大飯原発の再稼動情勢の中、福井の反対闘争と結びついて、6月17日に第5回目の青森県大間原発反対現地集会(集会実行委主催)がもたれました。集会場は、本州さいはての海辺に建設中の、大きなクレーンも見える原発敷地の横で鉄条網に片方を囲まれた草地(反対する会・一坪共有地)です。前日から大マグロック(大MAGROCK vol.5)というロックのイベントが行われ、若い家族連れも多く200人を超える人たちで闘いとった集会でした。

地元大間からの発言、東北・北海道の反対者、敷地内反対者で唯一残った「あさこはうす」を拠点としている元気いっぱいの小笠原厚子さん、18キロしか離れていない30万人都市・函館から来た建設差し止め訴訟をしている大間原発訴訟の会などの発言。8・6ヒロシマ実行委員会からは代表の三角忠さんが大間原発・電源開発への抗議行動報告、そして再稼動阻止を目標に8・6ヒロシマ反戦反核行動への参加を訴えました。主催者から最後に、来年はこのような反対集会がなくなるように建設をストップさせようという力強い発言でデモに出発しました。

現地集会で。発言は小笠原厚子さん
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集会場からそのまま大間の街なかへデモ。マグロで有名な大間の街なかまで3㎞くらいでしょうか、原発から極めて近いのです。以前から参加している人に聞くと、大間デモで住民が家から外に出てデモを見る姿を始めてみた、と言っていました。1982年に原子力発電所誘致を決めて以来、2008年に原子炉を着工するまでの25年余、町長から町議会議員全員が賛成に回り、電源開発からの交付金や建設雇用・特需などで、小笠原さんのお母さんである故・熊谷あさこさん以外に敷地内反対者が一掃されている中での約30年ぶりのデモです。3・11以降劇的な変化が起こっているのでしょう。大間の人たちへの手ごたえと建設を阻止できる感触を十分に感じさせました。約200名でデモ。途中、雲間から晴れ間がのぞいて北海道が見えるようになった天気の中、対岸に見える函館にフェリーで帰る50人のデモ参加者を見送り、町役場まで約1時間の行動でした。

街へ向かうデモ。向こうに大間原発のクレーンが見える
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前日の16日、私たちは青森の百万人署名運動やNAZENに合流。山口(ス労自主)や広島(8・6ヒロシマ実行委)、新潟(百万人署名運動)、茨城(動労水戸)、神奈川(婦人民主クラブ全国協)、そして東京と、全国から30名近い仲間が集まりました。午後から三沢基地を手はじめに、核燃サイクル・下北半島の中軸である六ヶ所村の核施設調査です。危険な再処理工場の現況や、3・11以後止まっていた使用済み燃料中間貯蔵施設が建設を再開しているのを現認したり、東通原発(東北電力1基が稼動して現在停止中、東京電力1基は建設中がストップ)も遠望してきました。

六ヶ所村再処理工場前で抗議のシュプレヒコール
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工事が再開された使用済み燃料中間貯蔵施設
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夜は、地元の人も交えて130人ぐらいの参加者で大間町公民館が一杯の中、原子力資料情報室の澤井正子さんが講師となった大間原発の学習会。ここではこの報告にもちりばめましたがさまざまな問題点が指摘されました。地震や津波があるから原発は危険なのではなく、スリーマイル島やチェルノブイリの事故にも見られるように、原発は地震や津波がなかろうと人間の手では制御不能・事故必至なのだという話は、広瀬隆さんにも聞かせたいという仲間がいたほどの内容でした。
びっしり詰まったスケジュールで非常に充実した1日でした。

翌17日は集会が始まる前、朝から建設をストップしている大間原発に行き現地調査を行いました。多く原発がある中でもこの大間原発は漁村の家並みの近く(原発まで500mもないでしょう)に建設中で、しかも原発の300mしか離れていない敷地がまだ買収できていない(2003年に敷地買収を断念、原子炉の位置を200m移動)ものです。敷地内にある「あさこはうす」からは、三里塚の市東さんの家の300m先に原発を作ろうというぐらいの感覚です。実際に津波避難所でしょうか道路隔てた小高い丘から、そして海辺に出て見上げてみると鬼気迫るものがありました。いつも座り込みをやる国会裏の議員会館前から議事堂を見上げるくらいの距離感覚でしょうか。
原発避難地など全く考えていないのもよくわかります。はじめからあきらめているのか、原発は「絶対に」安全でいかなる事故も起こさないと宗教的信念に取り付かれているか、のどちらかでしょう。だが国と電力会社に、地域住民・原発労働者に放射能を浴びさせる権利などないし、海に汚染水と温暖水を垂れ流して大間のマグロを絶滅させる権利などありません。

抗議を大間原発・電源開発会社に叩きつける
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最近では活断層が近くにあることがわかり下北半島全体にも火山があるという常識では考えられない地所での建設です。下北半島にある恐山もそうですし、近くの温泉も豊かな火山に恵まれた心地よい硫黄泉です。加えて、世界で初めてフルMOX燃料という使用済み燃料から抽出したプルトニウムだけを燃やして電力を得ようという、とても危険すぎて世界でもどこも手をつけていない原発です。
この「世界初」に挑戦しようというのが大間原発で、これを初めて原発に取り組もうという電源開発がやろうとしているわけです。電発は佐久間ダム・奥只見ダムなどの大規模ダムを作って実績は水力発電や火力発電しかない国策会社です。地域に既成事実を押し付けようしているのでしょうか、37%しか建設が到達していないにも関わらず、100mを超える送電塔がガスでかすみながら聳え立っていました。この電源開発会社への抗議を叩きつけてから、昼の集会に参加・デモにでて、2日間の行動をやりきりました。

見えてきた建設中の大間原発の「廃炉」の展望です。原発再稼動の動きの中で現地から一つでもストップさせたら決定的情勢が到来します。あらゆる力を振り絞って原発・核施設をなくすために頑張りましょう。ぜひ一度、大間に六ヶ所村にも、下北半島にも原発反対の力強い足を運ぶことを勧めます。(M・T)

※事実関係は16日学習会、17日現地集会資料を参照しました。