とめよう戦争への道!百万人署名運動

署名運動をとおして、改憲・戦争への道を許さない闘いを全国的に広げていきます。

島根からのお便りです。
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百万人署名運動・山陰連絡会は今年も、連合メーデー会場と5.3憲法集会での街宣や署名活動を行いました。
朝鮮半島情勢の緊迫化、「共謀罪」新設法案の国会審議開始、憲法改悪への安倍発言など戦争前夜を思わせる状況の中で、労働者市民の大きな危機感を感じた署名活動でした。

5月3日には、今年で14回目となる超党派の憲法集会「メイク・ピースの集い」が松江市で行われ、450名が参加しました。立ち上げの段階から実行委員会に参加している山陰連絡会は、会場で共謀罪反対リーフレットの配布と署名活動を行いました。

署名には「安倍を辞めさせないと話にならない」とか「戦争を経験しているので今が一番危険を感じる」などと多くの市民が応じてくれました。「安倍はひどい」と言って泣き出さんばかりの怒りに満ちた表情で駆け寄って署名をしてくれた女性もいました。

連休明けに山場を迎える可能性がある共謀罪、そして憲法改悪について、戦争法制定の時以上に市民の危機感が募っていることを改めて強く感じ取ることができました。
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集会では、憲法学者である飯島滋明さん(名古屋学院大教授)による「安保法制・沖縄・共謀罪~戦争できる国づくりを許さない日本国憲法の底力~」と題する講演が行われました。

飯島さんは、戦争法が制定されて初めてヘリコプター空母「いずも」による米艦防護が発動されたことや、圧倒的多数の反対を無視して辺野古基地建設が強行されていること、テロ対策ではなく一般市民や労組などの反政府勢力を取り締まり対象とする共謀罪審議が始まったことなど、安倍政権の❛戦争できる国づくり❜が進行している状況が語られました。

また、当日一部メディアで安倍首相が2020年憲法改定について表明したことも取り上げ、「安倍首相は9条1、2項を維持し、自衛隊の根拠規定を追加するとしているが、2項を存続させて自衛隊の存在を新たに明記することは矛盾の極みである。矛盾するので結局のところ9条全てを変えた方がいいということになる。戦争ができる国づくりが進みつつある。」と指摘、島根でも行動することの意義が強調されました。

集会後のデモに「共謀罪新設反対」の百万の幟を持って参加しました。国宝「松江城」そばの会場周辺で行われたデモに、市民や観光客から度々拍手が起こりました。

アベの改憲発言を許さず、戦争をやるための憲法改悪なんだと今こそ強く訴えていこう。(山陰連絡会 F)
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5月3日、有明の東京臨海広域防災公園で開かれた2017年5.3憲法集会には、昨年を上回る5万5000人の労働者市民が集まり、日本国憲法を守ろう!と新たな決意を打ち固めました。
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強い日差しの中、午後1時から本集会が始まりました。
各界からのアピールのあと、民進党代表の蓮舫さん、共産党委員長の志位さん、自由党の森裕子さん、社民党党首の吉田さん、「沖縄の風」の伊波さんらが発言。伊波さんは「憲法のある日本に復帰したのに、沖縄県民は日本政府に無視されている。国民主権の真の力を発揮し、日本国憲法を取り戻そう!」と訴えました。
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作家の落合恵子さんはアピールの中で、安保法施行後初めて海上自衛隊の護衛艦「いずも」が米海軍の補給艦の護衛をしたことに触れ、「これは❝武力による威嚇❞であり、憲法違反だ」と弾劾しました。
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特別ゲストのイ・テホさん(パククネ退陣緊急国民行動・参与連帯政策局長、写真下の男性)がアピール。
「多くの人が非正規職に突き落とされ、絶望の中でロウソクに灯をともした」「闇は光に勝てない、ウソは真実に勝てない、決してあきらめないと」「そして、人間としてのプライドを回復した」「政府から裏切られ、政治家たちから裏切られた。誰が国の主人なのかはっきりさせなければならない」。一言ひとこと心に響く訴えでした。
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不当逮捕・長期勾留を打ち破って奪還された山城博治さんも登壇。「大浦湾の埋め立てはできない、稲嶺名護市長の了解を得なければ川の埋め立てはできない。我々は負けない。共謀罪は沖縄県民の闘いをつぶすためのもの、反政府の共闘でファシスト内閣に立ち向かおう」と檄を発しました。
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教職員組合や自治労など多くの労働組合が参加していました。
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手作りのバナーを掲げて歩く元気な女性たち。
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経産省前テントひろば、福島からの避難者たちのテントなど多くの団体のアピール広場もありました。
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集会後二つのコースに分かれてデモ行進。
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私たち百万人署名運動は「台場コース」に参加して青海(あおみ)駅近くまで歩きました。
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帰宅してからのニュースで、安倍首相が「憲法改正を実現して2020年の施行を目指す」と表明している映像を見てびっくり。この日のデモコールで「憲法守らぬ総理はいらない」というのがあったけれども、本当にこれを民衆全体の声にしていかなければならないと思います。

