刻度が増している」とされている。

【各会派の主な意見】
矢倉克夫氏(公明)
 私どもは、全国を11のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱している。これは、議員1人あたりの人口格差の縮小と地域代表的な性格を両立させることを通じ、参院の全国民の代表としての性格を堅持する方策だ。
東徹氏(維新)
 合区解消しようとする憲法改正には反対だ。都道府県を選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はない。統治機構改革を視野に入れ、都道府県選挙区をブロック制へ変更するなど、選挙制度の抜本的な改革を実行すべきだ。
舟山康江氏(国民民主)
 都道府県を単位とする選挙区が基本である中で、ほんの一部のみ合区を含むというあり方は、むしろ平等原則に反している。特定枠は合区により候補者が出せなかった県の救済策として生み出されたもので、むしろ特定の県を優遇する。
山添拓氏(共産)
 参院の選挙制度の議論は、参院改革協議会などで行うべきで、憲法審査会で論じるべきではない。総定数を削減することなく、多様な民意が正確に反映される比例代表を中心に、全国10ブロックの非拘束名簿式の選挙制度とすることを提案する。
山本太郎氏(れいわ)
 一票の格差問題について、憲法審査会で議論すべきではない。本年の参院選に対する訴訟の高裁判決が出そろった。合憲、違憲が分かれている。最高裁判決が出るまでは、国会で高裁判決の是非を論ずるような議論は避けるべきだ。
進藤金日子氏(自民)
 合区制度が対象4県の投票率を下げた大きな要因だ。民主主義にとって極めて重要な選挙において、合区制度の導入によって有権者の政治参加が阻害されることは由々しき問題だ。合区解消を図るための憲法改正を行うべきだ。
小西洋之氏(立憲民主)
 自民党は合区解消で改憲ということを言っているが、改憲しても一緒だ。(法の下の平等を定めた)憲法14条は残るので、参院だけすさまじい格差で各都道府県1人(参院議員を)出すことは問われ続ける。裁判は起き続ける。
*引用、ここまで。

今回のテーマの「一票の格差及び合区問題」については、今年の通常国会でも5月18日、6月8日の2回にわたって審議が行われており(5月18日は今回と同じ形式、6月8日は憲法学者2名を招いての参考人質疑でした)、様々な意見が飛び交い、取っ散らかったまま終始した印象を受けましたが、それは今回も変わりませんでした。

その大きな要因は、自民党の委員の多くが何の根拠もなく過疎化によって地方から選出される議員の数が減少すれば国政に地方の声が届けられなくなるという主張を繰り返していることだと思います。例えば「大分県の私の田舎にバスが来るのは1週間に1本だ」(古庄玄知氏)と言われても、議員定数を地方に手厚く配分することでその状況が解消できるとは思えません。そもそも、こうした言説を垂れ流している自民党の委員諸氏は、沖縄県選出の参議院議員2人が揃って反対している辺野古新基地の建設が強行され続けていることをどう説明するのでしょうか。
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速記をストップさせた山谷えり子氏の発言

上掲の『東京新聞』の記事では紹介されていませんが、委員間の意見交換で最初に発言したのは自民党の山谷えり子氏でした。氏は「合区問題については同僚の議員が意見を述べると思うので、(私は)国家国民を守る安全保障、危機管理の視点で考え方を述べたい」と前置きして、自衛隊違憲論に終止符を打つための改憲の必要性をまくしたてました。

発言の途中から、「こういうやり方なら審査会止めましょうよ」、「テーマと違うじゃないか」、「休憩だよ」、「審査会を愚弄してるよ」、「続けられないよ。幹事会再開ですよ」などヤジが飛び交いましたが、中曽根弘文会長(自民)は「ご静粛にお願いします」と言うだけで持ち時間の最後まで山谷氏を制止しませんでした。
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その後もヤジが続き審議が続けられない状況になって、ようやく中曽根氏が「速記を止めてください」と指示、与党側筆頭幹事の山本順三氏(自民)と野党側筆頭幹事の小西洋之氏(立民)が議場の外に出ていきました。2人で収拾策を相談したのでしょうか、最終的には山谷氏を議場外に呼び出して(おそらくは)注意し、4分余りの中断を経て審議が再開されました。

