11月24日(月・休)、千葉県船橋市で「パトリオットミサイルはいらない習志野基地行動実行委員会」主催の集会・デモが行われ参加しました。昨年11月に航空自衛隊習志野駐屯地にPAC3が配備されたときは徹夜の阻止行動を闘いましたが、その後、神奈川県の武山基地や、茨城県の霞ヶ浦基地への配備、また市ヶ谷の防衛省そのものへの搬入などが強行されています。
 この日の行動はまず第一段として、午後1時から、新京成線「新津田沼駅」前の公園で集会を持ちました。集会は大野ひろみ県議の司会で、「実行委」の吉沢さんの基調報告、連帯の挨拶。メッセージ紹介などがありました。基調報告の中で、毎月1回、津田沼駅でのビラ配りを継続していること、そして1周年行動が組まれたことなど報告されました。
 その後、JR津田沼駅前を一巡するデモを行いました。この日は集会が始まると同時に雨が降り出し、その後ずーと降り続く中でしたが、休日で人通りも多く、デモは注目を集めたものになりました。

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 行動の第二段は、電車に乗って場所を移動して基地近くの薬園台公園に再結集し、そこで約1時間、参加者のリレートークを行いました。県内各地から参加した団体はその団体の紹介も行いましたので、いろいろな闘いがPAC3闘争と結びついて、県内・地元で行われていることがわかりました。百万人署名運動も発言し、11月29日に岐阜で各務ヶ原基地へのPAC3配備反対の闘争があることも紹介しました。また、百万の呼びかけ人の三吉牧師も発言され、三里塚で巨大な滑走路の下で農業を続けている市東孝雄さんの闘いが軍事につながる空港建設を阻んでいてすごいと言われました。松戸の「市民自治1000人の会」を中心とする人たちは「裁判員制度はいらない」運動に取り組んでいることなど報告しました。
 午後4時から、2回目のデモに出発。習志野基地正門前では戦闘服姿の自衛隊員がデモ隊の写真を撮っていたり、右翼が「自衛隊は左翼を皆殺しにしろ」などと言っていました。デモ隊は、スピーカーで「PAC3はいらない!」「習志野からPAC3を撤去せよ!」等々、元気よくシュプレヒコールをあげ、寒い一日でしたが、抗議行動をやりぬきました。(事務局T)
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●11.24集会での基調報告(習志野基地行動実行委員会:吉沢弘志さん)の内容を紹介します。
 昨年11月29日未明にシステムの一部の搬入が強行されてから1年がたちました。この間、私たち<パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会>は、12月1日の配備強行糾弾抗議集会以後も、毎月の定例駅頭宣伝と実行委員会、防衛省へのヒアリング、基地への申し入れ行動と活動を継続させ、本日の市民統一抗議行動を迎えることができました。
 この1年の間、政府防衛省は強引に「ミサイル防衛」計画を推し進めてきました。12月のハワイ沖でのイージス艦「こんごう」のSM-3実射実験、1月には新宿御苑での実地調査、2月、3月、4月と武山基地、霞ヶ浦基地そして浜松基地へのPAC-3配備、サミット直後の7月11日には、日本海に日米のSM-3搭載イージス艦を配置し首都圏の全システムを動かしての日米合同ミサイル防衛演習、そして7月28日にはこの習志野基地のPAC-3システムを防衛省敷地内に持ち込んで、移動展開訓練が行われました。9月18日の米ニューメキシコ州の射場での実射訓練を経て、現在国内PAC-3は「使用可能」となり、実際的な運用訓練に入るとされ、今月初めからは入間基地のPAC-3システムが朝霞基地で展開訓練を行っています。7月28日もそうでしたが、他の基地でも密かに行われているかもしれません。