韓国の闘いに学んで、安倍のウソとペテンを暴き、労働者市民の尊厳を守り、生きるために共謀し、戦争のための改憲を何としても阻止しよう!(S)


■「標的の島 風(かじ)かたか」(三上智恵監督)上映
とき◆5月1日(月)~5月5日(金・休)時間等は問合せを
ところ◆シネマ・ジャック&ベティ(神奈川県横浜市中区若葉町3-51)
問合せ◆ジャック&ベティ(tel.045-243-9800)

■「標的の島 風(かじ)かたか」(三上智恵監督)上映
とき◆5月1日(月)~5月19日(金)上映時間等は問合せを
ところ◆ポレポレ東中野(JR総武線「東中野」西口より1分)
問合せ◆ポレポレ東中野(tel.03-3371-0088)

沖縄闘争で獄中42年、星野さんを取り戻そう!星野絵画展
とき◆5月2日(火)~7日(日)
ところ◆那覇市ぶんかテンブス館ギャラリー(国際通り旧「三越」斜め向い)
主催◆星野文昭絵画展を成功させる沖縄の会(tel.090-9072-7892和田)

日本国憲法施行70年、平和といのちと人権を!5.3憲法集会
とき◆5月3日(水・憲法記念日)正午~コンサート、午後1時~スピーチ、2時30分~パレードあり
ところ◆有明・東京臨海防災公園(ゆりかもめ「有明」2分)
特別ゲスト◆李泰鎬(イ・テホ)さん(パククネ退陣緊急国民行動参与連帯政策委員長
/主催◆5.3憲法集会実行委員会(tel.03-3221-4668)

憲法9条は世界の宝 Make Peaceの集い
とき◆5月3日(水・憲法記念日)午後1時30分~
ところ◆島根県民会館・中ホール(松江市殿町158)
講演◆飯島滋明さん(名古屋学院大学教授)「安保法制・沖縄・共謀罪~戦争できる国づくりを許さない日本国憲法の底力」/500円
主催◆憲法改悪反対!5・3集会実行委員会(tel.090-8718-8753)

無実の星野文昭さんを自由に!星野文昭絵画展(新潟県)
とき◆5月5日(金・休)~7日(日)
ところ◆上越市市民プラザ・市民ギャラリーA(上越市土橋1914-3)
入場無料/5/5午後3時~文昭さんのいとこ・星野誉夫さんのお話あり
主催◆新潟・星野さんと連帯する会(tel.080-5477-6434上原)

■「共謀罪」法案を廃案へ!国会前行動
とき◆5月9日(火)・10日(水)・12日(金)法務委員会審議日、正午~午後1時:集会
ところ◆議員会館前
★上記のほかに、5/9は午後1時30分~院内集会あり。5/11は午後6時30分~議員会館前集会。5/12は午後1時30分~座り込み、6時30分~議員会館前集会あり)
主催◆総がかり行動実行委・共謀罪NO実行委

