10月6日、島根県出雲市の中心市街地で、陸上自衛隊出雲駐屯地の軍事パレードが行われました。「開設60周年記念」と称して出雲駐屯地が主催し、島根県と出雲市が共催して行われたものです。こんな軍事パレードはおかしい!と連絡会として抗議にかけつけました。

パレードに先立って出雲市役所となりの大通りで記念式典が行われ、大音量で、地元選出の国会議員・島根県知事・出雲市長(ほとんど代理)などのスピーチが流されました。島根県は朝鮮半島に近く、「竹島=独島」の領有権を主張していることもあって、「国防」への強い期待を込めたスピーチが相次ぎました。また、地元出雲の地名をつけた海上自衛隊最大の艦船となるヘリコプター空母「いずも」が進水したことを誇る発言もありました。
記念式典には、こうした地元権力者だけでなく、自衛隊協力団体や中国電力などの有力企業などが会員や社員を動員し、右翼や軍事オタクがこれを取り巻くといった異様な光景でした。

画像

続く軍事パレードでは、出雲駐屯地の第13偵察隊などの隊員130人が小銃を携帯し、装甲車やりゅう弾砲けん引トレーラーなどの車両60台が行進しました。上空には、鳥取県の三保基地からC1輸送機が飛来してきました。
パレードには、出雲駐屯地だけでなく第13旅団に属する山口駐屯地や岡山県の日本原駐屯地からも参加していました。海外侵略や治安出動の先兵としての自衛隊を隠そうともせず、暴力装置である自衛隊の姿を露骨にさらしていました。

画像

こうした自衛隊の軍事パレードに反対する勢力はほとんど見あたりませんでした。こうした中、百万人署名運動・山陰連絡会は、「STOP自衛隊軍事パレード!STOP集団的自衛権行使!」を呼びかけて奮闘しました。
強風で、横断幕が一枚しかない小規模な闘いになったにもかかわらず、多くの市民が横断幕の前で立ち止まってくれました。また、「憲法改悪絶対反対!国防軍保持絶対反対!集団的自衛権発動絶対反対!」を訴えるビラの受け取りを拒否する人はほとんどいませんでした。「ご苦労様です」とか「頑張って」と声をかけてくれる市民もいました。

多くの市民が「日の丸」の小旗を振って自衛隊パレードを迎えるような“自衛隊賛美”一色のなかでも、憲法や自衛隊を取り巻く危険な流れを敏感に感じ取っている市民が多数いることを実感しました。(山陰連絡会・F)