栃木県連絡会からの報告です。* * * * * * *
大田原市に続いて「つくる会」教科書が採択される可能性があった栃木市について、採択を阻止しました。
栃木県連絡会では、6月上旬の第1回の採択協議会(栃木市では「選定委員会」と呼んでいる)以前から、今回の7月29日の最後の採択協議会にいたるまで、大田原市と共に栃木市に対しても、採択協議会そのものへの傍聴行動はもちろん、教育委員会などに再三再四要請などの行動をおこなってきました。栃木市については昨年度まで、石原慎太郎などと釣魚台に銃器を持ち込んだこともある濱口和久なる右翼が市の重要ポストにいたこともあり、今回の採択でも「つくる会」教科書が採択されてもおかしくない、という状況でした。しかも、大田原市ほどではないにしても採択協議会の内容について、教科書調査の報告など肝心な部分を非公開にしている傾向が強く、この全面公開要求を含めて何度も教育委員会には乗り込みました。
「最後」の採択協議会(選定委員会)の前々日(27日 )には、田上代表と共に、教育委員会にかなり強力な申し入れをおこない、その申入書自身を「(2日後の)選定委員会の委員全員に必ず配ります」と担当課長に約束させました。
栃木市教育委員会への申し入れ(7/27)
そのかいあって、翌日の『下野新聞』には「百万人署名運動が申し入れ」との報道記事も出て、29日当日朝には実際に申入書が委員全員に配布されていることも確認し、そして30人ほどが押しかけていた「最後」の選定委員会を傍聴しました。
結果は、教育委員の中や、学校現場、校長会などからも「(扶桑社や自由社ではない)以前と同じ教科書がいい」との意見が相次ぎ、「つくる会」教科書の採択は阻止しました。
2001年の下都賀地区での採択を撤回させたたたかい以降、当時の下都賀地区は細分化され、その下都賀地区の中心であった栃木市での採択がずっと狙われて来たことは確実です。栃木県連絡会は、この01年のたたかい以来「つくる会」採択阻止の先頭を担ってきたと自負していますが、今回もかなりねばり強いたたかいを展開して、採択を阻止したことの意義は大きいと思っています。引き続き戦争絶対反対、改憲阻止のたたかいを全国の仲間と共にがんばります!(栃木県連絡会事務局)
●栃木県連絡会が出した「要望書}は下記の通りです。
栃木市教育委員会殿
要望書
今回の中学校社会科教科書の選定・採択にあたって、栃木市教育委員会が右翼団体「新しい歴史教科書をつくる会」などによる扶桑社、自由社版教科書を採択しないよう強く要望します。
この両社による教科書は侵略戦争の歴史を美化し、核武装と憲法改悪を推し進めるための教科書ならざる「教科書」であり、国境と民族で世界の労働者・住民を分断し、戦争を推し進めるためのものであるからです。栃木県大田原市教育委員会は、こうした「歴史の偽造書」ともいえる書籍を、地域住民にほぼ非公開というかたちで選定・採択し、「教科書」として強権的に教育現場に押しつけようとするのは卑劣そのものです。
おりしも世界的な大不況といわれる中で、日本も含めて世界中の労働者が貧困と生活苦に追い込められ、世界各地で労働者・住民の反乱が吹き出し始めています。かつて60~70余年前にも同じような大恐慌の中で労働者の反乱と、そして戦争が吹き荒れていきました。各国首脳によって、表向きは「軍縮・平和」が語られながら、その実それぞれの国では保護主義的政策を満展開させ、世界の貿易は縮小し、そうして主要国は資源と市場を求めて侵略戦争に打って出たということです。南京大虐殺も、そしてヒロシマ、ナガサキも、資源と市場を求めて強行された戦争の一つの結果であり、その戦争によって日本とアジアの数千万の労働者・住民が犠牲になりました。
先頃、そのあまりの突出した歴史観により自衛隊を更迭された田母神氏が、今、各地で講演などをおこなっています。この中で彼は「南京虐殺はなかった」などという扶桑社版や自由社版「教科書」と同じ主張を述べています。しかし、問題は「虐殺があったか、なかったか」、あるいは「規模が大きかったか、小さかったか」ということではありません。戦争それ自身と、さらには戦争を強行しようとする「国家」に「理性があるか、ないか」と言う論議では決してないということです。戦争に理性など絶対にありえません。そして、戦争を強行しようとする国家にも、やはり理性のカケラも無いということです。
さて、栃木市教育委員会は来る7月29日の第3回選定委員会のやり方について、大田原市と
同様、「調査報告書」と「選定決定協議」を非公開でおこなうと発表しました。これは、教科書の選定結果が次代を担う子どもたちにとって大きな影響を与えることからして、教育に関心を払う親たち・住民が憲法上有する「知る権利・自由」を侵害するものに他なりません。すでに採択がおこなわれた隣接市の下野市ではすべてが公開されました。これは憲法上から言っても当然のことです。従来の規則を改め、是非公開されるよう強く求めるものです。
以上の趣旨に踏まえ、以下の点を要望いたします。
1)教科書の調査報告と選定協議の過程すべてを公開し、あらゆる一切の「密室性」をなくすことを要望します。まず、その第一として調査員報告の公開を是非とも求めます。
2)あらためて扶桑社版、自由社版の教科書を採択しないよう求めます。
特に、上記1)の事項については、次回選定委員会である7月29日の開会前にあらためて伺い、この要望の「結果」についての回答を求めたいと思います。
(以上)
2009年7月27日
とめよう戦争への道!百万人署名運動・栃木県連絡会(代表田上中/ 渡辺登)
〒328-0024 栃木市樋ノ口町44-21
Tel.0282-22-4757 / Fax.0282-23-7263
