18日(水)午前、参院本会議で憲法審査会の運営手続きを定めた規程が民主・自民・公明などの賛成多数で可決しました。憲法改正=改悪へ向けて決定的な一歩がついに踏み出されたこと、特にこの動きを推し進めたのが菅民主党政権であることをはっきりさせ、大きく抗議していきましょう。
                  朝日新聞5/18夕刊
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 国民投票法の中で改憲原案などの法案を審議するとされた憲法審査会は、国民投票法成立(07年5月)後に衆参両院に設置されたとされましたが、具体的な体制内容=規程が決められず未設置状態と同様でした。自民党政権時の09年6月に衆議院では規程が採決強行されてしまいましたが、審査会委員の選任は「参議院での可決まで凍結する」となっていました。今回、民主党が改めて党の憲法調査会を設置し、改憲派の前原誠司前外相を会長に当て、直ちに、自民党と合意してきた参議院での憲法審査会規程成立を18日の参院本会議で強行したというわけです。
                  朝日新聞5/19朝刊
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 衆議院憲法審査会規程によると、50人の委員は、「各会派の所属議員数の比率」で各会派(党派)に割り当てられるそうで、自民・民主の改憲派が圧倒的に多くなることははっきりしています。そして、委員の半数以上が出席していれば議事を開くことができ、「議事は、出席委員の過半数でこれを決する」ことが出来るとされているのですから、コワイ!長年の「憲法調査会」で国会の中では改憲論議が尽くされているわけで、改憲悪法案が簡単に決まってしまうのが目に見えています。また、この審査会は「会期中であると閉会中であるとを問わず、いつでも開会することができる」とされており、動き出したらドンドン進むということです。参議院の方もほぼ同じ内容の規程だと思います。

 しかし、現実の社会では、憲法はすでに踏みにじられています。「震災復興」「日本は一つ」などというエセかけ声で、さらに9条(戦力不保持)、11条(基本的人権)、13条(個人の尊重)、25条(生存権)、28条(団結権)…等々が踏みにじられようとしています。さらに、大震災を奇貨とし、改憲派は集団的自衛権、国家緊急権などを新たに憲法に加えるべき、と声を強めています。
 今こそ、地震や津波で引き起こされた大災害や福島原発大事故の責任が歴代の政府・財界にあることをはっきりさせ、徹底的に全責任を取らせていくことです。そのことを曖昧にさせ、自分たちの都合のいい「復興」など、ふざけるな!ということです。被災地の怒り、悲しみ、憤りと一体となって、生きるための闘い、戦争絶対反対の闘いで、改憲攻撃に反撃しよう!(S)

●衆議院憲法審査会規程
http://ja.wikisource.org/wiki/%E8%A1%86%E8%AD%B0%E9%99%A2%E6%86%B2%E6%B3%95%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E4%BC%9A%E8%A6%8F%E7%A8%8B

●自民党の改憲案の内容
http://www.kyodo-center.jp/ugoki/kiji/jimin-ronten.htm