2月23日(木)朝10時から、参議院に引き続き衆議院でも今年初めての憲法審査会が開催されました。今回は、会議の内容以前に、その開催の経緯に大きな問題がありました。どういうことかと言うと、衆院憲法審査会のホームページで開催の日時が告知されたのが前日の午後になってからであり、主権者である私たち国民がその情報を得てから開会まで24時間もなかったのです。おそらく、予算案をはじめ国会審議のスケジュールが過密になっているため、他の委員会との関係でなかなか期日を確定できなかったのではないかと思いますが、それならもっと日程に余裕ができてから開催すべきだったのではないでしょうか。
肝心の委員たちも欠席者や途中で退席する者が目立ちました。それでも私たち百万人署名運動では、急遽連絡をとりあって、西川事務局長をはじめ計4名で傍聴することができました。
余談ですが、全部で20数名の傍聴者の中には中山太郎氏(前衆議院憲法調査会会長)もいて、ちょっと驚きました。彼は途中で退席しましたが、傍聴者では唯一の改憲派だったかもしれません。

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       2007年国会前、改憲手続き法反対座り込み

今回は、国民投票法制定時の「宿題」のひとつである選挙権年齢・成年年齢の18歳への引下げについて、政府においてどのような検討がなされているかを関係省庁(内閣官房、総務省、法務省)の幹部が報告し、それを受けた自由討議(質疑、意見表明)が行われました。なお、傍聴者にも説明資料が配付されましたが、部数が足りないので半数近くの傍聴者には行き渡らず、このことも国民軽視の表れだと思います。

今回の審議のテーマは、改憲の是非や内容に直接的に関わるものではありませんでしたが、選挙権年齢の引き下げについては、これに反対した委員はなく、総務省も前向きな答弁をしていて、18歳以上の選挙人名簿はすぐに用意できると述べたことが印象に残りました。一方、成年年齢の引き下げについては、質疑を通じて、法務省が消極的であることが浮き彫りになりました。
政府では、このところ休眠状態にあった「年齢条項の見直しに関する検討委員会」を24日に再会して関係省庁間の調整を始めるとのことでしたが、幹事の山花郁夫氏(民主党)が政府部内の検討の遅れに業を煮やした感じで、「与野党で相談して政府に対していつまでにやれと期限を切って要求したらどうか」という趣旨の発言をしたのに対して、各省庁の幹部が口を揃えて「国会は国権の最高機関であり、そうした指示があればそれに従う」と答えたことにも注目すべきだと思いました。(G)


●マスコミ報道より

<投票権>18歳引き下げ 調整は難航予想
毎日新聞 2月23日(木)21時19分配信

 衆院憲法審査会は23日、憲法改正手続きを定めた国民投票法が18歳以上に投票権を認めたことに関連し、20歳となっている公職選挙法の選挙権、民法の成年年齢の引き下げ問題を審議した。しかし、公選法を所管する総務省と民法を所管する法務省の対立が表面化。政府は24日、各府省事務次官らの「年齢条項の見直しに関する検討委員会」を2年ぶりに再開させるが、「大人と子どもの線引き」という国民の価値観にも関わるだけに調整は難航が予想される。
 審査会では法務省の担当者が「公選法と民法が一致する必要はない」とし、国民投票制度に合わせて国政・地方選挙の投票権を先行して18歳に引き下げることができると説明した。一方、総務省は「多くの主要国で選挙権年齢と成年年齢は同じだ」として公選法と民法の同時改正を主張。公選法だけを改正すると、少年法で保護される18~19歳を利用した「悪質な選挙違反」が起きる恐れがあることも指摘した。
 成人年齢に関する法律は約200に上り、一部の制度変更が他の法改正にも波及しかねないことが法務省の消極姿勢につながっている。しかし、07年の国民投票法成立からまもなく5年。同法は選挙権・成年年齢の引き下げについて10年5月の施行までに「必要な法制上の措置を講じる」と付則で定めているにもかかわらず、09年の政権交代以降、政府の作業は停滞している。各党の議員からは政府の対応の遅れを批判する声のほか、「少年法も合わせて改正すべきだ」との指摘も出た。【新垣和也】


●衆議院インターネットTV

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

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