トークセッション~ヒロシマ・2017連続講座
とき◆5月13日(土)午後1時~
ところ◆愛恵ビル3階(北区中里2-6-1、山手線「駒込」東口2分)
講師◆西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)「習熟するべき憲法」/資料代1000円(事前申し込みを)
申込先◆竹内良男(tel.090-2166-8611)

5.13那覇市内・国際通りデモ
とき◆5月13日(土)午後4時デモ出発、県庁前ひろばに集合
主催◆沖縄労組交流センター(tel.090-2710-2008)

■「復帰」45年、5.13沖縄集会
とき◆5月13日(土)午後6時開場
ところ◆沖縄県青年会館・大ホール(那覇市久米2-15-23)
国際連帯アピール◆民主労総ソウル支部が参加予定/500円
主催◆「復帰」45年5.13沖縄集会実行委(tel.098-974-9556 国鉄闘争全国運動・沖縄)

星野文昭さんの絵画展 「ある」冤罪 無実の罪(北海道)
とき◆5月13日(土)~16日(火)
ところ◆札幌市教育文化会館4階ギャラリー(札幌市中央区北1条西13丁目 )
入場無料
主催◆北海道・星野文昭さんを救う会(tel.011-302-0315)

5.15平和とくらしを守る県民大会
とき◆5月14日(日)午前10時~
ところ◆名護市・瀬嵩(せだけ)の浜(久志郵便局の向い側から浜へ入る)
主催◆沖縄平和運動センター(tel.098-833-3218)

IJBS労組支援共闘会議 第4回総会
とき◆5月14日(日)午後5時30分~
ところ◆沖縄県青年会館(那覇市久米2-15-23)
主催◆日本IBM・ビジネスサービス(IJBS)労組支援共闘会議(tel.080-1742-7044)

星野暁子さん講演会
とき◆5月14日(日)午後6時20分~
ところ◆沖縄船員会館ホール(那覇市泊ターミナルそば)
主催◆沖縄万人の力で取り戻す会(tel.090-9072-7892和田)

終焉に向かう原子力~「安倍政権はなぜ原発にしがみつくのか?」
とき◆5月14日(日)午後6時開演
ところ◆文京区民センター2A(地下鉄「春日」A2出口1分)
講演◆アーサー・ビナードさん(詩人)、小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)/1000円、先着350名
主催◆実行委(tel.090-9137-2437)

■「共謀罪」法案を廃案へ!国会前行動
とき◆5月15日(月)~19(金)正午~午後1時:集会、1時30分~4時:座り込み、6時30分~7時30分:集会(5/16は日比谷野音集会・銀座デモ)
ところ◆議員会館前(5/19の6時30分~は国会正門前)
主催◆総がかり行動実行委・共謀罪NO実行委

阿佐ヶ谷市民講座~「トランプ登場後の世界」
とき◆5月18日(木)午後6時30分~
ところ◆劇団展望(杉並区阿佐ヶ谷南3-3-32)
講師◆鎌倉孝夫さん(経済学者)「『資本論』150年、ロシア革命100年のいま」/参加費800円(学生400円)
主催◆市民講座実行委(tel.090-8080-6860)

戦争と共謀罪に反対する5.19大集会
とき◆5月19日(金)午後6時30分~
ところ◆弁護士会館2階・講堂クレオ(霞が関、日比谷公園霞門向い)
講演◆荻野富士夫さん(小樽商科大学教授)「共謀罪―治安維持法、多喜二の時代から見えてくるもの」
主催◆憲法と人権の日弁連をめざす会・裁判員制度はいらない!大運動ほか(tel.03-6450-6470)

■『高江―森が泣いている』『高江2』(藤本・影山監督)上映会
とき◆5月20日(土)2本立て上映①午後1時30分~、②5時~
ところ◆日立システムズホール仙台・エッグホール(仙台市青葉区旭ヶ丘3-27-5)
1000円(学生500円)
主催◆百万人署名運動・宮城県連絡会(tel.090-8922-5418立石)