 こうした政府防衛省の一貫した推進強行の裏で、ミサイル防衛の陰の部分も明らかになってきました。まず「ミサイル防衛」導入を無理矢理に実現させた守屋元事務次官ほか「防衛利権」の問題が明るみに出てきました。この千葉県では、最新型SM-3搭載を予定されているイージス艦「あたご」により漁船清徳丸が衝突破壊され、尊いお二人の生命が失われました。自衛隊員の自殺やいじめ、犯罪も増加し、新防衛大綱以来の自衛隊の変質がもたらす混乱があらわになっています。
 そして、今月になって立て続けに私たちが一貫して主張してきた「ミサイル防衛」の問題点がそのまま露呈する出来事が連続しました。まずこの間のPAC-3計画を推進してきた張本人である田母神俊雄前空自幕僚長の愚劣な歴史観に基づく論文の公表と更迭があります。しかも田母神個人ではなく自衛隊制服組全体の問題です。そして、11月5日、アメリカ大統領選でオバマ候補が勝ち、"Yes,we can!"をキーワードとする勝利演説を行った直後、ロシア連邦のメドヴェージェフ大統領は、米主導のミサイル防衛に対抗するためにポーランド内の飛び領地であるカリーニングラードに核搭載可能な新型ミサイル「イスカンデル」を配備すると発表しました。このことは昨年発表のポーランド東側国境に接するベラルーシ共和国への同型ミサイル配備と相まって、NATO・EU圏を挟み打つことになり、両陣営の軍事的緊張を一気に高めることになります。
 二つの世界大戦を経験した私たち地球市民は21世紀を軍事に頼らない平和を実現する世紀として迎えたはずでした。それを9.11同時多発テロ以来ブッシュ政権は完全に反対の方向に推し進め、その結果として世界の安全保障が軍事優先に変わろうとしています。その象徴が「ミサイル防衛」です。憲法前文で「世界市民の平和的共存権の実現」を謳っているにもかかわらず、米主導のミサイル防衛に唯一積極的に参加し多額の税金をつぎ込んでいる日本の姿勢は許されざるものです。
 そして極め付きは20日のイージス艦「ちょうかい」でのSM-3実射実験の失敗です。1発20億、総額60億円もの税金を使いながら、実際には使い物にならないことを証明したことになります。これまでの実射実験に150億円が使われています。総額6兆円もの利権まみれの税金がこんなモノに使われる、その一方で福祉、医療、教育に関わる歳出が毎年大幅に削減されている、私たち主権者・納税者は怒らなければなりません。
 4月27日の名古屋高裁イラク自衛隊派遣違憲判決で具体的権利として認められた「平和的生存権」を持つ私たち平和を愛する市民は、憲法の平和主義の理念を破壊し、日本と世界の平和を脅かす「ミサイル防衛」に反対するこの闘いを、ブッシュ政権とそれに追随する国々がもたらしたグローバリズムの名の下の非人間的世界が 完全に破綻している今、すべての地球市民に平和と人間としての尊厳を実現する世界規模の闘いの最前線にいるという自覚も持ちましょう。そして国内の平和を目指す闘い、反格差・反貧困の闘い、そして全世界の反グローバリズムの闘いとしっかりと連帯・連携しこれからも進んで行くことを確認しましょう。


「PAC3習志野基地強行配備1年 11・24市民統一抗議行動」(津田沼・習志野)で提起された吉沢弘志さんの基調報告を掲載します。

 昨年11月29日未明にシステムの一部の搬入が強行されてから1年がたちました。この間私たち<パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会>は、12月1日の配備強行糾弾抗議集会以後も、毎月の定例駅頭宣伝と実行委員会、防衛省へのヒアリング、基地への申し入れ行動と活動を継続させ、本日の市民統一抗議行動を迎えることができました。
