お便りを紹介します。
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 この間、何回か都立高校の卒業式での「日の丸・君が代」強制に反対するビラまき行動に参加しました。朝8時~10時まで、2人で250枚くらいのビラを保護者や生徒たちに手渡しています。学校によって、卒業生の服装が制服姿だけのところと、ほとんどみんな羽織・袴姿だったところとあり、その違いに驚きました。たまに「私も、これに賛成ですよ!」と声をかけてくれるお母さんもいました。
 ある高校で先生に聞いたところ、職員会議その他で卒・入学式の「日の丸・君が代」問題は今はほとんど論議になっていない、論議させないとのことでした。「10.23通達」からすでに5年、教育現場はだいぶ様変わりしているようです。3月4日の都庁前アクションで根津先生が「10.23通達を過去のものとしないで、今私たちが解決しなくてはならないものとして確認しよう」と言っていましたが、本当にそうだ、現場から闘いを起こしていかなくてはどうにもならない、と思いました。
 その学校では、途中、マスクをして学校内外を見回っている男性が2人いました。今年はこれまでのように公安警察が監視するという動きは見られないなぁと思っていた矢先だったので、私服刑事ではないかと緊張しました。警備の先生が親しく話していたので、確認したところ、その人達は地域の「学校運営協議会」の人たちだということでした。
 後日、この「学校運営協議会」というのは何だろうと調べてみたら、「教育委員会が個別に指定する学校ごとに、当該学校の運営に関して協議するためにおかれる機関のことである」と書かれていました。2004年3月に、文部科学省の中央教育審議会から「今後の学校の管理運営の在り方について」という題名の答申が出され、その中で「保護者や地域住民が一定の権限を持って運営に参画する新しいタイプの公立学校」の促進案が出されたそうです。そして、その実現をめざして「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部が改正され、同年9月9日からこの制度ができたとのことでした。そして、これに参加できる人は?というと、「校長が教育委員会に推薦した委員が任命される」とありました!
 2004年といえば、「10.23通達」が出た翌年です。都教委は、賃金削減や解雇恫喝という「暴力」を使って、あくまで「10.23通達」を貫徹しようとしていますが、この激しい攻撃と一体で、このような制度も作られているのだなと思いました。根津先生は「学校で教員が黙っていることで、子どもたちが少国民にさせられている。」と警鐘乱打しています。米山先生も「今、不当なことにはおかしいと言い、不当な弾圧に対してはストライキで闘うということをとりもどすときだ。」(3.4都教委前発言より)と訴えています。闘う教育労働者が増え、今こそ労働組合が闘い抜くということが、危険な現状を変えていく大きな力だと痛感しました。(賛同人・K)

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