5月23日(金)午後3時から6時前まで、衆議院第一議員会館大会議室で、大飯原発再稼働差し止め判決(5月21日)についての「ついに勝った!脱原発への大きな一歩」の報告集会が開かれた。

差し止め訴訟団から中嶌哲演さん、笠原弁護士、松田事務局長、奥出さんらが上京参加された。また、東京からも河合弁護士、海渡弁護士他、裁判で証言をした後藤さん、木田節子さんなど多数が参加し、勝利判決を確認し、上告審に備える集会となった。

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集会は、国会議員の発言に続いて、原告団から中嶌哲演さんが発言した。
「このすばらしい判決は、樋口裁判長や福井地裁の裁判官による判決にとどまらず、とくに福島3.11以降、広範な人々の思いや願い、運動、それらが一丸となって結晶したアマルガムのような判決だと思う、私たちの共有財産だ。」と述べられた。

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そして、裁判の陳述の中で、「この半世紀近く国策として推進されてきた原発問題をめぐっては民主憲法の根幹たる立法、行政、司法の三権分立が機能してこなかった。それどころか三権は巨大な経済的利害関係に取り囲まれて追認・追従してきたと言える。先般の大阪地裁の判決に至っては旧態依然。関西電力や国の主張を鵜呑みにしただけ。原告側の憂慮や主張をことごとくと退けたもの」と述べ、「裁判長、願わくば、福井地裁の本訴訟の判決が3.11以後の画期的な判決となりますよう、原告・被告ともどもに努力しようではありませんか、と呼びかけた」と言われた。

また、松田事務局長は、「この判決は福島の犠牲あったから勝ち取れた。健康被害があって、それが放射能によるものではないかと言うことすら中傷されるようなそんなに社会に対して、この判決ははっきりと『人間の生命を尊重するそのことが一番大事な社会の根幹である。これなくしてこれからの日本も成り立たない』とはっきり言っている。これは道義の問題であり、倫理の問題です。」と判決の核心を指摘した。

原告の奥出さんは「最初は事務局体制も弱かったが頑張ってきたかいがあった。関電は控訴したが、これからも気持ちを奮い立たせて事務局とし闘いを組み立てていきたい」と決意を語った。

木田節子さんは福島原発の被害者として証言したことを述べた。「3.11があって、それ以後、私は集会やデモで教えられた。そこでつかんだことと樋口裁判長の判決理由の一言一言がぜんぶ重なった。」と判決の正しさを言った。

そのあと、原子力規制庁の役人3人を呼んで、原発の「非安全性」に関わることについての質疑をしたが、割愛します。

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休憩後、東京の河合弁護士が発言、「今回の樋口裁判長は難しい議論をやってない。判決にはこう書いてある。全国で20ヶ所にも満たない4つの原発で、5回にわたる想定外の地震が、この10年足らずのうちに起こっている事実を重視すべきは当然である。いままでの基準でいいわけはない。また、使用済み燃料プールも堅い殻で覆われてないと危険だ、いまの屋根は強化しないといけないのにそれをしないで再稼働はだめだ。そういう常識的なことをいろいろあげている」と。

その後、鎌田慧さんやレッドウルフ・ミサオさん、などもこの裁判の意義を語った。

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最後に川島弁護士は「すごい判決ではない。普通の判決だ。手堅い、被告が争えない事実を取り上げている。争いがない事実なので控訴審で負けることはない。」と決意を語った。

また、笠原弁護士は判決文の「はじめに」の部分と最後の「結論」を紹介して(下記に紹介)、この判決の当たり前の重要性を提起した。そして、控訴審でも弁護団は平易な言葉で争っていきたい。様々意見があろうが、安倍政権の原発再稼働に反対して闘っていきましょう、と結んだ。(T)

●大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決(部分)

1.はじめに
 ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである。このことは、当然の社会的要請であるとともに、生存を基盤とする人格権の公法、私法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である。
 個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。人格権は各個人に由来するものであるが、その侵害形態が多数人の人格権を同時に侵害する性質を有するとき、その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。

10.結論
 以上の次第であり、原告らのうち、大飯原発から250キロメートル圏内に居住する(別紙原告目録1記載の各原告)は本件運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから、これらの原告らの請求を認容すべきである。

裁判長裁判官 樋口英明
裁判官  石田明彦
裁判官  三宅由子


●尚、集会の様子は下記に録画があります。
http://www.youtube.com/watch?v=46T9I5lxPvk&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA