東京都の公立学校の卒業式が終わりました。10・23通達に基づく「君が代」起立斉唱の強制に対して、今年も都立高校の5名の教職員と特別支援学校の教員1名が不起立を貫きました。
これに対し、3月28日に都教委で処分が下され、翌3月29日に不起立者に伝達されました。処分で特記すべきことは、板橋特別支援学校の教員の田中聡さん(4回目)に対して、戒告ではなく、減給1ケ月の処分が下されたことです。高校の教職員5名は、初めての不起立1名、2回目2名、3回目2名でしたが、全員戒告処分でした。

2012年1月16日の最高裁判決は、「累積加重処分は都教委の職権濫用」として、減給処分と停職処分は取消し(但し、根津さんは取り消されず、分断判決)、すべてを戒告処分にしました。ところが、今回、田中さんに対して、戒告処分を超えて、再び減給処分としました。全く許せないことです。

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また、この間、被処分者に対する「再発防止研修」が強化され、田中さんの学校の校長は、再発防止研修の効果がなく不起立を繰り返せば「分限処分もあり得る」などと「おどし」的なことを言っていました。

3月29日午後、全水道会館(JR水道橋駅そば)で、処分に対する抗議と処分された教職員を激励する集会が120名の参加で開かれました。
最初に、集会主催者の「都立高校4者卒入対策本部」から今年の卒業式の状況について報告されました。特に、最高裁判決で、累積加重処分が許されなくなったことに対して、都教委は校長に対して、「不起立行為等に対する懲戒においては、当該処分を選択することの相当性を基礎づける『具体的な事情』が認められる場合は、戒告を超えて減給以上の処分を選択することが許容される」ので不起立しそうな教職員の行動をよくチェックし記録しておくようにという指示を出したことが明らかにされました。田中さんはそういう中で、減給処分されたわけです。
実際、都教委は「戒告では秩序の維持が困難」などと言っているのです。

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その後、被処分者たちが卒業式に至るまでの校長とのやりとり、卒業式当日の状況、不起立後の事情聴取、その日の朝、自宅に来て、都教委と校長の伝達した時の様子などについて話しました。
Aさんはこの抗議集会に職場から同僚の教員が来てくれていることを、Bさんは分会が「処分をするな」の申し入れをしてくれたことを、Cさんは「不起立をしてくれてありがとう」と言われたことを、Dさんは「職員会議で討議するということにはならないが、いろいろな機会をぬって、どうして『君が代』不起立なのかの話ができるようになったこと」などを話しました。一見、孤立してるようだが孤立してない、がんばれるということを、みなさん明るく話していました。

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4月に入って、都教委への抗議の申し入れ、被処分者の当該校への申し入れなどが行われています。
4月5日(金)は朝から、東京都の教育センター(工芸高校横)で被処分者への「再発防止研修」が行われます。みなさん、被処分者を包んで、都教委と猪瀬都知事と闘って行きましょう。(T)