今朝、「百万人署名運動全国通信」6月号を入稿しました!というわけで、遅くなってしまいましたが、5月18日(火)夜、東京・日比谷公会堂で行われた「裁判員制度にとどめを!全国集会」(「裁判員制度はいらない大運動」主催)の報告をします。百万人署名運動もこの「大運動」に参加して制度の廃止に向けがんばってきました。
 集会には全国から1800人が参加。この1年間の闘いの成果が集まり、大破綻の惨状を呈している裁判員制度(裁判員裁判の1662件中、まだ1218件も残っていて、裁判はパンク状態)を、さらに目に見える闘いを展開して「とどめを刺そう!」と元気よく確認し合いました。以下、印象に残っている発言を少し紹介します。

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 メイン講演は、斉藤文男さん(九州大学名誉教授)。斉藤さんは開口一番「あなたは、人を殺せますか?」と参加者に問いかけました。そして、「裁判員制度が私たちに強いているのは、そのことなのです」と言い、「殺人は犯罪です。しかし、国家だけが合法的に殺人をなすことを許されています。戦争と死刑です」と国家について論じ始めました。根本的な提起に、ゾクゾクっとしました。
 そして「“裁判員制度は現代の赤紙”というのは、比喩ではない。徴兵が国民の義務とされたように、裁判員は国民の義務とされた。しかし、憲法にこんな義務はありません」と。また「憲法19条は思想良心の自由を保障している。しかし裁判員には拒否できる権利を全く認めていない。いくつか辞退できる例が挙げられているが、“御上のお目こぼし”にすぎない」として、裁判員制度は憲法違反であり、事実上の憲法改正そのものだと弾劾しました。また、裁判員は民間人、だから“徴兵”ではなく“傭兵”、日雇いの民兵だとたとえて、裁判員制度は国家の合法的殺人の民営化であり、裁判員はその片棒を担がされているのだと批判しました。

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 さらに、「刑事裁判は公正でなければならない。市民感覚に流されてはならない。」「司法の役割は、多数の暴走に対し個人の権利と自由を守る砦だ」と原則を確認し、最高裁が言っているまやかしを暴き、“市民参加による司法の民主化”は大嘘だと喝破しました。まだまだ核心的なお話が楽しく続きましたが、割愛ですm(_ _)m。

 特別アピールで元裁判官の遠藤きみさんは、裁判官の数をそのままにして裁判員制度を導入するなんて無理。裁判員裁判もたまりにたまり、他の裁判も滞っている状態で、裁判官や書記官を過労死させるものだ、こんなものは続かないと弾劾しました。

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 そのあと、蛭子能収さん(漫画家)、福島貴和さん(善光寺玄証院住職)、崔洋一さん(映画監督・作家)、大分哲照さん(浄土真宗本願寺派福岡時対教会長)、それぞれの立場から、裁判員制度の怖さや問題点をアピールをされました。

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 さらに、裁判員を経験した男性もビデオレターで「裁判所の職員も裁判官も、本来の仕事ではなく裁判員をもてなすために一生懸命だった」「もし自分が被告席に座ることがあったら、裁判員裁判は受けたくない。間違っているものは、一刻もはやく廃止させるべき」と述べました。
 次に、裁判員裁判候補者たちが登壇。通知を突き返した人、呼び出しに応じたけどその場で裁判員になるのを拒否した人など、一人一人が勇気ある拒否を貫いていました。また、労働組合などで取り組んでいるところもありました。動労千葉は組合員4人と家族1人に通知が届いたが拒否したとのこと。裁判員制度は労働者の団結を破壊するものであり、労働組合こそ反対運動の先頭に立つべきだと訴えました。

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 そのあと、各地で反対運動をしている人々が一斉に登壇しました。弁護士、労働者、主婦、町内会長、地域FMラジオ局スタツフ、宗教者、学生等々。百万人署名運動の各地連絡会も山陰、広島、大阪、栃木などが発言に立ちました。

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自作のプラカードを持って登壇した益永スミコさん。

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法政大学文化連盟もアピール。

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 最後に、「大運動」の高山俊吉弁護士が、まとめと方針提起。

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 「今日なお8割の国民が反対している。裁判員が(100人中)60人70人と辞退している。しかし最高裁は反発が起きるのではないかと処罰できない。進退窮まる。だから一生懸命宣伝する。するとみんなが制度をよく知って嫌になり、辞退者が増える。こういう“恐怖のスパイラル”状態になっている。彼らは危機にある。最高裁長官は「過度に慎重になるな」と言っているが、裁判は本来は慎重にやるもの。だから私たちはそこを見抜いて、修正や改善ではだめだ、廃止以外にないと言っていこう。」「今日、国民投票法が施行された。沖縄の普天間基地問題で揺れ動いている情勢だ。こうした時代の中で裁判員制度を見る、憲法の状況をを見ながら裁判員制度を見る。なぜなら、時代が裁判員制度を求めているからだ。裁判員制度の中で、権力の心を自らの心にさせるもくろみの恐ろしさを感じる。そのことが改憲じゃないか」と訴え、「そういう状況だから私たちは引けない。みんながんばろう。裁判員制度はおかしいと言って言って言いまくろう。」と呼びかけました。
 ものすごく明るく、元気の出る集会で、高山さんの提起で最後は参加者の気持ちが一つになったようでした。(事務局S)