獄中42年 星野さんを取り戻そう!星野文昭絵画展(大阪府)
とき◆5月21日(日)~24日(水)
ところ◆①5/21は植木団地労働組合2階(高槻市川添1-18-1)、組合事務所前で狭山闘争勝利・植木団地追い出し反対集会あり。②5/22は高槻市登町住民センター1階(高槻市登町34-1)、③5/23は吹田市勤労者会館3階・第2研修室(吹田市昭和町12-1)、④5/24は高槻現代劇場203号室(高槻市野見町2-33)
入場無料
主催◆大阪・星野文昭さんを取り戻す会(tel.090-9273-1830)

市東さん農地の強制収用やめろ!5.25請求異議裁判(第2回)
とき◆5月25日(金)午前10時30分開廷
ところ◆千葉地裁601号法廷(千葉市中央区中央4丁目)
当日、千葉地裁まで市内デモあり。午前9時に千葉市中央公園に集合
問合せ◆三里塚芝山連合空港反対同盟(tel.0476-35-0087)

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4月20日(木)8時40分から、今国会3回目の衆議院憲法審査会が開催されました。今回のテーマは「国と地方の在り方(地方自治等)」で、4人の参考人から20分ずつ意見を聴取し、6会派の代表が15分ずつ質疑を行うという形式で進められました。

実は1週間前の13日に、同じテーマについてまずは自由討議が行われることになっていましたが、前日の衆議院厚生労働委員会における強行採決をめぐって与野党が対立した余波を受けて開催が見送られ27日に持ち越されたため、想定されていた審議の順序が逆転する形になりました。

これに関連して14日の『毎日新聞』は、「自民党が提案していた8項目の審議を会期末(6月18日)までに終えるのは難しくなり、改憲条項の絞り込みは秋の臨時国会以降に持ち越される見通しだ」と報じました。私たちにとって歓迎すべき事態であり、改憲案が具体化する前に安倍政権を退陣に追い込む(あるいは、改憲どころではない状況を作り出す)ための時間的余裕ができたことになります。

この日の委員の出席率はこれまでより低めで、参考人の意見聴取の間は40人以上がいましたが、質疑に入ってしばらくすると40人を割り込むようになりました(定数は50)。欠席者が目立ったのは自民党と民進党で、自民党では、19日に沖縄県うるま市長選の野党系候補の公約を「市民への詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術」という暴言をフェイスブックに投稿した古屋圭司氏、民進党では、10日発売の『中央公論』に改憲私案を発表し、13日に代表代行の辞表を提出した民進党の細野豪志氏などは姿を見せませんでした。

傍聴者も前回より少し減って30人弱、百万人署名運動の仲間は4名で傍聴してきました。報道陣はテレビカメラが2台(気が付くと1台だけになっていました)、大きなレンズを付けたスチールカメラを持ったカメラマンが5~6人(出たり入ったりして途中から誰もいなくなりました)、パソコンやメモ帳、小さなカメラやICレコーダーを持ち込んで取材している記者が12~13人ほどだったでしょうか。
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今回も、まず翌21日の『朝日新聞デジタル』の記事を紹介します。

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「国と地方のあり方」衆院憲法審で議論 参考人4氏が意見

衆院憲法審査会は20日、「国と地方のあり方」をテーマに4人の参考人から意見を聞き、自治体のあり方や沖縄基地問題、国会に地域代表制を設ける是非などを議論した。

大津浩・明治大教授は「国民主権の地域的行使の場として地方自治を考えることが大事だ」と指摘。その実現のためには憲法改正も選択肢だとした。

これに対し、自民党の中谷元氏は「地域に主権があるとはおぞましいことだ」と主張。大津氏は「国民主権の中身をより豊かに広げる場合には発想は間違っていないのでは」と応じた。

佐々木信夫・中央大教授は「人口縮小時代に財政の効率性を考えると、道州制移行を本格的に検討すべき段階」と述べた。斎藤誠・東大大学院教授は多様な民意の反映や集約のため、地方議会が自治体の首長を選ぶ仕組みを提案。民進党の古本伸一郎氏は地方の意見を国政に反映させるため、「参院や、衆院比例枠に中核市の市長や議長が議席を持ってもいい」と語った。

