百万人署名運動は5月19日、「いまこそ改憲阻止へ!5・19全国集会」を開催しました。参加は540名でした。集会の最後に立った西川重則さんは、「戦争を止めるのは議会じゃない、人民だ。改憲阻止にむけて全県的に連絡会を! 横のつながりを強化しながら、真の意味でリーダーシップのとれる運動を!」と訴え、歴史的な集会をまとめました。集会後は自民党本部からアメリカ大使館前を通り、国会周辺を歩くデモを行いました。
オープンスペース街の皆さんの日誌↓
http://kumanomi.suichu-ka.com/machi2007.5.10.html
集会は岩井健作さん(牧師、呼びかけ人)の開会挨拶で始まりました。岩井さんは、海上自衛隊を投入した辺野古「事前調査」の強行を弾劾するとともに、「今一度、地域から運動を!」をモットーにして、peopleが立ち上がる礎になる行動をともに進めていこうと訴えました。
「9条改憲阻止の会」の蔵田計成さんは、リレーハンストを貫徹して、行動こそが最高のプロパガンダだと実感したこと、たとえ少数者でも国会前での政治空間を切り開くことができたこと、来る6・15闘争を、改憲阻止への大きな一歩としていくと話しました。
参議院議員の近藤正道さん(参院憲法調査特別委員)は、改憲投票法の問題点を明快に語りながら、「議員立法に付帯決議は異例のこと。しかも18項目も並べて、それらの検討を続けると言いながらの採決なんでデタラメだ」と採決強行を弾劾しました。そして、3年間の改憲阻止の本番が始まった、今こそ力を合わせて闘おうと訴えられました。
この3月まで国立市の市長だった上原公子さんは、右派の台頭の激しさに警鐘を鳴らしながらも、埼玉で行われた地方公聴会での元県議の「日本は天皇制の国家である」という発言を例にあげ、本音をもらす右派の発言をうまく利用して、改憲反対の運動を強くしていこうと話しました。また、警視庁が120数ヵ所の交番を廃止し、パトロールを強化し、交番は民間に貸し出すという方針を打ち出したことを例に出し、現代の自警団づくり・隣組の形成が始まっていると述べ、このようなソフトな形での戦争国家づくりとも闘わなければならないと話しました。
「朝鮮有事と9条改憲」というタイトルで講演した梅田正己さんは、「北朝鮮のミサイル発射実験や核実験は大々的に報道されたが、なぜ北朝鮮はこのような愚かな行為に踏み出しているのかという論議がまったくなされていない」と切り出し、「北朝鮮脅威」キャンペーンがいかにデタラメであるかを具体的に批判しました。
梅田さんはまず北朝鮮とアメリカが歴史的に今も戦争関係にあることを示し、北朝鮮政府にとって最大の脅威はアメリカであること、そのリアルさを踏まえなければならないと提起しました。そして、日本の自衛隊は、それを政治利用し、米軍のような軍隊へと変貌しつつあること、その仕上げが9条2項の破壊、改憲であることを話しました。
続いて、「裁判員制度はいらない!大運動」事務局長の佐藤和利弁護士から6・29集会のアピールが行われました。
休憩をはさんで、事務局次長の小田原紀雄さんが、「本集会を9条改憲阻止への再出発の機会にしよう」と題して基調を熱烈に提起しました。
<基調提起ー方針部分の骨子>
①北朝鮮脅威論にも対応できる恒常的な学習会、政治討論の場を設定しよう。いわゆる活動家ではない人々にも参加を求め、エネルギーを蓄えよう。
②連絡会運動の点検と再組織化を。賛同人どうしの交流を深め、この人々の知恵、力、人脈を掘り起こそう。攻勢に出て、その過程で連絡会活動を再組織しよう。
③9条改憲阻止の闘いは反戦・反基地闘争の昂揚と一体。共闘と連携を深めて反戦反基地闘争を展開しよう。パトリオット3配備と辺野古新基地建設の阻止を。
④格差社会に怒り、労働者と反戦・反改憲の戦列を組もう。労働者や学生は職場や学園で闘い、闘う仲間を増やそう。労働者の団結と闘いは、反戦・反改憲の民衆運動との連動・連携の中でさらに強まり発展する。
⑤百万人署名運動の生命線である署名の拡大をなんとしても推進しよう。この3年間の攻防の中でまず100万人の署名を達成しよう。そのためにも労働者を主体とした連絡会を全国に拡大していこう。
⑥改憲阻止運動の広範な統一戦線を構築しよう。「小異を残して大同につく」という原則に確信を持ち、運動主体としての力量をさらにつけて共闘の役割を果たしていこう。
続いて5つの連絡会から報告とアピールが行われました。新潟から小野坂弘さん、埼玉から石井碩行さん、兵庫から梶原義行さん、広島から伊豆ハルミさん、東京北部地域から五條敦さんが発言しました。石井さんはパトリオット配備阻止を訴え、梶原さんは百万人署名運動の意義を明快に語りました。
2時間半の集会でしたが、内容の濃い、闘いへの意欲に満ちた集会だったと思います。また、カンパアピールで発言した神奈川県の女性の“自分はなぜこういう運動に参加したか”という話も心に残りました。