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 6月22日(金)、西川重則事務局長ら3名で、市ヶ谷にある防衛省に抗議・申し入れに行ってきました。自衛隊がイラク反戦を訴える市民の行動を系統的に監視し、克明に記録した資料を作成していたことが内部告発によって明らかになりましたが、その中に百万人署名運動のイラク派兵反対署名活動なども数多く記載されていたからです。
 防衛省側は防衛大臣直属の防衛政策局調査課・情報保全企画室の阿波氏(課長補佐にあたるそうです)ら3名が応対しました。西川事務局長が、申入書にそって今回明らかになった自衛隊の市民運動などへの監視行動について抗議し、憲法で保障されている知る権利・思想信条の自由・表現の自由の侵害であり直ちに中止するよう警告・要請しました。
 しかし、これに対する防衛省側の返答は、自衛隊の情報収集の必要性・正当性を訴えるのみで、何の非も認めていない、というものでした。改めて、事態の深刻さを痛感しました。沖縄の辺野古への海上自衛隊派遣という驚くべき事態と相まって、自衛隊の銃口が戦争に反対する国民にもすでに向けられている実態をまのあたりにした思いでした。

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<抗議申入書>

防衛大臣 久間章生 様
陸上自衛隊情報保全隊長 高山治彦 様

自衛隊情報保全隊による監視活動の中止を求めます

 2007年6月6日、日本共産党により、自衛隊情報保全隊が日常的に全国各地の反戦運動などを監視し、その情報を系統的に収集・分析している内部文書が明らかにされました。
 文書は、2003年12月から2004年3月までに陸上自衛隊情報保全隊が作成したもので、自衛隊イラク派兵反対運動など、個人や団体による幅広い行動を追跡、多数の市民の実名を記載し、デモや集会の写真も掲載しています。私たち「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の各地方連絡会の活動についても、東北、関東、関西などで情報収集が行われていま
す。
 しかも久間防衛相は、国会で「国民は平等に情報収集対象」と驚くべき発言をしています。しかしそのような調査は、憲法で保障されている国民の知る権利や思想・信条の自由、表現の自由など(憲法第11条・19条・21条ほか)を公然と侵害する違憲・違法な行為であり、戦前・戦中の憲兵活動の復活の第一歩というべきであり、許されるものではありません。
 ブッシュ大統領のイラク侵略戦争に自衛隊が参戦する中で、自衛隊が国内の反対運動に極めて神経質になっていたことは明白です。しかし、重要なことは、自衛隊が、本格的な海外派兵に踏みだすことによって、私たち日本の民衆にも戦前同様にその凶悪な牙をむき出しにし、警察とともに監視・規制を当然視するに至ったことです。

 一方、今年3月末までに全国の市町村で「国民保護計画」が制定されました。北朝鮮のミサイルやゲリラに備えると称して、自衛隊が各地方自治体と一体となって、全住民の戦争動員をはかり、本格的に訓練を実施しようとしています。
 他方沖縄では、辺野古沖に基地建設のための事前調査と称して海上自衛隊が投入されました。さらに沖縄戦下での集団自決への軍介入を否定する教科書改ざん問題と相まって、全県民の憤激を巻き起こしています。

 私たちは以上のような現状を直視する時、防衛庁の省昇格とともに海外派兵が本来任務化する一方で、日本社会全体をいつか来たカーキ色の軍国主義に染め上げかねない自衛隊の最近の動向に強い危惧の念を抱かざるを得ません。

 私たち「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」は、自衛隊の最高責任者である首相および防衛大臣始め全閣僚と防衛省に対し、自衛隊情報保全隊による集会デモ等の違憲・違法な監視活動についての重大な問題性を認識されることを求めるとともに、以下の点を強く要請します。

一、自衛隊情報保全隊による違憲・違法な監視・情報収集活動を直ちに中止すること。
一、情報保全隊が収集した、イラク派遣反対に関する情報をすべて開示すること。
一、「百万人署名運動」に関する別紙の質問について、早急に返答されること。

2007年6月22日
とめよう戦争への道!百万人署名運動 事務局長・西川重則
〒101-0061千代田区三崎町2-6-7-301 tel.fax.03-5211-5415

 さらに、多くの記載の中で、基地への直接の要請行動ではなく、各地の集会やデモ・街頭署名活動についての記載を具体的に取り上げ、自衛隊がそれぞれの行動予定を事前にどのよう入手し、当日どのような体制で情報を収集したのか、個々についての質問も添付しました。
 これについては、「インターネット、出版物、街頭で撒かれたもの、集会参加者から聞く。決して盗聴はしていない」と一般的な返答のみ。個々のケースや、「一人でビラまきをしていた」という記載があるがこれはどうやってわかったのか?という質問にも、「共産党がだしたもので、直接、防衛省が公表したものではないので、そういうものについては、お答えできません」の一点張りでした。作ったのは防衛省なのに!こんな屁理屈を言って平然として、もう時間です、と退席していくとは何事か!はらわたが煮えかえる思いでした。
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 この「情報保全隊」というのは、中期防衛力整備計画(2001年~2005年)の中で情報保全活動をより充実させるためにでてきたもので、それまでの「調査隊」を廃止して2003年3月に発足したものです。まさに米英軍のイラク爆撃が開始された年であり、日本政府のイラクへの自衛隊派兵の決断と一致しています。自衛隊が侵略軍に変貌していく中で、これに反対する民衆の行動を圧殺する、戦前・戦中の憲兵隊のようなものが動き出したと言えます。こんなことは絶対に認められません。市民への監視をすぐにやめろ!の声を全国からあげていきましょう。