大田原市に続いて「つくる会」教科書が採択される可能性があった栃木市について、採択を阻止しました。
栃木県連絡会では、6月上旬の第1回の採択協議会(栃木市では「選定委員会」と呼んでいる)以前から、今回の7月29日の最後の採択協議会にいたるまで、大田原市と共に栃木市に対しても、採択協議会そのものへの傍聴行動はもちろん、教育委員会などに再三再四要請などの行動をおこなってきました。栃木市については昨年度まで、石原慎太郎などと釣魚台に銃器を持ち込んだこともある濱口和久なる右翼が市の重要ポストにいたこともあり、今回の採択でも「つくる会」教科書が採択されてもおかしくない、という状況でした。しかも、大田原市ほどではないにしても採択協議会の内容について、教科書調査の報告など肝心な部分を非公開にしている傾向が強く、この全面公開要求を含めて何度も教育委員会には乗り込みました。
「最後」の採択協議会(選定委員会)の前々日(27日 )には、田上代表と共に、教育委員会にかなり強力な申し入れをおこない、その申入書自身を「(2日後の)選定委員会の委員全員に必ず配ります」と担当課長に約束させました。
栃木市教育委員会への申し入れ(7/27)
そのかいあって、翌日の『下野新聞』には「百万人署名運動が申し入れ」との報道記事も出て、29日当日朝には実際に申入書が委員全員に配布されていることも確認し、そして30人ほどが押しかけていた「最後」の選定委員会を傍聴しました。
結果は、教育委員の中や、学校現場、校長会などからも「(扶桑社や自由社ではない)以前と同じ教科書がいい」との意見が相次ぎ、「つくる会」教科書の採択は阻止しました。
2001年の下都賀地区での採択を撤回させたたたかい以降、当時の下都賀地区は細分化され、その下都賀地区の中心であった栃木市での採択がずっと狙われて来たことは確実です。栃木県連絡会は、この01年のたたかい以来「つくる会」採択阻止の先頭を担ってきたと自負していますが、今回もかなりねばり強いたたかいを展開して、採択を阻止したことの意義は大きいと思っています。引き続き戦争絶対反対、改憲阻止のたたかいを全国の仲間と共にがんばります!(栃木県連絡会事務局)
●栃木県連絡会が出した「要望書}は下記の通りです。
栃木市教育委員会殿
要望書
今回の中学校社会科教科書の選定・採択にあたって、栃木市教育委員会が右翼団体「新しい歴史教科書をつくる会」などによる扶桑社、自由社版教科書を採択しないよう強く要望します。
この両社による教科書は侵略戦争の歴史を美化し、核武装と憲法改悪を推し進めるための教科書ならざる「教科書」であり、国境と民族で世界の労働者・住民を分断し、戦争を推し進めるためのものであるからです。栃木県大田原市教育委員会は、こうした「歴史の偽造書」ともいえる書籍を、地域住民にほぼ非公開というかたちで選定・採択し、「教科書」として強権的に教育現場に押しつけようとするのは卑劣そのものです。
おりしも世界的な大不況といわれる中で、日本も含めて世界中の労働者が貧困と生活苦に追い込められ、世界各地で労働者・住民の反乱が吹き出し始めています。かつて60~70余年前にも同じような大恐慌の中で労働者の反乱と、そして戦争が吹き荒れていきました。各国首脳によって、表向きは「軍縮・平和」が語られながら、その実それぞれの国では保護主義的政策を満展開させ、世界の貿易は縮小し、そうして主要国は資源と市場を求めて侵略戦争に打って出たということです。南京大虐殺も、そしてヒロシマ、ナガサキも、資源と市場を求めて強行された戦争の一つの結果であり、その戦争によって日本とアジアの数千万の労働者・住民が犠牲になりました。
先頃、そのあまりの突出した歴史観により自衛隊を更迭された田母神氏が、今、各地で講演などをおこなっています。この中で彼は「南京虐殺はなかった」などという扶桑社版や自由社版「教科書」と同じ主張を述べています。しかし、問題は「虐殺があったか、なかったか」、あるいは「規模が大きかったか、小さかったか」ということではありません。戦争それ自身と、さらには戦争を強行しようとする「国家」に「理性があるか、ないか」と言う論議では決してないということです。戦争に理性など絶対にありえません。そして、戦争を強行しようとする国家にも、やはり理性のカケラも無いということです。
さて、栃木市教育委員会は来る7月29日の第3回選定委員会のやり方について、大田原市と
同様、「調査報告書」と「選定決定協議」を非公開でおこなうと発表しました。これは、教科書の選定結果が次代を担う子どもたちにとって大きな影響を与えることからして、教育に関心を払う親たち・住民が憲法上有する「知る権利・自由」を侵害するものに他なりません。すでに採択がおこなわれた隣接市の下野市ではすべてが公開されました。これは憲法上から言っても当然のことです。従来の規則を改め、是非公開されるよう強く求めるものです。
以上の趣旨に踏まえ、以下の点を要望いたします。
1)教科書の調査報告と選定協議の過程すべてを公開し、あらゆる一切の「密室性」をなくすことを要望します。まず、その第一として調査員報告の公開を是非とも求めます。
2)あらためて扶桑社版、自由社版の教科書を採択しないよう求めます。
特に、上記1)の事項については、次回選定委員会である7月29日の開会前にあらためて伺い、この要望の「結果」についての回答を求めたいと思います。
(以上)
2009年7月27日
とめよう戦争への道!百万人署名運動・栃木県連絡会(代表田上中/ 渡辺登)
〒328-0024 栃木市樋ノ口町44-21
Tel.0282-22-4757 / Fax.0282-23-7263