 この1年の間、政府防衛省は強引に「ミサイル防衛」計画を推し進めてきました。12月のハワイ沖でのイージス艦「こんごう」のSM-3実射実験、1月には新宿御苑での実地調査、2月3月4月と武山基地、霞ヶ浦基地そして浜松基地へのPAC-3配備、サミット直後の7月11日には、日本海に日米のSM-3搭載イージス艦を配置し首都圏の全システムを動かしての日米合同ミサイル防衛演習、そして7月28日にはこの習志野基地のPAC-3システムを防衛省敷地内に持ち込んで、移動展開訓練が行われました。9月18日の米ニューメキシコ州の射場での実射訓練を経て、現在国内PAC-3は「使用可能」となり、実際的な運用訓練に入るとされ、今月初めからは入間基地のPAC-3システムが朝霞基地で展開訓練を行っています。7月28日もそうでしたが、他の基地でも密かに行われているかもしれません。
 こうした政府防衛省の一貫した推進強行の裏で、ミサイル防衛の陰の部分も明らかになってきました。まず「ミサイル防衛」導入を無理矢理に実現させた守屋元事務次官ほか「防衛利権」の問題が明るみに出てきました。この千葉県では、最新型SM-3搭載を予定されているイージス艦「あたご」により漁船清徳丸が衝突破壊され、尊いお二人の生命が失われました。自衛隊員の自殺やいじめ、犯罪も増加し、新防衛大綱以来の自衛隊の変質がもたらす混乱があらわになっています。
 そして今月になって立て続けに私たちが一貫して主張してきた「ミサイル防衛」の問題点がそのまま露呈する出来事が連続しました。
 まずこの間のPAC-3計画を推進してきた張本人である田母神俊雄前空自幕僚長の愚劣な歴史観に基づく論文の公表と更迭があります。しかも田母神個人ではなく自衛隊制服組全体の問題です。
 そして、11月5日、アメリカ大統領選でオバマ候補が勝ち、"Yes,we can!"をキーワードとする勝利演説を行った直後、ロシア連邦のメドヴェージェフ大統領は、米主導のミサイル防衛に対抗するためにポーランド内の飛び領地であるカリーニングラードに核搭載可能な新型ミサイル「イスカンデル」を配備すると発表しました。このことは昨年発表のポーランド東側国境に接するベラルーシ共和国への同型ミサイル配備と相まって、NATO・EU圏を挟み打つことになり、両陣営の軍事的緊張を一気に高めることになります。
 二つの世界大戦を経験した私たち地球市民は21世紀を軍事に頼らない平和を実現する世紀として迎えたはずでした。それを9.11同時多発テロ以来ブッシュ政権は完全に反対の方向に推し進め、その結果として世界の安全保障が軍事優先に変わろうとしています。その象徴が「ミサイル防衛」です。憲法前文で「世界市民の平和的共存権の実現」を謳っているにもかかわらず、米主導のミサイル防衛に唯一積極的に参加し多額の税金をつぎ込んでいる日本の姿勢は許されざるものです。
 そして極め付きは20日のイージス艦「ちょうかい」でのSM-3実射実験の失敗です。1発20億、総額60億円もの税金を使いながら、実際には使い物にならないことを証明したことになります。これまでの実射実験に150億円が使われています。総額6兆円もの利権まみれの税金がこんなモノに使われる、その一方で福祉、医療、教育に関わる歳出が毎年大幅に削減されている、私たち主権者・納税者は怒らなければなりません。
 4月27日の名古屋高裁イラク自衛隊派遣違憲判決で具体的権利として認められた「平和的生存権」を持つ私たち平和を愛する市民は、憲法の平和主義の理念を破壊し、日本と世界の平和を脅かす「ミサイル防衛」に反対するこの闘いを、ブッシュ政権とそれに追随する国々がもたらしたグローバリズムの名の下の非人間的世界が 完全に破綻している今、すべての地球市民に平和と人間としての尊厳を実現する世界規模の闘いの最前線にいるという自覚も持ちましょう。そして国内の平和を目指す闘い、反格差・反貧困の闘い、そして全世界の反グローバリズムの闘いとしっかりと連帯・連携しこれからも進んで行くことを確認しましょう。