憲法審
左上のグレーの上下を着ているのが山谷氏。議場の外から戻り着席しようとしているところ(「参議院インターネット審議中継」からキャプチャーしました)。

再開に当たって、山本氏は「先ほどの山谷委員の意見発表は今回の議題に即した形のものではなかった。その点については陳謝したい」、小西氏は「山本筆頭から謝罪の言葉があったが、この問題は幹事会で協議しなければいけないと思うので、会長の取り計らいをお願いする」とそれぞれ発言しましたが、どのような後始末がなされるでしょうか(来年の通常国会まで間が空きますので、うやむやになりそうな気もします)。

この日の傍聴者は、開会時には10人ほどで、ほどなく16、7人になりましたが、いつもよりかなり少なかったです。記者は開会時に4人、その後は3人と、やはり少なめでした。委員の出席状況は衆院とは違ってたいへんよく、この日も与野党を問わずほとんどの委員が席についていました。

最後に、参院憲法審の事務局に苦言を呈しておきたいと思います。この日、法制局長と憲法審事務局長の説明がありましたが、その資料が傍聴人には配布されませんでした。後日ホームページに掲載されることもありません。衆議院と比較して、たいへん遅れた対応であり(衆院憲法審では数十ページに上るような資料も配布されますし、すぐにホームページにアップされます)、早急な改善を求めます。(銀)

千葉からのお便りを紹介します。
* * * * * * *

12月4日、君津市の上総公民館で、動労千葉・木更津支部が呼びかけた「JR久留里線・房総廃線を許すな! 12・4上総地域集会」が行われ、150名が結集しました。久留里線沿線・上総地域住民が多数参加し、周辺自治体の市議会議員も何名も参加していました。
木更津1
地方の鉄道廃線化に向けた国土交通省・有識者会議の提言を受けて、JR各社は「廃線対象線区」を発表しました。この中で久留里線は、特に久留里~上総亀山間は「収支率最悪」と新聞やテレビで悪宣伝されています。こういう中で集会が計画されていきました。
木更津2

集会では、始めにDVD「ローカル線『大虐殺』を許すな!」の上映があり、木更津支部からの主催者挨拶のあと、動労千葉・関委員長、賛同団体の「内房線と地域を守る会と「外房線と地域を守る会」からの挨拶がありました。さらに、沿線住民・団体からの訴えや会場からの発言があり、今後の取り組みとして久留里線廃線反対署名の提起が行われました。
沿線住民・団体からは、「学校がなくなると同時に、JRも廃止されようとしている。地域を守りたい」「鉄道は公共交通だ、残さなければいけない」「住民の力を借りながら、大きな運動にすることが大事。こういう集まりが行われる意義は大きい。議員としても全力で頑張る」などの発言がありました。

集会を成功させるために、動労千葉を支援する会・木更津でも労働組合や各種団体、各市の市長・議員などに要請を行い、上総地域の住民への呼びかけも行っていきました。沿線地域への新聞の折り込み広告も行いました。
私自身は、地元集落へチラシを持って、一軒一軒ポステングを行いました。実際にやってみたら反応がすごく良かったのです。「しょうがない」という声が多いのかと思っていたら、会えた人は好意的で、「廃止されたら困る」「地域がますます衰退してしまう」といった声が多いのです。集会に参加してくれた人も、知っている人が何人もいました。
また、集会を行った久留里地区の飲食店やスーパーなどにポスターを張らせてもらおうと回り、5カ所だけでしたが全部OKでした。

廃線に反対の住民署名をツールに、久留里線と地域を守る会を作っていければと思います。(動労千葉を支援する会・木更津 tama)


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