日本航空(JAL)は、去る12月31日(大晦日)についに165人(客室乗務員84 人、運航乗務員81人)の首切りを強行しました。本当に許せません。しかし、JAL労働者は「解雇を撤回させ、職場に戻る!」と怒りの闘いに立ち上がっています。昨日(1/25)、今年初のJAL本社前(東京・天王洲アイル)での抗議行動が行われました。この日の行動は、年末の12月27日に結成されたJAL解雇撤回国民共闘の主催で、午後3時~4時の行動でしたが、支援の労働組合を軸に約300名が駆けつけました。

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 被解雇者の客室乗務員らはオレンジ色のスカーフで団結を示し、同じオレンジ色のタスキには「『個人の尊厳』を守れ」「『無法解雇』を撤回せよ」と書かれていました。横断幕も鮮やかなオレンジ色!JALキャビンクルーユニオン(CCU)のノボリ旗もオレンジ色だったので、ユニオンカラーかもしれません。パイロットなど乗務員らも赤い組合腕章で団結を示し、「不当解雇を撤回せよ」と書かれた白いタスキをかけていました。

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 1月19日に、整理解雇者146名が解雇撤回を求め東京地裁に提訴しました。CCUの原告団長の内田妙子さんは、マイクをとるとJAL本社ビルに向かい「今日、このビルに、稲森会長、大西社長はおられるのでしょうか」と問いかけました。そして、12月31日、ギリギリまでの団交の席上で、大西社長が「新しい体制に移すために、この解雇は仕方がない」と言い、大晦日に165人の首切りを強行したことに対し、「この冷酷さは生涯消え去ることのない傷を残しました!」と激しく弾劾。稲森会長の提訴後の「誠実に話し合っていきたい」とのコメントに対しても「誠実に話し合うということは、私たちが求めていた団交に出席し、あなた自身が解雇を避けると言い、判断すること」、解雇を強行しておいて何を言うか!と怒りをたたきつけました。
 運航乗務員の原告団長の山口さんは「解雇は絶対に許せない!経営責任と国の責任を問う。この実態を日本全国に宣伝していく」と、JAL資本に迫りました。

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        日本航空本社ビル
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 原告団は法廷内外の闘いで「解雇撤回・原職復帰」を勝ち取ると意気軒昂です。支援連帯に取り組みましょう。(事務局S)


【不当解雇撤回裁判原告団の声明】
日本航空不当解雇撤回裁判提訴にあたって
           声明
 本日、私たち146名(パイロット74名、客室乗務員72名)は、去る12月31日に日本航空が強行した165名の整理解雇は違法・不当であるとして、東京地裁に提訴しました。
 私たちはこの裁判で第一に、今回の整理解雇が、これまで多くの労働者の闘いによって築き上げられてきた「整理解雇4要件」((1)高度な必要性(2)回避努力義務(3)人選基準の合理性(4)労使協議手続き)を根底から覆す無謀・非道なものであり、断じて許されない行為であることを明らかにしていきます。
 第二に、日本航空再建で国民から求められているものを明確にします。現在進められている再建計画では「安全性」と「公共性」が後回しにされ、金融機関等のための利益確保が最優先で進められています。日本航空に働く者が安心して働ける職場環境の実現は安全運航の基盤であり再建の要です。公共交通機関としての役割を果たす真の日本航空の再建を求めていきます。
 第三に、日本航空が経営破綻に至った「原因と責任」を明らかにします。これまでの歪(ゆが)んだ航空行政の責任を免罪したまま、現在政府の主導で「会社更生法」下での再建が進められています。また同時に、長年に亘(わた)る日本航空の放漫経営ぶりを明らかにし、原因が労働者には一切ないことを論証していきます。労働者犠牲の再建は誤りであり、国民が期待する再建に逆行するものです。
 また、今回の整理解雇の特徴は、人員削減だけを目的としたものではないことです。希望退職から整理解雇に至る経過を検証すると、職場の要求実現に向けて先頭に立って活動してきた労働組合役員を排除する意図が明瞭となっています。日本航空経営はこれまで数々の違法行為を繰り返し、そのたびに裁判所や労働委員会から断罪されてきました。経営は「過去と決別して新生JAL」を標榜(ひょうぼう)していますが、違法・不当な労務政策こそ決別すべきものです。
 今回の解雇事件に対しては、航空界だけでなく全国の労働団体や女性団体などの市民団体、また法曹界などからも熱い支援の声が寄せられ、その組織人数は350万人を超えています。これに加え、国際運輸労連(ITF)や国際パイロット協会(IFALPA)からの支援も集まっています。また、国際労働機関(ILO)の調査も始まりました。
 私たちは今回の裁判が、労働者の権利を守る闘いであり、同時に日本航空が公共交通機関として、「安全と公共性」を基本とした利用者に信頼される再建をめざす闘いでもあると考えています。
 私たちは法廷内だけでなく、法廷外においても「不当解雇撤回・原職復帰」を目指して全力で闘う決意です。多くの皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げます。
2011 年1 月19 日
不当解雇撤回裁判原告団

【日本航空キャビンクルーユニオンの声明】
http://www.bekkoame.ne.jp/~jcau/seimei_110122.pdf

【日本航空乗員組合の声明】
http://www.jalcrew.jp/jfu/57sokuhou/no57183.pdf