2月23日(水)の午前11時に都立高校教職員たちの「君が代」解雇裁判の控訴審判決がありました。原告側の訴えを却下する全く不当な判決でした。100名法廷のところ傍聴抽選には200余名が並びました。
「君が代」解雇撤回裁判は、定年退職後の再雇用期間中、あるいはそれを前にした04年3月の卒業式で「君が代」不起立をしたことを理由に、再雇用を拒否され、解雇されたことの不当性を訴えた裁判です。一審「佐村判決(2007年)」は原告の訴えをまったく認めない不当なものでした。今回の控訴審判決も、一審同様ひどいものでした。

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 まず、この裁判では、一審判決を前にして裁判長が三代川氏から佐村氏に変わって判決が出されたのですが、高裁でも、判決直前に来宮裁判長から奥田裁判長に変わりました。また、既に昨年末の段階で右陪審、左陪審も代わっていて、いったい控訴審の2年余、なんのために裁判をしてきたのかと疑うような状況でした。
 奥田裁判長は、「本件控訴をいずれも棄却する。」「控訴費用は控訴人らの負担とする」と言い、判決の骨子を言いますと、3分間で下記のようなことを話しました。
 1.校長の職務命令は原告らの思想・良心を否定するものではなく、また、思想の告白を強要するものではないので憲法19条違反ではない。
 2.10・23通達は「不当な支配」には当たらない。
 3.原告らの行為は信用を失墜させる非違行為であるので、都教委が「勤務成績不良」で、合格を取消したのは裁量権の逸脱ではない。
傍聴席から、不当判決だ!許さない!という声が飛びました。 

 その後、場所を移して、総括集会が開かれました。弁護士から判決内容、その不当性の解説がありました。これから最高裁の審理になるが最高裁は1審や2審のような裁判形式ではないので、しかも、「君が代」関係の裁判が最高裁に集中してきている状況なので、ピアノ判決をうち破るためにたたかうという発言がされました。
 その後、原告からの発言がありました。原告たちはみな、怒りに満ちていました。そして、こんな裁判が許されていいのか、「日の丸・君が代」を強制する教育、時代と闘い続けなければいけないと決意を表明しました。原告の金子さんは「判決に強い怒りと危機感を持つ。判決は佐村判決と同じ。判決文には、生徒たちの証言がなんら取り上げられていない。結審が、審理をしてきた裁判官と総入れ替えになったのもおかしい。判決文で『本件職務命令において他の参加者とともに、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する云々』とのフレーズが何ケ所かにある。『他の参加者とともに』といって、司法が全参加者に強要している。また、都教委は教育内容へ介入することができると言っている。学テ旭川判決でも『教育の営みは…』といって考察している。この判決文にはそうした考察もない。これは改悪された教育基本法によるものであるとも言えるだろう。だから、最高裁で負けられない。」と不当判決への怒りを表明しました。(事務局 T)