1987年2月16日、国鉄分割・民営化で7628人の国鉄労働者にJRへの不採用通知が出されました。国鉄改革法という悪法をもってする詐欺、まったく不当な首切りです。狙いは国労、動労千葉など闘う労働組合つぶしでした。それから26年目の2月17日、東京で「国鉄分割・民営化反対!1047名解雇撤回!民営化・外注化粉砕、非正規職撤廃!労働者集会」が開かれました。会場は満杯で、熱気に溢れていました。
東労組を脱退し動労千葉、動労水戸に入った青年労働者たちが、「現場の怒りと共に闘うのは、動労千葉、動労水戸、動労総連合しかない。外注化阻止に向かって闘いぬく。」と明るく元気に発言していたのが印象的でした。

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国鉄の民営化に反対し、2波のストライキを闘った動労千葉は、28名の解雇者、12名のJR不採用者をだしながら、労働組合として団結し、その後もストライキを打てる組合として闘い続けています。委員長の田中康宏さんは、千葉では13年間とめてきた外注化が昨年10.1で強制されたことに対し、偽装請負のとんでもない現状を前に「この現実の中に矛盾がある」ととらえ職場討議を重ねてきたと報告。現場の知恵と力を結集して、雇用破壊と立ち向かう、と新たな闘いを宣言しました。

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発言の中で田中委員長は、昨年の6月29日に出された動労千葉鉄建公団訴訟(解雇撤回・原職復帰裁判)の東京地裁判決について触れました。
判決文で東京地裁は、いったんは動労千葉の組合員も採用名簿に載っていたことを認めました。そして、改革労協(現在のJR総連)の抗議によって、動労千葉組合員らを排除するために名簿への不記載にするための基準を新たに策定したと認定したのです。こうした不当労働行為がなければ、動労千葉の組合員らはそのまま名簿に記載されており、JR東日本に採用されたはずなのです!
田中委員長は「真実が明らかにされるまで25年間かかった」と悔しそうに語りました。しかし、判決は不当労働行為を不法行為と言い換えて、原状回復=解雇撤回を否定し、3年分の賃金の差額支払いでごまかしているのです。そこは許せない!と弾劾しました。

この日の集会の主催団体は「「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動」(国鉄闘争全国運動)です。この運動は、全国各地に国鉄闘争の火を燃やし続ける共闘組織をつくりあげようと、2010年の4月に立ち上げられました。呼びかけ人の手嶋浩一さん(元国労九州本部書記長)は主催者挨拶の中で、「首切り自由を認めたら奴隷になるしかない。会社がつぶれたら自分たちはどうしようもないと考えてしまう人が多いが、そんなことはない。労働者は経営者がいなくても生きていける。」と訴えました。

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動労千葉争議団と国労闘争団が登壇し、「解雇撤回!」を勝ち取るまで闘いぬくと決意を述べました。

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集会の中で、「国鉄分割・民営化の本質は改憲だ」という鋭い発言がありました。改めて、中曽根康弘の言葉「国鉄分割・民営化で床の間をきれいにして、立派な憲法を安置する」がよみがえります。改憲を叫ぶ安倍政権の登場を前にして、26年経っても尚、国鉄分割・民営化反対の闘いが現場労働者、労働組合によって闘い抜かれ、青年労働者の怒りと結びついていることの大きさを感じました。(OS)