2月6日(土)夜、3~4月の卒・入学式闘争に向けて「改悪教育基本法路線と対決し、『日の丸・君が代』強制を許さない2・6総決起集会」が東京・中野ゼロホールで行われました。都教委包囲ネットの主催で今年で6回目、220名が参加しました。
 メイン講演は齋藤貴男さん(ジャーナリスト)でしたが、司会も含め発言者18名中17名が教員(退職者含む)で、その所属組合も、東京教組(多摩教組・八王子教組・新宿教組)、都障労組、都高教、さらに千葉・大阪などにもまたがり幅広いものでした。
 現場の教員からは、現在の教育現場の多忙化や都教委による差別分断・管理強化(主幹制度や主任教諭制度など)に対する怒りが訴えられました。都高教のFさんはこのような攻撃に対し「アメとムチでしばっても、都教委の言うとおりの人間にはならない。きちっと闘えない組合に対しても物申し、一人でも闘っていく」と決意を述べました。

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 2003年の「10.23通達」以来、「君が代不起立・不伴奏」で延べ423名もの教員が処分を受けています。しかし、不起立闘争は毎年新たな人が増え継続されています。不当な処分に対しても、人事委員会審理や裁判闘争などで抗議の闘いが続けられています。こうした闘いの報告もありました。その中で、最も重い処分をかけられている根津公子さんは「子どもたちにウソはつけない。今年も子どもたちに私が起立しない訳をきちんと話したい。それが今一番の教育と思う」と真剣な面もちで語りました。そして「根津を分限処分するな!と一緒に声をあげてほしい。大勢の力で分限免職をストップしていきたい」と訴えました。

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 齋藤貴男さんは講演の中で、鳩山民主党政権について「すべての点で自民党の時と変わっていない」とズバリ。民主党は「小泉・竹中路線<構造改革なくして経済成長なし>と決別するとは言っていない」、11月に行われた“事業仕分け”についても「小泉・竹中路線のイデオローグがまたぞろ徴用されている」と指摘しました。

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 集会の最後に、民主党による新たな教員免許法案に反対するアピールがなされました(下記参照)。当日の資料にも元都高教Aさんによる詳しいレポートが入っていましたが、民主党の「新たな教員免許法案」は自民党の「教員免許更新制」を上回る悪法であることが暴露されていました。集会宣言でも「私たちは今、民主党政権や日教組本部などを乗り越える闘いを、市民レベルや教育現場から作り出しつつあります。」「“政権交代”を乗り越え、私たちの力で、愛国心教育、格差拡大教育をうち破りましょう!」と訴えられました。そして、主催者から、今年の卒業式ビラまきへの参加が呼びかけられました。(卒学式ビラまき行動への問い合わせは→ファックス042-574-3093、または電話090-5415-9194 都教委包囲ネット)


●民主党による新たな教員免許法案に反対する、2.6集会アピール

 2009年8月末総選挙で自公政権が倒れ、新たに民主党を中心とする連立政権が誕生しました。
 「戦後レジームからの脱却」を叫ぶ安倍内閣のもとにおいて、2006年に教育基本法が、翌年には教育三法が改悪されました。加えて、石原都政下の都教委の暴走はとどまるところを知りません。「憲法も改悪されて日本はふたたび暗黒時代に戻るのか」私たちはそういう暗い思いの中にいました。しかし、昨年9月の自公政権の崩壊とともに流れが変わりました。
 しかしながら、この政権交代がただちに改悪教育基本法の実働化に歯止めをかけていると考えることはできません。鳩山政権の文科省は悪評の教員免許法更新制を廃止すると明言しました。当然のことです。しかし、この廃止は「新たな教員免許制度」の導入と同時に行うとしています。この「新たな教員免許制度」が問題です。
 それによると、教員免許の取得は大学院修士課程を終了しなければできません。取得まで最低でも6年間を必要とします。経済的負担が大変です。
 また、教員養成のできる大学が限られてしまいます。これでは戦前の師範学校のようなものになってしまいます。戦後の開放教員養成の制度が崩れてしまいます。
 加えて、教育実習を1年間にすると言っています。実習生の経済的負担がまた大変です。身分的にも不安定です。学校側の受け入れ体制はできるのでしょうか。
 さらに、教員免許にも「一般免許」と「専門免許」の格差をつけようとしています。教員をピラミッド型の上下関係のもとに置こうとしています。
 このように民主党案の「新たな教員免許制度」は、「教員の資質向上」を名目に教員免許を通して教員の管理統制を強化し、教員の選別と分断を図るものです。私たちはこの「新たな教員免許制度」の導入を絶対に許してはなりません。
 また、政権与党の民主党は、教育委員会制度を廃止し、教育を行政の直接的な管轄下に置くことを考えています。それは、行政による教育内容への限りない介入を可能とするものであり、むしろ改悪教育基本法のねらいと軌を一にするものです。
 私たちはあらゆる改悪教育基本法路線に反対し、その実働化にひとつひとつ反撃を加えていかなければなりません。わけても教員の管理統制と選別と分断を図る「新たな教員免許制度」を絶対に導入させてはなりません。全国の仲間と連帯し共に闘っていこうではありませんか。
2010年2月6日
改悪教育基本法路線と対決しよう!「日の丸・君が代」強制反対!2.6総決起集会