7月4日(日)午後、東京・国分寺労政会館で、「河原井さん・根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」の総会が開かれました。約60名の参加でした。総会は第1部:経過報告、決算報告と予算案提案、裁判報告/ 第2部:問題提起(北村小夜さん、根津さん、河原井さん、近藤さん、伴さん)とディスカッションの構成で行われました。
 第1部の経過報告では、昨年6月23日の総会以降1年間の活動を記したペーパーの配布され、今年3月の卒業式では、河原井さんが卒業式に参加することを妨害されたこと(卒業式に出席できないように仕組まれたこと)、根津さんが娘さんの重病で出席できなかったことなどの報告がありました。

        北村小夜さん
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 第2部では、北村小夜さん(『戦争は教室から始まる』著者)が「子どもが戦争にさらわれていく」という表題で、いま「再び戦争への道を歩いている」ということを具体的事例をだして話されました。
*新学習指導要領では、<音楽>を開いてみると「国歌の指導に当たっては、国歌『君が代』は日本国憲法下において、日本国民の総意に基づき天皇を日本国及び日本国民統合の象徴とする我が国の末永い繁栄と平和を祈念した歌であることを理解できるようにする必要がある」と書いてある。天皇制について教えろと書いてある。それを当たり前にしている。<社会>では愛国心と天皇が増えている。他の教科でもそうだ。
*10・23通達は1891年の「小学校祝日大祭日儀式規定」にもどろうとするもの。戦前は教育勅語を読んで、「ご真影」の前で儀式をやった、いまは「ご真影」を「日の丸」に替えているだけなのだ。
*学校は大変だということは学校の先生たちがオドオドしている感じでもわかる。戦争をするには国民の丈夫な身体と逆らわない心だ必要だ。しょうがないナーと思って逆らわないこと。教師が逆らわなくなるのが戦争への道だと思う。また、「国民体育法」ができたのは1940年。丈夫なことはいいことだとされた。いままったくと言っていいほど同じことが進行している。
*北教組が不正なことをしたとされているが、不正になる法律(教育2法)をつくったからそうなった。そのとき罰則規定はなかったんだけど、いまそれを作れという動きになっている。
 何でも一歩引くとどんどん引くことになる。私たちはきちんと抵抗の姿勢を残しておくことが大事。都教委のやっていることに対して、その政策が悪いと闘い続けることが大事。危機を危機として感じて抵抗することだと話されました。

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 その後、根津さんが「提訴から10年、子どもの『少国民』化」、河原井さんが「性教育への攻撃・管理強化と『日の丸・君が代』」、近藤順一さんが「外国籍の子どもと向き合うなかで」、伴はるみさんが「今、学校の中で」と題して、それぞれ問題提起をしました。伴さんは管理職が幅を利かす学校の実態を語り、「しょうがないナーと逆らわない教員」について話しました。

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 その後、会場から、これから根津さんたちの裁判闘争をどのように闘っていくかとか、学校現場の闘いをどうするか、「日の丸・君が代」の闘い=10・23通達との闘いについてなど、いろいと意見が出されました。短い時間でしたが、問題提起とディスカッションがわりとかみ合って、真剣な論議となりました。
 最後に、次の日の7月5日(月)にある「根津さんと河原井さんの09年の不起立による停職6ケ月撤回裁判」への傍聴・参加が訴えられて終わりました。(T)