小林武・沖縄大客員教授は沖縄の米軍基地問題をめぐり「民意を尊重し、基地建設断念が憲法のもとにある政府がなすべき選択だ」と指摘。大津氏は憲法95条の住民投票の規定を使い、スコットランドのような特別な制度と権限を沖縄に認める考えを披露した。

衆院憲法審査会の実質的な審議は約1カ月ぶり。参院の審査会は今国会が開会して一度も開かれておらず、自民党が当初描いていたスケジュールより遅れが出ている。(藤原慎一)
(4/20インターネット審議中継より)
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■20日の衆院憲法審査会での参考人の主な発言

<自民改憲草案は疑問 大津浩・明治大教授>
もはや国民の意思決定は国会に一元化できない。国民主権の地域的な行使の場として地方自治を考えることが大事だ。(国と自治体の対等性を保障するといった)立法権分有の趣旨を含む憲法92条の「地方自治の本旨」を、官僚や最高裁が認めないやむを得ない場合であれば、現在の憲法に本来あるものを明確化するための憲法改正はありうる。自民党改憲草案は、地方自治を住民に身近な自主行政に限定する意図が明確であり非常に疑問が残る。

<沖縄の問題、地方共通 小林武・沖縄大客員教授>
国と地方のあり方で、極端にゆがめられた姿を見るのは沖縄だ。地方自治の原則に照らせば、沖縄の民意を尊重して(米軍)基地建設を断念するのが、憲法のもとにある政府がなすべき当然の選択だ。特定の地域と住民に矛盾を押しつけるのは、原発事故で甚大な被害を被った福島に対する姿勢にも通底している。今なすべきは憲法に改定を加えることではなく、地方自治の充実だ。沖縄や福島の問題は、全ての地方の問題に共通する普遍性を持つ。

<首長、議会選出模索を 斎藤誠・東京大院教授>
国の立法権による過度の介入を防ぐため、地方自治法の「国と地方公共団体との適切な役割分担」の内容を憲法のレベルで規定する。現在、地域の課題に対応すべき自治体や、その連携のあり方では多様性が重要だと多く指摘されているのに、憲法上、議員と首長はそれぞれ直接公選(で選ばれる)という一律の組織体制が要請されている。多様な民意の反映と集約の視点から、首長を議会で選出する可能性も模索すべきではないか。

<人口減、道州制考えよ 佐々木信夫・中央大教授>
憲法上の条項の書き方について、地方の統治機構は国と別途規定する。「地方自治の本旨」を法律に委ねるのではなく明確に憲法に書いたらどうか。地方自治権、住民監視権などを明示したらどうか。現行憲法は国と地方の役割分担について何も書いていない。人口減少時代に財政の効率性から考えても、道州制移行を本格的に検討すべき段階ではないか。大都市や基礎自治体を基礎に置く新たな州の創造というイメージを作る必要がある。

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小林武参考人の痛烈な批判、中谷元氏のむなしい反論

この日のハイライトは、小林武参考人の「沖縄に対する国の姿勢の問題性」についての意見表明でした。以下、氏が提出されたレジメから、印象深い表現をいくつか引用したいと思います。なお、審査会での発言は、ほぼこのレジメの内容に沿って行われました。

「国と地方の関係のあり方について、その極端に歪められた姿を見るのは沖縄である。」

「地方自治の原則に照らすなら、この段階(引用者注:翁長武志氏が知事に当選したのを始めとして、名護市の市長選・市議選、衆院の4つの小選挙区選挙のすべてで新基地反対の候補者が圧勝した2014年)で、沖縄の民意を尊重して基地建設を断念するのが、憲法の下にある政府がなすべき選択であったはずである。」

「こうした民意を政府が一顧だにしようとしないことは、地方自治を蔑ろにするものであって、その下では、住民と自治体は、自らの運命を自ら選ぶことはできず、国民は自治を担う主権者として育つ機会を奪われる。つまりは、民主主義の死滅をもたらすものであるといわざるをえないのである。」

沖縄問題をめぐって、沖縄県に対して国がとっている姿勢には、法制度の運用の恣意性が際立っている。」

「2015年10月13日に知事が公有水面埋立て承認の取消しをおこなったのに対して、ただちに沖縄防衛局が行政不服審査法を持ち出して国土交通大臣に審査請求と執行停止を申し立てた……政府がここで用いた行政不服審査法は、本来、行政の違法な行為に対して『国民の権利利益の救済を図る』ことを目的とした法律である。それにもかかわらず、国は、あたかも国民(私人)に成りすましてこの制度を使っている。法の悪用ないし逆用といわなくてはならない。」

「今年3月25日、……知事はいずれ承認の撤回に踏み切ることを明言したが、これを受けて政府は、知事個人に対して損害賠償請求をすることもある旨表明した。……いわゆる『スラップ訴訟』が企図されているものと思われる。つまり、首長に、高額の賠償という懲罰を与えて、その住民の側に立つ抵抗言動を控えさせるという萎縮効果をあげることが目的とされているのである。しかし、国がこうした手法を採ることは、地方自治を機能不全に追い込むものであって、許されるものではない。」

「もうひとつは、政府の法解釈の恣意性である。新基地建設で岩礁破砕には知事の許可が必要とされる。……それにもかかわらず、沖縄防衛局は、前知事の出した許可が本年3月末で切れた後も、許可の更新をすることなく工事を続行している。その根拠は、先に名護漁協が漁業権を放棄する手続きをとったことで、漁業権は消滅したとするのが水産庁の見解だというにある。……同時に進行している那覇空港第2滑走路建設に伴う漁業権については、地元漁協が放棄の手続きをとっても岩礁破砕許可の更新は必要だとしており、あからさまな二重基準といわなければならず、法治国家において許容されるものではない。」

「こうして、沖縄については、とくに米軍基地問題をみるとき、政府のする、国・地方関係にかんする法制度の運用は、真っ当なものとは到底言うことができない。沖縄を、地理的にとどまらず、政治的・軍事的に『辺境』とみなした措置であるように思われる。特定の地域と住民に矛盾を押しつけ、苦悩を背負わせておきながら、恬として恥じないのである。そして、それは、2011年3月11日の原発事故で甚大な被害を被った福島に対する姿勢にも通底しており、問題は普遍的である。これは、立憲主義を掲げる近代国家の政府のとるべき態度ではない。国は、今こそ、憲法の原理と地方自治の原則にもとづいて自らを省みることが求められていると、明確に指摘しておきたい。」

これに対して、自民党を代表して質疑に立った中谷元氏は、1995年の県議会での県内移設決議や1999年の稲嶺知事、岸本名護市長による辺野古移設容認という過去の出来事を持ち出して「県民は一貫して反対している」わけではないと指摘したり、論拠を示すことなく行政不服審査請求は正当なものだ、損害賠償請求は地方自治体に圧力をかけるものではない、漁業権が消滅していれば岩礁破砕に知事の許可は必要ないと主張したりしましたが、自衛官出身で昨年8月まで防衛相を務め、安保法制=戦争法の成立に尽力した防衛族の有力者として「これだけは言っておかなければ」というアリバイ的な発言にすぎないと感じました。

また、上記の『朝日』の記事にあるように、別の文脈で「今、地方主権という言葉がある。地域に主権があるというのはおぞましいことであり、これはまずい表現ではないかと思う」と述べたのを聞いたときには、本当に驚きました(『朝日』の記者も仰天したのかもしれません)。しかし、よく考えてみれば、こういう認識に立たない限り、沖縄や福島に対して、今まさに行われているような酷薄な仕打ちは到底できないでしょう。つまり、安倍自公政権においてはこれが常識なのだということです。

さて、冒頭に記したように、「地方自治等」については自由討論と参考人質疑の順番が入れ替わったため、今後、改憲派が何らかの方向性、たとえば道州制の導入を打ち出してくるのかこないのか、現時点ではわかりません。27日の憲法審査会を心して待ちたいと思います。(G)

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